キャベツなどの野菜には賞味期限の記載がないので、どれぐらい日持ちをするのか判断が難しいですよね。本記事ではキャベツの賞味期限について保存法別に詳しく解説します。
キャベツを含む野菜や果物などの生鮮食品には、賞味期限や消費期限の表示の義務はありません(一部例外あり)。
そのため、キャベツはいつまで食べられるのか迷うことがあります。キャベツは玉ねぎなどの根菜と比較するとそこまで長持ちする野菜ではありませんが、正しく保存すれば最大で1ヶ月日持ちします。
今回は、キャベツがどのくらい日持ちするかを、様々な保存方法別にご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
<消費期限と賞味期限の違い>
消費期限・・・定められた方法で保存した場合において、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日。開封前の状態で保存すれば、食品衛生上の問題が生じないと認められるもの。そのため、消費期限を過ぎた食品は食べるべきではない。急速に品質が劣化しやすい食品に表示される。
賞味期限・・・定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることもある。そのため、賞味期限を過ぎた食品は必ずしもすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者自身で判断する必要がある。比較的品質が劣化しにくい食品に表示される。
キャベツを常温保存する場合の賞味期限は、3〜4日ほどです。ただし、室温が低い秋や冬の時期に限ります。秋や冬でも、暖房を使用する場合は常温保存は避け、常温保存以外の方法で保存しましょう。
常温保存するときはキャベツの芯を包丁の刃先を使ってくり抜き、くり抜いた部分に濡らしたティッシュを詰め、キャベツ全体を新聞紙で包んで冷暗所で保存します。
キャベツの芯が下になるように置くのもポイントです。キャベツが栽培されていた時となるべく同じような方向で保存することで、余計なストレスがかからず、旨みが持続します。横にしたり上下逆さにして保存すると元の状態に戻ろうとして余計なエネルギーを消費し、味が悪くなってしまいます。
キャベツを使う時は外葉から1枚ずつ剥がして使用し、詰めたティッシュは使うごとに交換するようにしましょう。
キャベツを冷蔵保存する場合の賞味期限は2〜3週間程です。
キャベツを丸ごと冷蔵する場合も、常温保存と同様に芯をくり抜いてから保存します。
包丁の刃先を使って芯をくり抜き、くり抜いた部分には濡らしたティッシュを詰めます。その後、キャベツ全体を新聞紙で包みポリ袋に入れ軽く口を閉じます。
冷蔵保存する場合も芯が下になるように冷蔵庫で保存します。芯の部分に詰めたティッシュは、キャベツを使うたびに取り替えるようにしましょう。使用していなくても、乾いてきたら取り替えるようにしてください。
キャベツを冷凍保存する場合の賞味期限は、約1ヶ月ほどです。
キャベツの冷凍保存方法には、生のまま、塩揉み、塩茹でがあります。どの場合も賞味期限に違いはなく1ヵ月なので、用途に合わせて保存方法を選びましょう。
生のまま冷凍保存する場合は、千切りやざく切りなど、お好みの大きさにカットします。カットしたキャベツを水洗いし、キッチンペーパーを使って水けをしっかりと取ります。冷凍用保存袋にカットしたキャベツを密封して入れ、冷凍室へ。なるべく平らになるように入れ、冷凍時に急速冷凍機能(ない場合は金属トレイの上に乗せて冷凍)を使うことで、短時間で冷凍することができます。
千切りにして冷凍保存したキャベツはコールスローサラダなどに、ざく切りのキャベツはスープや和え物などに使用することができます。芯ごと薄切りにして冷凍するのも◎。煮込み料理におすすめです。
塩もみしてから冷凍するのもおすすめです。
塩もみしてから冷凍する場合は、まずざく切りにしたキャベツを水洗いし、キッチンペーパーで水けを取ります。ボウルにざく切りにしたキャベツと塩(適量)を入れ手で揉みます。水分が出てくるので手で絞ってから冷凍用保存袋に入れます。空気を抜いて密封し冷凍室へ。なるべく平らになるように入れ、急速冷凍機能を使用するのもポイントとなります。
塩もみして冷凍したキャベツは、解凍してサラダなどとして食べるのが◎。
茹でてから冷凍すれば、調理時間を短縮することができます。
茹でてから冷凍する場合は、ざく切りにしたキャベツを水洗いし、さっと塩ゆでします。粗熱が取れたら(冷水に取るのも◎)水けをしっかり絞り、冷凍用保存袋に入れます。
解凍後に煮物やスープに使用したい場合は、かために茹でるようにしましょう。
乾燥させたキャベツは密閉容器に入れて常温または冷蔵で1ヵ月程保存できます。
キャベツは乾燥させることで保存期間が伸びる(常温・冷蔵に比べて)のに加えて、旨みが増す、栄養が凝縮されるなどのメリットがあります。
キャベツを乾燥させる方法は天日干し、レンジ、オーブンがあります。
乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。芯をつけたまま薄めのくし形に切って水洗いし、キッチンペーパーで水けをしっかりと取ります。重ならないようにザルに並べ、3日ほど天日干しをします。
キャベツを1枚ずつ剥がして、洗濯用ピンチハンガーに干しても◎。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に芯ごと薄くくし形に切ったキャベツを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。葉が燃えないように十分注意しながら行ってください。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に切ったキャベツを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、葉が焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
キャベツを塩や酢などに漬けて保存するときの賞味期限は冷蔵保存で2週間程です。
塩や酢につけて保存することで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。調味料が野菜に染み込み美味しくなり、ちょっとした副菜として楽しめます。
キャベツを塩漬けにして保存する場合は、ざく切りしたキャベツを洗い、キッチンペーパーで水けを取ります。水けを取ったキャベツを冷蔵用保存袋に入れ、キャベツの重さに対して3〜5%の塩を加え軽く和え、冷蔵庫で保存します。半日くらいでキャベツがしんなりとします。
キャベツの重さに対して15%の塩分を加えれば、数ヶ月保存することが可能です。ただし、塩分濃度が高いため、食べる前に30分程度水に浸けて塩抜きを行い、絞ってから食べるようにしましょう。
キャベツを酢漬けにして保存する場合は、ざく切りしたキャベツを洗い、キッチンペーパーで水けを取ります。水けを取ったキャベツを保存容器に入れ、酢150mlに対し塩小さじ1、てんさい糖大さじ1で作った漬けだれをひたひたになるように注ぎます。蓋をしっかり閉めて冷蔵庫の冷蔵室で保存します。
一晩おいたら食べ頃になります。酢には胃酸の分泌を促す作用があるので、そのまま前菜として食べたり、サラダに入れて召し上がるのがおすすめです。
カットキャベツを冷蔵保存する場合の賞味期限は1週間程です。丸ごとキャベツよりも鮮度が落ちやすく傷みやすいので、1週間を目安に早めに食べきるようにしましょう。
カットキャベツや使いかけのキャベツは、カット断面を濡らしたキッチンペーパーで覆ってから保存します。
丸ごとキャベツと同様に芯を切り落とします。濡らしたキッチンペーパーをカット断面にかぶせます。この時、芯のくり抜いた部分もしっかりと覆うのがポイントです。キッチンペーパーを被せたらポリ袋に入れ、軽く口を閉じて冷蔵庫で保存します。切り口が下になるように置くことで乾燥を防ぎ鮮度を保ちやすくなります。
茹でたキャベツを冷蔵保存する場合の賞味期限は1日〜2日です。茹でたキャベツも傷み安いので、冷蔵保存する場合はできるだけ早めに食べきるようにしましょう。すぐに食べきれない場合は、冷蔵保存よりも冷凍保存が良いです。
茹でたキャベツを冷蔵保存する場合は、水気をふきとって密閉できる容器や保存袋に入れて冷蔵庫に入れます。
キャベツを使った料理の賞味期限は2日〜3日程です。
例えば、サラダは2日程です。キャベツはカットしてから時間が経つとポリフェノールが酸化して黒っぽく変色してくるので、時間が経つと見た目も悪くなってしまいます。ポリフェノールが酸化して変色していても腐敗しているわけではありませんが、鮮度が落ちて味や食感が悪くなってしまうので早めに食べきりましょう。
ホイコウロウなど炒め物にした場合は、3日程度です。キャベツから出た水分で食材全体が傷んでしまうこともあるので、炒め物にした場合も早めに食べきることが大切です。
キャベツは乾燥に弱い野菜です。購入した後、そのまま冷蔵庫などで保存すると、すぐに葉がしなびてしまいます。
キャベツの低温貯蔵の最適温度は0℃、湿度は98〜100%といわれています。購入後はなるべく冷蔵や冷凍で保存することで鮮度を保つことが可能です。室温がぐんと低くなる冬の時期は常温保存も可能ではありますが、暖房を使用する部屋での保存は避け、冷暗所で保存するようにすることが大切です。
出典:野菜の最適貯蔵条件(農研機構)
キャベツの鮮度を保って保存するには、キャベツの芯を取り除いてから保存するのが◎。
キャベツの芯がついたままの状態だと、収穫後もキャベツが成長しようとし、葉の栄養や水分を吸い取ってしまいます。その結果、葉の鮮度や味が落ちてしまいます。
そのため、丸ごと1個や1/2個、1/4個の状態で保存する場合は、芯を取り除いてから保存するようにしましょう。包丁の刃先やヘタ取り専用のスプーンなどを使ってくり抜きます。芯を切り抜いたらティッシュを詰めることで、乾燥するのを防ぐことができます。
芯をくり抜く以外に、芯の部分に爪楊枝を刺して保存するという方法もあります。キャベツの芯には生長点という部分があり、この生長点を傷つけることで、収穫後のキャベツの成長を抑え葉の鮮度が落ちるのを防ぐことができます。
キャベツの芯の部分に爪楊枝を3本程度深く刺します。芯から飛び出た部分は、ハサミでカットします。その後は新聞紙やキッチンペーパーなどで包んで保存するようにしましょう。
当たり前ですが、新鮮なキャベツを購入し保存する方が、より長く美味しく保存することができます。新鮮なキャベツには下記のような特徴がありますので、購入時の参考にしてください。
外葉の色が濃い緑色
葉にハリがある
芯の切り口が変色しておらずきれいな白色
芯が大きすぎない(500円玉大が目安)
ずっしりとした重みがある
切り口がみずみずしく、芯が割れていないもの(カットキャベツの場合)
ちなみに、3〜5月に旬を迎える春キャベツは、葉が詰まっておらず巻きがゆるい軽いものがおすすめです。葉がやわらかいので、生で食べるのに◎。
キャベツが腐っている場合、下記でご紹介するような状態になります。このようになったキャベツは腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄しましょう。
腐ったキャベツの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に変色している
葉が溶け出している
茶色い汁が出ている
キャベツの葉や芯にフワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビ、黒く変色している箇所がある場合は黒カビが生えています。じゃがいものような根菜は表面のみにカビが生えていて中まで侵食していなければ、変色している箇所を取り除けば食べることができるといわれていますが、キャベツなどの葉物野菜は見えない部分まで侵食しやすいため破棄するのが無難です。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすこともあるため注意が必要です。
キャベツの葉は変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に茶色くなっていたり黒くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。溶け出している箇所があったり、茶色い汁が出ているなどの異変が見られることもあるので、このような場合は破棄しましょう。
腐ったキャベツの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味
生ゴミのような臭い
カビ臭い
酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなどあきらかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。
キャベツに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は、見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったキャベツの触感の特徴は下記の通りです。
柔らかい
ぬめりがある
キャベツから水分が抜けてしんなりしてしまっても腐敗しているわけではないので食べることができますが、芯まで柔らかくなってしまっている場合は、腐敗が進み溶け出してしまっている状態です。
また、表面がぬめぬめしている場合は雑菌が繁殖している可能性が高いです。新鮮なキャベツの表面はぬめりがでることはありませんので、ぬめりが出ているキャベツは破棄しましょう。
最後にキャベツの大量消費レシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
キャベツのナムルをご紹介します。ごま油とにんにく、しょうゆの風味が食欲をそそる一品です。副菜として、ぜひお試しください。
キャベツのナムルのレシピはこちら
豚肉とキャベツで作るキムチ炒めのレシピをご紹介します。ボリューミーなスタミナ満点料理です。ぜひお試しください。
キャベツと豚肉のキムチ炒めのレシピはこちら
キャベツたっぷり餃子です。お肉のうまみもしっかり味わえます。酢醤油などお好みの調味料でお楽しみください。
キャベツたっぷり餃子のレシピはこちら
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