せりは春の七草の一つとして知られている食材です。独特の香りとシャキッとした食感が特徴です。今回はせりの正しい保存方法と保存期間について詳しく解説します。せりの作り置きレシピも合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
せりは日本原産の野菜で、春の七草の一つとして名が知られています。1月7日に食べる七草粥は年末年始の暴飲暴食による胃を労る役割がありますが、実際にせりには古くから漢草として胃腸などに用いられてきました。
一般に出回っているせりは栽培ものがほとんどで、栽培もののせりの茎は緑色をしています。天然もののせりの中には赤褐色を帯びたものもあります。天然もののせりを山ぜりや野ぜり、栽培もので水田で作られるせりを田ぜり、畑で作られるせりを畑ぜりと呼ぶこともあります。
せりは七草粥以外に、秋田地方のきりたんぽ鍋で欠かせない食材です。
上述したように、一般に出回っている栽培もののせりはアクは少ないため、アク抜きは必須ではありません。しかし野生のせりはアクが強くそのまま食べると強い苦味やえぐみを感じるため、食べる前にアク抜きが必要となります。
せりのアクを抜くためには、たっぷりの湯に塩(適量)を加えてさっと茹で、茹でた後は水にさらします。香りのよさがせりの特徴なので、茹ですぎないようにしましょう。
新鮮なせりを購入する方がより長く美味しく保存することができます。新鮮なせりには下記のような特徴がありますので、購入する際の参考にしてください。
葉がみずみずしく鮮やかな緑色
香りが強い
葉先から根元までピンとしている
せりの茎が太すぎると食感がかたいことがあります。また、茎が折れていたり葉が黄色っぽく変色しているものは鮮度が落ちていることが多いので注意。
せりを常温保存する際は、洗わず新聞紙に包んで直射日光が当たらない冷暗所で立てて保存します。
せりに限らず野菜全般にいえることですが、野菜が育った環境で保存することが、鮮度を保つポイントになります。横にして保存すると、余計なストレスがかかって鮮度が落ちてしまうことがあります。
ただし、せりは鮮度が落ちやすいため、常温保存では1日ほどしか日持ちしません。美味しさをキープするためには、すぐに食べる場合でも冷蔵庫での保存をおすすめします。
せりを丸ごと冷蔵保存する際は、根元を水で湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて口を軽く閉じて野菜室で保存します。冷蔵保存する際も洗う必要はありません。食べる直前に洗いましょう。
根が付いた状態で売られていることも多いですが、その場合は根付いたままの状態で保存します。根と根元を水で湿らせたキッチンペーパーで包みましょう。
カットした状態で保存することも可能です。せりを食べやすい大きさにカットし、水で湿らせたキッチンペーパーを敷いた保存容器に入れます。せりの上からも湿らせたキッチンペーパーをかぶせ、蓋をして冷蔵庫で保存します。
キッチンペーパーはなるべく毎日取り替えるのが◎。カットした状態だと酸化しやすいため、冷蔵では一番保存期間が短く、4〜5日程度となります。なるべく早く食べ切るようにしましょう。
常温や冷蔵保存よりもより長期間保存したい場合は冷凍がおすすめです。せりは冷凍保存することで約1ヶ月ほど日持ちします。
手軽な冷凍方法ですが、生のまま冷凍するとえぐみや苦味が出やすくなります。
生のまま冷凍する場合は、まずせりを水洗いして土汚れなどを落とし、水けをキッチンペーパーで拭き取ります。根が付いてる場合は切り落とし、食べやすい長さにカットします。小分けにしてラップに包み冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。
ラップに包む際は、根は根だけで包み、茎と葉の部分は混ぜて量が均等になるようにして包むのがおすすめです。
せりは茹でてから冷凍する方法が一番おすすめです。
せりを水洗いして土汚れなどを落とし、湯1リットルに対して塩小さじ2を加えた熱湯でさっと茹でます。茹で時間の目安は、根を20秒ほど茹でた後に茎の部分を浸して5秒ほど、最後に葉も浸してさらに5秒です。
茹でたら冷水にとり、水けを絞り、さらにキッチンペーパーでしっかり水けを拭き取ります。根を切り落とし、茎と葉の部分は使いやすい長さにカットします。小分けにしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。
ラップに包む際は、根は根だけで包み、茎と葉の部分は混ぜて量が均等になるようにして包むのがおすすめです。
せりは乾燥させてから保存することもできます。乾燥させたせりは常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます。
乾燥させたせりは、調理前に水またはお湯に戻して使用するか、炒め物には乾燥したまま使用してOKです。
せりを水洗いし、水けをキッチンペーパーで拭き取ります。使いやすい長さにカットしたらザルに重ならないように広げて天日干しします。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に洗って水けを拭き取り、食べやすい大きさにカットしたせりを並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのが電子レンジで乾燥させる方法です。
耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にせりを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
せりは酢や塩、油などに漬けて保存することもできます。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。せりの漬け保存は、冷蔵で2週間ほど日持ちします。
せりを水洗いし、水けを拭き取ります。食べやすい大きさにカットしたら冷蔵用保存袋に入れ、そこに塩(適量)を加えて軽く揉み密封し冷蔵保存します。
塩の量ですが、基本的にせりの重量の3〜5%加えましょう。しっかり日持ちさせたい場合は10〜15%の塩を加えます。ただしそのまま食べると塩気がとても強いので、食べる前に水を張ったボウルにせりを漬けて塩を落としてから調理に使用しましょう。
醤油漬けにする際も、水洗いし水けを拭き取り食べやすい大きさにカットします。冷蔵用保存袋もしくは保存容器にカットしたせりを入れ、醤油ダレ(醤油:酒:みりん=1:1:1)を入れ全体を和え蓋をして冷蔵保存します。
最後に、せりの作り置きレシピをご紹介します。作り置きレシピは冷蔵で2〜3日ほど日持ちします。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
独特の香りと食感のせりをおひたしにした副菜です。
せりののおひたしのレシピはこちら
独特な食感のせりをごま油であえたひと品です。
セリのごま油あえのレシピはこちら
爽やかな食感のせりをにんにくを効かせたナムルに仕上げました。
セリのナムルのレシピはこちら
春の七草の一つのせりを、からしをアクセントにした酢みそあえのレシピです。
セリの酢みそあえのレシピはこちら
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