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加重シットアップのやり方。重量と回数の設定。効果を高めるコツも解説

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加重シットアップのやり方。重量と回数の設定。効果を高めるコツも解説

加重シットアップは、重り等を載せて実施するシットアップを指します。今回は、加重シットアップのやり方及びコツについてご紹介します。

加重シットアップとは

シットアップとは

シットアップは英語で「sit-up」で、「座った状態で起き上がる」エクササイズを指します。これはいわゆる「腹筋」と呼ばれるエクササイズです。

シットアップは非常にメジャーなエクササイズである一方で、実は難度はかなり高いです。非常に広く実施されていますが、正しく実施できている人はかなり少ないのが現状です。

通常シットアップは数十回をノルマに設定させることが多いですが、正しいフォームでシットアップを実施すると、そのような高回数を実施するのはほぼ不可能です。上級者でも10回程度を実施するのもかなり難しく、言い換えるならば、それくらいの意識をもってシットアップを実施するのが重要です。

加重シットアップとは

加重シットアップとは、ダンベルやウェイトプレートにより負荷を高めたシットアップの総称です。

シットアップで負荷を高める方法はいくつかありますが、最も一般的な方法がダンベルもしくはウェイトプレートを持って実施することです。ウェイトやダンベルを持つことで自重が増大したような状態になり、シットアップの効果を高められます。

加重シットアップは重りを持つ位置で負荷が変わるなど、ノーマルなシットアップにはないテクニックがあるので、本記事で詳しく解説していきます。

腹直筋が鍛えられる

腹直筋のイラスト

加重シットアップでは腹直筋を鍛えることができます。

腹直筋とは、お腹の部分にある筋肉です。腹直筋と聞くと、なんとなく馴染みのない感じがしてしまいますが、いわゆる「腹筋」と呼ぶ筋肉は腹直筋を指します(厳密には、腹筋は、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋の総称です)。

筋トレを少ししたことがある人ならば、「シックスパック」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、シックスパックとは特に腹直筋が身体の表面に浮き出た状態を指します(ちなみに、シックスパックは人によって様々な形をしており、エイトパックだったり、フォーパックだったりします)。

加重シットアップの効果

お腹まわりをすっきりさせる

シットアップで腹直筋を鍛えることで、特にお腹周りについている脂肪を燃焼することを期待できます。しかし、腹直筋だけを鍛えるということで得られる効果は限定的です。腹直筋を鍛えるエクササイズに加えて、有酸素運動や食事制限を行う必要があります。

ちなみに、シックスパックを作りたい場合も同様で、計画的な有酸素運動と食事制限を実施する必要があります。

注意したいのが、 腹直筋を鍛えすぎるとむしろウエストが太くなる可能性がある点です。脂肪を燃焼させたいのか、がっつり筋肉をつけたいのか、目標によってダンベルの重さ、実施する回数を組む必要があります。

基礎代謝の改善

腹直筋は、身体の中ではそこまで大きな筋肉ではありません。そもそも腹直筋が分類される腹筋があまり大きい筋肉とはいえません。

代謝を上げることを主目的とするならば、大腿四頭筋大臀筋など大きい筋肉を主に鍛えるべきです。

とはいえ、腹直筋は腹筋の中では最も大きい筋肉であり、シットアップで鍛えることで基礎代謝の改善効果を期待できます。代謝を改善するということは、脂肪を燃焼させやすい身体を作るということであり、ダイエットの下地を作ることができます。

朝に実施することで、一日の代謝がアップすることが期待できるのでおすすめです。

姿勢の改善、腰痛の予防・改善

腹直筋は背筋とともに上半身を支える筋肉です。そのため、シットアップを実施することで、猫背の予防、改善の効果が期待できます。

ちなみに、反り腰はもともと猫背が原因になっていることが多いです。 また、腹直筋には骨盤の角度を調整する役割もあります。

腰痛は、姿勢が悪化し、上半身と下半身の付け根である腰に負担がかかることが原因の一つです。そのため、腹直筋を鍛えることで姿勢が改善すると、腰痛も予防・改善できる可能性があります。

加重シットアップのやり方

フォーム

  1. ダンベルもしくはウェイトプレートを持ち、膝を立てて仰向けになる。
  2. 腹直筋に負荷が入る部分まで状態を僅かに上げ、これをボトムポジションとする。
  3. 顎を出しながら上体を上げる。
  4. 顎を引きながらゆっくりボトムポジションまで戻す。
  5. 3から4を繰り返す。

重さ

初心者

筋トレ初心者の加重シットアップの目安の重量は3〜5 kg程度です (体重にもよります)。

加重シットアップは、動作自体は単純ですが、重量を扱い辛い種目です。そのため、やや軽めの重量で実施することが重要であり、以上では3〜5 kgという数値を挙げましたが、実際には、自身の筋肉量に合わせて12〜15回をきちんと(ある程度余裕のある形で)実施できる重量を選択するようにしましょう。

少し慣れたら

加重シットアップに少し慣れた方の加重シットアップの目安の重量は5〜8 kg程度です(自身の体重にもよります)。

加重シットアップは少し慣れてくると、重量を扱うことでできるようになります。それでも、重量を扱うとフォームがかなり崩れやすくなるという問題から、やや軽めの重量で行うようにしましょう。以上では5〜8 kgを挙げましたが、この重量はあくまでも目安であり、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせて加重シットアップを12〜15回実施できる重量を選択するようにしましょう。

上級者

筋トレ上級者の加重シットアップの目安の重量は30 kg以上です(自身の体重にもよります)。

筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、加重シットアップで40 kg以上を扱うことができれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、これはあくまでも「正確な可動域」の中で実施した場合の話です。可動域を限定すれば、加重シットアップでもかなりの重量を扱うことが期待できますが、エクササイズ強度は低下するため、「正確な可動域」で実施できる重量を選択するようにしましょう。

回数

初心者

筋トレ初心者の場合、加重シットアップは12〜15回を3セット実施します。

シットアップは、きちんと実施するとエクササイズ強度は比較的高いエクササイズです。そのため、一般的な筋トレで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施できるような重量を設定して行うようにしましょう。

少し慣れたら

加重シットアップに少し慣れた方の場合、加重シットアップは、ウォーミングアップのセット、仕上げのセットを追加して5セット実施するようにします。

加重シットアップに少し慣れた方の場合、まず、ウォーミングアップのセットを追加します。ウォーミングアップのセットは、12〜15回を実施できる重量設定にします。次に、仕上げのセットを追加します。仕上げのセットでは、本番の3セットに対して少しだけ重量を減らして15回きっちりとできる重量設定をするようにしましょう。

上級者

筋トレ上級者の場合、前述したやり方に加えて、アセンディング法、スーパーセット等を実施するようにします。

アセンディング法とは、別名ピラミッドセットと呼ばれる方法です。Max重量の50%で12回程度、Max重量の60%で10回程度、Max重量の70%で8回程度、Max重量の80%で6回程度、Max重量の85%で4回程度と徐々に重量を増やしていきながら、それに伴って実施回数を減らすやり方です。怪我を防止しながら高強度のトレーニングを実施できるため、おすすめの方法です。

スーパーセットとは、2種類の種目をインターバルなしで実施する方法です(3種目実施する場合にはトライセット、5種目以上実施する場合にはジャイアントセットと呼ばれます)。スーパーセットの種目の設定方法は様々であり、例えばシットアップと一緒に実施するならばシットアップ、アブローラー、オブリーククランチなどを実施するのがおすすめです。回数設定に厳密な指定はありませんが、基本的には何れの種目も12〜15回実施できるようにしましょう。

加重シットアップの効果を高めるコツ

腹直筋に負荷が入る範囲で実施

加重シットアップに限らず、ほぼ全てのエクササイズではエクササイズ実施中、常に負荷が入っていることが重要です。

加重シットアップの場合、よく実施されているフォームは「背中が床についた状態」から「お腹が太ももに付く状態」まで「上げ切る」というものです。しかし、これではボトムポジション(身体が最も低い位置にある状態)とトップポジション(身体が最も高い位置にある状態)で負荷が抜けています。

これを防ぐためには、「背中が床に対してやや上がった状態」から、「腹直筋の負荷が抜けない状態」までを可動域と設定して実施する必要があります。このことから、通常の「一般的に実施されているシットアップ」に対して可動域がかなり小さくなることに留意して実施するようにしましょう。

トップポジションで顎を出す

加重シットアップなどの腹直筋を鍛えるエクササイズは、筋肉をしっかり収縮させることが重要とされます。

加重シットアップにおいてはトップポジション(上体が起き上がった状態)でしっかりと腹直筋を収縮させる必要があります。

具体的には、トップポジションに移行するに伴い「顎を出す」ようにすることで、自然と腹直筋が収縮します。逆にボトムポジション(上体が床に付きそうな状態)では顎を引くようにします。

回数

一般的に実施されているシットアップは、30回、40回、場合によっては100回単位の高回数で実施されることがありますが、あまりおすすめできません。

なぜなら、正しいフォームでシットアップを実施すると、これだけの高回数で実施するのはまず不可能だからです。高回数でシットアップが実施できている場合は、フォームの崩れをまず疑いましょう。

また、加重シットアップは腰を痛めやすいエクササイズで、高回数を実施するのは危険です。

ダンベルシットアップは、通常のシットアップよりも負荷が高いため、なおさらこの傾向が顕著で、回数は多くても15回程度に留めるようにしましょう。

重りの位置

加重シットアップでは、ダンベルまたはウェイトプレートの持つ位置によって負荷が大きく変わります。

基本の加重シットアップでは、重りを胸前で持って実施しますが、これは重りを上半身で支えることになり、そこまで負荷は高くありません。

一方、重りを頭の後ろで持つと負荷が劇的に高まります。

加重シットアップをまず実施する場合には、胸前に把持する方法で問題ありませんが、慣れてきたら頭の後ろでも把持するようにしましょう。ただ、このように実施すると重量を扱い辛くなるため注意が必要です。

重量設定

ダンベルまたはウェイトプレートを胸前に把持して実施する場合は高重量を扱いがちですが、そうすると高確率でフォームが大きく崩れるため推奨されません。

実際には、やや軽すぎるくらいの重量設定で実施するのがよく、これによりしっかりと可動域を設定する中で負荷を高めることが期待できます。

腹直筋の動きを意識

加重シットアップに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、腹直筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での上腕三頭筋の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

動作のスピード

加重シットアップに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。

具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。

ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。

呼吸

加重シットアップに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。呼吸は、筋肉の伸展と収縮を促し、加重シットアップでは、上体を下ろすときに息を吸い、上体を上げるときに息を吐くことを意識しましょう。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

加重シットアップと一緒にやりたい筋トレ

シットアップ

シットアップ

なぜ一緒にやるのがおすすめか

シットアップは、加重シットアップの基本となる種目であるためです。

シットアップは、加重シットアップと同様に腹直筋全体を刺激するエクササイズです。実際に実施する場合には、シットアップをウォーミングアップ種目として先に実施し、加重シットアップを本番種目として実施するようにしましょう。

やり方

  1. 膝を立てて仰向けになる。
  2. 手を頭の後ろに回す。
  3. 腹直筋に負荷が入る部分まで状態を僅かに上げ、これをボトムポジションとする。
  4. 顎を出しながら上体を上げる。
  5. 顎を引きながらゆっくりボトムポジションまで戻す。
  6. 4から5を繰り返す。

回数

シットアップは、12〜15回3セット実施します。

シットアップは、腹直筋全体を鍛えるエクササイズですが、腰をかなり痛めやすいエクササイズです。このため、レッグレイズと同様に回数を多くして実施しないことがポイントであり、一般的なエクササイズでの推奨回数である12〜15回を実施するようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • 腹直筋に負荷が入る範囲で実施する(=上体を上げすぎない、下げすぎない)。

  • トップポジションで顎を出す。

  • 上体を上げるときはしっかりと息を吐き、戻すときに息を吸う。

  • 高回数で実施しない。

レッグレイズ

レッグレイズ

なぜ一緒にやるのがおすすめか

レッグレイズは、加重シットアップでは集中的に鍛えることが難しい腹直筋下部を鍛えることができるためです。

レッグレイズは、腹直筋下部を鍛えるためのエクササイズであり、エクササイズ強度は加重シットアップと比較すると高くありません。実際に実施する場合には、加重シットアップを先に実施し、レッグレイズをその後に実施することで腹直筋全体をバランス良く鍛えることを期待できます。

やり方

  1. 仰向けになり、両手はお尻の下に配置し、膝はやや曲げた状態に設定する。
  2. ボトムポジションを踵が床にぎりぎり付かない位置に設定する。
  3. 脚を素早く挙げて、床と太ももの角度が75度程度になる部分をトップポジションに設定する。
  4. 脚をゆっくり下げて2に戻る。

回数

レッグレイズは、15〜18回3セット実施します。

レッグレイズは、腹直筋下部を鍛えるための標準的な腹筋のエクササイズです。基本のレッグレイズはそこまで負荷が高くないため、標準的な筋トレの回数よりもやや回数が多い15〜18回を実施します。

効果を高めるポイント

  • とにかく足の動きをコントロールする。

  • 腹直筋下部を鍛えるときよりも、トップポジションをやや深めに設定する。

  • 足を床ぎりぎりまで下げる。

  • 膝を真っ直ぐにしすぎない。

  • 呼吸を意識する。

クランチ

クランチ

なぜ一緒にやるのがおすすめか

クランチは、加重シットアップでは集中的に鍛えることが難しい腹直筋上部を鍛えることができるためです。

クランチは、腹直筋上部を鍛えるためのエクササイズであり、エクササイズ強度はそこまで高くありません。実際に実施する場合には、加重シットアップを先に実施し、クランチをその後に実施することで腹直筋全体をバランス良く鍛えることを期待できます。

やり方

  1. 仰向けになった状態で両手を頭の後ろに設定する。
  2. へそを見る様に背中を丸めながら上体を起こす。
  3. ゆっくりと元の姿勢に戻る。
  4. 2から3を繰り返す。

回数

クランチは、12〜15回3セット実施します。 クランチは、腹直筋上部を鍛えるエクサイズであり、可動域は小さいですが、しっかりやるのが中々難しい種目です。このため、回数を多くこなそうとするのではなく、回数は抑えめで、しっかりとフォームを維持できる回数で実施するのが重要であり、そのために、一般的なトレーニングで標準的な回数とされている12〜15回を3セット実施しましょう。

効果を高めるポイント

  • 肘の動きを意識。

  • 腹直筋上部の動きを意識。