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レッグカールで膝裏が痛い原因。対処法と正しいフォームを解説

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レッグカールで膝裏が痛い原因。対処法と正しいフォームを解説

レッグカールを実施していると、膝裏が痛いと感じる場合があります。今回は、レッグカールを実施している中で膝裏が痛いと感じる原因と対策についてご紹介します。

レッグカールとは

レッグカールは英語で「leg curl」で、「足をカールさせる」種目を指します。よく似た名前の種目に、レッグエクステンションがありますが、こちらは英語で「leg extension」で「足を伸展させる」種目を指します。レッグカールが太ももの裏側の筋肉を鍛えるための種目であるのに対して、レッグエクステンションは太ももの表側を鍛えるための種目です。

レッグカールは、太ももの内側、つまりハムストリングスを鍛えるための種目であり、その中でもハムストリングスを収縮させて鍛えます。ハムストリングスを鍛えるために最もオーソドックスな種目であり、トレーニング初心者から上級者までレベルを問わずおすすめの種目です。

レッグカールで膝裏が痛い原因

トップポジションの設定

レッグカールを実施する際に、トップポジションで完全に膝を伸ばしていると膝裏が痛いと感じることがあります。

レッグカールを実施する際に、膝を伸ばすとハムストリングスを伸展させることができるため、一概に膝を伸ばし切ることが間違いとは言えません。ただし、膝を伸ばすということは、膝に負担がかかるということと同義であるため、レッグカールを実施しているときに膝が痛いと感じることがあります。

この場合、レッグカールで膝を伸ばし切らないようにします。トップポジションで膝がやや曲がった状態にすることで膝が痛くなることを防ぐことを期待できます。

座面の設定

レッグカールを実施する際に、座面が奥側に設定されすぎていると膝裏が痛いと感じることがあります。

レッグカールでは、パッドと大元のマシンの支点と膝を合わせる必要がありますが、このとき、膝がこれよりも座面側にあるとハムストリングスの下部ばかりに刺激が入ります。ハムストリングスの下部に刺激が入るということは、膝にも負荷が入るということであり、レッグカールを実施しているときに膝が痛いと感じることがあります。

この場合、座面を正確に設定します。通常、座面は深く設定しがちであるため、やや浅くして、しっかりと支点と膝の位置を確認するようにしましょう。

重量設定

レッグカールを実施する際に、重量が重すぎると膝裏が痛いと感じることがあります。

レッグカールは、慣れると重量を扱うことができるようになります。ただし、自身が扱うことができる重量以上を扱おうとすると、膝に無理に力を入れて動かそうとしてしまい、レッグカールを実施しているときに膝が痛いと感じることがあります。

この場合、適正な重量設定を行うようにします。しっかりと可動域を設定できる程度にまで重量を落として実施するようにしましょう。

膝を痛めている

レッグカールを実施する際に、当たり前ですが、膝を痛めながら実施すると膝裏が痛いと感じる原因になります。

膝は一度怪我をすると、完全に回復するのは難しい部位であることから、無理は禁物です。
これを防ぐためには、膝に異変を感じた場合には、下半身の運動の実施を控えることであり、場合によっては病院の受診も検討しましょう。

正しいレッグカールのやり方

フォーム

  1. シーテッドレッグカールマシンに座る。
  2. 脚首にパッドを合わせる。このとき、パッド部分の深さを調整する本体部において膝がくるようにマシンの座面、背面を合わせる。
  3. 脚首を立てた状態で、ハムストリングスが完全収縮する部分までパッドを動かす。
  4. 脚首を立てたままゆっくり戻す。

重量

初心者

筋トレ初心者のレッグカールの目安の重量は25〜30 kg程度です (自身の体重にもよります)。

レッグカールは、ハムストリングスを鍛えるエクササイズであるため、筋トレ初心者はあまり重量を扱えないケースが多いです。以上では重量は25〜30 kgと述べましたが、実際には、自身の筋肉量に合わせて12〜15回をきちんと(ある程度余裕のある形で)実施できる重量を選択するようにしましょう。

少し慣れたら

レッグカールに少し慣れた方のレッグカールの目安の重量は30〜40 kg程度です(自身の体重にもよります)。

レッグカールで鍛えるハムストリングスは比較的サイズが大きい部位であることから、鍛えると比較的早い速度で扱うことができる重量が伸びます。ただし、少し慣れた場合でもむしろフォームをしっかり意識するという意味で、やや軽い重量で行うようにしましょう。以上では30〜40 kgを挙げましたが、この重量はあくまでも目安であり、前述したように実際には自身の筋肉量に合わせてレッグカールを12〜15回実施できる重量を選択するようにしましょう。

上級者

筋トレ上級者のレッグカールの目安の重量は100 kg以上です(自身の体重にもよります)。

筋トレ上級者をどのように定義するかで変わってきますが、一般的に、レッグカールを100 kg以上を扱って正確なフォームで実施できれば比較的筋トレ上級者であると言えます。ただし、これはあくまでも「正確なフォームで実施した場合」の重量です。足の引きが甘いと高重量を扱うことができるため、きちんと可動域を設定した状態で実施するのがおすすめです。

回数

初心者

筋トレ初心者は、レッグカールを12〜15回3セット実施します。

レッグカールは、負荷の高い種目であり、ハムストリングスが初心者はあまり発達していないことが多いため、特に筋トレ初心者の方は多回数を実施するのは難しいです。このため、フォームをしっかり確認するという意味で、まずは12〜15回3セット実施しましょう。

少し慣れたら

レッグカールに少し慣れてきたら、12〜15回5セット実施します。

レッグカールは慣れてくると、ハムストリングスの発達により安定して実施することを期待できます。そのため、レッグカールに少し慣れてきたら、初心者のときよりもセット数をやや増やして、12〜15回5セット実施するようにしましょう。

上級者

上級者の場合、レッグカールを実施する際には、その他の足の筋肉を鍛える種目と組み合わせて実施します。

上級者がレッグカールを実施する場合には、ウォーミングアップ種目として実施します。本番種目として、ルーマニアンデッドリフト、スクワットなど種目を実施するのがおすすめです。この場合、レッグカールを12〜15回を実施し、ルーマニアンデッドリフト、スクワットを10〜12回3セット実施しましょう。

レッグカールの効果を高めるコツ

しっかり引き切る

レッグカールでは、しっかり引き切ることでハムストリングスが最大限に収縮しエクササイズ効率を高めることを期待できます。

レッグカールは、トップポジション、ボトムポジションの何れでもターゲットとなるハムストリングスに負荷を与えることを期待できます。その一方で、特にレッグカールでいい加減になりがちなのがボトムポジションであり、これは重量を扱うにつれてしっかりと引くことが難しくなるためです。

そのため、レッグカールではしっかり引き切ることを意識することが重要であり、そのために重量をやや軽めに設定して実施することも有効です。

つま先を立てる

レッグカールでは、可動域の全てにおいてハムストリングスに負荷が入っていることが必要です。そのためには、つま先を立てることが有効です。

実際に座った状態でやってみるとわかりますが、つま先は立てるとハムストリングスが伸びた状態になります。この状態でレッグカールを実施することで、ハムストリングスの伸展、及びその状態からの収縮をすることができるためエクササイズ効率を高めることを期待できます。

座面の位置

レッグカールでは、膝の位置設定が重要です。

基本的には、足と接触する部分のマシン側の支点と、膝の位置が一致する必要があります。そのためには座面をしっかりと設定する必要があるのですが、多くの人は座面をやや後方に設定しがちです。このようにするとハムストリングスの下部ばかりに刺激が入りエクササイズ効率が低下します。

これを防ぐために、レッグカールではしっかりと座面を前側に設定することが必要です。

鍛えている部位の動きを意識

レッグカールに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。

このため、最初は難しいですが、レッグカールで鍛えている部位の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中でのそれらの筋肉の動きを意識するのがおすすめです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。

重量設定

レッグカールでは、前述したようにしっかり引き切ることが重要です。

レッグカールでは重量を重くするほど負荷を高めることができます。実際に、トップポジションでは、スタートポジションからやや動かせば良いため、高重量でもハムストリングスを伸展させることができます。ただ、レッグカールはあくまでもしっかり引き切ることが負荷を与える種目であるため、そのためには重量をやや軽くする必要があります。

目安としては、少し軽すぎるくらいで設定して、むしろ最大までハムストリングスが収縮するところまで動かすようにしましょう。

動作のスピード

レッグカールに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。

具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスーパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。

ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。

呼吸

レッグカールに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。レッグカールでは、足を下げるときに息を吐き、戻すときに息を吸います。

慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。

膝裏への負担が少ない他の筋トレ

プランク

プランク

やり方

  1. 腕幅を肩幅にし、肘及びつま先を床について上半身から下半身までを一直線にする。
  2. 1の状態で身体をキープする。

回数

プランクは、まずは30秒を3セット実施します。

プランクは、動作自体は膝付きプランクに対して、脚を伸ばして実施するだけですが、体重をつま先と両腕で支えることになるため、比較的負荷が高いエクササイズです。そのため、まずは、30秒を3セットをしっかりとポイントを守りながら実施するようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • 上半身から下半身までを一直線にする。

  • 臀部を"張る"(=外旋する)ようなイメージを持つ。

  • 正面を向く。

バックキック

やり方

  1. 四つん這いになる。
  2. 片足を床から離し、脚を伸ばすようにして蹴るように動かす。
  3. ゆっくり元に戻す。
  4. 2から3を繰り返す。

回数

バックキックは、まずは片足12〜15回を両足で3セット実施しましょう。

バックキックは自重(自分自身の体重の重さ)のみで行う場合、臀部及びハムストリングスには自身の脚の重量のみしか負荷がかかりません。このため負荷としてはそこまで高くないので、フォームをしっかりと守って実施する必要があります。そのため、まずは回数は少ないかもしれませんが、片足12〜15回を両足で3セットをしっかり実施するようにしましょう。

効果を高めるポイント

  • 脚はできるだけ高く。

  • アンクルウェイトの使用。

  • トップポジションで静止する。

  • チューブを使う。

  • マシンを使う。

ダンベルルーマニアンデッドリフト

やり方

  1. 両手にタンベルを把持する。
  2. 脚幅を腰幅程度に設定する。
  3. 臀部主導で、お尻を後ろに突き出すことで上半身が曲がっていくことを意識し、これ以上お尻を突き出せない部分まで上半身を曲げる。
  4. 膝をロックしない ところまで身体を戻す。
  5. 3〜4を繰り返す。

回数

ダンベルルーマニアンデッドリフトは、10〜12回3セットを実施します。

ダンベルルーマニアンデッドリフトは非常にエクササイズ負荷の高い種目であり、高回数を実施しすぎると腰に負担をかけてしまうため注意が必要です。そのため、基本的には10〜12回3セットを目安に実施しましょう。

効果を高めるポイント

  • お尻の動きを意識する。

  • ダンベルの重量設定を重すぎないようにする。

  • 背中を張ったまま実施する。

  • トップポジションで膝をロックしない。

  • 上半身をゆっくり下げる。