プランクは腹筋運動の一種なので、呼吸法が大変重要な種目です。静的トレーニングなので呼吸が意識しやすい特徴もあります。この記事ではプランク時の正しい呼吸の仕方を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
プランクとは、体幹の基本エクササイズの1つです。語源は英語で「厚板(あついた)」を意味する「plank」です。手足で身体を支え真っ直ぐ硬直させる姿を表しています。
通常のプランクは「ノーマルプランク」「フロントプランク」「フロントブリッジ」「ロープランク」などといわれます(「ロープランク」は腕立て伏せの一番低いポジションをキープする体勢を指す場合もあります)。
プランクは、体幹を鍛えるうえで非常に効果的です。体幹とは胴体のことで、具体的には腹筋と背筋に負荷がかかります。プランクを実施することで、身体の中で筋肉を付ける環境を整えることができ、各エクササイズをより効果的に実施することができるようになります。
プランクに限らず、腹筋運動では呼吸法が極めて重要です。腹筋は収縮したときに負荷がかかり鍛えることができます。息をお腹からゆっくり吐いてみると腹筋が収縮するのが分かると思います。つまり、息を吐くだけで腹筋は鍛えることができるということです。プランクなどの腹筋に負荷がかかるエクササイズに、この呼吸法を組み合わせることで、効果を最大化できます。
エクササイズには動的トレーニングと静的トレーニングがありますが、プランクは後者に分類されます。静的トレーニングなので、呼吸が意識しやすいのが、プランクの嬉しい特徴です。
筋肉が伸張するときに息を吸い、筋肉が収縮するときに息を吐くのが腹筋トレーニングの基本です。
身体が一直線になる姿勢をキープすることで体幹を鍛えるプランクでは、腹筋が伸長したり収縮したりはないため、単に「息を吐く」ことをしっかり意識することが大切です。息をしっかり吐き、腹筋(と背筋)が収縮していることを感じ取りましょう。
プランクでは深く息を吸い、長い時間をかけてゆっくり吐き出すことを意識しましょう。呼吸がどうしても浅くなってしまう場合は、強く息を吐いて腹筋に力を入れるという方法もあります。
吐いてばかりだと酸欠になったり、血管に負担がかかるので注意しましょう。ゆっくり呼吸をしつつ、特に吐くことに意識を向けることが大切です。
正しい呼吸を意識して実施できるよう、呼吸を数えるのもおすすめです。1セット30秒で実施した場合、約5回の呼吸が目安です。呼吸を数えることで集中力を高めることができ、呼吸を止めてしまうことを防ぐこともできるので慣れるまでは呼吸を数えるのは大変おすすめです。
呼吸法は大別して胸式呼吸と腹式呼吸の2つがあります。簡単に説明すると、呼吸をしたときに胸が動くのが胸式呼吸、お腹が動くのが腹式呼吸です。日常生活では、胸式呼吸をすることが多いです。
呼吸は自立神経と大きな関わりがあります。自立神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、交感神経はアクセスの役割で身体が活動モードの時に優位になります。副交感神経はブレーキの役割で休養モードの時に優位になります。胸式呼吸では交感神経が、腹式呼吸では副交感神経が優位になるといわれています。
よくいわれるのが、運動中に腹式呼吸をして副交感神経を優位にすべきではない、ということです。しかし、プランクは腹筋運動の一種なので、腹式呼吸が推奨されます。また、プランクは静的なエクササイズなので副交感神経が高まりリラックス状態になってもあまり問題がないといえます。
上述した通り、腹筋は収縮と伸張によって刺激を入れることができるので、腹式呼吸でお腹を膨らませたり凹ませたりするのが効果的です。ゆっくり鼻から吸って口から出す深呼吸をすると、酸素を効率よく取り込むことができるのでおすすめです。
プランクは、筋力のない人や慣れていない人が実施すると30秒でも正しい姿勢をキープするのがきつく、呼吸を止めて踏ん張ってしまいがちです。
プランクは呼吸をすることで腹筋と背筋を刺激することができるので、呼吸をとめてしまうと効果が半減してしまいます。また、血圧が上昇してしまったり、心臓に負担がかかってしまう場合もあるので注意が必要です。
ついつい呼吸を止めてしまうという人は、慣れるまで「フー」と声に出して、呼吸を止めない癖をつけましょう。インターバルでしっかり呼吸を整えるのも大切です。
プランクで一定時間が経つと呼吸がしづらく感じる場合は、フォームが正しいか確認しましょう。
まずプランクの効果を高めるためには、身体を一直線にするのが大前提です。腕は床に対して垂直にする(肘の角度が90度)と、身体が支えやすく、呼吸がしやすいです。また、首も身体と同じく一直線になるように設定し、目線を手と手の間にもってくると呼吸は一番楽です。
プランクの首の位置の設定に関しては、他にも腹筋・背筋への負荷を高めるために首を上げて目線を正面にもってくる方法もあります。腹筋を意識するために、首を垂らしておへそを見る方法もあります。これらはどれも中上級者向けで、呼吸はしづらくなるので初心者の方は避けましょう。
フォームを整えても呼吸が苦しい場合は、プランクをやめ、安静にしましょう。
通常のプランクがキツくてなかなか呼吸が意識できない人におすすめなのが、まずは膝つきプランクで呼吸法を練習することです。
膝つきプランクはその名の通り、通常のプランクを膝を床につけながら実施するだけです。負荷がぐっと下がるので呼吸を意識しやすいです。
プランクをせず呼吸だけで体幹を鍛えるエクササイズが「ドローイン(グ)」です。プランクを実施せずにドローインのみをやるのもありです。プランクの呼吸法の練習のために取り入れるのも、もちろん◎。
ドローインとは、呼吸だけで体幹を鍛えることができるエクササイズです。
ドローインは、インナーマッスルでコルセット筋とも呼ばれる腹横筋を刺激する呼吸方法で、簡単にいうとお腹が凹んだ状態を維持することで、腹筋に負荷をかけることができます。
負荷になれてきたら徐々に秒数を伸ばしていき、最終的には立った状態でお腹を凹ませながら通常の呼吸ができるようになるのがベストです。
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