大腿四頭筋は、身体の中でも非常に大きい筋肉であり、鍛えることで代謝の改善等を期待できます。今回は、大腿四頭筋を鍛えるコツ及び方法についてご紹介します。
大腿四頭筋は、太ももの前面についている筋肉であり、大腿直筋(だいたいちょっきん)、内側広筋(ないそくこうきん)、中間広筋(ちゅうかんこうきん)、外側広筋(がいそくこうきん)から構成されています。中間広筋は深層にあり、大腿直筋がかぶさっています。
大腿直筋は、大腿四頭筋の表層の中央部に相当し、膝関節の伸展、股関節の屈曲に寄与します。大腿直筋が発達していると、大腿四頭筋の凹凸感がはっきりするようになることが期待できます。
外側広筋は、大腿四頭筋の外側に相当し、膝関節の伸展に寄与してます。大腿四頭筋の見た目に対して重要な役割を果たしており、外側広筋を鍛えていると正面から見た時の太ももの太さが際立つことが期待できます。
中間広筋は、大腿四頭筋の深層の中央部に相当し、膝関節の伸展に寄与します。中間広筋は、深層にあるため、外から確認することが難しい部位ですが、下半身を安定化させるためには重要な筋肉です。
内側広筋は、大腿四頭筋の内側に相当し、膝関節の伸展に寄与します。内側広筋を鍛えることで膝の保護や安定性に寄与することが期待できます。
大腿四頭筋は、筋群で比較したとき身体の中で最も大きな筋肉であり、鍛えることで見た目はもちろんですが、効率的に代謝を改善し、ダイエット効果を期待できます。
大腿四頭筋は、筋群で比較した場合には身体の中で最も大きい筋肉群です。これにより、筋肉をつけやすく、それに伴って代謝の改善を期待できます。大腿四頭筋をつけることで改善できるのは基礎代謝であり、例えば、体温が1度上昇することで代謝量は13%程度向上すると言われています。このため、大腿四頭筋を鍛えることで代謝を改善するということは、ダイエットの近道であるということが言えます。
大腿四頭筋を鍛えることで大腿前部の脂肪を燃焼させることを期待できるため、これにより、ある程度までならば太ももの引き締め効果を期待できます。ここで重要なのが、「ある程度までならば」という点であり、大腿四頭筋は鍛えすぎると、引き締め効果よりも筋肥大効果が優勢となり、これにより、筋肉質で太くて大きい太ももになります。大腿四頭筋は、そもそも筋肉として非常に大きいため、トレーニング経験がなくても比較的高負荷のエクササイズを行うことができます。これが、太ももが筋肉質で太くなりやすい原因となるため、太ももの引き締め効果を狙って大腿四頭筋を鍛える際には、重量、回数設定には細心の注意を払いましょう。
冷え性、むくみは身体の血流が悪くなっているからこそ発生します。大腿四頭筋は、前述したように、筋肉が大きいからこそ、鍛えることで血流を効率よく改善することができます。特に、現代人はデスクワークなどで座った状態で長時間の仕事をする人も多いことから、下半身がむくみやすく、かつ下半身の末端部で冷え性を感じている人も多いです。そのような方は、定期的に立ち上がって大腿四頭筋を軽く鍛えてあげるだけで、冷え性、むくみの改善を期待できます。
大腿四頭筋は大きい筋肉ということもあり、下半身を稼働させる運動を行うと高確率で筋肉痛になるのが大腿四頭筋です。大腿四頭筋は、膝を伸展させる働きがあります。下半身を稼働させる多くの運動は、膝を伸展させる必要があることから、大腿四頭筋は幅広い運動で必要となる筋肉です。具体的には、空手、キックボクシングなどのキック動作を行う運動、短距離、バスケットボール、サッカー、野球などの走る動作を行う全般的な運動、自転車の漕ぐ動作を行う運動に関与しており、これらの運動を行う方は大腿四頭筋を鍛えることで運動のパフォーマンスアップを期待できます。
大腿四頭筋の中でも、大腿直筋は骨盤前面に付着している筋肉です。大腿直筋への刺激が少なくなり、凝り固まってしまうと、骨盤が身体の前方に引っ張られることで反り腰の状態になり、これにより、腰痛の原因となる可能性があります。以上は、大腿四頭筋を鍛え、大腿直筋に刺激を与えれば、腰痛の軽減を期待できるということにも言い換えることができます。
大腿四頭筋の中でも内側広筋は、大腿骨上部から膝蓋骨まで伸びる筋肉です。この「膝蓋骨」とは、「膝のお皿」と表現される部分であり、膝蓋骨を安定させることで膝が怪我する可能性を大きく低減させることが期待できます。このためには、膝蓋骨と接続している内側広筋を鍛えることで、膝蓋骨にかかる負荷を低減させることが期待でき、これにより膝の怪我の予防を期待できます。ただし、大腿四頭筋は、内側広筋以外の3つの筋肉も膝と接続することで膝を安定させる役割があるため、これら4つの筋肉をバランスよく鍛えることが重要です。
これは大腿四頭筋のエクササイズに限定された話ではありませんが、特に、大腿四頭筋のエクササイズの場合は、大腿四頭筋が日常的に使われている筋肉であることから、そこまで注意しなくても重量を扱えるエクササイズが多いです。ただ、大腿四頭筋のエクササイズはフィーリングで実施すると、非常に怪我を誘発しやすいため、他のエクササイズと同様に軽い重量もしくは自重により正しいフォームを身につけることが重要です。
大腿四頭筋のエクササイズのほとんどは、腰を曲げて実施してしまうと大事故につながります。これは、一見、多くの人が当たり前として、そこまで真剣に意識しませんが、特に注意が必要なのが高重量を扱う場合のエクササイズです。例えば、スクワットは腰を曲げる様な動作を取ると高重量を扱うことができますが、最後に上半身を戻す動作が発生し、この動作が腰に大きな負担をかけます。このことから、常に、腰を曲げないということを意識しましょう。
大腿四頭筋を効果的に鍛える方法には、加重する場合には重量に拘ることがあります。
加重して大腿四頭筋を鍛えて太ももの筋肥大を狙う場合には、他のエクササイズ以上に重量に拘ってエクササイズを実施しましょう。大腿四頭筋を鍛えるエクササイズは、その他のエクササイズと比較して重量を扱いやすく、やや重過ぎると感じる位でエクササイズを実施するようにしましょう。
ただ、ここで重要なのが、重量を扱ってもフォームを崩さないということであり、正しいフォームで繰り返すことを意識しましょう。
大腿四頭筋を鍛えるエクササイズに限った話ではありませんが、鍛えている部位を意識することは非常に有効です。これは、筋トレ用語で「マインドマッスルコネクション」と呼ばれるテクニックであり、トレーニング中は鍛えている部位の動きを意識しながら実施するとエクササイズの効率が大きく向上します。このため、最初は難しいですが、大腿四頭筋の動きを鏡でチェックしながら、自身の実施している種目の中での大腿四頭筋の動きを意識するのがオススメです(トレーニング中上級者の動画を見ながら、それをイメージして実施するのも効果的です)。大腿四頭筋は4つの筋肉からなるため、自身が鍛えたい筋肉があるならばそれを意識することも効果的です。
大腿四頭筋を鍛えるエクササイズに限った話ではありませんが、トレーニング中の全ての動作は自身の管理下に置く必要があります。トレーニング中の動作を管理下に置くには、筋トレの動作のスピードをコントロールする必要があります。これは、もう少し噛み砕くと、トレーニングをしている最中に扱っているバーベル、ダンベル、マシンの重量の動きをコントロールすることになります。ここで、高重量を扱いすぎると、動作の際に動きをコントロールできなくなり、エクササイズ効率が低下することはもちろんですが、怪我の原因にもなります。
具体的に、動作のスピードは、教科書的には、重りが下がるときはゆっくり(「ネガティブ動作を意識する」とも表現されます)、重りが上がるときは素早く(「ポジティブ動作を意識する」とも表現されます)するということがあります (上級者になると、この限りではなく、全ての動作をゆっくりにするスロートレーニングや、スロートレーニングからさらにゆっくりにするスパースロートレーニングなどのテクニックもあります)。重りを下げるときは、地球では重力が下方向に常に働いているため、その重力に争う様にゆっくり下げます。一方、重りを上げるときは重力とは逆向きの運動になるため、素早く上げます。
ネガティブ動作とポジティブ動作のうち、特に重要なのがネガティブ動作です。このネガティブ動作をしっかりと意識するだけで、どんなトレーニングでもトレーニングの質は劇的に改善します。
大腿四頭筋を鍛えるエクササイズに限った話ではありませんが、トレーニング中に呼吸方法を意識することでトレーニング効率の改善を期待できます。基本的には、大腿四頭筋が伸展するときに息を吸い、収縮するときに息を吐くことを意識しましょう。
慣れないうちは、これが逆になってしまってもそこまで重篤な問題が発生するわけではありませんが、息を止めてトレーニングを行うということは避けましょう。息を止めてトレーニングを行うと、一時的に大きな力を発揮できるという考え方もあります。しかし、これはあくまでも重量を競うパワーリフティングやウェイトリフティングでの話です。トレーニングをして、身体を成長させようとした場合には、必ずしも重量を扱う必要がないことから、呼吸を止めるのではなく、呼吸をしっかり行うことが重要です。ここで、呼吸を止めて実施すると、最悪、血圧が急激に上昇し倒れてしまうというケースもあるため注意が必要です。
まず大腿四頭筋を鍛える自重エクササイズに、スクワットがあります。老若男女問わず初級者から上級者まで自宅で実施できる自重トレーニングで、スクワットは「キング・オブ・エクササイズ(運動の王様)」と呼ばれています。
トップポジションで膝をロックしない 。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
スクワットの応用編にブルガリアンスクワットというものがあります。片足を後方に置いた椅子の上に乗せて実施します。
できるだけ深く下げる。
上半身はできるだけ床に対して垂直を意識する。
トップポジジョンで前に出ている脚の膝をロックしない。
バランスがどうしても崩れてしまう場合には片手をどこかに掴まりながら実施しても良い。
ランジは、脚を前後に配置してスクワットのように身体全体の上げ下げを行うエクササイズです。
上半身を曲げない。
足を前に出し過ぎない。
ボトムポジションで体重を受け切る。
シシースクワットは、かかとを上げた状態で上半身を後ろに倒して行うスクワットです。
ボトムポジションで大腿四頭筋が伸展することを意識する。
身体は常に一直線。
危ないのでゆっくり身体を動かす。
片足で体重を支えるため難度が非常に高いエクササイズで、膝に負担がかかりやすく怪我のリスクも高いです。
後ろに倒れることをイメージして身体を下げる。
後ろ脚の膝に大きな負担がかかる。
難易度の割には効果的ではない。
トップポジションで膝をロックしない。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
ダンベルの位置は身体の側面。
ダンベルを挟むときはダンベルの重り部分をうまく使う。
重量設定を重すぎないようにする。
トップポジションで膝をロックしない。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
ダンベルの位置は三角筋の前部。
できるだけ深く下げる。
やや前傾姿勢で実施する。
トップポジジョンで前に出ている脚の膝をロックしない。
バランスがどうしても崩れてしまう場合には片手をどこかに掴まりながら実施しても良い。
身体をしっかり下げる。
しっかり前に踏み出す。
重量設定を重すぎないようにする。
より負荷を高めたい場合には、バーベルを使う。
重量を扱いたいならばローバー、低重量で負荷を高めるならばハイバー。
つま先はやや外側を向ける。
膝をロックしない。
臀部主導で実施する。
高重量を扱いすぎない。
指先でバーベルを固定する方法もある。
つま先はやや外側を向ける。
膝をロックしない。
臀部主導で実施する。
高重量を扱いすぎない。
必ず胸を張って実施する。
できるだけ深く下げる。
高重量を設定しすぎない。
トップポジジョンで前に出ている脚の膝をロックしない。
しっかりと前に踏み出す。
高重量を設定しすぎない。
トップポジジョンで前に出ている脚の膝をロックしない。
バーベルではなく、予め重量が設定されているショートのストレートバーで実施しても良い。
左右でやや斜め前ずつ進んでも良い。
通常のレッグプレスとは異なり、チューブを完全伸展させても良い。
チューブをある程度短く持ち、ボトムポジションでチューブにテンションがかかった状態にする。
上体をしっかり下げる。
目線は正面。
上体はできるだけ床に垂直にする。
通常のスクワットとは異なり、トップポジションで膝を完全に伸展させても良い。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
初動は臀部から動かすことを意識する。
できるだけ深く下げる。
上半身はできるだけ床に対して垂直を意識する。
トップポジジョンで前に出ている脚の膝をロックしない。
バランスがどうしても崩れてしまう場合には片手をどこかに掴まりながら実施しても良い。
負荷を高めたいならば、短目のトレーニングチューブを使う。
腸腰筋の動きを意識する。
基本はつま先を立てる。
腸腰筋の動きを意識する。
エクササイズ中に大腿四頭筋の動きを意識する。
マシンによる特徴が大きく、負荷の感じ方が大きく異なる。
トップポジションで膝を真っ直ぐに伸ばしきらない。
身体をゆっくり下げる。
膝がつま先よりも前に出ないということを過度に意識しない。
背中を張ったまま実施する。
パッドの位置が低くなると負荷は高くなる。
トップポジションで真っ直ぐにしない。
脚を置く位置はフットプレート真ん中もしくはそれよりもやや下側。
つま先はやや外側に設定するとフットプレートを動かし易い。
重量設定を高重量にしすぎない。
トップポジションで膝をロックしない。
やや無理が効くので、脚幅を非常に狭めで実施しても良い(逆にワイドスタンスで実施しても良い)。
スミスマシンの軌道に沿って実施する。
トップポジションで膝を真っ直ぐに伸ばしきらない。
深く下げると負荷は高くなるが、負担が大きくなる。どうしても深く下げたい場合にはニーラップもしくはニースリーブを使う。
つま先はやや外側に設定する。
重量設定を高重量にしすぎない。
立った状態もしくは横に寝た状態になり、片方の脚を後ろに曲げ、曲げた方の脚の脛を手で支えることで大腿四頭筋をストレッチさせます。10〜20秒間を3セット実施するようにしましょう。
ストレッチ1と関係しますが、片脚立ちになった状態で後ろの脚を上方に曲げ、曲げた方の脚の脛を曲げた方の脛と同じ方の手で支えることで大腿四頭筋をストレッチさせます。これとは別に、高さのある台に後ろの脚をかけて実施する方法もあります。10〜20秒間を3セット実施するようにしましょう。
座った状態で片方の脚を曲げて、身体の横にくる様にします。このとき、できるだけ膝が床に付くようにし、その際には、曲げている方の臀部が床から離れないように意識しましょう。動画では背中をつけていますが、座った状態のままで大丈夫です。10〜20秒間を両足で3セット実施するようにしましょう。
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