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サニーレタスが苦い原因と見分け方。対処法と代用野菜、おすすめレシピを紹介

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サニーレタスが苦い原因と見分け方。対処法と代用野菜、おすすめレシピを紹介

サニーレタスの苦味が気になったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではサニーレタスが苦い理由や苦いサニーレタスの見分け方などを解説します。

サニーレタスが苦い理由

ポリフェノール

サニーレタスに苦味を感じる原因としては、まずサニーレタスに含まれるポリフェノールによる苦味が挙げられます。

ポリフェノールとは、植物の苦味や渋みの成分となる化合物の総称で、構造の違いによって様々な種類があります。サニーレタスに含まれているポリフェノールには、アントシアニンやラクチュコピクリンがあります。

アントシアニンは紫色の色素で、サニーレタスの葉先が紫色をしているのもアントシアニンが多く含まれているためです。根傷みを起こしたものや窒素不足、低温といった生育環境のストレスなどからアントシアニンが多く生成されていることがあります。

ラクチュコピクリンは、サニーレタスが大きく成長しすぎることなどが原因で増えてしまうと言われています。

食べても問題ない

サニーレタスには、レタスと比較してアントシアニンの含有量が多いため元々苦味を感じやすいです。苦みがあるからといって、腐敗しているわけではないので食べることができます。

アントシアニンには抗酸化作用があるほか、眼精疲労の軽減などの効果があると言われています。ラクチュコピクリンも栄養的にはとても◎。鎮静・催眠の効果があると言われているんです。韓国では精神安定や睡眠誘導などに使われるほどです。

サニーレタスの苦味の原因となっているポリフェノールは人体に害のある成分ではないので、食べても問題ありません。

苦いサニーレタスの見分け方

白い液が出ている

ラクチュコピクリンの含有量が多いサニーレタスは、切り口から白い乳液のような液体が出てきます。切り口から白い液体が出ているサニーレタスは、栄養価は高いものの苦味が強いので、苦味が苦手な方は選ばないようにすると良いでしょう。

ずっしりとした重みがある

ずっしりとした重みがあるサニーレタスは、育ちすぎているためポリフェノールの含有量が多く、苦味が強いことがあります。

レタスと同じく葉物野菜のキャベツや白菜はずっしりとした重みがあるものが良いとされていますが、サニーレタスはふわっとしていて軽いものの方が質が良いとされています。

苦いサニーレタスの対処法

塩水や酢水につける

食べる前にサニーレタスを塩水または酢水につけることで苦味を軽減することが可能

苦味が強いサニーレタスは、食べる前に塩水や酢水につけておくことで苦味が軽減されます。これは、苦味の原因となっているポリフェノールが水溶性であるためです。

塩水には、浸透圧によって野菜から水分と一緒に変色の原因となるポリフェノールを出す効果があります。また緑色の色素となっているクロロフィルを安定させる働きもあります。

酢水には、酵素の働きを抑える効果があります。また、野菜の食感を良くすることができます。野菜の細胞壁は、セルロースからできた繊維が重なっており、その間をペクチンが塗り固めて固い壁を作っています。野菜を加熱すると軟らかくなるのは、固い壁を作っているペクチンが熱によって分解されるためです。ペクチンはpH5以上およびpH3以下で急速に軟化し、pHが下がると分解されにくくなることがわかっています。私達が普段使っている水道水のpHは7なので、酢を入れてpHを下げることでペクチンの分解を抑え食感を保つことができます。シャキシャキとした食感を楽しみたい場合は、酢水にさらすのがおすすめです。

ただし、サニーレタスにはビタミンCやカリウムなど水溶性の栄養素も含まれています。塩水や酢水にさらすことで変色は防げますが、長くつけすぎてしまうとビタミンCなどの水溶性の栄養素も一緒に流出してしまうので、長くつけすぎないようにしましょう。

加熱調理する

サニーレタスを加熱調理すると甘みが引き立ち苦味を感じにくくなる

サニーレタスはサラダにするなど生食することが多いですが、苦味が気になる場合は加熱調理をすると甘みが引き立ち、かさも減るので食べやすくなります。

また、サニーレタスに含まれているβ-カロテンやビタミンEは脂溶性なので、油で炒めるより効率よく摂取できるようになるメリットもあります。

苦いサニーレタスの代用

サニーレタスは元々苦味を感じやすい野菜であるため、苦味が苦手な方は他の葉物野菜で代用するのも一つの手です。

レタス

レタスとサニーレタスは、どちらもキク科アキノノゲシ属の一年草または二年草です。レタスには大別して「結球レタス(玉レタス)」、「非結球レタス」、「立ちレタス」、「茎レタス」の4種類があり、レタスは結球レタス、サニーレタスは非結球レタスです。

レタスはサニーレタスと比較してアントシアニンの含有量は少ないですし、クセがなく生でも食べやすいのでサニーレタスの代用品としておすすめです。レタスも育ちすぎているものは苦味が強いことがあるので、軽いものを選ぶことが大切です。

キャベツ

キャベツも比較的苦味が少なく食べやすい葉物野菜なので、苦いサニーレタスの代用にピッタリです。サニーレタスよりも葉が肉厚でしっかりしているので、加熱しても触感が損なわれにくいメリットもあります。

ただし、キャベツもイソチオシアネートと呼ばれる成分の含有量が増えることにより苦味が強く出ることがあります。イソチオシアネートは揮発性が高い成分なので、空気にさらしておいたり加熱することで蒸発し、苦味を軽減することができます。

サニーレタスの苦味が分かりにくいレシピ

サニーレタスの苦味が感じにくいおすすめのレシピをご紹介します。味付けを工夫することで、苦味があるサニーレタスも美味しく食べることができます。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

チョレギサラダ

チョレギサラダ

ごま油の香りが食欲をそそる一品です。

ごまには強い抗酸化作用があるビタミンEが含まれています。

チョレギサラダのレシピはこちら

Filyでは、豆腐のチョレギサラダのレシピもこちらでご紹介していますのでぜひ参考にしてください。

サニーレタスのオイスター炒め

サニーレタスのオイスター炒め

サニーレタスをたっぷり使った炒め物です。

このレシピではしいたけを使用しています。しいたけにはビタミンDが多く含まれているのが特徴です。ビタミンDは野菜にはあまり含まれていない栄養素で、カルシウムの吸収を促進する効果が期待できます。

サニーレタスのオイスター炒めのレシピはこちら

サニーレタスとチキンのキムチ炒め

サニーレタスとチキンのキムチ炒め

サニーレタスをキムチを使って炒め物に仕上げました。

サニーレタスや白菜に含まれるビタミンCは、鶏肉に含まれるたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。コラーゲンには美肌効果が期待できます。

サニーレタスとチキンのキムチ炒めのレシピはこちら

食べられないサニーレタスの特徴

苦味が強いサニーレタスは腐敗しているわけではないので食べることができますが、下記の特徴があるサニーレタスは腐敗しているので破棄しましょう。

見た目

腐っているサニーレタスの見た目の特徴は下記の通りです。

  • カビが生えている

  • 全体的に変色している

  • 葉が溶け出している

  • 黒や茶色の汁が出ている

サニーレタスにフワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビ、黒く変色している箇所がある場合は黒カビが生えています。じゃがいものような根菜は表面のみにカビが生えていて中まで侵食していなければ、変色している箇所を取り除けば食べることができると言われていますが、レタスなどの葉物野菜は見えない部分まで侵食しやすいため破棄するのが無難です。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすこともあるため注意が必要です。

サニーレタスは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に茶色くなっていたり黒くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。溶け出している箇所があったり、茶色い汁が出ているなどの異変が見られることもあるので、このような場合は破棄しましょう。

臭い・味

腐っているサニーレタスの臭いや味の特徴は下記の通りです。

  • 酸っぱい臭い・味

  • ゴミの臭い

  • カビの臭い

サニーレタスは葉物野菜であるため、若干の青臭さはあるもののそこまで臭いのきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなどあきらかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。

サニーレタスに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」と呼ばれます。

また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は、見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。

感触

腐っているサニーレタスの触感の特徴は下記の通りです。

  • ぬるぬるしている

  • ねばねばしている

サニーレタスから水分がぬけてしんなりしてしまっても腐敗しているわけではないので食べることができますが、表面がぬめぬめしていたりネバネバしている場合は、腐敗が進んでしまっている状態ですので食べないようにしましょう。

新鮮なサニーレタスの選び方

葉先から茎の色彩のコントラストがはっきりしている

サニーレタスは葉先が赤紫色をしているのが特徴で、基本的に葉先以外の部分は緑色、茎近くは白色です。この葉先から茎近くの3色のコントラストが、はっきりしているものを選びましょう。

上述したように葉全体が赤っぽい場合はストレスによってアントシアニンが多く生成されていることが考えられますし、本来白い茎の近くの変色はポリフェノールが酸化している可能性があります。

葉にハリとツヤがある

一般的にスーパーなどで「レタス」として販売されている玉レタスと比較すると、サニーレタスの葉は柔らかいのですが、新鮮なサニーレタスは繊維にしっかりと水分が含まれているため、葉にハリがありツヤがあります。

葉がしんなりしていたり、ツヤがないものは収穫してから時間が経って水分が抜けてしまっていることが考えられます。水分が抜けているだけであれば、腐敗しているわけではないので食べても問題ありませんが、鮮度を保てている状態とは言えず、食感や味が落ちていたりすぐに傷んでしまうので選ばないようにしましょう。

葉先の縮れ具合が細かい

サニーレタスは葉先が縮れているのも特徴の一つで、葉先の縮れ具合が細かいものの方が葉が柔らかく質が良いと言われています。

切り口がみずみずしく変色していない

切り口はみずみずしく変色していないものが鮮度の高いサインです。

切り口が変色しているものは、サニーレタスに含まれているポリフェノールが酸化しています。アントシアニンには酸性になると赤→茶→黒と変色していく性質があり、酸化しているということは収穫してから時間が経っているということです。そのため、切り口がみずみずしく変色していないものを選ぶようにしましょう。