白菜はどこから使うのが良いかご存知でしょうか。本記事では、白菜はどこから使うべきなのか、美味しく食べるコツや白菜の部位別の食べ分け方なども合わせて解説します。
白菜は外側の葉から順番に使う方も多いかと思いますが、実は白菜は内側から食べた方がよいって知ってましたか?理由は、白菜の中心にある生長点にあります。
白菜はこの生長点に向かって白菜の栄養素や旨みが集まり、収穫後も生長を続けようとします。白菜の栄養や甘みは外側の葉で作られ、中心部に送られます。そのため内側の葉から先に食べることで、栄養や甘みがそのまま外の葉に蓄積されたままになるため、白菜の栄養をそのままに最後まで美味しく食べることができます。
白菜を最後まで美味しく食べるには、買ってきたら芯を切り取るのも重要なポイントです。
上述したように白菜は収穫後も芯(生長点)に栄養や甘味を送り続けるため、芯をそのままの状態で保存してしまうと葉の栄養が中心に集まってしまい、栄養が抜けた状態で食べることになってしまいます。1/4カットなら斜めにそぎ落とすように芯を取り、1/2カットなら三角に切り取ります。白菜丸ごとの場合は芯を切り取るのは難しいので、芯に爪楊枝を3〜4本ほど刺してから保存します。
白菜の芯の取り方についてはこちらの記事でご紹介していますので、参考にしてください。
白菜の一番外側の葉は、しおれてしまっていることが多いですが、保存する際は捨てずに有効活用しましょう。
一番外側の葉は、天然のラップとして適度に水分を保ってくれます。乾燥や変色が見られても捨てず、保存時にはそのままにしておくのがおすすめです。ただし傷みが激しいようでしたら、保存前に取り除いておくのがベター。
外側の葉は農薬が多く残る部分なので、食べる際は剥くようにしましょう。
ちなみに、白菜のビタミンCが最も含まれているのは外葉です。約半分のビタミンCが外葉に含まれます。そのため、外葉は鍋やスープなど栄養を無駄なく摂れる料理に使うのがおすすめです。
白菜に限らず野菜をカットするときは、繊維を断つ切り方と繊維に沿った切り方の2種類があります。サラダなど生食で食べるときは、繊維に沿って切るとシャキシャキとした食感が残るのでおすすめです。少しでも柔らかく食べやすくしたいという方は繊維を断ち切るように切ると良いです。
白菜を天日干しすると、甘さが増します。
白菜に限らず果物や野菜は、それぞれの細胞の外側に細胞壁があり、細胞壁の内側には細胞液があります。この細胞液の中には糖や旨味の元であるアミノ酸が含まれています。天日干しをすることにより細胞液の中にある水分が蒸発することで糖やアミノ酸が濃縮されるため、甘味や旨味を強く感じるようになります。
また、水分を飛ばすことにより100gあたりの栄養価が高まるというメリットもあります。普段食べている白菜とはまた違った食感や味わいになるのでおすすめです。
低温で食材を蒸す調理法は、水分や栄養のロスが少ない調理法として知られていますが、野菜のアミノ酸の量や性質を変化させるという効果もあり。白菜の場合、一部のアミノ酸量が変化しますが、中でも疲労回復やストレス軽減に効果的なアミノ酸・GABAが8倍に増えるだけでなく、糖をエネルギーに変えるアラニンまでもが2倍にアップ!他にも低温蒸しなら、加熱に弱いビタミンCがほぼ100%残るなどのメリットもあります。
白菜のGABA、アラニンをアップさせるには、55〜60℃で5〜20分程度低温蒸しをするのがおすすめです。
通常の白菜は外側の色が緑色で、内側葉は中心部にいくにつれて黄色っぽい色をしています(品種によってオレンジや紫色のものもあります)。それぞれの部位によって糖度や栄養素が異なるので、部位別に食べ分けるとよりおいしく食べることができます。
白菜の外側の葉は糖度が低く葉物野菜特有のほのかな苦味があり、繊維が太く内側の葉と比較すると歯ごたえがあるのが特徴です。栄養素的には、ビタミンCを多く含む部位です。
外葉は生食も可能ですが、八宝菜などの炒め物や煮物に適しています。繊維が太いため葉の部分と白い部分を切り分けて、それぞれ繊維を断つようにそぎ切りにすると調理もしやすくなり食べやすいです。
内側の緑が残る部分は甘みと苦みのバランスが良く、ほどよい厚みと弾力でシャキシャキとした食感を楽しむことができます。栄養素的にはカリウムなどのミネラル類を多く含む部位です。
内側の緑が残る部分は鍋料理に適しています。繊維を傷めないように包丁の刃先を引くようにしてカットすると、アクが出にくく美味しく食べることができます。
内側の黄色みがかった部分は甘みがあり、柔らかいのが特徴です。栄養素的には内側の緑が残る部分と同じくカリウムなどのミネラル類を多く含みます。
内側の黄色みがかった部分は火を通すことでさらに甘味が増すため、煮物料理に適しています。繊維を断ち切るようにカットすると細胞が壊れ味も染み込みやすくなり、柔らかくなります。
白菜の中心部分は上述したように生長点があるため、糖度が高く甘みや旨みがあり、柔らかいのが特徴です。栄養素的には、GABAやアミノ酸、グルタミン酸などが他の部位よりも多く含まれています。白菜の中心部分に含まれるグルタミン酸は外側の葉のなんと14倍!
白菜の中心部は生食に適しています。柔らかいため葉先は手でちぎってサラダにすることができます。白い部分は軽く塩もみをすると食べやすくなります。白菜は生で食べることでビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素もしっかりと摂取することができます。
生食だけではなく加熱してスープや味噌汁などの汁ものや、グラタンの具材にも◎加熱をすることで柔らかくトロトロになります。
白菜は、葉の部分だけではなく芯も食べることができます。白菜の芯には食物繊維やビタミンK、カルシウム、カリウムなどの栄養が含まれているため、捨ててしまうのはもったいないです。
そぎ切りやざく切りなどにカットして調理をすると、食べやすくなります。
最後に、白菜の正しい保存方法をご紹介します。
白菜の詳しい保存方法はこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
寒い季節は常温での保存が可能です。常温で保存する場合は、直射日光が当たらない冷暗所で保存します。常温で保存すれば約1ヶ月前後日持ちします。
白菜を新聞紙に包みます。白菜が大きい場合は、新聞紙を数枚使用して全体を覆うように包みます。新聞紙がない場合は、キッチンペーパーや梱包材の紙を使用してもOKです。
段ボールなどに入れて立てて保存します。立てて保存することで、余計なストレスがかからず鮮度を保って保存することが可能です。横に倒して保存してしまうと、白菜の重みで葉が傷んでしまうことも。
白菜は冷えると甘みが増すと言われています。鮮度を保つためにも、室温が上がりにくい冷暗所での保存を行いましょう。冬場で暖房器具を使用する場合は、室温が高くなってしまうので、常温以外の保存がおすすめです。
なお、カットした白菜は常に常温以外の方法で保存するようにしましょう。
冬場でも長く保存したい場合や、カットした白菜を保存する場合は、冷蔵保存がおすすめです。白菜は冷蔵で保存することで2ヶ月(丸ごと冷蔵する場合)日持ちします。
丸ごと保存する場合は、白菜全体を新聞紙で包みます。新聞紙がない場合はキッチンペーパーなどでも代用可能です。野菜室で保存します。高さが問題なければ立てて保存するのがベストです。
カットした白菜を保存する場合は、白菜の生長を止めるために芯を切り落とします。カットした断面を濡れたキッチンペーパーで覆い、全体をラップで包みます。切り口を下にして野菜室で保存します。
カットした白菜は切り口から傷みやすいので1週間を目安に使い切るようにしましょう。
カットして冷蔵保存することも可能です。
細切りやざく切りなど料理に合わせてカットし、冷蔵用保存袋に入れて密封し冷蔵庫で保存します。
カットした白菜は乾燥しやすく傷みやすいので、3〜4日を目安に食べきるようにしましょう。
カットして茹でてから冷蔵保存しておけば、調理時間が短縮できます。
ざく切りや細切りなど料理に合わせてカットした白菜をさっと茹でます。粗熱が取れたら水けを拭き取り、冷蔵用保存袋に入れて冷蔵庫へ。
ただし冷蔵方法の中では1番傷みが早いので、2〜3日以内に使い切るようにしましょう。
白菜は大きい野菜なので、すぐに使い切れない場合は冷凍保存を。冷凍すれば約1ヶ月ほど保存することができます。
ざく切りなど使いやすい大きさにカットして冷凍用保存袋に入れ冷凍庫へ。冷蔵庫の急速冷凍機能を使えば、旨みをぎゅっと閉じ込めて冷凍することができます。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
凍ったまま調理に使用することができます。全解凍してしまうと、白菜の水分が流れ出てしまい、食感や味、栄養が落ちてしまいます。
塩もみをして冷凍すれば、色や食感がキープしやすく、また白菜の水分が抜け長持ちします。
生のまま細切りにした白菜を塩(適量)でもみ、水けを絞ります。小分けにしてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。なるべく薄く、平らに包むことで、短時間で凍らせることができます。
食べる際は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍がおすすめです。塩の味がついているので、そのまま和え物などに使用したり、スープやチャーハンなどの具材にも使用できます。凍ったまま使ってもOKです。
冷凍する前に茹でることを「ブランチング」と言います。ブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。
ざく切りや細切りなど、お好みの大きさにカットし固めに茹でます。粗熱が取れたら水けを絞り、小分けにしてラップで包み冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
前日(または半日前)に冷蔵庫に移して自然解凍し、おひたしや和え物などに使用できます。凍ったままの状態でスープや炒めものの具材として調理するのも◎。
下味をつけてから冷凍することもできます。
白菜をざく切りにして熱したオリーブオイルでさっと炒め、塩こしょうで味付けをします(醤油、酒、砂糖の味付けでも可)。粗熱が取れたら小分けにしラップで包んで冷凍用保存袋に入れ冷凍庫へ。
凍ったままの状態で野菜炒めなどに使用したり、鍋の具材として使うのが◎。蒸した鶏や豚肉などを加えるだけで簡単に一品料理も作れます。
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