夏場のじゃがいもに適した保存方法をご存知でしょうか。本記事では夏場のじゃがいもの保存のポイントや夏場のじゃがいもにおすすめの保存方法を詳しく解説します。
じゃがいもは夏場であっても1ヶ月は常温保存が可能です。
しかし、一般的に野菜は高温多湿に弱く特に梅雨の時期などは食べ物の保存には十分に注意が必要です。じゃがいもも多湿な環境に放置しておくと、腐敗が一気に進みやすくなります。冷暗所が確保できない場合は、冷蔵保存や冷凍保存をしたほうが長持ちします。
さらに、じゃがいもの冷蔵・冷凍保存には注意が必要です。じゃがいもは0〜5℃の温度で保存するとでんぷんが糖化し、ホクホクとした食感が損なわれてしまいます。また、じゃがいもは常温保存でも十分に長期保存ができる野菜です。そのため、一年を通して基本的には冷蔵・冷凍保存はあまり向かず、常温保存がおすすめです。
じゃがいもは、
90%〜95%の湿度
15℃〜20℃の気温
明るい場所
という条件が揃うと休眠期間を終えて発芽してしまいます。そのため、夏場、日光の当たる場所での常温保存は発芽しやすいので注意が必要です。
しかし、冬場でも全く芽が出ないというわけではありません。暖房が効いた暖かい部屋で常温保存していたり蛍光灯の光に当たっていると発芽してしまいます。また、発芽しやすい品種もあります。
じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれているため、そのまま食べてしまうと吐き気や胃痛などの中毒症状が起こる可能性があります。腐敗しているわけではありませんが、じゃがいもの芽はしっかりと取り除いてから食べる必要があります。
全国で採れるじゃがいもの内、約8割が北海道で生産されています。2019年の北海道のじゃがいもの収穫量は1,890,000トンです。北海道では、春に植えて夏過ぎに収穫されるため、北海道産のじゃがいもの旬は秋頃です。
北海道以外の土地では、冬に植えて夏前に収穫されるため、旬は春頃となります。じゃがいもは長期保存できる野菜であるため、基本的には収穫してから貯蔵して1年中店頭に並べられます。
一般的に、春から初夏にかけて収穫され市場に出回るものを新じゃがと言います。新じゃがは収穫されると貯蔵されずに出荷されるじゃがいものことで、品種ではありません。
新じゃがは一般的に発売されているじゃがいもと比較して小振りです。収穫してすぐに販売されているためみずみずしいのが特徴で、皮が薄いので皮ごと調理されることが多いです。
新じゃがは、普通のじゃがいもと比べて水分が多く含まれていることから、普通のじゃがいもよりも賞味期限が短いと言われています。普通のじゃがいもと同様に、夏場でも常温での保存が基本です。直射日光や高温多湿を避けて保存します。常温で保存した場合1週間〜10日間ほどの保存が可能ですが、なるべく早めに使い切ることをおすすめします。
上述したように、高温多湿の場所はカビを繁殖させるなど腐敗を進める原因となりますので注意しましょう。また、じゃがいもが日光に当たることで、有毒物質であるソラニンやチャコニンが増えてしまうといわれています。そのため、直射日光が当たる場所での保存は避けることも大切です。
じゃがいもを多く購入した場合は、新聞紙を下に敷いたダンボール等にまとめて入れて、上から新聞紙をかぶせます。
じゃがいもの数がそこまで多くない場合や、ダンボールや新聞紙がない場合は、紙袋に入れましょう。
じゃがいもはそこまで乾燥に弱いわけではないので、一つずつ新聞紙(またはキッチンペーパー)に包まなくても、長く保存できます。特に数が多いときは面倒なのでまとめて保湿。直射日光が当たらず風通しのよい涼しい場所なら、秋・冬は3ヶ月、夏場でも1ヶ月は常温保存が可能です。
ビタミンが多く「大地のりんご」とも言われるじゃがいもですが、りんごと一緒に常温保存するのがおすすめです。りんごから放出されるエチレンガスは果実の熟成を進めますが、じゃがいもの発芽を抑える効果があります。じゃがいもは暖かく明るい場所で発芽が進むので、繰り返しになりますが、冷暗所で保存するのが大切!じゃがいもの芽はソラニンなどの天然の毒を持っているので、必ず取り除いてから食べるようにしましょう。
前述した通り基本的には常温保存がおすすめなじゃがいもですが、夏場に1ヶ月よりも長く保存したい(夏も安心して保存したい)場合は、冷蔵保存の方が良いです。
じゃがいもは正しく冷蔵すれば半年ほど保存することができます。また、じゃがいもは低温保存すると、収穫直後では少なかった糖分(0.1〜0.5%)が、増加(0.5〜2.5%)します。
丸ごとじゃがいもを冷蔵保存する場合は、一つずつキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて軽く口を締め、野菜室に入れます。キッチンペーパーに包むことで寒さからじゃがいもを守ることができます。ポリ袋に入れることで乾燥しすぎることを防ぎながら、口は軽く締めることで通気性を保ちます。1週間に1度はキッチンペーパーが湿っていないか確認し、湿っている場合は新しいものに取り替えましょう。野菜室は温度・湿度ともに冷蔵室より高いので、じゃがいもに適しています。冷蔵保存でもりんごを一緒に入れると効果があります。
夏場に関わらず切ったじゃがいもは傷みが早く、生のまま放置すると切り口が褐変します。これはポリフェノール物質がポリフェノラーゼなどの酵素によって酸化するためです。また、チロシンがチロシナーゼによってメラニンとなるのも褐色に変わる原因です。
カットしたじゃがいもは常温保存できないので、水に浸けて冷蔵保存します。2〜3日以内に食べるようにしましょう。茹でたじゃがいもはさらに傷みが早いので、極力その日のうちに消費するようにしましょう。
長期保存のためにする冷凍ですが、丸ごと保存したり、生のまま保存すると、解凍後ブヨブヨになってしまい美味しくありません。下茹でしてマッシュしたりカットしたものを保存するには冷凍がおすすめです。色々な調理にすぐに使えるので便利です。
皮を剥いてひと口サイズに切って熱湯で15分ほど茹で、潰してマッシュポテトを作ります。しっかり粗熱をとってから、小分けにし平たくラップに包み、冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、空気をしっかり抜いて冷凍します。ポリ袋に入れる前に金属トレイに乗せて急速冷凍すると、食感が損なわれにくくなります。ハムなど他の食材を入れると日持ちしなくなるので、混ぜないようにしましょう。
冷凍マッシュポテトは前日に冷蔵庫に移して自然解凍か、電子レンジで加熱して解凍します。電子レンジを使うとホクホクとした食感になります。ポテトサラダやポタージュ、コロッケなどに使えます。
ひと口大にカットし下茹でしたじゃがいもを冷凍保存することも可能です。
じゃがいもは乾燥保存することもできます。通常の野菜は干すことで保存期間が伸びますが、じゃがいもには当てはまりません。しかし、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。密閉容器に入れて常温で1ヶ月ほど保存できます。
乾燥させる方法で一番おすすめなのは天日干しです。天日干しすることでビタミンDが増加します。
じゃがいもは皮を剥き、1cm幅に切って硬めに塩茹でします。その後、重ならないようにザルに並べて3日ほど干します。ねっとり、もっちりした食感が楽しめます。切り方を変えれば料理の幅が広がります。
長時間日光に毒素成分であるソラニンが生成され、じゃがいもが緑化する可能性があります。緑色に変色した部分は食べずに廃棄するようにしましょう。
乾燥させたじゃがいもは素揚げが一番おすすめです。そのままオイルをかけてトースターで焼くのも美味。煮物やスープに入れてもいつもと違う食感が楽しめて◎。
天日干しできない場合は、下茹でしたじゃがいもをオーブンで乾燥させる方法もあります。クッキングシートを敷いた天板の上にカットしたじゃがいもを並べて、100〜110℃の低温で20〜30分ゆっくり加熱します。乾燥が足りなければさらに加熱します。
レンジで乾燥させる方法も。キッチンペーパーを敷いた耐熱皿の上にカットしたじゃがいもを並べて、600Wで5〜8分程度加熱します。
野菜は塩や味噌、油などに漬けて保存することもできます。じゃがいもの漬物はあまり馴染みがない人が多いかと思いますが、じゃがいもも漬けて保存することができます。浸けることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。保存用なので味は少し濃く、水で洗ってからならご飯のお供にも。大量消費にもおすすめです。じゃがいもの漬物はどれも冷蔵で2週間ほど保存できます。
千切りしたじゃがいもをさっと下茹でし、冷ましたら密閉容器に入れて、しょうゆ:酒:みりん=1:1:1の割合で作った漬けだれをじゃがいもがひたひたになるくらいまで入れます。冷蔵で2週間ほど保存できます。
そのまま食べる場合はしょっぱいので水で洗ってから水けをとって食べましょう。そのまま野菜炒めなどに使うのもおすすめです。
千切りしたじゃがいもをさっと下茹でし、冷ましたら密閉容器に入れて、オリーブオイル100mlに対して塩小さじ1弱の割合で作った漬けだれをじゃがいもがひたひたになるくらいまで入れます。
こちらも炒め物などに使えます。漬けたあとにオリーブオイルはじゃがいものビタミンCが滲み出て栄養価が高いので、無駄にせず使うようにしましょう。
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