フムスはひよこ豆を主原料に作られるペースト状の料理です。栄養価が高いことからスーパーフードとして注目されています。本記事ではフムスの食べ方について詳しく解説します。
フムスとは、茹でたひよこ豆とにんにく、練り胡麻、オリーブオイルなどを加えてすりつぶした後、塩などで味付けをするペースト状の料理です。
フムスの主原料であるひよこ豆はアジア西方が原産の豆類で、1万年以上前から中東地域では貴重なタンパク源として栽培されていました。フムスは伝統的な家庭料理として中東や地中海地域を中心に食べられていましたが、近年では栄養価の高い食べ物として注目され日本などさまざまな国と地域で食べられるようになってきており、輸入商品を多く取り扱うコストコやカルディ、イオンなどの一部のスーパーでも販売されています。
フムスの見た目はマッシュポテトに似ていますが、味わいは全く異なります。ひよこ豆の旨味と甘味がしっかりと出ている濃厚な味わいでありながら、すっきりとしているためクリームチーズに似ているといわれることが多いです。ペースト状にしているため口当たりが滑らかなのも特徴の一つです。
フムスは、野菜やパンにディップして食べるのが基本的な食べ方です。濃厚でありながらさっぱりとしているため野菜やパンなどの食材の味をうまく引き立てることができ、ビールやワインのお供としても人気があります。
本場の中東では、ピタと呼ばれるパンにつけて食べることが多く、アメリカやイギリスではライ麦パンにつけて食べることが多いです。
基本的に平たいお皿にフムスを盛り付けて食卓に並べます。アラブではオリーブ油をフムスに混ぜ合わせず、平たい皿に円形または環形のくぼみをつくって盛り付けた後に真ん中にオリーブオイルを入れることが多いです。さらにそこにひよこ豆や刻みパセリ、クミンなどをかけることもあります。
シンプルにパンをディップしたり塗るだけではなく、サンドウィッチやピタパンサンドウィッチなどの具材にすることも多いです。
サンドウィッチにするときは、予めトースターで焼いておいたパンにフムスを塗りお好みの野菜を挟みます。ピタパンサンドウィッチにするときは、ピタパンを半分に切ってポケット状にしその中にフムスとお好みの野菜をはさみます。生地を平らにのばして焼くフラットブレッドと呼ばれるパンにフムスと野菜などの具材を巻いてラップサンドにすることもできます。
フムスは肉料理などとも相性もよいため、付け合せとしてメイン料理と一緒に盛られていることも多いです。マッシュポテトのように肉とは別々に食べても良いですし、フムスに肉をつけても美味しいです。特に鶏肉やラム肉との相性が良いようです。付け合せとしてメイン料理に添えることで、いつもとは違った味わいを楽しむことができるでしょう。
フムスは、調味料として使うこともできます。例えば肉や魚を焼くときにフムスを材料に塗ってしばらく置いてからオーブンやフライパンで焼きます。フムスに漬け込むことで、肉や魚にひよこ豆の濃厚な旨味と甘味を加えることができます。
フムスはスープにアレンジすることができます。フムスを使って作るスープはコーンポタジュのように濃厚ながらもすっきりとした味わいです。
フムスをスープにアレンジする場合は、鍋にフムスを入れて加熱しながら牛乳や豆乳で伸ばし、顆粒コンソメや塩コショウで味付けをします。ひよこ豆と同じく豆類の大豆が原料である豆乳を使うと、より濃厚な味わいを楽しむことができます。
フムスを使ってリゾットを作ることもできます。
リゾットは、炊く前の米をオリーブオイルまたはバターで炒めた後、スープを加えて煮たイタリア発祥の料理です。お粥と似ていますが、炊く前の米から調理をすることやお粥よりも固めの仕上がりになるという点が異なります。
一般的にきのこなどの具材を加えて下ろしチーズなどで味を整えることが多いですが、フムスを使うことでチーズを加えなくても濃厚な味わいを楽しむことができます。乳製品を控えている方におすすめです。
フムスを使って「ファラフェル」と呼ばれる中東の料理を作ることができます。
ファラフェルとは、潰したひよこ豆やそら豆にパクチーやコリアンダーなどの香辛料を混ぜ合わせたものを丸めて食用油で揚げる揚げ物です。日本ではあまり馴染みのない料理ですが、エジプトから東地中海沿岸、アラビア半島南部、イランなど古くから食べられています。
フムスに香辛料を加え丸めて揚げるだけで簡単に作ることができます。
カルボナーラなど濃厚な味わいのパスタソースはカロリーや糖質量が気になりますが、フムスを使えばカロリーや糖質量もそれほど多くなく栄養価も高いパスタソースができます。
フムスをパスタソースにする場合は、水を加えて伸ばしていきます。作り方も非常に簡単なのでぜひ試してみてください。
生野菜とも相性が良いフムスは、ドレッシングにアレンジされることも多いです。
フムスをドレッシングにする場合は、オリーブオイルとレモン汁と塩などを合わせたベースとなる液体にフムスを加えます。オリーブオイルではなく太白胡麻油を使ったり、パクチーやコリアンダーなどの香辛料を加えるのもおすすめです。
フムスはブラウ二ーなどの焼き菓子にアレンジすることも可能です。生地にフムスを加えることでバターやマーガリンを使わなくても濃厚な味わいに仕上げることができます。フムスを加えることで食物繊維などの栄養素が加わり栄養価も高くなるので、間食したいときにおすすめです。
フムスはひよこ豆や練り胡麻などスーパーで一般的に販売されている食材を使って、家庭でも簡単に作ることができます。ひよこ豆は乾燥タイプと水煮タイプがあり、乾燥タイプの場合は予め水に浸けて茹でるなどの下ごしらえが必要です。本記事では乾燥タイプのひよこ豆を使う場合の作り方を紹介します。
ひよこ豆(乾燥)…200g
レモン汁…大さじ1
オリーブオイル…大さじ2
白練りごま…50g
塩…小さじ3/4~1
ひよこ豆の茹で汁…50~60ml
にんにくのすりおろし…お好みの量
まず乾燥ひよこ豆をボウルにいれたら、たっぷりと水をいれます。ひよこ豆は水分の吸収率が高いため、ひよこ豆に対して4〜5倍の水を入れる必要があります。次に、ひよこ豆と水を入れたボウルにラップをして冷蔵庫で一晩おきます。最低でも6時間の浸水時間が必要です。豆の表面のシワがなくなり、ふっくらと膨らんでいればOK。浸水が終わったら、ひよこ豆を柔らかくなるまで茹でます。茹でたらザルにあけますが、茹で汁は使うので取っておきましょう。茹でた後にひよこ豆の薄皮を剥いておくと、よりなめらかな口当たりになります。茹でたひよこ豆と茹で汁以外の材料をミキサーに入れて撹拌します。このときミキサーに入れる前に予め潰しておくと時短になります。ひよこ豆がだいたい潰れてきたら、茹で汁を少量加えてさらに撹拌します。好みの固さになるまでこの作業を繰り返したら、お皿に盛り付けて完成です。盛り付けた後クミンなどのスパイスをかけても良いです。
ひよこ豆以外の野菜を使ってフムスを作ることもできます。ひよこ豆以外の野菜で作ったフムスも野菜などにディップしたり、スープなどにアレンジすることが可能です。
例えば大豆や枝豆などの豆類はもちろんのこと、かぼちゃやほうれん草、にんじんなど様々な野菜を使って作ることができるので、お好みの野菜でアレンジしてみてください。ひよこ豆を使ったフムスとは一味違った味わいを楽しむことができます。
フムスに含まれている栄養素は文部科学省の食品データベースなどにも記載がないため詳細は不明ですが、主な原料はひよこ豆ですので、多くの栄養素が含まれています。
ひよこ豆100gに含まれる栄養素は下記の通りです。
たんぱく質…20.0g
脂質…5.2g
炭水化物…61.5g
食物繊維…16.3g
ビタミンE…2.5mg
ビタミンB1…0.37g
ビタミンB6…0.64mg
カリウム…1200mg
カルシウム…100mg
マグネシウム…140mg
リン…270mg
鉄…2.6mg
葉酸…350μg
パントテン酸…1.77mg
ひよこ豆にはたんぱく質が多く含まれており、たんぱく質の量は豚肉や鶏肉と同等です。その他に、食物繊維やイソフラボン、ビタミン類、ミネラル、葉酸などが豊富に含まれています。また、ひよこ豆と一緒に使われるオリーブオイルには不飽和脂肪酸、練りごまにはビタミンEが豊富に含まれています。さらに、にんにくのアルギニンやレモンのビタミンCなども含まれています。
フムス100gあたりのカロリーは166kcalで、糖質量は約8gです。
出典:
フムスの主な材料であるひよこ豆は、低GI値の食材です。そのため体内に蓄積されにくく、食べた後の満腹感が長続きするため食べる量を抑えることができるといわれています(ただし、空腹感には個人差があります)。また、食事制限をすることで不足してしまいがちなたんぱく質をしっかり摂取することができるため、代謝があがりダイエットに効果が期待できます。
ただし、食物繊維が多く含まれているためダイエットに良いからといって大量に摂取してしまうと、消化不良を起こしてお腹を壊してしまったり便秘になってしまうことがあるので注意しましょう。また、本場中東のようにピタパンなどのパンにつけて食べると、カロリーが高くなり糖質量も多くなります。ダイエット中の方は糖質量の少ない野菜にディップして食べるのがおすすめです。
GIとは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後の血糖値の上昇度を表す値です。食品の炭水化物を50g摂取した際の血糖値の上昇度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表します。55以下を低GI、56〜69を中GI、70以上を高GIと分類し、GI値が高ければ高いほど血糖値が急上昇します。急激な血糖値の上昇は、体に負担をかけるため、緩やかな上昇が理想的です。
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