ごぼうに美肌やアンチエイジングなどの効果は期待できるのでしょうか?ごぼうに含まれる栄養素やその美容効果について解説していきます。
クロロゲン酸もポリフェノールの一種です。クロロゲン酸はコーヒーにも多く含まれている成分で、血圧の上昇や血糖値の急上昇を抑制する効果があります。これは、糖質を分解する酵素を阻害する働きがあり、これによって糖質の吸収をゆるやかにしているからです。
さらに脂肪燃焼促進の効果もあり、体内にすでに溜まっている脂肪も新しく発生した脂肪も燃焼させてくれます。特にメタボリックシンドロームの原因である肝臓脂肪の燃焼効果が期待され、ダイエットをする際にも注目される成分のひとつです。
カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。また、心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。
食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
少量ですが、ごぼうにはビタミンも含まれています。
食事から摂取された糖質は、酵素の働きで分解されてエネルギーに変わります。この酵素を働かせるために必要な補酵素の役割をするのがビタミンB1です。日本人は昔から米を主食としているので、ビタミンB1が不足している人が多いです。ビタミンB1をしっかり摂取することで太りづらくなりダイエット効果が期待できます。
ビタミンB2は動物性食品に多いビタミンですが、植物性食品にもわずかに含まれています。ビタミンB2は炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の三大栄養の分解に働きます。特に脂質の代謝を助けます。そのため太りにくい身体づくりに効果が期待できます。ビタミンB2が不足すると、脂質が体内に蓄積されやすくなるため、太りやすくなり、ニキビが増える原因のひとつになります。
ビタミンB2は別名「発育のビタミン」ともよばれています。これはたんぱく質の合成を助けて、皮膚や髪、爪などの細胞の再生と新生をサポートするためです。
ビタミンB2は老化や生活習慣病の原因となる過酸化脂質を消去する働きにも関わりがあります。過酸化脂質とは、不飽和脂肪酸が活性酸素などにより酸化されてできる物質のことです。ビタミンB2は過酸化脂質を分解する酵素の働きを助けます。
ナイアシンはビタミンB群の一種で、ビタミンB3とも呼ばれていました。ナイアシンは補酵素として、糖質や脂質の代謝を助けます。
ナイアシンは、DNAの修復にも関わっており、ビタミンA同様に紫外線のダメージなどによる肌の損傷の修復を促進してくれます。そのため健康的な肌を保つことができます。さらに、ビタミンB群には抗酸化作用もあるので活性酸素の生成を除去し、肌老化の予防に繋がります。
シミやそばかすの原因となるメラニンが生成されるプロセスの抑制もします。そのため、ナイアシンの1つであるナイアシンアミドは厚生労働省が認可した美白成分と言われています。他にも、角質溶解作用や皮脂分泌の正常化、適切な水分量保持によるニキビ予防、抗炎症作用による乾燥や赤みなどの炎症の軽減と、ナイアシンには美容における効果が多くあります。
葉酸は新しい細胞が合成されるとき、細胞の遺伝子情報が詰まっているDNAの合成するのをサポートします。新しい細胞を合成するには、DNAを正確にコピーして分裂することが必要です。葉酸が関わり正しくDNAをコピー、分裂することで、正常な細胞が生まれ、新陳代謝や成長が達成できます。細胞増殖が盛んな胎児の発育に不可欠なため、妊娠の可能性がある方や妊婦にとって大変重要とされます。
葉酸には新陳代謝を高める作用があることから、年齢を重ねるごとに衰えがちな肌のターンオーバーを促進し、紫外線などでダメージを受けた皮膚を健康的な肌状態へと導いてくれる効果があります。
葉酸はビタミンB12とともに働き、赤血球のもとになる赤芽球をつくります。そのため葉酸は「造血のビタミン」ともいわれています。
この造血作用の美容効果は多岐に渡ります。例えば、白髪対策です。髪の毛はメラニン色素によって着色されていますが、メラニン色素の成分を運ぶのも血液です。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。コラーゲンは表皮の下層に位置する「真皮」の主成分で、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。
ビタミンCの強い抗酸化力があり、細胞を酸化から守りアンチエイジングに繋がります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。
さらには抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。ストレスも美容にとって大敵ですので、ストレスを撃退してくれるビタミンCは美容を意識するうえで、とても大切な栄養素です。
日焼けは皮膚のアミノ酸の一種であるチロシンが酸化され、メラニン色素に変わるのが原因です。ビタミンCの抗酸化作用はメラニン色素の生成を抑え、日焼けの予防に役立つとされます。
多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。
可食部100gあたり
エネルギー...58kcal
水分...81.7g
たんぱく質...1.8g
炭水化物...15.4g
脂質...0.1g
食物繊維...5.7g
ごぼうの可食部100gあたりの糖質は9.7gです(炭水化物から食物繊維を引いた値)。
他の野菜は100g当たり、
トマト:糖質3.7g、20kcal
ピーマン:糖質2.8g、20kcla
じゃがいも:糖質8.4g、59kcal
とうもろこし(スイートコーン):糖質15g、89kcal
西洋かぼちゃ:糖質17.1g、78kcal
です。根菜であるごぼうはカロリーも糖質もやや高めで、じゃがいもよりも糖質が高い野菜です。ダイエット中は食べ過ぎに注意したい野菜です。
ごぼうは水にさらしてアク抜きするのが一般的です。ごぼうのアクの主成分であるポリフェノールのクロロゲン酸が黒変するためです。
長くつけすぎると水溶性の栄養もうまみ成分も流れ出てしまうので、水なら5分、酢水なら1〜2分を目安につけましょう。水につけすぎると、栄養も風味も落ちてしまいます。
ごぼうのアクは体に害があるわけではありませんので、変色が気にならないなら、水につけないのが栄養的にはベストです。
加熱したり茹でたりすることで減ってしまう栄養素はあります。
例えばカリウムは水に溶けやすい性質があり、茹でると葉菜類は50%以上が失われてしまいますが、ごぼうなどの根菜類は比較的損失が少なくなっています。さらにイヌリンなどの水溶性の食物繊維も水に溶けだしてしまいますが、熱には強いので、煮汁ごと食べられる料理や汁物がおすすめです。ごぼうに多く含まれるポリフェノールは熱に強く、加熱料理をしても損失はあまりしません。
茹でると水溶性のものは減ってしまいますが、調理法や食べ方を工夫することで多くの栄養素を摂取することができます。
ごぼうの食物繊維、特に水溶性食物繊維は腸内の糖質の吸収を抑え、コレステロールを下げる作用があります。そのためコレステロールの高い食品を食べるときにごぼうを組み合わせるといいでしょう。さらにコレステロールを下げるのは脂質代謝への働きがあり、LDL(悪玉)コレステロールを増えにくくし、狭心症や心筋梗塞のリスクを下げる効果もあります。
ごぼうに含まれるビタミンB1は、アリシンという栄養素と一緒に摂ると、吸収率がアップします。糖質の代謝をさらに促し、疲労回復が期待できます。アリシンが多く含まれる食品にはにんにくやねぎ、たまねぎなどがあります。ごぼうとにんにくを炒めるだけで簡単な副菜になるのでぜひお試しください。
ごぼう茶は、ごぼうを皮ごと笹がきにして天日干し、焙煎してお茶にしたもので、茶葉は使っていません。ごぼう茶にも、食物繊維のイヌリン・ヘミセルロース・リグニン、またクロロゲン酸やタンニンなどポリフェノール類が豊富に含まれています。またごぼう茶にはカフェインが含まれないため、妊婦さんや授乳中の方も安心して飲めるのが特徴です。
摂取目安量は、食物繊維を基準に考えると4杯程度までは問題ありません。
最後にごぼうを使ったおすすめレシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
ごぼう定番料理であるきんぴらごぼう。ごぼうと人参のシャキシャキとした歯ごたえと甘辛い味付けの王道きんぴらごぼうです。人参はβ-カロテン(ビタミンA)が豊富で、肌や粘膜を正常に保ったり、目の働きをサポートしたりします。ごぼうと人参の組み合わせで、ごぼうに少ないビタミンAを補えます。
きんぴらごぼうのレシピ・作り方
ごぼうと豚肉が黒酢にからまり、ごはんが進みます。ごぼうの風味がお肉を引き立てます。ごぼうの歯ごたえで満足感が高いひと品です。前述の通り、ごぼうと豚肉は栄養学的にも相性◎。
豚バラごぼうのしょうがの黒酢煮のレシピ・作り方
ごぼうでグラタン、意外な組み合わせですが好相性です。玉ねぎの甘みと、ちくわの旨みをプラスして。
ごぼうと玉ねぎとちくわのグラタンのレシピ・作り方
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