ニラはダイエットに向いている食材なのか解説していきます。カロリーだけではなくダイエット効果が期待できる栄養素の効能も分かりやすく紹介します。
生のニラの可食部100gあたりのエネルギー量は18kcalで、糖質は1.3g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。水分は92.6g、たんぱく質は1.7g、炭水化物は4.0g、脂質は0.3g、食物繊維は2.7gです。
茹でたニラの可食部100gあたりのエネルギー量は27kcalで、糖質は1.4gです。水分は89.8g、たんぱく質は2.6g、炭水化物は5.7g、脂質は0.5g、食物繊維は4.3gです。
ニラは水分量が多くカロリーも糖質も低いですが、調理法によってカロリーが高くなります。ニラは油で炒めると、100gあたりのエネルギー量は69kcalにまで上がります。油によってカロリーが高くなっているので、糖質は変化ありません。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
他の野菜の100gあたりのカロリー(エネルギー量)と糖質は上表の通りです。
よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gと低いです。これらに比べてもニラのカロリーと糖質が低いことがわかります。じゃがいもの100gあたりのカロリーは59kcalで糖質は8.4gです。かぼちゃはさらに高くなります。
ちなみに、ごはん100gあたりカロリー156kcalで糖質35.6gです。
ニラは野菜の中でカロリーや糖質が低くダイエットに向いているといって差し支えないでしょう。ただ野菜は他の食品と比べるとカロリーも糖質も低いため、野菜全体がダイエットに向いていると言えます。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
ニラには食物繊維が含まれています。食物繊維は、食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、便のカサを増やし、適度な水分を保つことで、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
また、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。さらに胃腸内をゆっくり移動するので、腹持ちがよくなっています。
カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。
カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。
また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。
ニラにはビタミンB1、B2、葉酸などのB群が含まれています。
ビタミンB群は炭水化物、たんぱく質、脂質のいわゆる3大栄養素をエネルギーや体の材料に変えるのをサポートする働きがあります。特にビタミンB1は糖質をエネルギーにするために多量に必要とされます。使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素といえます。
ビタミンB群がなければ、食べたものをエネルギーとして消費したり、筋肉を作ったりすることができないためダイエット中にはとても重要な栄養素となります。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたりする働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すれば筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。また、コレステロール値を下げる作用もあります。
さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。
カルシウムは骨を丈夫にするイメージが強いですが、実はダイエットや美容にも役立つ栄養素の一つです。カルシウムは脂肪の合成を抑え、分解を促進すると言われています。逆に、カルシウム不足になると脂肪が蓄積しやすくなり痩せにくい身体になります。さらに、筋肉をスムーズに動かす作用もありますので、代謝が促進されます。ダイエットの効率をアップさせるために、カルシウム不足にはならないよう摂取しましょう。
ビタミンKは、骨から血液中にカルシウムが放出されるのを抑え、骨にカルシウムが沈着するのを助けてくれます。そしてカルシウムの合成に必要なたんぱく質を生み出し、腸内でカルシウムが吸収されるのを助けます。ビタミンDと並び、健康な歯や骨を作るのに欠かせないビタミンです。
加齢や女性ホルモンの減少、またダイエットなどにより骨密度は低下します。それが重症化すると骨粗しょう症を発症します。ダイエット中の方は積極的に摂取したい栄養素です。
ニラには硫化アリルの一種であるアリシンが含まれています。アリシンにはよく食欲増進の作用があるといわれます。それだけ聞くとダイエット中に食べない方がよいのでは?と思いますが、現実的にニラを食べて「すごくお腹が空くようになる」ことは考えにくいといえます。
アリシンに食欲増進の効果があるといわれる理由は、アリシンに胃の消化液の分泌を活発にさせる働きがあるからです。消化液の量はダイエットに直接関係ありませんが、食べ物をしっかり消化することは健康において非常に重要です。ニラの食欲増進効果はダイエット中でもあまり気にしすぎる必要はないでしょう。
ニラはダイエットに向いた食材といえますが、「主食をすべてニラに置き換える」「食事全体をニラに置き換える」といった極端なダイエット方法はおすすめできません。
摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしたり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性が高いです。
実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。
ニラは1日あたり50g程を目処に摂取するようにしましょう。
さらに、アリシンの摂り過ぎには他のリスクもあります。
アリシンは殺菌作用が強く、刺激も強いです。そのため食べすぎると胃壁や腸内を刺激してしまい、胃痛や下痢などの症状が出てしまいます。胃腸が弱っているときは摂取量を控えた方がいいでしょう。
対処法は、
白湯など水分を摂って安静にする
それでも腹痛が収まらなければ、病院へ
ニラを食べる前に乳製品を摂取しておく
水分を摂取して胃の中を薄め、安静にしましょう。それでも腹痛や頭痛などが治らない場合は、アリシンの刺激ではなくアレルギー等の可能性もあるので、医療機関に相談をして治療を受けましょう。
また、事前に乳製品を摂取しておくことで胃粘膜が保護され、アリシンの吸収を抑えることができます。
また、腹痛にならなくとも臭いが強いため、食後の口当たりが悪く、気持ち悪くなることがあります。また口臭が気になるということも。アリシンの消臭効果のあるものには牛乳やりんごジュースがあります。
りんごに含まれるりんご酸がアリシンを分解する作用があります。
ニラは他の野菜と違い生のままサラダとして食べられないので、ダイエットで取り入れる場合は、おかずにしていただくことになります。その際、味付けに注意しましょう。
ニラ自体はカロリーが低くダイエットに向いているといえますが、味付けが濃すぎるとその分カロリーが上がってしまいます。特に甘味料(砂糖)の使いすぎには注意です。甘味料を使うにしても白砂糖ではなく、GI値(血糖値の上がりやすさの指標)の低い、てんさい糖やメープルシロップなどを使うとよいでしょう。油も摂り過ぎは肥満の原因になります。塩分の使いすぎにも注意しましょう。
バランスよく栄養を摂取するには、五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン類・ミネラル類)を意識し、1食で主食(主にご飯)・主菜(肉・魚・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を取り入れるのが大切です。
前述したような極端なダイエット方法を実施すると、代謝が落ちダイエットに非効率的なだけではなく、体調を崩してしまう場合もあります。ダイエット中は主食・主菜は抜かずに、ニラを副菜のひとつとして取り入れるようにしましょう。
食べ方のコツとしては、先に副菜を食べて、主菜(肉や魚)を食べて、最後に主食(ご飯)を食べることです。そうすることで血糖値がスパイク(急上昇)することが抑えられます。血糖値を急上昇させると急降下し、2時間程で空腹感を覚え過食の原因になります。
ニラは栄養学的に豚肉と相性抜群です。ニラに含まれるアリシンは、豚に豊富に含まれるビタミンB1の吸収率を10倍にアップしてくれます!そのため、ニラの定番料理「レバニラ」は栄養面で理にかなっているといえます。豚肉の中でもレバーが特にビタミンB1が豊富で、ニラの香りはレバーの臭みも消してくれます。さらに、ニラに豊富に含まれるアリシンとβ-カロテンはともに脂溶性ですので、レバニラを作るときに油を使うことでこれらの吸収率もアップできます。
前述した豚肉とニラの組み合わせですが、炭水化物と一緒に摂ることをおすすめします。ニラのアリシンによって吸収率がアップするビタミンB1は、炭水化物がエネルギーになるのをサポートする働きがあります。そのため、炭水化物+豚肉+ニラはダイエット中におすすめの組み合わせです。餃子の具には豚肉とニラがよく使われていますが、これも理にかなっていますね。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。コラーゲンには肌に潤いをもたらす、丈夫な骨を形成する、丈夫な筋肉を形成する、関節の働きをよくするなど様々な効能があります。たんぱく質が豊富な食材には肉類や魚介類、卵、大豆などがあります。丈夫な筋肉を形成することは代謝や運動機能の向上に大変重要で、ダイエット効果大です。
ニラはビタミンKが豊富に含まれています。このビタミンKがカルシウムの吸収を助けるので、一緒に摂取することで骨粗しょう症の予防も期待できます。カルシウムが多い食材には、骨ごと食べられる小魚や豆腐などの大豆製品、野菜や海藻などにも多く含まれています。
ダイエット中に栄養バランスが崩れ、骨粗しょう症になってしまう方がいるので、積極的にカルシウムを摂るようにしましょう。
また、ビタミンDもカルシウムの吸収を助けるので、一緒に摂取するといいでしょう。ビタミンDを多く含む食材は魚類です。また肉類やきのこ類にも含まれています。魚の中でもまいわしや鮭、さんまに多く含まれています。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
ニラが入った卵スープのレシピご紹介します。このレシピでは片栗粉を使用せずカロリーオフ。スープはカロリーが低く満足感が高いのでダイエットにおすすめです。
ニラ卵スープのレシピはこちら
ニラとえのきの食感が良いナムルです。ごま油の香りが食欲をそそります。糖質が抑えられており、糖質制限ダイエットにおすすめの一品です。
ニラとえのきのナムルのレシピはこちら
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