さやえんどうはダイエットに向いている野菜なのでしょうか?カロリー・糖質は高いのか低いのか、ダイエットに効果的な栄養素は含まれているのか、など解説していきます。
生のさやえんどうの可食部100gあたりのエネルギー量は38kcalで、糖質は4.5g(炭水化物から食物繊維を引いた値)です。水分は88.6g、たんぱく質は3.1g、炭水化物は7.5g、脂質は0.2g、食物繊維は3.0gです。
茹でたさやえんどうの可食部100gあたりのエネルギー量は34kcalで、糖質は3.9gです。水分は89.1g、たんぱく質は3.2g、炭水化物は7.0g、脂質は0.2g、食物繊維は3.1gです。
他の野菜の100gあたりのカロリー(エネルギー量)と糖質は上表の通りです。
よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gと低いです。これらに比べるとさやえんどうは高いですが、じゃがいもの100gあたりのカロリーは59kcal、糖質は8.4gなので、さやえんどうの方が低くなります。
ちなみに、さやえんどうの仲間であるグリーンピースは100gで糖質は7.6g、エネルギーは約93kcalあるので、野菜の中では高い方に入ります。
また、ごはん100gあたりカロリー156kcal、糖質35.6gです。さやえんどうは野菜の中ではややカロリーと糖質が高い方ですが、食品全体の中では低い方でダイエットに活用できる食材といえます。
さやえんどうは野菜の中ではやや糖質が高い部類に入りますが、野菜以外の食品と比べたら低いので、ダイエットに向いているといって差し支えないでしょう。
さやえんどうに含まれ、直接的または間接的にダイエットに関係する栄養素とその効能について解説していきます。
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、特に水溶性食物繊維がダイエットの強い味方です。
水溶性食物繊維は、消化管で糖質を取り囲み、糖質の消化・吸収をブロックし、血糖値の上昇を抑えます。また、コレステロールを吸着し排出することで血中コレステロール濃度を低下させます。
さらに、食物繊維が豊富な食品は食べごたえがあり、咀嚼に時間がかかります。たくさん噛むことで満腹中枢が刺激されてすぐにお腹がいっぱいだと感じやすくなります。その結果、食べ過ぎを防ぐことに繋がります。
さやえんどうにはたんぱく質も含まれています。たんぱく質は筋肉を作るのに不可欠であり、筋肉量が増えると代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすくします。
筋肉を付けるにはたんぱく質が必要ですが、筋肉を付けるための運動をするためにはエネルギー源となる糖質がある程度必要です。そのため、運動習慣のある人にとってはさやえんどうはとてもダイエット向きといえます。運動をしっかりしてダイエットする方はたんぱく質と糖質(炭水化物)が必要なので、脂質を控えるダイエットが向いています。
さやえんどうにはビタミンB1、B2、B6などのB群が豊富に含まれています。
ビタミンB群は炭水化物、たんぱく質、脂質のいわゆる3大栄養素をエネルギーや体の材料に変えるのをサポートする働きがあります。特にビタミンB1は糖質をエネルギーにするために多量に必要とされます。使わずに放置されると脂肪として蓄積されてしまう糖質をエネルギーに変えるので、ダイエットを効率的に行う上で大切な栄養素といえます。
ビタミンB群がなければ、食べたものをエネルギーとして消費したり、筋肉を作ったりすることができないためダイエット中にはとても重要な栄養素となります。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。このコラーゲンですが、肌に弾力を与えるだけでなく、丈夫な骨を形成したり、丈夫な腱や筋肉をつくったり、関節の動きをよくしたり働きもあります。ビタミンCとたんぱく質を一緒に摂取すると筋肉量が増え、代謝が上がり、痩せやすい身体になります。
また、コレステロール値を下げる作用もあります。
さらに、ビタミンCはストレスを感じると大量に消費されます。そのため、ダイエットでストレスを感じる方には積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCが不足すると肌荒れが起きるだけでなく、貧血や倦怠感など体調不良も引き起こすことがあるので注意しましょう。
カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。
カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。
また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。
カルシウムは骨を丈夫にするイメージが強いですが、実はダイエットや美容にも役立つ栄養素の一つです。カルシウムは脂肪の合成を抑え、分解を促進するといわれています。逆に、カルシウム不足になると脂肪が蓄積しやすくなり痩せにくい身体になります。さらに、筋肉をスムーズに動かす作用もありますので、代謝が促進されます。ダイエットの効率をアップさせるために、カルシウムの摂取が重要です。
マグネシウムは、カルシウムととても関わりが深く、この2つの栄養素のチームプレーによって筋肉が動かされています。マグネシウムは筋肉を緩めてくれる作用があります。そして、筋肉細胞に入り込むカルシウムの量を調整し、筋肉の収縮を促しているのもマグネシウムです。マグネシウムが少なくなると筋肉疲労が起き、効率的な運動ができなくなります。亜鉛と同様に汗によって失われる成分ですので、運動をするときや夏の時期は積極的に摂取しましょう。
さやえんどうはカロリーが低いからといって「主食をすべてさやえんどうに置き換える」「食事全体をさやえんどうに置き換える」といった極端なダイエット方法はおすすめできません。
摂取カロリーが抑えられるので、一時的には体重が落ちることが期待できますが、途中で炭水化物をドカ食いしてしまいリバウンドしたり、栄養バランスが崩れて体調を崩してしまう可能性があります。実は、炭水化物もダイエットに必要な栄養素で、適量ではあれば体を動かすエネルギー源になり、脂肪を燃やす役割を担います。
さやえんどうの摂取目安量は1日あたり50gくらいが妥当です。
ビタミンB群、C、カリウムは水溶性なので、茹でることで流れ出てしまいます。ただ、さやえんどうは皮に守られているので、比較的に損失は少なくて済みます。
栄養素の流失が気になる方は、スープや煮物などで汁ごと頂くとよいでしょう。また、電子レンジで加熱することでも水溶性栄養素の流失を防ぐことが可能です。
さやえんどうに限りませんが、揚げ物や炒め物など油を多く使って調理すれば、その分カロリーは上がってしまいます。また、味付けも甘味料を多く使えば、その分カロリーが上がります。さやえんどうをサラダで使う場合もドレッシングの糖質・脂質に注意しましょう。
バランスよく栄養を摂取するには、五大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン類・ミネラル類)を意識し、1食で主食(主にご飯)・主菜(肉・魚・大豆製品など)・副菜(野菜・海藻・きのこなど)を取り入れるのが大切です。
前述したような極端なダイエット方法を実施すると、代謝が落ちダイエットに非効率的なだけではなく、体調を崩してしまう場合もあります。ダイエット中は主食・主菜は抜かずに、さやえんどうを副菜のひとつとして取り入れるのがベストです。
食べ方のコツとしては、先に副菜を食べて、主菜(肉や魚)を食べて、最後に主食(ご飯)を食べることです。そうすることで血糖値がスパイク(急上昇)することが抑えられます。血糖値を急上昇させると急降下し、2時間程で空腹感を覚え過食の原因になります。
さやえんどうは糖質をエネルギーに変えるビタミンB1が豊富に含まれるので、ごはんなどの炭水化物を食べるときに一緒に食べると、脂肪として蓄積されづらくなります。ちらし寿司などにさやえんどうが乗っていますが、理にかなっていますね。ちなみに、ちらし寿司に入っている食べ物にはそれぞれ意味が込められており、さやえんどうの豆は「まめに働き、まめに暮らせるように」という意味です。さらにさやえんどうの緑色は「健康・長寿・子孫繁栄」という意味もあります。
糖質制限ダイエットを実施している間はそもそもごはんをたくさん食べるべきではありませんが、少量食べるときにさやえんどうと一緒に食べるのがおすすめです。
さやえんどうに含まれるビタミンCは、たんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。そのため、鶏肉などたんぱく質を豊富に含む食材と一緒に食べると効果的です。たんぱく質とビタミンCを組み合わせて十分に取れば、筋肉が発達し脂肪が燃焼しやすい体に近づきます。
絹さやのほのかな甘みと歯ざわりのよさを活かしたシンプル副菜です。しょうがの風味がアクセントです。しょうがは発汗作用があり代謝をアップさせるので、ダイエッターにおすすめです。
絹さやのしょうが炒めのレシピはこちら
ごまの香ばしさと、絹さやのシャキシャキ感がたまらないひと皿です。ごまに豊富に含まれるビタミンEは強い抗酸化作用があり、アンチエイジングに効果的です。絹さやに含まれるビタミンCがビタミンEの効果を持続させる働きもあります。
絹さやのごま和えのレシピはこちら
味がよく染み込んで満足感の高いひと品。箸休めにどうぞ。
絹さやのくたくた煮のレシピはこちら
Most Popular
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
スナップエンドウは食べ過ぎNG?太る?1日の摂取目安量は?
食品事典
うるいの保存方法と期間。常温・冷蔵・冷凍で長持ちするのは?
食品事典
変色した長ネギは食べられる?原因と対処法を色別に解説
食品事典
ふきの下ごしらえ(茹で方・皮の剥き方・アク抜き)の方法を解説
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典
ほうれん草から黒い汁が出る原因と対処法。食べても大丈夫?
食品事典
玉ねぎにカビが!食べて大丈夫?色別の種類と対処法も解説
食品事典
ハンバーグの温め直し。固くならない方法はレンジ・フライパンどっちがおすすめ?
食品事典
こごみの保存方法と期限。冷蔵・冷凍で長持ちするのは?
食品事典