ピーマンの肉詰めがまずく感じる場合、下ごしらえや焼き方に問題があります。この記事では、不味くなってしまう原因や、美味しく仕上げる方法やポイントなどを解説します。
ピーマンが苦いままであったり、タネが硬くなってしまったりと、不味いと感じる原因は様々です。
ピーマンは独特の苦みや青臭さがあり、子供が嫌いな野菜として真っ先に名前の挙がる野菜ですが、しっかり火を通すことで甘みが出て苦みや青臭さは気になりにくくなります。
ただし、火の加え方が不十分だと甘みが十分に出ず、苦みや青臭さが際立った仕上がりになってしまいます。
ピーマンはじっくり火を通せば柔らかくなり、短い時間でもしっかり火を通せばシャキシャキの食感が楽しめます。ただし、ちゃんと火が通っていないと硬いままであり、柔らかい肉だねの部分との不協和音が起きてしまいます。
火の通りが不十分で硬いピーマンは、前述の通り苦みや青臭さも気になるので、余計に不味く感じてしまうでしょう。
ひき肉を使って作るピーマンの肉詰めは、ハンバーグ同様に生焼けのリスクが高く、じっくり火を通す方が多いと思いますが、長時間焼いてしまうと肉汁がたくさん出てしまい、お肉が硬くパサパサとした仕上がりになってしまいます。
下ごしらえや焼き方を工夫することで焼き時間を短くして柔らかくジューシーな仕上がりにすることが出来ます。
焼く時の火力が強すぎてしまったり、焼きすぎてしまったりして焦がしてしまうと不味くなってしまいます。焼いている際は目を離さないようにし、蓋をして蒸し焼きにする際も時間を計るのがおすすめです。
また、焦下てしまった部分には発がん性物質などの長期的に摂取すると健康に害を及ぼす成分が含まれています。焦がすと不味くなってしまいますが、健康面でもデメリットがあるので、気を付けましょう。
単純に味付けが間違っていて不味く感じることもあります。タネに塩・コショウなどで下味をつける分、しょっぱくなりやすいので要注意です。
また、かけるソースはケチャップや中濃ソースなどで食べるのも美味しいですが、照り焼き層酢や甘酢餡、トマトソースをかけて食べるのもおすすめです。
タネを詰める前のひと工夫で失敗しにくくなり、ピーマンの持つ美味しさを引き出すことが出来ます。
ピーマンの肉詰めは縦半分に切ってタネを詰めるのが一般的です。この切り方は断面の面積が一番広く、フライパンに接する面積も広くなるので、詰めたタネに効率的に火を通すことが出来ます。生焼けや焼きすぎてお肉が硬くなる失敗が起きにくいです。
また、ピーマンの青臭さの成分を含む細胞は縦に並んでいますが、細胞が傷つけられるとニオイが発生するので、縦切りにすることで細胞が傷つけられにくくなり、臭いが気になりにくいです。
ただし、平たい分タネとピーマンのフィット感が悪く、焼いた時に剥がれてしまう失敗が起きやすいです。
ピーマンの肉詰めは縦半分に切ってタネを詰めるのが一般的ですが、横半分や斜めに切ってタネを詰めることもできます。
ピーマンを横半分で切れば、縦半分に切るよりも剥がれる失敗が起きにくく、省スペースで焼くことができます。ただし、フライパンに接する部分の面積が小さく、タネも厚みのある形状になるので、火が通りにくくなります。生焼けにならないよう注意が必要です。
メディアなどで紹介されて人気の切り方が、ピーマンを斜めに切る方法です。横から斜めに包丁を入れ、上側(ヘタ側)と下側に分け、それぞれにタネを詰め込む方法です。縦半分にするよりもすっぽりとタネを入れることができ、剥がれる失敗が起きにくく、横半分に切るよりもタネに火が通しやすいです。また、見た目も少しおしゃれになります。
ピーマンの種やワタ、ヘタはカットして食べる方が多いと思いますが、実は食べることができ、しっかりと加熱すれば柔らかくなりますし、カットせずに食べれば栄養価もアップします。
種やワタは肉だねとくっつきやすく、取らずに使えば剥がれにくくなります。また、ヘタは残すことでタネがピーマンに収まりやすくなり、焼いた時に形が崩れにくくなるといったメリットがあります。
ただし、いずれも皮よりも硬く、火が通りにくいので、裏返さずに作る場合は取り除いておいた方が良いでしょう。タネはプチプチとした食感も楽しめますが、苦み成分を皮の10倍含むと言われ、しっかり加熱しないと苦みが気になりやすいです。
ピーマンをカットせず、ヘタをくり抜いてタネを詰めるのもSNS等で人気です。肉汁が流れ出にくくなり、ジューシーで旨味たっぷりな仕上がりになります。
また、この方法ではタネをピーマンに詰めるのが少し難しいですが、お菓子作りで使う搾り袋を使えば手を汚さずにしっかり詰めることが出来ます。
ただし、注意すべき点として、タネに火が通りにくいので、火を通す時間は長めにする必要があるので気を付けましょう。
ピーマンを事前に温めておくと柔らかくなってタネを詰めやすくなります。電子レンジ(500~600W)で2分温めるか、1分~1分半程度下茹でをして軽く火を通しておきましょう。
また、温めることでしんなりするのでフライパンで加熱時に反って剥がれることが起きにくくなります。ピーマンから苦みや青臭さが抜け、甘みが出るという嬉しい効果もあるので、時間がある方は是非温めてみてください。
ピーマンの肉詰めを作る際、ピーマンにそのままタネを詰めてしまうと剥がれやすいですが、ピーマンの内側に小麦粉をまぶしておくことで、加熱によってタネから出る水分と小麦粉が反応して糊のような役目をするので、タネとピーマンが剥がれにくくなります。
ただし、つけすぎてしまうとサラサラになってしまい、逆に剥がれやすくなってしまうので、軽く振りかける程度にしましょう。小麦粉以外にも片栗粉や米粉でも代用が可能です。
焼いた時に固くパサパサにならない作り方を解説します。
ピーマンの肉詰めに使うひき肉は牛肉と豚肉の合い挽き肉が一般的です。合い挽き肉は牛:豚=7:3もしくは6:4の割合で混ぜて使うのが一般的となっています。スーパーなどで売られている合い挽き肉もこの割合で売られている場合が多いです。もちろん、牛肉と豚肉のひき肉をそれぞれ購入して好みの割合で混ぜることもできます。
固めで食べ応えのあるお肉が好きな方は前者を、柔らかくジューシーなお肉が好きな方を後者を選ぶと良いでしょう。もちろん、牛肉や豚肉だけで作ることもできます。
牛肉だけを使用することで、固めでしっかりとした牛肉の味わいやコクを楽しむことができ、豚肉ならさっぱりと優しい風味でより柔らかくジューシーな味わいになります。
タネ作りに使われる卵やパン粉、牛乳といったつなぎはタネの水分を増やして繋ぎ留め、焼いている間も肉汁や旨味を吸収して水分をつなぎとめ、ふっくらジューシーに仕上げる役割があります。お肉だけで作ると硬くパサパサとした仕上がりになってしまいます。
標準的なつなぎの量はひき肉150〜200g(2~3人前)に対し、パン粉:大さじ3、牛乳:大さじ2、卵1個程度です。
タネにはひき肉やつなぎ以外にも玉ねぎを使いますが、玉ねぎは水分量が多く、加熱すると水分が多く出るので、タネの身縮みを招き、タネとピーマンが剥がれる原因になりやすいです。心配な方は電子レンジで2~3分温めて水分を飛ばしてから使いましょう。
なお、温めた玉ねぎはそのまま混ぜるととひき肉の脂肪を溶かしてしまい、逆にタネがゆるくなってしまったり、旨味が少なく固い仕上がりになったりしてしまうので、必ず冷ましてから混ぜましょう。
また、牛乳などの水分を入れすぎてしまうとタネがゆるくなるので要注意です。
タネのこね方にも気を付けないと失敗につながる可能性があるので要注意です。なお、正しいこね方をすれば美味しさアップにもつながります。
タネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、水分が抜け出すのを防ぎ、肉汁がしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。ひき肉と塩だけでこねてある程度粘りが出てきたらパン粉や牛乳などの具材を追加してください。
また、タネはしっかりこねないと具材が良く混ざらず、しっかりまとまりませんが、タネをこねすぎてしまうと脂が溶けて肉汁が少なくなるので、仕上がりが固くパサパサになってしまいます。こねることで具材が良く混ざる以外にも、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になり、焼いたときに肉汁が出るのを防ぐ役割もあるのでよくこねるようにしましょう。目安は白っぽくなっていて、粘り気があり、肉を突いてみた時にボウルが浮くくらいです。
こねすぎにも注意ですが、手が温かいと脂肪が溶けやすいため、手を冷やしてからこねたり、手ではなくすりこぎ棒や木べらや割り箸を使ってこねると良いでしょう。
焼き方にも美味しく仕上げるための様々なポイントがあります。
ピーマンの肉詰めを焼く際は火力や焼き時間に注意が必要です。強火で焼くと焦げやすく、外側ばかり焼けてしまって中心部は生焼けになってしまいます。ただし、弱火で長時間焼くと今度は肉汁が出すぎてしまい、固くパサパサとした仕上がりになってしまいます。
また、強火調理では野菜に含まれる栄養素が分解されてしまったり、肉汁の水分と一緒に流れ出てしまったりするので、基本的に中火以下で調理しましょう。中火でお肉側を焼いて焼き目を付け、裏返してピーマン側も焼いて軽く焼き目をつけるのが一般的です。
ピーマンの肉詰めを焼く際、まずはお肉を下にして中火で焼きましょう。お肉にしっかり焼き目をつけることで肉汁が流れ出にくくなり、ジューシーな仕上がりになります。
最初からピーマンを下にして焼いてしまうと、お肉に火が通って固まる前にピーマンに火が通りすぎてしんなりとして反ってしまうので、タネと剥がれてしまう失敗が起きやすいです。お肉側から焼いてしっかり焼き目が付いたらひっくり返し、ピーマン側を下にして焼きましょう。
ちなみに、ピーマン側を焼かずにお肉側だけ焼くことでも仕上げることが出来ます。ただし、この方法ではピーマンが反ってタネと剥がれる失敗が起きにくくなりますが、ピーマンにしっかり火が通らず、焼き目をつけて香ばしくすることもできないので、あまりおすすめできません。
ピーマンの肉詰めは、お肉とピーマンのそれぞれに焼き目が付いたら蓋をして弱火で蒸し焼きにしましょう。蒸し焼きにすることで包み込むように熱を通すことができ、焼きムラを防ぐとともにふっくらと仕上がりやすくなり、時短調理にもなります。
フタがない時はアルミホイルをフライパンを覆うサイズに成形して上から被せることで蓋代わりにできます。この時、フライパンが熱くなるほか、取り外すときにアルミホイルも熱くなっているので、触ってやけどしないように注意しましょう。
フタをして蒸し焼きにする際、少量の料理酒(小さじ1~)を加え、弱火で蒸し焼きにすることで旨味を加え、ふっくらと仕上げることができます。
ピーマンの肉詰めは火の通し方が甘いとタネの中心部分が生焼けになってしまいます。特に、ピーマンを縦半分ではなく、横半分や斜め半分に切る、ヘタだけ取って作るといった場合はタネが厚くなって火が通りにくくなるので要注意です。
火の通りは出来上がったピーマンの肉詰めのお肉側に爪楊枝や竹串を刺して確認してみましょう。出てくる汁が透明なら中までしっかり火が通っていますが、赤い汁が出てきた場合は生焼けの可能性が高いので、もう少し焼いてください。
汁の色が分かりにくい場合は、割って中の色が赤くないか確認するのが確実です。また、食材に刺して温度を測るタイプの調理用の温度計を持っている方はお肉に刺して確認してみましょう。中心部分が75度以上ならしっかり火が通っています。
ピーマンの肉詰めのソースは、焼いた後のフライパンで作るのがおすすめです。フライパンに染み出たお肉の肉汁の旨味を活かすことができ、洗い物も減らせるので一石二鳥です。
ただし、使うときは注意が必要で、フライパンに油が多すぎる場合にはざっと捨てましょう。ソースが脂っぽくなってしまいます。フライパンの表面にうっすら残っている程度で十分です。
ピーマンの肉詰めにおすすめのソースを紹介します。
甘辛の照り焼きソースに絡めて食べるのもおすすめです。あっさりとしつつもやみつきになる味わいで、何個も食べられそうな美味しさになります。
ソースは醤油:料理酒:みりん=1:1:1の割合で混ぜたものに砂糖小さじ2を加えて軽く沸騰させます。水溶き片栗粉でとろみをつけ、ピーマンの肉詰めをソースに絡めて完成です。
アレンジも色々で、大根おろしやシソの葉をのせるのもおすすめです。タネにゴボウやレンコンを入れてつくね風にしても美味しいです。
醤油とお酢で作る甘酢だれもおすすめです。少しこってりしているピーマンの肉詰めがお酢のさっぱりさで食べやすくなります。ソースもぽん酢を使えば火を通さずに作ることができるので、比較的手軽に作ることができます。
こだわる方は醤油やお酢、お酒などを煮てソースを作ってみましょう。お酢:しょうゆ:砂糖=3:2:2の割合で作るのが基本です。エノキやエリンギなどを一緒に煮て加えれば栄養価もアップできます。
トマト缶とコンソメなどで作るトマトソースもおすすめです。トマト缶には栄養もたくさん含まれており、特に抗酸化作用を持つリコピンは生トマトの3倍の量が含まれています。
トマトソースも具材にきのこ類や野菜を入れて作ると食べ応えも栄養価もアップさせることができるのでおすすめです。
ハンバーグの定番ソースであるデミグラスソースもピーマンの肉詰めとの相性が良いです。デミグラスソースでもきのこ類や野菜の量を増やすと食べ応えも栄養価もアップさせることができます。
市販のソースでもよいですが、こだわる方は自分で作ってみても良いでしょう。簡単な方法では、ケチャップ:とんかつソース:しょうゆ=3:2:1の割合で混ぜるだけでも作れます。
タネの下味を少し濃い目にしてなにもかけずに食べることもできます。お肉やピーマンの旨味をしっかり味わうことが出来るので、鮮度の良い食材で作る時はなにもかけずに食べてみても良いでしょう。
また、ソースをかけないことで塩分やカロリー摂取量を減らすことが出来るので、ダイエット中の方にもおすすめです。
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