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ピーマンの肉詰めで火が通ったか確認する方法。肉を崩さずにやるには?

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ピーマンの肉詰めで火が通ったか確認する方法。肉を崩さずにやるには?

ピーマンの肉詰めは剥がれる失敗も多いですが、火の通りも心配ですよね。この記事では、ピーマンの肉詰めの火の通りを確認する方法や、火を通しやすくする下ごしらえや焼き方などを解説します。

ピーマンの肉詰めに火が通ったか確認する方法は?

ピーマンの肉詰めは火の通し方が甘いとタネの中心部分が生焼けになってしまいます。特に、ピーマンを縦半分ではなく、横半分や斜め半分に切る、ヘタだけ取って作るといった場合はタネが厚くなって火が通りにくくなるので要注意です。

火の通り具合は様々な方法で確認できます。しっかりと確認して食中毒にならないようにしましょう。

割って確認する

ピーマンの肉詰めに火が通ったかどうかを割って確認する

ピーマンの肉詰めを生焼けか見分ける方法で一番手っ取り早く、わかりやすいのが割って確認する方法です。半分に割ってみて中が赤ければ生焼けということになります。大きさが異なる場合は一番大きいものを割ってみれば確実に見分けられるでしょう。

照明で色がわかりにくい場合はお肉の質感に注目してみましょう。焼く前のタネのような粘り気がある場合、まだ生の可能性があるため、追加で火を通してみましょう。

それでもわかりづらい場合はやけどに注意しつつ中心部を触ってみましょう。冷たかった場合、確実に火が通っていないのでしっかり加熱する必要があります。

ただし、割ることで肉汁が流れ出てしまうのでジューシーさが失われてしまう、割ってしまうので見た目がきれいではなくなるといったデメリットがあります。

爪楊枝や竹串を刺す

ピーマンの肉詰めに火が通ったかどうかを竹串を刺して確認する

火の通り具合は出来上がったピーマンの肉詰めのお肉側に爪楊枝や竹串を刺して確認することもできます。この方法なら見た目を損なうことなく火の通りが確認できます。

爪楊枝などを刺して出てくる汁が透明なら中までしっかり火が通っていますが、赤い汁が出てきた場合は生焼けの可能性が高いので、もう少し焼いてみましょう。

汁の色が分かりにくい場合は他の方法を試してみましょう。

調理用温度計を使う

ピーマンの肉詰めに火が通ったかどうかを調理用温度計を使って確認する

料理の温度を測ることのできる調理用温度計を使えば、火が通っているかを確実に見分けることができます。調理用温度計は、スティックタイプと赤外線タイプがありますが、中心部の温度を測ることのできるスティックタイプで測りましょう。体重計で有名なタニタなどのメーカーの製品があります。

使い方は簡単で、焼き終わったピーマンの肉詰めに調理用温度計を中心部分まで刺して、75℃以上になっていたら、中まで火が通っている証拠です。そこから2分以上加熱することで生焼けは確実に防止することができ、食中毒の原因となる細菌も死滅させることができます。

生焼けのピーマンの肉詰めを食べるとどうなる?

生焼けの食品を食べるのはとても危険なので、心配な方は必ず確認して安全性を確かめましょう。

食中毒を起こす可能性がある

ピーマンの肉詰めのタネの主な材料である牛肉や豚肉は、病原性の細菌や、E型肝炎ウイルスなどの人に害を与えるウイルスや寄生虫に感染している場合があります。その中でもひき肉は切り落とし肉などと比べて脂が多く、空気に触れる部分が多いので細菌の繁殖などの劣化が進むのが早いとされる(そもそもひき肉にされる元のお肉自体の鮮度が良くない)ため、しっかり火を通して調理をする必要があります。

中が赤いピーマンの肉詰めを食べてしまうと、食中毒(腹痛、下痢、嘔吐、発熱など)の原因となってしまうので、焼き直して火を通す必要があります。仮に食べてしまって症状が出た場合には病院に行くことをおすすめします。

症状は食べてから2~3時間経ってから出ることが多いです。ただし、数日経ってから症状が出ることもあります。

出典:お肉はよく焼いて食べよう(厚生労働省)

中が赤いのはタマネギとお肉の成分が反応している場合も

ただし、しっかり火を通していてもタマネギに含まれる硝酸塩とお肉のミオグロビンが反応することで中が赤いままになってしまうことがあります。この現象はハンバーグやメンチカツといったひき肉と玉ねぎを使う料理で起こりやすいです。

硝酸塩とは畑などの土に含まれている成分の一つであり、植物が生長するために大切な成分のため、野菜などにも含まれています。玉ねぎはみじん切りにすることで特にこの硝酸塩が溶け出しやすくなると言われています。

ミオグロビンとはお肉の中に含まれる色素タンパク成分です。ミオグロビンは、153個のアミノ酸からなるグロビンというタンパク質と、鉄イオンを中心に持つヘムから出来ていて、この鉄イオンが酸化することによって、色が赤から褐色に変化することがわかっています。お肉が焼くと色が変わるのもヘモグロビンの色の変化によるものです。

ただし、この反応が起きるケースはそこまで多くなく、多くの場合は生焼けです。玉ねぎと挽肉を混ぜてから時間が経つとこの反応が起こりやすくなるため、心配な方はタネをこね終わったらすぐ焼きましょう。

ちなみに、玉ねぎは生でも問題ありません。むしろ、玉ねぎに含まれるアリシンという成分は加熱に弱いので、栄養面を考慮すると生の方がおすすめです。アリシンは牛肉や豚肉に含まれるビタミンB1を活性化します。

出典:しっかり加熱調理したはずなのに、家で作ったハンバーグの肉が赤いのはなぜですか。肉に食品添加物が使われているのではないかと心配です(農林水産省)。

生焼けの場合に焼き直す方法

電子レンジが一番簡単ですが、フライパンやオーブンを使う方法もあります。

電子レンジで温める

生焼けのピーマンの肉詰めを電子レンジで加熱して焼き直す

確認したら生焼けだった場合、電子レンジで加熱するのがおすすめです。耐熱皿に移してラップを軽くかけ、500Wまたは600Wで30秒~1分加熱してください。中の肉の色が変わり、透明な肉汁が出ていればしっかり火が通っています。まだ中や肉汁が赤い場合は、30秒ずつ追加で温めて様子を見ましょう。

高いワット数で加熱すると外側ばかりが温まってしまって内側が温まらないという本末転倒なことになり、加熱しすぎて肉汁が出て固くパサパサになってしまうので要注意です。必ず少しずつ時間を追加して温めましょう。

もう一度フライパンで蒸し焼き

生焼けのピーマンの肉詰めを再度フライパンで焼き直す

フライパンで確かめた場合や調理で使ったフライパンを洗う前であれば、そのまま再加熱するのもおすすめです。

生焼けのピーマンの肉詰めをフライパンに戻し、フタをして弱火で2~3分ほどじっくり蒸し焼きにします。焦げ付かないか心配なときは、大さじ1杯の水を加えましょう。アルミホイルに包んで焼くのもおすすめです。

焼き終わった後は、肉汁が赤くないか再度確認しましょう。

オーブンで焼き直す

生焼けのピーマンの肉詰めをオーブンで加熱して焼き直す

オーブンで加熱する場合、アルミホイルに包んで温め直すのがおすすめです。ソースがある場合は一緒に温めると水分が飛びにくくなります。

オーブンは事前に180~200度に設定して5~10分温めておき、ピーマンの肉詰めを入れてさらに2~3分温めましょう。時間はかかりますが、ゆっくりと均等に加熱されるので肉汁が出にくく、ジューシーな美味しさを保って加熱し直すことができます。

ソースで煮込む

フライパンを洗う前なら焼き直すのではなく、トマトソースなどで煮込んでリメイクして中までしっかり加熱するのもおすすめです。

ピーマンの肉詰めを焼いたフライパンは洗わず、お好みの調味料を加えてタレを作りましょう。お肉から出た肉汁がタレにコク深さを加えてくれます。トマトソースや照り焼きソース、甘酢餡などがおすすめです。

先にたれの材料を入れてたれを作り、ピーマンの肉詰めを入れて5分ほど煮込みましょう。

ピーマンの肉詰めにしっかり火を通すポイント

ピーマンの肉詰めにしっかり火を通すには下ごしらえから焼き方までいくつかポイントがあります。

ピーマンは縦半分に切る

ピーマンの肉詰めは縦半分に切ってタネを詰めるのが一般的

ピーマンの肉詰めは縦半分に切ってタネを詰めるのが一般的です。この切り方は断面の面積が一番広く、フライパンに接する面積も広くなるので、詰めたタネに効率的に火を通すことが出来ます。生焼けや焼きすぎてお肉が硬くなる失敗が起きにくいです。

また、ピーマンの青臭さの成分を含む細胞は縦に並んでいますが、細胞が傷つけられるとニオイが発生するので、縦切りにすることで細胞が傷つけられにくくなり、臭いが気になりにくいです。

ただし、平たい分タネとピーマンのフィット感が悪く、焼いた時に剥がれてしまう失敗が起きやすいです。

強火での調理はNG

ピーマンの肉詰めを強火で調理すると、外側が焼けていても内側までしっかり火が通っていない状態になりやすいです。

また、火加減が強く温度が高くなりすぎるとお肉から水分がたくさん出てしまい身縮みが起きやすくなるので、剥がれてしまったり、焦げてしまったりする失敗も起きやすいです。

蓋を使って蒸し焼きに

ピーマンn肉詰めは蒸し焼きにして仕上げる

ピーマンの肉詰めは、お肉とピーマンのそれぞれに焼き目が付いたら蓋をして弱火で蒸し焼きにしましょう。蒸し焼きにすることで包み込むように熱を通すことができ、焼きムラを防ぐとともにふっくらと仕上がりやすくなり、時短調理にもなります

フタがない時はアルミホイルをフライパンを覆うサイズに成形して上から被せることで蓋代わりにできます。この時、フライパンが熱くなるほか、取り外すときにアルミホイルも熱くなっているので、触ってやけどしないように注意しましょう。

フタをして蒸し焼きにする際、少量の料理酒(小さじ1~)を加え、弱火で蒸し焼きにすることで旨味を加え、ふっくらと仕上げることができます。

火を通してから詰める方法も

あまり一般的ではありませんが、ピーマンの肉詰めは炒めてから作る方法もあります。ピーマンと一緒に焼く際に身縮みが起きることもなく、生焼けになるといった失敗も起きないので、初めて作る方にもおすすめです。

ひき肉と玉ねぎを先に炒めたらボウルに上げ、追加で卵と粉チーズを混ぜてピーマンに詰めましょう。お肉側を下にして焼くことで卵と粉チーズが接着剤と蓋の役割をするので、焼いている際に上手くまとまります。

2回フライパンを使う必要はありますが、タネをこねる手間を省けるというメリットもあります。

ピーマンの肉詰めを失敗せずに仕上げるポイント

焼く前の下ごしらえをしっかり行うことで美味しく仕上げることが出来ます。

タネには適量のつなぎを混ぜる

タネ作りに使われる卵やパン粉、牛乳といったつなぎはタネの水分を増やして繋ぎ留め、焼いている際も肉汁や旨味を吸収して水分をつなぎとめてふっくらジューシーに仕上げる役割があります。お肉だけで作ると硬くパサパサとした仕上がりになってしまいます。
標準的なつなぎの量はひき肉150〜200g(2~3人前)に対し、パン粉:大さじ3、牛乳:大さじ2、卵1個程度です。

タネの水分に要注意

ピーマンの肉詰めを失敗せずに仕上げるには玉ねぎを電子レンジで加熱して水分を飛ばしておく

タネにはひき肉やつなぎ以外にも玉ねぎを使いますが、玉ねぎは水分量が多く、加熱すると水分が多く出るので、タネの身縮みを招き、タネとピーマンが剥がれる原因になりやすいです。心配な方は電子レンジで2~3分温めて水分を飛ばしてから使いましょう。

なお、温めた玉ねぎはそのまま混ぜるとひき肉の脂肪を溶かしてしまい、逆にタネがゆるくなってしまったり、旨味が少なく固い仕上がりになったりしてしまうので、必ず冷ましてから混ぜましょう。

また、牛乳などの水分を入れすぎてしまうこともタネがゆるくなることにつながるので要注意です。

正しいタネのこね方は?

ピーマンの肉詰めを失敗せずに仕上げるには、先にひき肉と塩だけでこねておく

タネのこね方にも気を付けないと失敗につながる可能性があるので要注意です。なお、正しいこね方をすれば美味しさアップにもつながります。

タネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、水分が抜け出すのを防ぎ、肉汁がしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。ひき肉と塩だけでこねてある程度粘りが出てきたらパン粉や牛乳などの具材を追加してください。

また、タネはしっかりこねないと具材が良く混ざらず、しっかりまとまりませんが、タネをこねすぎてしまうと脂が溶けて肉汁が少なくなるので、仕上がりが固くパサパサになってしまいます。こねることで具材が良く混ざる以外にも、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になり、焼いたときに肉汁が出るのを防ぐ役割もあるのでよくこねるようにしましょう。目安は白っぽくなっていて、粘り気があり、肉を突いてみた時にボウルが浮くくらいです。

こねすぎにも注意ですが、手が温かいと脂肪が溶けやすいため、手を冷やしてからこねたり、手ではなくすりこぎ棒や木べらや割り箸を使ってこねると良いでしょう

ピーマンにもしっかり下ごしらえを

ピーマンの肉詰めを失敗せずに仕上げるにはピーマンを予め電子レンジで加熱して柔らかくする

ピーマンにもしっかり下ごしらえをしておくことで様々な失敗を回避することが出来ます。

まず、ピーマンは事前に温めておくのがおすすめです。柔らかくなることでタネを詰めやすくなり、タネとピーマンが剥がれてしまう失敗も起きにくくなります。電子レンジ(500~600W)で2分温めるか、1分~1分半程度下茹でして軽く火を通しておきましょう。

温めることでしんなりするのでフライパンで加熱時に反って剥がることが起きにくくなります。ピーマンから苦みや青臭さが抜け、甘みが出るという嬉しい効果もあるので、時間がある方は是非温めてみてください。

また、ピーマンにそのままタネを詰めてしまうと剥がれやすいですが、ピーマンの内側に小麦粉をまぶしておくことで、加熱によってタネから出る水分と小麦粉が反応して糊のような役目をするので、タネとピーマンが剥がれにくくなります

ただし、つけすぎてしまうとサラサラになってしまい、逆に剥がれやすくなってしまうので、軽く振りかける程度にしましょう。小麦粉以外にも片栗粉や米粉でも代用が可能です。

ピーマンの肉詰めを美味しく仕上げるコツ

美味しく仕上げるための様々なコツについて解説します。

ひき肉は牛肉?豚肉?

ピーマンの肉詰めに使うひき肉は牛肉と豚肉の合い挽き肉が一般的です。合い挽き肉は牛:豚=7:3もしくは6:4の割合で混ぜて使うのが一般的となっています。スーパーなどで売られている合い挽き肉もこの割合で売られている場合が多いです。もちろん、牛肉と豚肉のひき肉をそれぞれ購入して好みの割合で混ぜることもできます。

固めで食べ応えのあるお肉が好きな方は前者を、柔らかくジューシーなお肉が好きな方を後者を選ぶと良いでしょう。もちろん、牛肉や豚肉だけで作ることもできます。

牛肉だけを使用することで、固めでしっかりとした牛肉の味わいやコクを楽しむことができ、豚肉ならさっぱりと優しい風味でより柔らかくジューシーな味わいになります。

ピーマンのヘタや種、ワタは取る?取らない?

ピーマンの肉詰めを作る際、種やヘタ、ワタはそのままでもOK

ピーマンの種やワタ、ヘタはカットして食べる方が多いと思いますが、実は食べることができ、しっかりと加熱すれば柔らかくなりますし、カットせずに食べれば栄養価もアップします。

種やワタは肉だねとくっつきやすく、取らずに使えば剥がれにくくなります。また、ヘタは残すことでタネがピーマンに収まりやすくなり、焼いた時に形が崩れにくくなるといったメリットがあります。

ただし、いずれも皮よりも硬く、火が通りにくいので、柔らかいピーマンが好みという方は取り除いておいた方が良いでしょう。タネはプチプチとした食感も楽しめますが、苦み成分を皮の10倍含むと言われ、しっかり加熱しないと苦みが気になりやすいです。