ピーマンの肉詰めを作る時、タネがゆるくなってしまって困ったことはありませか。この記事では、ピーマンの肉詰めのタネがゆるくなってしまう原因や対処法、ゆるくならずに作る方法などを解説します。
タネに含まれる水分の多さが主な原因です。
タネ作りに使われる卵やパン粉、牛乳といったつなぎはタネの水分を増やして繋ぎ留め、焼いている際も肉汁や旨味を吸収して水分をつなぎとめ、ふっくらジューシーに仕上げる役割があります。
ただし、つなぎに使う牛乳などの水分が多すぎるとタネが柔らかくなりすぎてしまい、焼いた時に崩れてしまうので、お肉の量に合ったつなぎを混ぜるようにしましょう。ちなみに標準的なつなぎの量はひき肉150〜200g(2~3人前)に対し、パン粉:大さじ3、牛乳:大さじ2、卵1個程度です。
タネにはタマネギを入れますが、入れすぎてしまうとタネの水分量が増えるとともに、タンパク質による結合力が弱くなってしまい、タネがかなりゆるくなってしまうので、入れすぎに注意が必要です。
ひき肉150〜200g(2~3人前)あたり、タマネギは1/4~1/2個が適量とされています。
水分量が多くなくても、ひき肉の脂の量が多いとタネがゆるくなる場合があります。豚肉の割合が多い合いびき肉や、豚ひき肉でも脂身が多いものを選んでしまうとタネがゆるくなってしまいます。
お店でひき肉を選ぶ場合は白い脂身の部分が少ないお肉を選ぶと良いでしょう。安価なひき肉ほど脂身が多い傾向にあるので要注意です。
こね足りないとタネの具材が良く混ざらずまとまりが出ないほか、粘り気が出ず、水分もちゃんと馴染まないので、水っぽいままのタネになってしまいます。
タネをこねることでお肉のたんぱく質の繊維同士が絡み合い、焼いた時に崩れにくくなります。味が均等にもなるので、しっかりとこねましょう。
ゆるいまま焼いてしまうと様々な失敗の原因となります。
タネがゆるい=タネの水分量が多いことを意味するので、加熱によって水分がたくさん抜けることでタネが縮み、ピーマンから剥がれてしまいます。
タネとピーマンが剥がれてしまうと見た目が悪くなるほか、肉汁も流れ出やすくなってしまい、固くパサパサとした仕上がりになってしまいます。
タネがゆるすぎる場合、焼いて水分が抜けると同時に結合力が弱まってポロポロと崩れ出してしまうことがあります。この場合も見た目が悪いだけでなく、火が通りすぎて水分がたくさん抜けてぼそぼそとした仕上がりになってしまいます。
あまりにもタネがゆるい場合には次の項目で紹介する対処法を試してみましょう。
こね直す、具材を追加するなど様々な対処法がります。
タネがゆるい場合、具材と水分がしっかり馴染んでいないためにゆるいこともあるので、さらにこねることでゆるさが解消することもあります。
ただし、明らかに水分を多く入れている場合はこねてもゆるさは解消されないので、下記の方法でゆるさを解消してみましょう。
パン粉や卵といった吸水性の高い材料や、粘りをプラスすることのできる材料をタネに加えることでゆるさが解消できます。ただし、加えすぎると今度はタネが固くなってしまうので、様子を見ながら少しずつ加えてみてください。
パン粉や卵以外にも小麦粉や米粉、片栗粉、お麩、おからといった乾燥している食品でも大丈夫です。お麩を加える際はフードプロセッサーなどで細かく砕いてから加えましょう。
お肉が脂っぽい場合、お肉の赤身を追加することでタネをしっかりとしたテクスチャーにすることができます。おすすめなのが豚肉や牛肉の細切れ肉や切り落とし肉を細かくして加える方法です。
フードプロセッサーまたは包丁で細かくし、タネに加えてみてください。ただし、加えすぎるとお肉本来の固さが前面に出すぎてしまい、焼き上がった際に固めの食感になってしまうので注意しましょう。
タネがゆるい場合、冷蔵庫で寝かせることである程度水分が蒸発し、タネの温度が下がるので、ある程度固まることがあります。早ければ30分ほど寝かせるだけで落ち着くこともあります。
寝かせることで水分と油分がなじみ、お肉が熟成して旨味も増します。ただし、長時間寝かせてしまうと、雑菌が繁殖する原因となるので、長くても2時間以内にしましょう。また、なるべく空気に触れないようにするため、ラップをかけて寝かせましょう。
焼く前にちょっとゆるいな、と感じた場合はタネの表面にパン粉や小麦粉、片栗粉などをまぶしてコーティングしてみましょう。
焼いた際に表面をカリッと焼くことができ、肉汁も抜けにくくなるため、、ジューシーな仕上がりにもなります。タネがゆるくない場合でもコーティングで美味しく仕上げることができます。
こねる目安などのポイントを詳しく解説します。
タネは水分量を減らせば硬くなりますが、硬めのタネで作ると水分量の少なさも相まってジューシーさに欠けるパサパサとした仕上がりとなりやすいです。そのため、タネはバランスの良い硬さにすることが必要です。
タネの硬さの目安はタネ全体が白っぽくなり、粘り気があり、持ち上げてみると軽くボウルが浮くくらいです。
タネをこねることでお肉のたんぱく質の繊維同士が絡み合って味が均等になるので、しっかりとこねましょう。
タネをこねる際、まずはよく冷やしたひき肉と塩だけでこねましょう。塩の働きでひき肉から「アクチン」と「ミオシン」というタンパク質が溶け出し、くっつきあって網目状になるため、肉の粘り気が増えて肉同士がくっついた状態になります。これによって焼いたときに肉汁(肉の脂や水分、旨味成分)が出るのを防ぎ、肉汁がしっかりと残って、ジューシーな仕上がりになります。
塩の量はひき肉に対して0.8~1%くらいがよいとされており、200gのひき肉に対して1.6~2g(小さじ3分の1程度)となります。塩コショウの場合は少し多めのひき肉に対して1~1.2%が適量となります。
ひき肉と塩だけでこねてある程度粘りが出るまでこねましょう。粘りが出たら卵やパン粉、牛乳などのつなぎ具材を追加してください。
ひき肉はこねる直前まで冷蔵庫に入れておきましょう。タネは温度が上がることでひき肉の脂肪が溶けてタネがゆるくなるほか、焼いた時に肉汁が流れ出て固い仕上がりになってしまいます。
また、こねる際はこねすぎにも注意ですが、手が温かいと脂肪が溶けやすく、タネがゆるくなってしまいます。こねる際は手を冷やしてからこねると良いでしょう。手ではなくすりこぎ棒や木べら、割り箸などを使っても良いでしょう。食中毒を防ぐためにも使い捨てのビニール手袋を使うのもおすすめですが、ビニール手袋のサイズが大きく手にフィットしていないと、空気を抜くときにタネが飛び散りやすいというデメリットもあります。
こだわる方は牛乳の代わりに氷を使ったり、タネの入ったボウルを氷水の入った大きなボウルで冷やしながらこねたりしているようです。
また、タネをこねる際に室温が高いとタネの温度が高くなり、タネがゆるくなってしまうこともあります。夏場は冷房をつけ、冬場は暖房を切ってタネをこねるのがおすすめです。
ひき肉の脂身がそこまで多くなくても、タネをこねすぎてしまうと、手のひらの温度で脂が溶け出すため、ベタベタとゆるいタネになってしまうことがあります。
脂の溶けてしまったタネは肉汁が少なくなるので、焼いた際に固く仕上がってしまいます。前述の通り、目安はタネ全体が白っぽくなり、粘り気があり、持ち上げてみると軽くボウルが浮くくらいです。
美味しく仕上げるための様々なコツについて解説します。
ピーマンの肉詰めに使うひき肉は牛肉と豚肉の合い挽き肉が一般的です。合い挽き肉は牛:豚=7:3もしくは6:4の割合で混ぜて使うのが一般的となっています。スーパーなどで売られている合い挽き肉もこの割合で売られている場合が多いです。もちろん、牛肉と豚肉のひき肉をそれぞれ購入して好みの割合で混ぜることもできます。
固めで食べ応えのあるお肉が好きな方は前者を、柔らかくジューシーなお肉が好きな方を後者を選ぶと良いでしょう。もちろん、牛肉や豚肉だけで作ることもできます。
牛肉だけを使用することで、固めでしっかりとした牛肉の味わいやコクを楽しむことができ、豚肉ならさっぱりと優しい風味でより柔らかくジューシーな味わいになります。
ピーマンの種やワタ、ヘタはカットして食べる方が多いと思いますが、実は食べることができ、しっかりと加熱すれば柔らかくなりますし、カットせずに食べれば栄養価もアップします。
種やワタは肉だねとくっつきやすく、取らずに使えば剥がれにくくなります。また、ヘタは残すことでタネがピーマンに収まりやすくなり、焼いた時に形が崩れにくくなるといったメリットがあります。
ただし、いずれも皮よりも硬く、火が通りにくいので、柔らかいピーマンが好みという方は取り除いておいた方が良いでしょう。タネはプチプチとした食感も楽しめますが、苦み成分を皮の10倍含むと言われ、しっかり加熱しないと苦みが気になりやすいです。
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ピーマンにもしっかり下ごしらえをしておくことで様々な失敗を回避することが出来ます。
まず、ピーマンは事前に温めておくのがおすすめです。柔らかくなることでタネを詰めやすくなり、タネとピーマンが剥がれてしまう失敗も起きにくくなります。電子レンジ(500~600W)で2分温めるか、1分~1分半程度下茹でして軽く火を通しておきましょう。
温めることでしんなりするのでフライパンで加熱時に反って剥がれることが起きにくくなります。ピーマンから苦みや青臭さが抜け、甘みが出るという嬉しい効果もあるので、時間がある方は是非温めてみてください。
また、ピーマンにそのままタネを詰めてしまうと剥がれやすいですが、ピーマンの内側に小麦粉をまぶしておくことで、加熱によってタネから出る水分と小麦粉が反応して糊のような役目をするので、タネとピーマンが剥がれにくくなります。
ただし、つけすぎてしまうとサラサラになってしまい、逆に剥がれやすくなってしまうので、軽く振りかける程度にしましょう。小麦粉以外にも片栗粉や米粉でも代用が可能です。
ピーマンの肉詰めは、お肉とピーマンのそれぞれに焼き目が付いたら蓋をして弱火で蒸し焼きにしましょう。蒸し焼きにすることで包み込むように熱を通すことができ、焼きムラを防ぐとともにふっくらと仕上がりやすくなり、時短調理にもなります。
フタがない時はアルミホイルをフライパンを覆うサイズに成形して上から被せることで蓋代わりにできます。この時、フライパンが熱くなるほか、取り外すときにアルミホイルも熱くなっているので、触ってやけどしないように注意しましょう。
フタをして蒸し焼きにする際、少量の料理酒(小さじ1~)を加え、弱火で蒸し焼きにすることで旨味を加え、ふっくらと仕上げることができます。
ピーマンの肉詰めのソースは、焼いた後のフライパンで作るのがおすすめです。フライパンに染み出たお肉の肉汁の旨味を活かすことができ、洗い物も減らせるので一石二鳥です。
ただし、使うときは注意が必要で、フライパンに油が多すぎる場合にはざっと捨てましょう。ソースが脂っぽくなってしまいます。フライパンの表面にうっすら残っている程度で十分です。
あまり一般的ではありませんが、ピーマンの肉詰めはひき肉を炒めてからピーマンに詰めて焼く方法もあります。ピーマンと一緒に焼く際に身縮みが起きることもなく、生焼けになるといった失敗も起きないので、初めて作る方にもおすすめです。
ひき肉と玉ねぎを先に炒めたらボウルに上げ、追加で卵と粉チーズを混ぜてピーマンに詰めましょう。お肉側を下にして焼くことで卵と粉チーズが接着剤と蓋の役割をするので、焼いている際に上手くまとまります。
2回フライパンを使う必要はありますが、タネをこねる手間を省けるというメリットもあります。
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