表面にぬめりがある舞茸は食べられる状態なのでしょうか。本記事では舞茸にぬめりが出る原因や食べられるかどうかを、舞茸の正しい保存方法なども合わせて紹介します。
舞茸にぬめりが出る原因は、下記の通りです。
保存してた舞茸のカサなど表面にぬめりが出ている場合は、腐敗している状態です。
舞茸に限らず多くの食材は腐敗が進むと雑菌が増殖し、ぬめりが出てきます。
そのため、ぬるぬるしていたり糸を引くような粘りがあった場合は腐敗していると考えて良いでしょう。腐敗が原因でぬるぬるしてしまっている場合は、異臭がしたり触るとすぐに潰れてしまうぐらい柔らかいなど、そのほかの腐敗のサインが出ていることが多いです。
腐敗している舞茸の特徴は後述しますので、そちらも合わせて参考にしてください。
舞茸を触ったときにぬるぬるまではいかなくても、湿っているなど水っぽさを感じたことがある方も多いでしょう。湿っているだけで、ぬめりが出ていなければ腐敗しているわけではありません。
舞茸などのきのこ類は、呼吸を行いながら内部の水分を放出します。そのため、パックのまま保存している場合など密閉された状態が続くと、内部の湿度が上昇し表面が蒸れて湿っぽくなってきます。
単に蒸れて湿っぽくなっているぶんには食べて問題ありませんが、そのままの状態で保存していると鮮度は落ちますし腐敗していってしまうので注意しましょう。
ただし、ちょっと押しただけで中から水分が沢山出てくるといった場合も腐敗しています。あまりにも水っぽいようであったり、ぬめりもでているようであれば腐敗しています。判断が難しい場合や心配な方は破棄が無難です。
出典:マイタケの鮮度を保つには(北海道立総合研究機構)
ぬめりがある舞茸の対処法は下記の通りです。
腐敗によってぬめりが出てしまっている舞茸は、残念ですが破棄しましょう。
腐敗によってぬめりが出ている食材は、上述したように雑菌が増殖してしまっている可能性が高いです。すべての雑菌が食中毒の原因になるわけではありませんが、下痢や嘔吐などの症状が出てしまうこともあります。
安全に食べることはできないので破棄するようにしてください。
そこまで腐敗が進んでいなければ、ぬめりは洗い流せば落とせます。しかし、洗い流せば安全に食べられるのかといえばそうではありません。
上述したように、舞茸全体に雑菌が増殖していることも考えられます。中にはぬめりを洗い流して食べたという人もいますが、食中毒の症状が出るかどうかはその人の体調などにもよります。胃腸の調子が悪かったり、消化器官が未熟な小さな子どもや高齢者などは洗って落としたとしても食中毒の症状が出てしまうこともあります。注意しましょう。
「少し傷んでいても加熱すれば大丈夫でしょ」と考える方も多いかと思いますが、加熱をしたとしても食べるのは避けるべきです。
加熱することによって死滅する細菌も確かに多いです。しかし、一口に雑菌といっても様々な種類があり、必ずしも加熱すれば死滅するというわけではありません。
そもそもぬるぬるしている舞茸は味も触感も劣っている状態なので、美味しく食べることができません。無理して食べる必要はないでしょう。
腐敗してぬるぬるしている舞茸を食べてしまっても、必ず食中毒の症状が出るとは限りません。様子を見て症状がでなければ問題はないでしょう。
万が一症状が出た場合は、自己判断で市販の下痢止めなどの薬を飲むのはやめたほうが良いとされています。自己判断で市販の薬を使うと、症状の原因である細菌やウイルスの排出を邪魔してしまい病状が悪化してしまうことがあります。
症状が出た場合は、速やかに病院を受診しましょう。少しでも怪しいなと感じる場合は、食べずに処分したほうが安全です。
出典:食中毒かな?と思ったら(農林水産省)
ぬめり以外の注意すべき舞茸の特徴は下記の通りです。
腐った舞茸の見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
溶け出している箇所がある
カサが黒ずんでいる
全体的に変色している
舞茸に白い付着物がある場合は白カビ、黒いすすのような斑点がある場合は黒カビ、青(緑)の付着物がある場合は青カビが生えている可能性が高いです。カビはカビ毒を発生させ、下痢や嘔吐などの症状が出る可能性があるので破棄しましょう。
また、新鮮な舞茸のカサは茶色で軸は白をしていますが、腐敗がすすむとカサの色は黒っぽくなり、軸などの白い部分も茶色や黒に変色してきます。全体的に変色してしまっている場合は腐敗しています。
腐った舞茸の臭い・味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味
生ゴミの臭い
カビ臭い
舞茸には独特のきのこ臭がありますが、酸っぱい臭いや味がする場合は腐敗しています。
舞茸に限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生臭さ、生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。
カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
ぐにゃっとしていて柔らかい
触ると簡単に崩れる
触っただけで潰れてしまうぐらいぐにゃっとしていて柔らかい場合は、腐敗が進み溶け始めているサインです。また、
簡単にボロボロにくずれてしまう場合も腐敗しています。水分が抜けて完全に乾燥してしまうと、簡単に崩れるようになってしまいます。このような場合も残念ですが食べることができないので破棄しましょう。
舞茸などのきのこ類は収穫後鮮度が落ちて傷むのが早いので、正しく保存しておくことが大切です。舞茸を保存するときのポイントは下記の通りです。
舞茸は傷みやすいため、常温での保存は基本的にはおすすめしません。購入したその日に食べる場合のみ、常温で保存してもOKです。
ただし、室温が高くなる夏は、短時間でも傷んでしまうことがあるため、すぐに食べる予定でも冷蔵保存するようにしましょう。
一般的に、まいたけは無農薬で栽培されているものが多いため、事前に水洗いする必要がありません。気になる汚れがある場合は、湿らせたキッチンペーパーや布などでやさしく拭き取る程度でOKです。
濡れた状態で保存してしまうと、雑菌が増殖しやすくなりぬめりが出てしまいやすいですし、カビが生えてしまう原因にもなります。
また、まいたけは水洗いすることで香りや旨み成分が逃げてしまい、また食感が悪くなってしまいます。それだけではなく、水溶性ビタミンであるビタミンB1やB2なども流れ出てしまいます。
まいたけを含むきのこ類全般は水けに弱い食材です。そのため、保存する際はしっかりと湿気対策を行い、乾燥した状態を保って保存する必要があります。
購入した時のパックやビニール袋のまま保存すると、上述したように湿気を帯びてすぐに傷んでしまうのでNG。後ほど詳しく解説しますが、キッチンペーパーなどで包んでから保存するようにしましょう。
舞茸を保存するときのポイントをふまえた正しい保存方法は下記の通りです。正しく保存することでより長く美味しく食べることができるので、購入したら正しく保存しましょう。
舞茸は冷蔵保存で約1週間ほど日持ちします。すぐに食べる場合は冷蔵保存をしましょう。
購入したまま冷蔵保存することも可能ですが、通気性を良くするためにラップの部分にフォークで穴をあけるようにしてください。
キッチンペーパーで包んでから冷蔵保存する方がより長持ちしますが、すぐに食べる場合はパックに入れたままの保存でもOKです。
使いかけの舞茸や、冷蔵で長持ちさせたい場合はキッチンペーパーに包んでから保存します。
舞茸に水分がついている場合は、キッチンペーパーなどで拭き取ります。キッチンペーパーで包ん
でポリ袋に入れ、口を軽く閉じ冷蔵庫へ。
キッチンペーパーに包むことで余分な水分を吸い取り、舞茸の鮮度を保ってくれます。
舞茸は冷凍保存が不向きと思っている方も多いと思いますが、正しく保存することでより美味しくなります。
冷凍することで旨み成分が作り出されるため、香りや旨みがより豊かになります。
冷凍保存した舞茸は約1ヶ月ほど日持ちしますので、すぐに食べきれない場合は冷凍保存しましょう。
舞茸の石づきを切り落とし、食べやすい大きさに手で裂いて冷凍用保存袋になるべく平らになるように入れます。空気を抜いてから密封し冷凍室で保存します。
解凍すると水分とともに水溶性成分や旨み成分が流れ出てしまうので、凍ったまま調理に使用します。
舞茸は水分を多く含むため、炒めてから冷凍するのもおすすめです。炒めることで水分がほどよく抜け旨みが凝縮し、生で冷凍するよりも保存期間が長くなります。
フライパンで舞茸を炒め(塩こしょうで味付けしても◎)、粗熱がしっかり取れてから冷凍用保存袋に平らになるように入れます。空気を抜いて密封し冷凍室へ。
加熱してから冷凍したまいたけも凍ったまま調理に使用します。
その他にも、塩漬けやオイル漬けにして保存したり、天日干しやオーブンなどで舞茸の水分を飛ばして乾燥保存することもできます。舞茸の保存方法についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
当たり前ですが、新鮮なまいたけを購入する方が長く美味しく保存することができます。新鮮なまいたけには下記のような特徴があります。
肉厚で茶色が濃くカサが密集している
ハリや弾力がある
軸の断面が真っ白
柄がしっかりしている
一株にまとまっているもの
触るとパリッと折れそうなもの
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