レンジで加熱したさつまいもの断面が白くて食べられるのか心配になったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではレンジで加熱したさつまいもが白くなる原因を解説します。
レンジで加熱したさつまいもの断面が白い原因は、さつまいもに含まれているヤラピンであると考えられます。
ヤラピンはさつまいもにしか含まれていない白い乳液のような液体で、ヤラピン酸とラムノース及びフコース、グルコースなどの糖類が組み合わさった物質です。
ちなみに、さつまいもの皮に黒い蜜のような液体がついていることがありますが、これもヤラピンです。ヤラピンは空気中の酸素に触れて酸化すると黒色になる性質があります。さつまいもに傷がついてしまいヤラピンが外に出てしまうと酸化し、黒くなってしまいます。
さつまいもは加熱をすると断面の色が濃くなり、濃い黄色やオレンジ色になります。
特にレンジは構造上加熱ムラができてしまいやすいので、一部のみ白っぽい部分がある場合は火が完全に通っていない可能性も考えられます。
触ってみて白い部分だけが冷たかったり、固い場合は中までしっかり火が通っていないと考えて良いでしょう。
一般的に販売されているさつまいもは、外は赤紫色をしていて中は黄みがかった白色をしています。しかし、「さつまいも」と一口に言っても様々な種類があり、品種によって切り口の色は異なります。
例えば、一般的にスーパーでさつまいもとして販売されていることが多い「紅あずま」の切り口は基本的に黄みがかった白色です。一方、甘くねっとりした口当たりを楽しめることで知られている安納芋の切り口は、オレンジ色です。
このように品種による違いもあるので、それぞれの切り口がどんな色なのか知っておくことも大切です。
さつまいもの品種の中でも、断面が白くて驚かれることが多いのが紅はるかです。
さつまいもの断面が黄色みがかっているのは、β‐カロテンによるものです。β‐カロテンはオレンジ色の色素で、にんじんに多く含まれていることで知られています。
紅はるかは生育中にカロテンが何らかの理由で蓄積されなかったり、分解されてしまうことが原因で断面が白くなってしまうことが多いようです。さつまいもは加熱をすると、通常、断面の色が濃くなって黄色っぽくなったり濃いオレンジ色になりますが、元々β‐カロテンが蓄積されなかった紅はるかは加熱をしても色が白っぽいままになってしまいます。
レンジで加熱したさつまいもが白くなってしまった場合、食べられるのか解説します。
ヤラピンには胃の粘膜を保護したり、便を柔らかくし便秘を予防・改善する効果があります。人体に害を及ぼす成分ではないので、そのまま食べても問題ありません。
ちなみに皮の表面についている黒く変色したヤラピンもそのまま調理をすることが可能です。ただし、土汚れなどが混じった状態で固まってしまっている場合は取り除いて調理することをおすすめします。
さつまいもは焼き芋や甘煮など加熱調理をして食べるのが一般的ですが、生食できる野菜です。そのため、生焼けの状態で食べても問題はありません。
しかし、やはり加熱ムラができている状態だとしっかり加熱できて柔らかくなっている部分と食感の差が出てしまうため食べにくいです。
そのため、生焼けの場合は中まで火が通るよう再加熱しましょう。
断面が白くなってしまっている紅はるかは、再加熱をしても水分が飛んでしまってパサパサになってしまいます。しっかり柔らかくなっていれば問題なく食べることができますので、そのまま食べましょう。
白い紅はるかは、通常の紅はるかよりも甘みが少ないため美味しくないと言われることも多いです。そのため白い紅はるかは、煮物にして食べるなどの工夫をするのがおすすめです。
甘さは控えめでも工夫をすればさつまいもの優しい甘みを楽しむことができます。
さつまいもを上手にレンジで加熱するためのポイントは下記の通りです。
さつまいもは、丸ごとの状態とカットしてからの状態のどちらも、レンジで加熱することができますが、より柔らかさを重視するのであればカットしてからがおすすめです。
丸ごとの状態だと内部への熱が伝わるのに時間がかかりますが、カットすれば早く熱が伝わります。熱は食材の表面から内部に伝わるため、境界面積が大きいほど熱がより迅速に浸透し、中心部まで達するのが早くなるのです。
また、カットした状態であれば加熱がより均一に行われるため加熱ムラができにくく、全体的に柔らかくすることができます。
茹でる場合はカットしてからだと断面から水溶性の栄養素が流出してしまうため、丸ごとの状態が望ましいですが、レンジを使う場合はお湯を使うわけではないのでカットした状態でも栄養を大きく損なってしまう心配はありません。
さつまいもをカットしてレンジで加熱する際に大切なポイントは、さつまいもの厚さを均等にすることです。
厚さを均等にすることによって加熱の均一性が保たれ、さつまいも全体を柔らかくすることができます。また、カットした部分が厚いと加熱に時間がかかるため、均一な厚さに揃えることは調理時間の短縮にも繋がります。
カット方法はなんでも大丈夫ですが、おすすめは輪切りです。レンジはマイクロ波で食材を加熱していくのですが、角張った部分があるとそこにマイクロ波が集中してしまいやすいです。マイクロ波が集中して当たってしまった部分は水分が飛んで固くなってしまいますし、全体が上手く加熱されず加熱ムラの原因になってしまいます。
丸ごと加熱したい場合は、できるだけ丸い形のさつまいもを選ぶようにしましょう。
上述したように、角張った部分があったり尖っている部分があるとマイクロ波が集中して当たってしまい、部分的に固くなってしまったり加熱ムラができてしまうためです。
丸ごと加熱する場合は、頭とおしりの尖っている部分は切り落としておくと◎
さつまいもを蒸すときは、基本的には皮は剥かなくても大丈夫です。
さつまいもの皮には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンや、食物繊維などが含まれているので栄養面的には皮も一緒に調理をして食べるのがベストです。
離乳食として与えたいときや、スイートポテトにしたいときなど皮を剥く必要があるときは皮を剥いて加熱しましょう。
さつまいもをレンジで加熱したときに、固くなってしまったりパサパサになってしまうのは、さつまいもの水分が蒸発してしまうためです。
電子レンジは、庫内に放出されるマイクロ波によって食材が持つ水分子が熱を持つようにエネルギーを与えます。そのため、元々さつまいものように水分量が少ない食材を温めると水分が蒸発してなくなってしまうのです。
特にしっとりねっとり系の品種のさつまいもの場合は(安納芋など)、水分を飛ばしてしまうと本来の食感が出ないので注意が必要です。
そのため、さつまいもが水分を保持できるよう、濡れたキッチンペーパーに包んでから加熱するなどの工夫をすることが重要になります。さつまいもがしっかりと水分を保持できていれば、レンジを使ってもしっかりと蒸すことができるので柔らかく仕上げることができます。
さつまいもは低温でじっくり加熱をした方が柔らかくなるのに加え、甘みが出ます。
さつまいもが甘くなるのは、β-アミラーゼという酵素がでんぷんを麦芽糖に変えるからです。甘くなる前に火が通ってしまうと甘くなりません。
そのためレンジは時短になるメリットがある一方で、一気に加熱してしまうと甘みが出ないデメリットがあります。
レンジだと一般的に500W〜600Wで加熱することが多いですが、甘みを出したい場合は150W程度の低温でじっくりと加熱するのが望ましいです。
低温に対応していない場合は、解凍モードを活用しましょう。解凍モードは基本的に100W〜200Wに設定されていることが多いので低温でじっくりと加熱することができます。
加熱時間の目安は、さつまいもの大きさやレンジのワット数によっても異なります。
200gのさつまいもを一般的なレンジのワット数500W〜600Wで加熱する場合は、500Wで4分50秒、600Wで4分が目安です。
低いワット数でじっくり加熱する場合の目安は下記の通りです。
100W:24分
150W:16分
200W:12分
おかずにする場合のさつまいもを加熱するときは、500W〜600Wで加熱し、スイーツを作りたいときなど甘みを最大限に引き出したいときには低温でじっくり加熱するのがおすすめです。
普段私達が食べている部分は、さつまいもの「根」です。土の中で成長したものを掘り出しています。
収穫後はすぐ土汚れを落としてしまうと乾燥してしまったり、濡れてしまったことが原因でカビが生えやすくなってしまうため、軽く土を払うことはあっても洗わずに出荷されることがほとんどです。スーパーなどで販売されているさつまいもは綺麗に見えますが、調理をする際はしっかりと洗いましょう。
流水で十分汚れを落とすことができますが、土汚れがひどい場合はしばらく水につけておきます。そうすると汚れがふやけて綺麗に落ちます。
たわしなどでゴシゴシ擦ってしまうのはNGです。これだけでミネラル類である鉄分やマグネシウムは30〜50%、表皮に多く含まれているカルシウムは約90%が流れ出てしまうんです。
そのため道具を使うならスポンジで優しく洗いましょう。こうするだけでミネラル類の流出を10%以下に抑えられます。
栄養がたっぷり含まれている皮が剥がれてしまったり、さつまいもに傷をつけてしまわないためにも優しく洗うことが大切です。
カットしてからレンジで加熱する場合は、そのままレンジで加熱すると断面が黒っぽく変色してしまうことがあります。これは、断面が空気中の酸素に触れることによってさつまいもに含まれるポリフェノールやヤラピンと呼ばれる成分が酸化し、変色してしまうためです。
変色してしまっても食べることはできますが、見た目が悪くなってしまうので気になるようであれば、アク抜きというよりは色止めの目的で10分ほど水にさらしておくのが良いでしょう。水にさらしておくことでさつまいもが水分を吸うため、レンジで加熱したときに水分を保持しやすくなるメリットもあります。
ただし、長く水にさらしてしまうとビタミンCなどの水溶性の栄養素がどんどん流出してしまうので長くさらしすぎないように注意してください。
さつまいもをレンジで柔らかくする方法を紹介します。
さつまいもを綺麗に洗ったら、輪切りにします。
乱切りなどでも良いのですが、上述したように角張った部分があると加熱ムラができてしまいやすいので、輪切りがおすすめです。
カットしたら、丸ごと加熱するのと同様にキッチンペーパーで包みます。キッチンペーパーで包んだら、一度水に濡らしてラップに包みます。
加熱時間の目安は上記で紹介した通りです。
200g程度のさつまいもをじっくりと加熱したい場合は、150Wで16分ほど加熱するのがおすすめです。
短時間で加熱したい場合は600Wで4分程加熱しましょう。
竹串がすっと通るぐらい柔らかくなったら、ラップに包んだまま粗熱をとります。
ラップをつけたまま粗熱を取ることで、さつまいもから発生する蒸気が保持されます。この蒸気は食材内部の水分を保ち、乾燥を防ぐために役立ちます。乾燥することなく水分を保つことで、さつまいもの食感や風味を損なうことなく柔らかさをキープすることができます。
続いて、丸ごとさつまいもをレンジで柔らかくする方法を紹介します。
レンジを使ってさつまいもを丸ごと加熱する場合は、まず濡れたキッチンペーパーでさつまいもを包みます。(濡らした新聞紙でもOK)
キッチンペーパーにさつまいもを包んだら、ラップでしっかりと包みます。
さつまいもをラップで包んだら、レンジに入れて加熱します。
加熱時間はレンジのワット数やさつまいもの大きさによっても異なりますが、目安は600Wで1分半〜2分程です。
600Wで加熱したら、200Wに設定しさらに8分〜10分ほどじっくり加熱します。
200Wに設定できないレンジであれば解凍モードにしましょう。
さつまいもを竹串などで刺してみてスッと通れば完了です。
加熱をしたら、カットして加熱したときと同様にラップに包んだまま粗熱を取ります。
レンジなしでもさつまいもを柔らかく加熱することができます。
蒸し器を使ってさつまいもを蒸す場合は、まずさつまいもを輪切りなど食べやすい大きさにカットします。(丸ごとでもOK)
さつまいもをカットしたら、水を入れた蒸し器に並べて蓋をして加熱し、蒸し器から湯気が出てきたら火を弱めます。弱火でじっくりさつまいもに火を通していくのが甘みを出すポイントです。
加熱時間の目安は大きさにもよりますが、1.5cm程の輪切りであれば10分ほどです。丸ごと蒸す場合は20分から30分ほど蒸しましょう。
さつまいもはフライパンを使って蒸すこともできます。蒸し板や蒸し網があればそちらを使うのが良いでしょう。蒸し板や蒸し網がない場合は、下記の方法で蒸し茹ですることが可能です。
蒸し茹でにする場合はお湯を使いますが、完全にさつまいもが浸すわけではないので茹でるよりも水溶性の栄養素は守ることができます。
こちらは直径21cmのせいろです。天然素材(竹、杉、桃皮)で作られています。漂白剤などの化学薬品は使用されていませんので、安心してお使いいただます。
21cmと26cmの大きさがあります。
さつまいもはフライパンを使って蒸すこともできます。蒸し板や蒸し網があればそちらを使うのが良いでしょう。蒸し板や蒸し網がない場合は、下記の方法で蒸し茹ですることが可能です。
さつまいもをフライパンを使って加熱する場合は、まずフライパンに水を入れます。
水を入れたらクッキングペーパーを敷き、上にさつまいもを入れて蓋をします。クッキングペーパーがなければアルミホイルでも大丈夫です。
さつまいもを入れて蓋をします。蓋をしたら中火で加熱し、沸騰し湯気が出てきたら弱火にして20分加熱します。
20分加熱したら上下をひっくり返し、20分加熱していきます。途中で水気がなくなってきてしまったら、水を追加してください。20分茹でて竹串がすっと入るのを確認したら完了です。
おすすめのフライパンは下記の記事でご紹介しています。
おすすめフライパン16選|人気商品から海外ブランドまで|選び方も解説
さつまいもにじっくり火を通すとなると時間がかかってしまうのがデメリットですが、炊飯器に入れて炊飯モードで炊けば、途中で様子を見たりしなくてもしっかりと火を通すことができます。
炊飯器を使ってさつまいもを加熱するときは、炊飯器に洗ったさつまいもを入れて、さつまいもが半分浸かるぐらいの水を入れます。
水を入れたら炊飯モードで炊き上げるだけです。
炊飯器で炊いている間は目を離して大丈夫なので、他の作業ができます。ただし、炊飯器によってはご飯以外を炊くことができない場合があるので取り扱い説明書をしっかり読んでください。
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