さつまいもを調理するときや、さつまいも料理を食べたときに土臭さを感じたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではさつまいもが土臭い原因やさつまいもの土臭さを軽減する方法などを紹介します。
さつまいもが土臭い原因は下記の通りです。
普段私達が食べている部分は、さつまいもの「根」です。土の中で成長したものを掘り出しています。
収穫後はすぐ土汚れを落としてしまうと乾燥してしまったり、濡れてしまったことが原因でカビが生えやすくなってしまうため、軽く土を払うことはあっても洗わずに出荷されることがほとんどです。
そのため、さつまいもは土臭さを感じやすいです。
土臭い=鮮度が高いというわけではありませんが、鮮度が保てている状態であるといえるでしょう。
土の中で育っているさつまいもは土臭さを感じやすいですが、カビの臭いである可能性もあります。
カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。
長く保存していたり、保存環境が悪い場合は土の臭いではなくカビの臭いの可能性があるので、カビが生えていないかしっかりチェックすることが大切です。
さつまいもを味噌汁したり、煮物にしたときに土臭さを感じたことがある方も多いのではないでしょうか。さつまいも料理に土臭さを感じる理由としては下記の2点があげられます。
しっかりと洗えていなかった
カビが生えていた・傷んでいた
さつまいもは土汚れが酷いと、さっと流しただけでは汚れが落ちず調理をしても土臭さが残ることがあります。
しっかり洗ったはずなのに土臭さを感じた場合は、カビが生えていたり傷んでいた可能性が高いです。さつまいもは比較的長く保存できる野菜ではありますが、正しく保存できていなかったりカットすると傷むのが早いので注意が必要です。
さつまいもが土臭い原因はおわかりいただけたかと思います。続いて、土臭いさつまいもは食べられるのかどうか解説します。
土汚れがついていることが原因である場合は、しっかり洗い流せば問題なく食べることができます。
さつまいもは土汚れがある程度落としてあって綺麗に見えても、軽く払っているだけなことが多いので、調理をする前はしっかり洗うことが大切です。上述したように土汚れが残っていると料理全体が土臭くなってしまうことがあります。
また、土壌由来の細菌が分布している可能性もあります。細菌のすべてが食中毒の原因になるわけではありませんが、加熱しても死滅しないこともあるのでしっかり洗い流したほうが安心して食べることができます。
カビの可能性がある場合は、カビが生えている箇所がないかしっかり確認しましょう。白いふわふわとしたほこりのようなものがついている場合は白カビ、黒い斑点が集まって変色しているように見える箇所がある場合は黒カビ、青いふわふわとしたものがついている場合は青カビが生えています。
さつまいものように厚い野菜は表面にカビが生えていても中まで侵食していなければ食べられるといわれています。(黒カビ以外)しかし、カビの胞子は目に見えないほど小さいので目視で確認できなくても侵食している可能性があります。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が出る可能性があります。カビ毒は加熱すれば大丈夫ということはないので注意しましょう。
カビが生えている部分を確認できなくても、長く保存していたり高温多湿の場所に置いていたなど、カビが生えている可能性が考えられる場合、心配な方は破棄が無難です。
出典:かびとかび毒についての基礎的な情報(農林水産省)
さつまいもの土臭さを軽減できる洗い方を紹介します。
さつまいもの土汚れが気になる場合は、あらかじめボウルに入れた水にさつまいもをつけて置きましょう。みずにつけておくことで、こびりついてしまっている土汚れもふやけて落としやすくなります。
水につける時間は10分程度が目安です。あまり長くつけてしまうとビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が流出してしまうので注意が必要です。
さつまいもを水につけて土汚れをふやかしたら、流水で洗い流します。
水につけていない場合など土汚れが流水でなかなか落ちない場合は手で優しくこすります。スポンジを使っても良いでしょう。スポンジを使う場合は食器洗浄に使っているものや掃除に使うものではなく清潔なスポンジを使ってください。
土汚れはしっかり落とすことが大切ですが、たわしでゴシゴシ洗ってしまうのはNG!
これだけでミネラル類である鉄分やマグネシウムは30〜50%、表皮に多く含まれているカルシウムは約90%が流れ出てしまうんです。そのため道具を使うならスポンジで優しく洗いましょう。こうするだけでミネラル類の流出を10%以下に抑えられます。
栄養がたっぷり含まれている皮が剥がれてしまったり、さつまいもに傷をつけてしまわないためにも優しく洗うことが大切です。
上述したように単に土汚れがついていて土臭いさつまいもは食べることができますが、下記のような特徴があるさつまいもは腐敗しています。食べられないので破棄しましょう。
腐ったさつまいもの見た目の特徴は下記の通りです。
全体的に黒く変色している
シワシワで変色している
溶け出している
表面がシワシワになっている場合は水分が抜けてしまっている状態です。水分が抜けているだけであれば食べることができますが、変色しはじめているようであれば腐敗しているので食べられません。
さつまいもは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒く変色している場合は腐敗している状態です。また、溶け出している部分がある場合も腐敗がかなり進んでいる状態なので破棄してください。
腐ったさつまいもの臭い・味は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
発酵臭
生ゴミ臭
さつまいもは若干の土臭さはあるものの、そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味、発酵臭、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
さつまいもに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いや発酵臭がしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
ぶよぶよになっていて柔らかい
ぬるぬるしていて糸を引く
新鮮な状態のさつまいもは、生のままだと表面にハリがあり固いですが、腐敗するとぶよぶよとした柔らかい触感になります。指で押すと簡単に凹んでしまうぐらい柔らかくなっている場合は破棄しましょう。
また、ぬるぬるしていて糸を引く場合は雑菌が増殖している状態です。この場合も腐敗しているので食べることはできません。
さつまいもにカビが生えてしまって土臭くなってしまったり、傷んでしまうのは避けたいですよね。さつまいもに限らず食材は購入したら正しく保存することが大切です。
正しく保存することで鮮度を保つことができるので、より長く美味しく食べることができます。保存期間の目安も記載するので参考にしてください。
さつまいもは常温で保存するのが基本的です。さつまいもは常温でも1ヶ月ほど保存が効きます。
常温で保存する場合は、土をとらずそのままの状態で保存します。土が湿っている場合は天日干しなどをして土を乾燥させてから保存します。
さつまいもを1本ずつ新聞紙で包み、かごやザル、段ボールなどに入れて風通しのよい冷暗所で保存します。
さつまいもは、収穫時も呼吸を続けており、呼吸熱や二酸化炭素の発生量が多いです。そのためラップやプラスチックの袋に入れて常温保存するのはNG。通気性のよい新聞紙(なければキッチンペーパー)がおすすめです。
20℃を超えると発芽しやすくなるため、室温が暖かくなる春や夏は常温以外の方法で保存するようにしましょう。また、使いかけのカットしたさつまいもは、季節問わず常に冷蔵もしくは冷凍保存するようにしましょう。
長期保存したい場合や、室温が高くなる季節は冷蔵保存がおすすめです。さつまいもを冷蔵で保存すると、約2ヶ月ほど日持ちします。丸ごと1本冷蔵する方法と、カットして冷蔵する方法がありますので、それぞれの手順を詳しくご紹介します。
さつまいもを丸ごと1本冷蔵保存する際は、1本ずつ新聞紙に包みます。ポリ袋に入れて軽く口を閉じ、野菜室で保存します。
保存温度が低すぎると低温障害が起きやすいので、温度が低すぎない野菜室での保存がおすすめです。
さつまいもはカットしてから冷蔵保存することも可能です。さつまいもの表皮についている汚れをしっかりと水洗いし、乱切りなどお好みの大きさにカットします。密閉容器にさつまいもを入れ、かぶるくらいの水を入れてフタをし、冷蔵庫で保存します。水は毎日取り替えるのがベストです。
カットしたさつまいもは傷みやすいので、2〜3日を目安に食べ切るようにしましょう。調理時は水を切ってそのまま調理に使用します。
さつまいもは冷凍保存も◎。冷凍することで甘みが増します。繊維が多いため、丸ごと冷凍はNG。薄めにカットしてから冷凍します。さつまいもを冷凍保存する場合、約1ヶ月ほど日持ちします。
さつまいもは生のまま冷凍することができます。
水洗いしたさつまいもを輪切りにします。さつまいもの皮には栄養があるので、皮ごと切ってOK。カットしたさつまいもを10分ほど水にさらしてアク抜きをします。キッチンペーパーなどでしっかりと水けを拭き取り、冷凍用保存袋に重ならないように平らに並べ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。
生のまま冷凍したさつまいもは凍ったまま炒め物や煮物、汁物、炊き込みご飯などに使用します。茹でてサラダなどにしても美味しくいただけます。
輪切り以外にもいちょう切りやスティック状など、使いやすい大きさにカットしてから冷凍保存するのも◎。
加熱してから冷凍保存をすれば、調理時間が短縮できます。
輪切りにしたさつまいもに火を通します。たっぷりのお湯で茹でるか、蒸す、もしくは電子レンジで加熱する方法があります。さつまいもにはビタミンCが含まれており、ビタミンCは加熱することで壊れやすいとされている成分ですが、さつまいものビタミンCは一緒に含まれているでんぷんによって保護されているため、加熱しても壊れにくいといわれています。
竹串などを刺して火が通っていることを確認したら、粗熱を取って冷凍用保存袋に重ならないように平らに入れ、空気を抜いて密封し冷凍室で保存します。
凍ったまま調理に使用したり、電子レンジなどで解凍しそのまま食べることもできます。
マッシュ状(ペースト状)にして冷凍しておくのもおすすめです。
さつまいもの皮を剥き、適当な大きさに切って蒸します(電子レンジで加熱したり、茹でてもOK)。さつまいもが熱いうちにマッシャーなどを使ってつぶします。粗熱が取れたら冷凍用保存袋に平らになるように入れ、空気を抜いて密封し、冷凍室で保存します。
冷凍したマッシュ状(ペースト状)のさつまいもは、前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、もしくは電子レンジで解凍します。サラダやスープ、スイートポテトなどにおすすめです。
その他にも、天日干しやオーブンで加熱して水分を飛ばして乾燥保存することもできます。さつまいもの保存方法については、こちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
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