さつまいもを食べて酸っぱいと感じたことはありませんか?腐敗しているのではと心配になりますよね。本記事では、さつまいもが酸っぱい原因を解説します。
さつまいもが酸っぱい・酸っぱい臭いがする原因は下記の通りです。
皮ごと焼くなど加熱調理をしたさつまいもが酸っぱい原因は、さつまいもに含まれているクロロゲン酸と呼ばれる成分にあります。
クロロゲン酸はポリフェノールの一種です。クロロゲン酸は加熱するとキナ酸と呼ばれる酸味がある成分に変化する性質があります。クロロゲン酸はコーヒー豆にも多く含まれている成分で、コーヒー豆を焙煎すると酸味が出るのもキナ酸に変化しているためです。
さつまいものクロロゲン酸は皮付近に多く含まれているため、皮ごと加熱調理をすると、酸味を強く感じることがあるのです。
さつまいもの皮を剥いて調理をしているのにも関わらず、酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がする場合は腐敗している可能性が高いです。
さつまいもに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いや発酵臭がしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。
腐敗している場合は、キナ酸とは異なる酸っぱい臭いがするので、酸っぱい臭いを強く感じる場合は腐敗していると考えて良いでしょう。
さつまいもから酸っぱい臭いがしたり、酸っぱい味がする原因はおわかりいただけたかと思います。続いて、酸っぱい臭い・味がするさつまいもは食べられるのかどうか解説します。
皮ごとさつまいもを調理したときの酸味は、腐敗しているわけではないので食べても問題ありません。
クロロゲン酸が加熱されることによって変化したキナ酸には、クランベリーに多く含まれていることで知られている成分です。強い抗酸化茶寮・抗炎症作用があるといわれています。食べても人体に害はありません。
酸味が気になる場合は、皮付近を取り除くと酸味が軽減されて食べやすくなります。特に焦げてしまっているような部分は酸味を感じやすいので取り除くと良いでしょう。
腐敗が原因で酸っぱい臭いがしたり、酸っぱい味がする場合は当たり前ですが食べることはできません。
さつまいもに限らず、腐敗した食材には細菌が繁殖していることが多いです。すべての細菌が食中毒の原因になるわけではありませんが、下痢や嘔吐などの症状が出てしまうことがあります。安全に食べることはできませんし、美味しく食べることもできないので破棄しましょう。
腐敗しているさつまいもの特徴については後述しますので、そちらも参考にしてください。
腐敗しているさつまいもの特徴は下記の通りです。下記の特徴があるさつまいもは食べることができないので破棄しましょう。
腐ったさつまいもの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に黒く変色している
シワシワで変色している
溶け出している
さつまいもの表面や実に白いふわふわとしたほこりのようなものがついている場合は白カビ、黒い斑点ができていて、周りが溶けている場合は黒カビが生えています。表面のみにカビが生えていて、中まで侵食していなければ、カットして食べることができるといわれていますが、心配な方は破棄しましょう。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が起こる可能性があります。
表面がシワシワになっている場合は水分が抜けてしまっている状態です。水分が抜けているだけであれば食べることができますが、変色しはじめているようであれば腐敗しているので食べられません。 さつまいもは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒く変色している場合は腐敗している状態です。また、溶け出している部分がある場合も腐敗がかなり進んでいる状態なので破棄してください。
腐ったさつまいもの臭い・味は下記の通りです。
生ゴミ臭
カビ臭い
食材は腐敗が進むと生ゴミのような臭いがすることもあります。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
ぶよぶよになっていて柔らかい
ぬるぬるしていて糸を引く
新鮮な状態のさつまいもは、生のままだと表面にハリがあり固いですが、腐敗するとぶよぶよとした柔らかい触感になります。指で押すと簡単に凹んでしまうぐらい柔らかくなっている場合は破棄しましょう。
また、ぬるぬるしていて糸を引く場合は雑菌が増殖している状態です。この場合も腐敗しているので食べることはできません。
さつまいもは寒さに弱い野菜で、最適貯蔵温度は13〜15℃です。上述したように5℃以下の環境になると低温障害を起こしてしまい、変色したり腐敗が進みます。
ただしさつまいもは、20℃を超えると発芽しやすくなってしまいます。したがって、季節に応じて適切に保存するのが重要なポイントになります。
基本的には常温保存がベストですが、室温が上がりやすい春や夏は常温以外の方法で保存するようにしましょう。
さつまいもが腐ってしまうもう一つの原因は、湿度です。
さつまいもの最適貯蔵温度は85〜95%です。日本は比較的湿度が高い気候で、特に梅雨の時期などは食べ物の保存には十分に注意が必要です。多湿な環境にさつまいもを放置しておくと、腐敗が一気に進みやすくなります。
また湿度70%以上の環境ではカビも生えやすいので、カビが生えないよう通気性の良い場所で保存しておくことも大切です。
出典:野菜の最適貯蔵条件(農研機構)
さつまいもに限らず、食材は正しく保存しておくことで鮮度と保つことができるので、より長く美味しく食べることができます。さつまいもを購入したら正しく保存しておくことが大切です。
さつまいもは常温で保存するのが基本的です。さつまいもは常温でも1ヶ月ほど保存が効きます。
常温で保存する場合は、土をとらずそのままの状態で保存します。土が湿っている場合は天日干しなどをして土を乾燥させてから保存します。
さつまいもを1本ずつ新聞紙で包み、かごやザル、段ボールなどに入れて風通しのよい冷暗所で保存します。
さつまいもは、収穫時も呼吸を続けており、呼吸熱や二酸化炭素の発生量が多いです。そのためラップやプラスチックの袋に入れて常温保存するのはNG。通気性のよい新聞紙(なければキッチンペーパー)がおすすめです。
20℃を超えると発芽しやすくなるため、室温が暖かくなる春や夏は常温以外の方法で保存するようにしましょう。また、使いかけのカットしたさつまいもは、季節問わず常に冷蔵もしくは冷凍保存するようにしましょう。
長期保存したい場合や、室温が高くなる季節は冷蔵保存がおすすめです。さつまいもを冷蔵で保存すると、約2ヶ月ほど日持ちします。丸ごと1本冷蔵する方法と、カットして冷蔵する方法がありますので、それぞれの手順を詳しくご紹介します。
さつまいもを丸ごと1本冷蔵保存する際は、1本ずつ新聞紙に包みます。ポリ袋に入れて軽く口を閉じ、野菜室で保存します。
保存温度が低すぎると低温障害が起きやすいので、温度が低すぎない野菜室での保存がおすすめです。
さつまいもはカットしてから冷蔵保存することも可能です。さつまいもの表皮についている汚れをしっかりと水洗いし、乱切りなどお好みの大きさにカットします。密閉容器にさつまいもを入れ、かぶるくらいの水を入れてフタをし、冷蔵庫で保存します。水は毎日取り替えるのがベストです。
カットしたさつまいもは傷みやすいので、2〜3日を目安に食べ切るようにしましょう。調理時は水を切ってそのまま調理に使用します。
さつまいもは冷凍保存も◎。冷凍することで甘みが増します。繊維が多いため、丸ごと冷凍はNG。薄めにカットしてから冷凍します。さつまいもを冷凍保存する場合、約1ヶ月ほど日持ちします。
さつまいもは生のまま冷凍することができます。
水洗いしたさつまいもを輪切りにします。さつまいもの皮には栄養があるので、皮ごと切ってOK。カットしたさつまいもを10分ほど水にさらしてアク抜きをします。キッチンペーパーなどでしっかりと水けを拭き取り、冷凍用保存袋に重ならないように平らに並べ、空気を抜いて密封し冷凍室へ。
生のまま冷凍したさつまいもは凍ったまま炒め物や煮物、汁物、炊き込みご飯などに使用します。茹でてサラダなどにしても美味しくいただけます。
輪切り以外にもいちょう切りやスティック状など、使いやすい大きさにカットしてから冷凍保存するのも◎。
加熱してから冷凍保存をすれば、調理時間が短縮できます。
輪切りにしたさつまいもに火を通します。たっぷりのお湯で茹でるか、蒸す、もしくは電子レンジで加熱する方法があります。さつまいもにはビタミンCが含まれており、ビタミンCは加熱することで壊れやすいとされている成分ですが、さつまいものビタミンCは一緒に含まれているでんぷんによって保護されているため、加熱しても壊れにくいといわれています。
竹串などを刺して火が通っていることを確認したら、粗熱を取って冷凍用保存袋に重ならないように平らに入れ、空気を抜いて密封し冷凍室で保存します。
凍ったまま調理に使用したり、電子レンジなどで解凍しそのまま食べることもできます。
マッシュ状(ペースト状)にして冷凍しておくのもおすすめです。
さつまいもの皮を剥き、適当な大きさに切って蒸します(電子レンジで加熱したり、茹でてもOK)。さつまいもが熱いうちにマッシャーなどを使ってつぶします。粗熱が取れたら冷凍用保存袋に平らになるように入れ、空気を抜いて密封し、冷凍室で保存します。
冷凍したマッシュ状(ペースト状)のさつまいもは、前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、もしくは電子レンジで解凍します。サラダやスープ、スイートポテトなどにおすすめです。
その他にも、天日干しやオーブンで加熱して水分を飛ばして乾燥保存することもできます。さつまいもの保存方法については、こちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
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