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かぼちゃから酸っぱい臭い...食べられる?原因と対処法を解説

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かぼちゃから酸っぱい臭い...食べられる?原因と対処法を解説

かぼちゃから酸っぱい臭いがして食べられるのか不安になったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではかぼちゃから酸っぱい臭いがする原因と食べられるのかどうかを解説します。

かぼちゃから酸っぱい臭いがする原因は?食べられる?

腐敗が原因

かぼちゃから酸っぱい臭いがする場合は、腐敗している可能性が高いです。

かぼちゃに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり、酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。

かぼちゃは青臭さはあるものの、酸っぱい臭いがする野菜ではないので、酸っぱい臭いがしたら腐敗していると考えて良いでしょう。

煮物が酸っぱい場合も腐敗

かぼちゃといえば煮物が定番料理ですよね。かぼちゃの煮物を作り置きしておく方も多いと思いますが、かぼちゃに限らず調理をした野菜は冷蔵だと傷みやすいので注意が必要です。

かぼちゃの煮物などから酸っぱい臭いがする場合も、原因は腐敗です。

食べられないので破棄

当たり前ですが、腐敗してしまったかぼちゃは食べることができません。

腐敗してしまった食材には細菌が増殖している可能性があります。すべての細菌が食中毒の原因となるわけではありませんが、下痢や嘔吐などの症状が出ることもあるので安全に食べることはできません。

かぼちゃから酸っぱい臭いがしたり、口にしてみて酸っぱいな〜と感じたら無理して飲み込まずに出して破棄してください。

加熱すれば食べられる?

腐敗しても加熱すれば食べられるのではないかと思う方もいらっしゃるかと思いますが、かぼちゃに限らず腐敗してしまった食材は加熱をしても安全に食べられるということはありません。

腐敗した食材について増殖してしまった細菌は、加熱をしても死滅しない場合があります。食べてしまうと下痢や嘔吐などの症状が出る可能性がありますし、味や食感も悪くなっていて美味しく食べられないので破棄しましょう。

かぼちゃが腐る原因

かぼちゃが腐ってしまう原因は下記の通りです。

表面に傷がついてしまった

かぼちゃは固い野菜なのでトマトなどの柔らかい野菜と比較すると丈夫ではありますが、傷がついてしまうと傷口から雑菌が入ってしまうので腐敗する原因になります。

固いからといって乱雑に扱わず、傷がつかないよう丁寧に扱うことが長持ちさせることに繋がります。

出荷する過程で傷がついてしまっていることもあるので、できるだけ表面に傷がついていない綺麗な状態のかぼちゃを購入しましょう。万が一傷がついていた場合は、できるだけ早めに食べきることが大切です。

保管環境(高温・多湿)

かぼちゃの最適貯蔵温度は、12~15℃です。かぼちゃは丸ごとの状態であれば常温保存可能ですが、気温が高くなる季節は腐敗してしまいやすいので冷蔵保存や冷凍保存するのが良いでしょう。

また、かぼちゃの最適貯蔵湿度は50~70%です。多湿の環境での保存は腐敗しやすいですし、カビも生えやすくなってしまうので避けるのがベストです。風通しがよく湿度が高くなりすぎない場所で保存しましょう。

出典:野菜の最適貯蔵条件(農研機構)

栽培中に腐ってしまうことも

かぼちゃは栽培中に腐敗してしまうこともあります。栽培中にかぼちゃが腐敗してしまう原因は下記の通りです。

  • 日光に当たりすぎている

  • かぼちゃが地面に接している

  • 早く収穫しすぎた

かぼちゃは栽培中に日光に当たりすぎると日焼けしてしまい、表面が茶色っぽくなったり白っぽく変色してしまいます。日焼けしていると腐敗しやすくなってしまいます。

また、かぼちゃがべったりと地面についた状態で育っていると土壌由来の細菌が原因で発症する病気に感染し腐敗してしまうこともあります。そのため、かぼちゃを栽培する際には土に直接接しないようマットを敷くなどの工夫が必要です。

さらに、かぼちゃを早く収穫しすぎてしまうのも腐敗する原因になってしまいます。未熟な状態のかぼちゃには水分が多く含まれています。水分が多く含まれているぶん雑菌が増殖したり、カビが生えてしまいやすいです。収穫時期の目安はヘタがコルク状になっているかどうかです。ヘタがしっかりと乾燥していないうちは時期尚早なので収穫しないようにしましょう。

酸っぱい以外の注意すべきかぼちゃの臭い

生ゴミの臭い

生ゴミのような臭いがする場合はかなり腐敗が進んでいる状態なので食べることはできません。

上述したように食材は腐敗すると多くのバクテリアが活動します。バクテリアが食材を分解する際には様々な有害物質を発生させます。これが、腐敗した食べ物から悪臭がする原因です。

生ゴミの臭いがする場合も破棄しましょう。

カビ臭い

カビ臭い場合は、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。

カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。

カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が出ることがあるので、心配な方は破棄するのが無難です。

かぼちゃの正しい保存方法

保存していたかぼちゃから酸っぱい臭いがして使えなくなっていたら悲しいですよね。かぼちゃに限らず食材は正しく保存しておくことで鮮度を保ち、より長く美味しく食べることができます。

それでは、かぼちゃの正しい保存方法を紹介します。

常温保存(丸ごと2〜3ヶ月)

かぼちゃは常温保存が可能な野菜です(ただし丸ごとのみ)。正しく保存すれば、2〜3ヶ月ほど日持ちします。用意するのは新聞紙のみ。とても手軽な保存方法です。

丸ごとのかぼちゃを新聞紙包んで常温保存すれば最大で3ヶ月ほど保存することができる

丸ごとのかぼちゃを新聞紙に包みます。ヘタの部分を下にして包むと、かぼちゃの重みで新聞紙をとめることができます(ガムテープなどで貼り付けるとさらに◎)。かぼちゃが大きい場合は新聞紙を数枚使って全体をしっかり覆いましょう。

新聞紙で包んだら風通しのよい冷暗所で保存します。保存時はヘタが上になるようにして置きます。かぼちゃが畑で育っていた環境になるべく近づけてあげることで、余計なストレスがかからず鮮度を保って保存することが可能です。横にした状態で保存すると、元の状態に戻ろうとして余計なエネルギーを消費し、味が悪くなってしまいます。

常温保存することでゆっくりと追熟が進み甘みが増します。甘みが増すのは、かぼちゃのでんぷんが糖質に変わるため。甘みとともに栄養価も増します。スーパーなどに並んでいるかぼちゃはすでに追熟が進んでいますが、ご家庭で収穫したかぼちゃは、すぐ食べるのではなく数ヶ月ほど追熟させてから食べるようにしましょう。皮の色がオレンジがかってきたら完熟のサインです。

室温が高くなる夏はかぼちゃが傷みやすいので、常温以外の方法で保存することをおすすめします。また、カットしたかぼちゃは一年を通して冷蔵保存するようにしましょう。

冷蔵保存

カットしたかぼちゃは冷蔵保存がおすすめです。冷蔵かぼちゃは1週間ほど保存することができます。まるごと保存する場合と違って傷みが早いので、なるべく早く食べるようにしましょう。

種・ワタをとりラップ(1週間)

かぼちゃを適当な大きさにカットしたらラップに包みポリ袋に入れて冷蔵保存する

かぼちゃを適度な大きさにカットし、種とワタを取り除きます(種やワタの部分から傷みやすいため)。切り口にぴったりとラップをかけ包み、ポリ袋に入れて軽く口を閉じてから冷蔵庫で保存します。

皮がかたくて切りづらい場合は、電子レンジで3〜5分ほど加熱すると、カットしやすくなります。やけどに注意してカットしてください。また、加熱する場合は、粗熱がしっかり取れてからラップで包むようにしましょう。

取り除いた種も冷蔵保存可

かぼちゃの種は加熱し冷蔵保存する

冷蔵保存時に取り除いた種は捨てないで!かぼちゃの種にも豊富な栄養が含まれています。

保存時に取り除いた種を耐熱皿に広げてふんわりとラップをし、600Wの電子レンジで4〜5分ほど加熱します。種が割れたら中身を取り出し、クッキーやスープの具材として使用します。そのまま食べるのも◎。加熱した種は大変熱くなっているので、やけどに注意してください。

冷凍保存

さらに日持ちさせたい場合は冷凍保存がおすすめ。冷凍したかぼちゃは約1ヶ月ほど保存することができます
かぼちゃは冷凍してもビタミンB類やCの含有量はほぼ変わりません。β−カロテンに関しては含有量がアップするといわれています。

冷凍したかぼちゃは解凍せず凍ったまま調理に使うのが◎。冷凍かぼちゃは食感や味が少々落ちてしまいますが、マッシュして保存すれば美味しさをキープすることが可能です。

生のままカット(1ヶ月)

かぼちゃを生のまま食べやすい大きさにカットして冷凍保存する

一口大や薄いくし形など、お好みの大きさにカットし、まとめてラップで包みます。冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。金属トレイの上にのせ、さらに冷蔵庫の急速冷凍機能を使えば、旨みをぎゅっと閉じ込めて鮮度を保って保存することが可能です。

なるべく薄く、小さくカットすることで、解凍後の火の通りが早くなります。解凍せず凍ったまま調理することで、煮崩れしにくくなります。厚くカットしたかぼちゃは、一度電子レンジで軽く解凍してから調理すると火が通りやすくなります。

レンジで加熱してカット(1ヶ月)

かぼちゃをカットし加熱してから冷凍保存することもできる

加熱してから冷凍すれば、調理の時間が短縮できます。茹でてしまうと解凍時に水っぽくなってしまうため、電子レンジで加熱するのがおすすめです。

一口大にカットしたかぼちゃを耐熱皿にのせ、ふんわりとラップをし、600Wの電子レンジで2分ほど加熱します。粗熱を取ったら冷凍用保存袋に入れて密封し冷凍室へ。金属トレイ+急速冷凍機能で冷凍するのがおすすめです。

加熱して冷凍したかぼちゃは電子レンジで解凍するか、凍ったまま煮物や汁物などの加熱調理に加えてもOKです。

マッシュにして(1ヶ月)

茹でたかぼちゃをマッシュにして冷凍するのもおすすめ

離乳食やスープ、お菓子作りなどにはマッシュした冷凍かぼちゃがおすすめです。

かぼちゃの皮を剥いて茹で(皮つきのままでも◎)、熱いうちに麺棒で潰します。粗熱が取れたら小分けにしラップで平たく包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ。マッシュかぼちゃの冷凍でも金属トレイ+急速冷凍機能を使うと◎。

マッシュしたかぼちゃは前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、すぐに食べたい場合は電子レンジで解凍して、サラダやスープ、コロッケなどの料理や、プリンなどのお菓子に使用するのがおすすめです。

その他には天日干ししたりオーブンで加熱して水分を飛ばしてから保存する乾燥保存などもあります。かぼちゃの保存方法についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。