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さやえんどう(絹さや)の食べ過ぎはNG?1日の摂取目安量は?

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さやえんどう(絹さや)の食べ過ぎはNG?1日の摂取目安量は?

鮮やかな緑色と食感が重宝されるさやえんどう(絹さや)ですが、食べ過ぎとどんな影響があるのでしょうか?本記事ではさやえんどうを大量摂取した場合のリスクと、1日の摂取目安量を解説します。

さやえんどうの食べ過ぎに注意

レクチン

さやえんどうには「レクチン」というタンパク質が含まれています。生のままでさやえんどうを食べると、「レクチン」が体内に入り、食中毒になる恐れがあります。大量に食べればそのリスクが上がります。

茹でたり炒めたりする調理法でしっかり火を通すと、レクチンが体内に影響することはないとされています。

出典:厚生労働省|白インゲン豆の摂取による健康被害事例について

食物繊維

さやえんどうには食物繊維が含まれています。食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、腸内環境を整える際に、この2つのバランスが重要となります。

さやえんどうはほとんどが不溶性食物繊維です。

不溶性食物繊維は摂りすぎると大腸を刺激しすぎてしまい、大腸の収縮が強くなって起こる痙攣性便秘の原因になる場合があります。

ちなみに、水溶性食物繊維は摂りすぎるとお腹がゆるくなってしまう可能性があります。また、ビタミンやミネラルなど必要な栄養素の吸収も妨げてしまう場合もあります。

出典:

栄養バランス

さやえんどうを食べ過ぎると栄養が偏ることが懸念されます。

さやえんどうに含まれていない栄養には、例えば、ビタミンDやビタミンB1などがあります。ビタミンDは骨の形成を助け、ビタミンB12は赤血球の中のヘモグロビンの生成を助ける働きがあります。

さらに、同じ栄養素であっても複数の食材から摂取した方がよいとされています。バランスのよい食事を心がけましょう。

出典:農林水産省「食事バランスガイド」

カリウム

さやえんどうは比較的カリウムが豊富に含まれています。

カリウムは普通の食事で摂りすぎることはあまり考えられませんが、腎機能が低下している方がカリウムの多い生野菜や果物、いも類、海藻類などを過剰摂取したり、腎機能に問題ない方でもサプリメントで摂りすぎた場合は「高カリウム血症」という症状になる恐れがあります。

塩や醤油、味噌を多く使う日本人は塩分を摂りすぎる傾向があり、塩分に含まれるナトリウムの摂取量が多くなるため、腎機能に問題がなければカリウムを食材から積極的に摂ることが推奨されます。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

カロリー・糖質

さやえんどうと他の野菜のカロリー・糖質を比較した表

さやえんどうの可食部100gあたりエネルギー量(カロリー)は38kcalで、糖質は4.5gです。豆類は栄養価が高いので、若干カロリーや糖質は高いですが、芋類に比べると低くなっています。一度に食べる量を考えても、太る心配はないでしょう。ただし、味付けなどによってカロリーが高くなることがありますので、調理法には注意しましょう。

ちなみにごはん(白米)100gあたりの糖質は35.6gで、156kcalとなっています。チョコレートの糖質は、ミルクチョコレートの場合100gあたり糖質51.9gで550kcalにもなります。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

ビタミン類

さやえんどうにはβ-カロテン(ビタミンA)やビタミンC・Kなどが含まれています。

ビタミンAは過剰摂取によって頭痛や筋肉痛、皮膚の乾燥や脱毛などの症状が現れます。また、妊婦さんは特に気にかけた方がよく、妊娠初期に過剰摂取すると胎児に悪影響を及ぼす可能性が高くなることが報告されています。しかし、野菜に含まれるβ-カロテンは必要量のみビタミンAに変換されるので心配いりません。

ビタミンCは大量摂取すると、吐き気、下痢、腹痛などが生じることがありますが、通常の食事でビタミンC過剰症になることは基本的にありません。ビタミン過剰症はサプリメントの過剰摂取などから引き起こることが多いです。

ビタミンKに関してはどのくらいの量で過剰症を発症するか、という研究報告は十分にされていないのが現状で、耐用上限量は設定されていません。しかし、食物からの摂取では尋常ではない量を食べない限り過剰症にはならないので、心配ありません。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

さやえんどうの摂取目安量

テーブルに並んださやえんどう

さやえんどうの1日の摂取目安量は明確に定まっていませんが、厚生労働省が発表している各栄養素などの摂取目標量などを基準に目安を把握することはできます。

緑黄色野菜を基準にすると

大人の野菜の摂取目安量は1日あたり350g以上と設定されており、緑黄色野菜は120g以上、淡色野菜は230g以上です。

緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。

さやえんどうは豆類ではなく緑黄色野菜に分類されるので、他の野菜と合わせて120g程度を目安にするといいでしょう。緑黄色野菜にはほうれん草や人参、かぼちゃ、ピーマン、トマト、小松菜などがあります。他の緑黄色野菜も摂ることを考えると、さやえんどうの1日の摂取量は50〜100gくらいが妥当といえます。

出典:厚生労働省|健康日本21(第二次)

さやえんどうの栄養素と効能

テーブルに並んださやえんどう

食物繊維

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられますが、さやえんどうの食物繊維は大半が不溶性食物繊維です。不溶性とは液体に溶解しない性質を持っており、不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。

さやえんどうに含まれる不溶性食物繊維には代表的なセルロースがあり、体内でほとんど分解されず、腸内で水分を吸収して膨張し腸管壁を刺激するので、便秘改善が期待できます。さらにダイオキシンや重金属などの有害物質を吸着して、体外に排出する働きもあるといわれています。

β-カロテン(ビタミンA)

β-カロテンはさまざまな野菜にも含まれていますが、さやえんどうにも豊富に含まれます。野菜の中でもβカロテンが豊富な青ピーマンよりも多く含まれています。

β-カロテンは体内で必要量がビタミンAに変換されます。皮膚や喉など全身の粘膜を健康に保ち、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐことで免疫力をアップします。また、抗酸化作用もあるので、アンチエイジング効果や生活習慣病の予防効果が期待できます。

変換されたビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目や視力低下の抑制効果、他にも皮膚の健康維持に関与していることから乾燥肌やニキビ肌の改善など美肌効果も期待できます。

ビタミンB1

日本人が不足しがちなビタミンB1がさやえんどうには含まれています。

糖質がエネルギーに変わるときには酵素が働きますが、その酵素の働きを促す補酵素の役割を果たすのがビタミンB1です。糖質の分解をサポートし、体を元気にします。

また、糖質は脳や神経系のエネルギー源ですので、イライラを抑える作用もあります。

ビタミンC

さやえんどうはビタミンCが特に豊富で、その含有量はいちごと同じくらいです。

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。

そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。

カリウム

カリウムはミネラルの一種です。

カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。

そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。

リン

リンの約80%はカルシウムやマグネシウムと結合して歯や骨の構成成分となっています。体内でビタミンB1やB2と結合して補酵素になり、糖質の代謝促進をします。さらに、エネルギー代謝にも関わり、エネルギー発生やエネルギーの貯蓄に関わっています。さらに筋肉や神経などの機能を正常に保つ効果もあります。

リンとカルシウムは血液中で一定のバランスを保っているため、この2つの成分のバランスがとても大切です。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス