かぼちゃをカットしたときの断面や種やわたがぬるぬるしていて食べられるのか心配になったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では、かぼちゃがぬるぬるする原因や食べられるのかどうかを解説します。
かぼちゃがぬるぬるする原因は下記の通りです。
保存してたかぼちゃをカットしたときに、断面がぬるぬるしていた場合は腐敗している可能性が高いです。かぼちゃに限らず多くの食材は腐敗が進むと雑菌が増殖し、ぬめりが出てきます。
そのため、かぼちゃをカットしたときにぬるぬるしていたり、糸を引くような粘りがあった場合は腐敗と考えて良いでしょう。腐敗が原因でぬるぬるしてしまっている場合は、異臭がしたり触るとすぐに潰れてしまうぐらい柔らかいなど、そのほかの腐敗のサインが出ていることが多いです。
カットした断面や皮の下に白い部分があり、洗うなど水で濡らしたらぬるぬるしたという場合は、でん粉が糊化してぬめりが出ています。
かぼちゃは高温の場所で保存していたり乾燥させてしまうと、かぼちゃに含まれている糖質やでん粉が結晶化し、白くなります。この現象は「クリスタル症状」と呼ばれる生理現象です。
でん粉には水で溶かすとぬめりが出る性質があるため、でん粉が結晶化したかぼちゃを水で濡らすとぬるぬるすることがあるのです。
表面や実にぬめりはないのに、種やわたの部分だけぬるぬるになっていることもあります。この場合は、かぼちゃが追熟され、熟した状態です。
実はかぼちゃは、完全に熟す前に収穫されているため、収穫後に追熟することで柔らかくなり、甘みも増して美味しい状態となります。
ただし、種やわたは傷みやすい部分なので、カビが生えているなど腐敗が原因でぬるぬるしていることもあります。腐敗していて食べられないかぼちゃの特徴は後述しますので、そちらを参考にしてください。
かぼちゃがぬるぬるする原因はおわかりいただけたでしょうか。それではぬるぬるしているかぼちゃは食べられるのかどうか解説します。
腐敗によって断面などにぬめりが出てしまっている場合は、残念ですが破棄しましょう。
腐敗によってぬめりが出ている食材は、上述したように細菌が増殖してしまっている可能性が高いです。すべての細菌が食中毒の原因になるわけではありませんが、下痢や嘔吐などの症状が出てしまうこともありますし、加熱しても死滅するとは限らないので安全に食べることができません。
一部がぬるぬるしていて、取り除けるようであれば洗って食べるという方もいますが、心配な方はやはり破棄するのが無難でしょう。
でん粉によるぬめりは、食べて問題ありません。
でん粉とは、植物が光合成をすることによって生成されたブドウ糖から貯蔵物質に変わった炭水化物で、種子・根茎・塊根・球根などの細胞に蓄えられています。
例えば、普段料理でよく使われている片栗粉の原料はじゃがいものでん粉です。じゃがいもを水にさらし沈殿したでん粉を乾燥させて粉状にすると片栗粉になります。
でん粉は普段から口にしているものですので、そのまま調理をしても大丈夫です。
種やわたのみがぬるぬるしていて実に全く異常が見られなければ、単に熟しただけなので問題なく食べることができます。
ワタにもに高い栄養価が詰まっています。β−カロテンは果肉部分よりも多く含まれており、その他ビタミンEや食物繊維も含まれているため、健康維持の効果が期待できます。実(じつ)は、わたはかぼちゃの中で甘みが一番強い部分です。捨てずにミキサーにかけてポタージュなどに入れたり、細かく刻んでホットケーキの生地やスクランブルエッグに混ぜて食べるのがおすすめです。カレーの隠し味にも◎。
また、ワタと一緒に捨てがちな種は、パンプキンシードとして食べることができます。かぼちゃの種には、コレステロール値を抑える不飽和脂肪酸のリノール酸やビタミンE、各種ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。中でもプロテインは、実のなんと138倍、食物繊維は39倍もの量が含まれているのです。
栄養豊富な種を捨てるもったいない!外側の白い殻を剥いて、中の緑の部分をおやつやおつまみなどとして食べるのがおすすめです。
上記で紹介したようにぬるぬるしていても腐敗が原因でなければ食べることができますが、下記のような特徴があるかぼちゃは腐敗しているので食べることはできません。
腐ったかぼちゃの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
中が変色していてドロっとしている
溶け出している
全体的に黒・茶に変色している
かぼちゃの表面や身の部分に白いふわふわとしたほこりのようなものがついている場合は白カビ、黒い斑点ができていて、周りが溶けている場合は黒カビが生えています。表面のみにカビが生えていて、中まで侵食していなければ、カットして食べることができるといわれていますが、心配な方は破棄しましょう。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が起こる可能性があります。
カットしたときに中が濃い色に変色していて、ドロっとしているなど溶け出している箇所がある場合も腐敗が進んでいる状態なので破棄しましょう。
かぼちゃは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒や茶色に変色してしまっている場合は腐敗しています。
腐ったかぼちゃの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
カビ臭い
かぼちゃは多少の青臭さはあるものの、本来そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
かぼちゃに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったかぼちゃの触感の特徴は下記の通りです。
指で押すと簡単に潰れるぐらい柔らかい
ぬるぬる・ベタベタする
糸を引いている
かぼちゃは熟していくにつれて柔らかくなりますが、新鮮であればある程度の固さはあります。指で押しただけで簡単に潰れてしまうなど、あまりに柔らかくなりすぎているようであれば腐敗している可能性が高いので破棄しましょう。
また、触ったときにぬるぬるしていたり、ベタベタする、糸を引くといった場合も腐敗が進んでいる状態です。雑菌が増殖している可能性が非常に高いので食べないようにしましょう。
せっかく買ってきたかぼちゃが腐敗してぬるぬるしていたら悲しいですよね。かぼちゃに限らず食材は正しく保存することで鮮度を保ち、より長く美味しく食べることができます。
かぼちゃの正しい保存方法は下記の通りです。
上述した通り、かぼちゃは常温保存が可能な野菜です(ただし丸ごとのみ)。正しく保存すれば、2〜3ヶ月ほど日持ちします。用意するのは新聞紙のみ。とても手軽な保存方法です。
丸ごとのかぼちゃを新聞紙に包みます。ヘタの部分を下にして包むと、かぼちゃの重みで新聞紙をとめることができます(ガムテープなどで貼り付けるとさらに◎)。かぼちゃが大きい場合は新聞紙を数枚使って全体をしっかり覆いましょう。
新聞紙で包んだら風通しのよい冷暗所で保存します。保存時はヘタが上になるようにして置きます。かぼちゃが畑で育っていた環境になるべく近づけてあげることで、余計なストレスがかからず鮮度を保って保存することが可能です。横にした状態で保存すると、元の状態に戻ろうとして余計なエネルギーを消費し、味が悪くなってしまいます。
常温保存することでゆっくりと追熟が進み甘みが増します。甘みが増すのは、かぼちゃのでんぷんが糖質に変わるため。甘みとともに栄養価も増します。スーパーなどに並んでいるかぼちゃはすでに追熟が進んでいますが、ご家庭で収穫したかぼちゃは、すぐ食べるのではなく数ヶ月ほど追熟させてから食べるようにしましょう。皮の色がオレンジがかってきたら完熟のサインです。
室温が高くなる夏はかぼちゃが傷みやすいので、常温以外の方法で保存することをおすすめします。また、カットしたかぼちゃは一年を通して冷蔵保存するようにしましょう。
カットしたかぼちゃは冷蔵保存がおすすめです。冷蔵かぼちゃは1週間ほど保存することができます。まるごと保存する場合と違って傷みが早いので、なるべく早く食べるようにしましょう。
かぼちゃを適度な大きさにカットし、種とワタを取り除きます(種やワタの部分から傷みやすいため)。切り口にぴったりとラップをかけ包み、ポリ袋に入れて軽く口を閉じてから冷蔵庫で保存します。
皮がかたくて切りづらい場合は、電子レンジで3〜5分ほど加熱すると、カットしやすくなります。やけどに注意してカットしてください。また、加熱する場合は、粗熱がしっかり取れてからラップで包むようにしましょう。
冷蔵保存時に取り除いた種は捨てないで!上記でご紹介したように、かぼちゃの種にも豊富な栄養が含まれています。
保存時に取り除いた種を耐熱皿に広げてふんわりとラップをし、600Wの電子レンジで4〜5分ほど加熱します。種が割れたら中身を取り出し、クッキーやスープの具材として使用します。そのまま食べるのも◎。加熱した種は大変熱くなっているので、やけどに注意してください。
さらに日持ちさせたい場合は冷凍保存がおすすめ。冷凍したかぼちゃは約1ヶ月ほど保存することができます。
かぼちゃは冷凍してもビタミンB類やCの含有量はほぼ変わりません。β−カロテンに関しては含有量がアップするといわれています。
冷凍したかぼちゃは解凍せず凍ったまま調理に使うのが◎。冷凍かぼちゃは食感や味が少々落ちてしまいますが、マッシュして保存すれば美味しさをキープすることが可能です。
一口大や薄いくし形など、お好みの大きさにカットし、まとめてラップで包みます。冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。金属トレイの上にのせ、さらに冷蔵庫の急速冷凍機能を使えば、旨みをぎゅっと閉じ込めて鮮度を保って保存することが可能です。
なるべく薄く、小さくカットすることで、解凍後の火の通りが早くなります。解凍せず凍ったまま調理することで、煮崩れしにくくなります。厚くカットしたかぼちゃは、一度電子レンジで軽く解凍してから調理すると火が通りやすくなります。
加熱してから冷凍すれば、調理の時間が短縮できます。茹でてしまうと解凍時に水っぽくなってしまうため、電子レンジで加熱するのがおすすめです。
一口大にカットしたかぼちゃを耐熱皿にのせ、ふんわりとラップをし、600Wの電子レンジで2分ほど加熱します。粗熱を取ったら冷凍用保存袋に入れて密封し冷凍室へ。金属トレイ+急速冷凍機能で冷凍するのがおすすめです。
加熱して冷凍したかぼちゃは電子レンジで解凍するか、凍ったまま煮物や汁物などの加熱調理に加えてもOKです。
離乳食やスープ、お菓子作りなどにはマッシュした冷凍かぼちゃがおすすめです。
かぼちゃの皮を剥いて茹で(皮つきのままでも◎)、熱いうちに麺棒で潰します。粗熱が取れたら小分けにしラップで平たく包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ。マッシュかぼちゃの冷凍でも金属トレイ+急速冷凍機能を使うと◎。
マッシュしたかぼちゃは前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、すぐに食べたい場合は電子レンジで解凍して、サラダやスープ、コロッケなどの料理や、プリンなどのお菓子に使用するのがおすすめです。
その他には天日干ししたりオーブンで加熱して水分を飛ばしてから保存する乾燥保存などもあります。かぼちゃの保存方法についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
当たり前ですが、新鮮なかぼちゃを購入した方がより長く美味しく保存することができます。新鮮なかぼちゃには下記のような特徴がありますので、スーパーなどで購入する際にぜひ参考にしてください。
皮が濃い緑色をしている
皮がかたい
皮にツヤがある
ヘタの切り口が乾いていてくぼんでいる
形が左右対称
ずっしりと重い
種が詰まっていて色が濃い(カットかぼちゃの場合)
果肉のオレンジ色が濃い(カットかぼちゃの場合)
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