かぼちゃの皮の一部がオレンジ色に変色していて食べられるのか不安になったことはありませんか?本記事ではかぼちゃの皮がオレンジ色に変色してしまう原因や食べられるのかどうかを解説します。
かぼちゃの皮の一部がオレンジ色に変色している原因は下記の通りです。
一般的にスーパーなどで販売されているかぼちゃの皮は緑色をしていますが、オレンジ色に変色している部分があることがあります。
このオレンジ色に変色している箇所は、栽培されていたときに地面に接していた部分です。
植物は日光に当たることで葉緑体を生成します。この葉緑体の中に緑色の色素であるクロロフィルが含まれているため、緑色になります。しかし、地面に接していて太陽に当たらなかった部分は葉緑体が生成されないため緑色にならないのです。
実は緑色になっていない表面の色はかぼちゃの実を同じ色をしています。かぼちゃが熟す前は色が薄く、黄色っぽい色をしているのですが、かぼちゃが熟していくにつれてどんどん色がオレンジ色になります。
つまり、皮の一部がオレンジ色になっているかぼちゃは熟している食べ頃の状態であるといえます。
かぼちゃを購入したばかりのときは色が薄くても、自宅で追熟するとオレンジ色に変色します。柔らかくなり甘みも増しているので美味しく食べることができます!
かぼちゃには様々な品種があり、熟すと皮全体がオレンジ色になる品種もあります。
例えば、「菊座かぼちゃ」という品種のかぼちゃは、未熟な状態だと緑色をしていますが、熟すと全体的にオレンジ色になります。この場合も美味しく食べられるサインなので、問題なく食べることができます。
皮がオレンジ色になったかぼちゃは問題なく食べることができますが、見た目が気になる方はオレンジ色に変色してしまっている部分をカットして調理をすると良いでしょう。
皮を薄くカットしておけば、火が通りやすくなりますし、調味料も染み込みやすくなるので煮物にするときなどにメリットがあります。
かぼちゃの皮には、果肉よりも多くの栄養素が含まれています。そのため、変色してしまっていても皮ごと調理をしたほうが栄養を無駄にすることなく摂取することができます。
なんとかぼちゃの皮には、実の部分の3倍ものβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは体内で必要量がビタミンAに変換される成分のうちのひとつで、その中でも最も活性が高くなっています。
β-カロテンには強い抗酸化作用があり、体内に発生した活性酸素を除去します。活性酸素は本来ウイルスと闘うなど健康維持に大切ですが、増えすぎると害を及ぼし、老化の促進などに繋がります。活性酸素はストレスや紫外線、不規則な生活習慣や加工食品、また喫煙などによって増加しすぎると言われています。
ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。そのため、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぎ感染症を予防する効果が大きく、免疫力を高めます。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。
また、捨ててしまいがちなワタにも多く含まれ、他にも食物繊維やビタミンKも含まれています。さらに、ワタは1番甘みが強いんです。なので、かぼちゃを食べるときは皮やワタごと調理するのがおすすめです。
皮がオレンジ色に変色しているということは、熟している状態です。そのままにしていると過熟となり食べ頃を過ぎてしまうどころか腐敗が始まってしまいます。そのため、皮がオレンジ色になっているかぼちゃは、正しく保存しできるだけ早めに食べきるようにしましょう。
腐敗して食べられなくなってしまったかぼちゃの特徴は後述しますので、そちらを参考にしてください。
皮の一部がオレンジ色に変色してしまうのと同様に、一見腐敗しているように見えても、腐敗していないことも多くあります。腐敗していると思われがちなかぼちゃの特徴は下記の通りです。
皮がぼこぼこしていたり、イボのような物体がついていることがあります。一見傷んでいるように見えますが、実は皮がぼこぼこしているかぼちゃも熟していて食べ頃を迎えています。
かぼちゃがボコボコになってくるのは、傷がついたり成長によって裂けた皮をかぼちゃ自身が修復したためです。人間でいうかさぶたができる原理と同じです。
皮がツルっとしているほうが綺麗なので選ばれがちですが、ツルッとしていてきれいなかぼちゃはまだ若いことが多いです。そのため、ボコボコになっているかぼちゃを選んだほうが、美味しく食べることができます。
かぼちゃをカットすると断面が白くなっていることがあります。白いふわふわとしたほこりのような物体の場合は白カビですが、白い塊がついていて白く見える場合は白カビではありません。
白く見えるのは、高温の場所で保存していたり乾燥してしまったことが原因でかぼちゃの糖質やでん粉が結晶化したためです。これは生理現象の一つで「クリスタル症状」とよばれています。
でん粉なので食べてももちろん人体に害はありません。しかし、苦味があることが多いので取り除いて食べることをおすすめします。
出典:かぼちゃに白い結晶状物質(東京都市場衛生検査所)
カットしてみてわたの周りだけ柔らかい場合も腐敗しているわけではありません。これは、かぼちゃが完熟したサインです。
野菜や果物は収穫後も追熟されていくので、長く保存していると完熟して柔らかくなっていきます。上述したように簡単に形が崩れてしまうぐらい全体的に柔らかくなっていたり、カビが生えていたりする場合は完熟を超えて腐敗しているので食べることはできませんが、わたの周りだけ柔らかい場合は単に熟しただけなので食べることができます。
ただし、完熟するとあっという間に腐敗してしまうので、早めに食べきるようにしましょう。
腐敗して食べられないかぼちゃの特徴は下記の通りです。
腐ったかぼちゃの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
中が変色していてドロっとしている
溶け出している
全体的に黒・茶に変色している
かぼちゃの表面や身の部分に白いふわふわとしたほこりのようなものがついている場合は白カビ、黒い斑点ができていて、周りが溶けている場合は黒カビが生えています。表面のみにカビが生えていて、中まで侵食していなければ、カットして食べることができるといわれていますが、心配な方は破棄しましょう。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が起こる可能性があります。
カットしたときに中が濃い色に変色していて、ドロっとしているなど溶け出している箇所がある場合も腐敗が進んでいる状態なので破棄しましょう。
かぼちゃは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒や茶色に変色してしまっている場合は腐敗しています。
腐ったかぼちゃの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
カビ臭い
かぼちゃは多少の青臭さはあるものの、本来そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
かぼちゃに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったかぼちゃの触感の特徴は下記の通りです。
指で押すと簡単に潰れるぐらい柔らかい
ぬるぬる・ベタベタする
糸を引いている
かぼちゃは熟していくにつれて柔らかくなりますが、新鮮であればある程度の固さはあります。指で押しただけで簡単に潰れてしまうなど、あまりに柔らかくなりすぎているようであれば腐敗している可能性が高いので破棄しましょう。
また、触ったときにぬるぬるしていたり、ベタベタする、糸を引くといった場合も腐敗が進んでいる状態です。雑菌が増殖している可能性が非常に高いので食べないようにしましょう。
かぼちゃに限らず食材は、正しく保存することで鮮度を保つことができるので、より長く美味しく食べることができます。かぼちゃを購入したら正しく保存しましょう。
かぼちゃの正しい保存方法は下記の通りです。
上述した通り、かぼちゃは常温保存が可能な野菜です(ただし丸ごとのみ)。正しく保存すれば、2〜3ヶ月ほど日持ちします。用意するのは新聞紙のみ。とても手軽な保存方法です。
丸ごとのかぼちゃを新聞紙に包みます。ヘタの部分を下にして包むと、かぼちゃの重みで新聞紙をとめることができます(ガムテープなどで貼り付けるとさらに◎)。かぼちゃが大きい場合は新聞紙を数枚使って全体をしっかり覆いましょう。
新聞紙で包んだら風通しのよい冷暗所で保存します。保存時はヘタが上になるようにして置きます。かぼちゃが畑で育っていた環境になるべく近づけてあげることで、余計なストレスがかからず鮮度を保って保存することが可能です。横にした状態で保存すると、元の状態に戻ろうとして余計なエネルギーを消費し、味が悪くなってしまいます。
常温保存することでゆっくりと追熟が進み甘みが増します。甘みが増すのは、かぼちゃのでんぷんが糖質に変わるため。甘みとともに栄養価も増します。スーパーなどに並んでいるかぼちゃはすでに追熟が進んでいますが、ご家庭で収穫したかぼちゃは、すぐ食べるのではなく数ヶ月ほど追熟させてから食べるようにしましょう。皮の色がオレンジがかってきたら完熟のサインです。
室温が高くなる夏はかぼちゃが傷みやすいので、常温以外の方法で保存することをおすすめします。また、カットしたかぼちゃは一年を通して冷蔵保存するようにしましょう。
カットしたかぼちゃは冷蔵保存がおすすめです。冷蔵かぼちゃは1週間ほど保存することができます。まるごと保存する場合と違って傷みが早いので、なるべく早く食べるようにしましょう。
かぼちゃを適度な大きさにカットし、種とワタを取り除きます(種やワタの部分から傷みやすいため)。切り口にぴったりとラップをかけ包み、ポリ袋に入れて軽く口を閉じてから冷蔵庫で保存します。
皮がかたくて切りづらい場合は、電子レンジで3〜5分ほど加熱すると、カットしやすくなります。やけどに注意してカットしてください。また、加熱する場合は、粗熱がしっかり取れてからラップで包むようにしましょう。
冷蔵保存時に取り除いた種は捨てないで!上記でご紹介したように、かぼちゃの種にも豊富な栄養が含まれています。
保存時に取り除いた種を耐熱皿に広げてふんわりとラップをし、600Wの電子レンジで4〜5分ほど加熱します。種が割れたら中身を取り出し、クッキーやスープの具材として使用します。そのまま食べるのも◎。加熱した種は大変熱くなっているので、やけどに注意してください。
さらに日持ちさせたい場合は冷凍保存がおすすめ。冷凍したかぼちゃは約1ヶ月ほど保存することができます。
かぼちゃは冷凍してもビタミンB類やCの含有量はほぼ変わりません。β−カロテンに関しては含有量がアップするといわれています。
冷凍したかぼちゃは解凍せず凍ったまま調理に使うのが◎。冷凍かぼちゃは食感や味が少々落ちてしまいますが、マッシュして保存すれば美味しさをキープすることが可能です。
一口大や薄いくし形など、お好みの大きさにカットし、まとめてラップで包みます。冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。金属トレイの上にのせ、さらに冷蔵庫の急速冷凍機能を使えば、旨みをぎゅっと閉じ込めて鮮度を保って保存することが可能です。
なるべく薄く、小さくカットすることで、解凍後の火の通りが早くなります。解凍せず凍ったまま調理することで、煮崩れしにくくなります。厚くカットしたかぼちゃは、一度電子レンジで軽く解凍してから調理すると火が通りやすくなります。
加熱してから冷凍すれば、調理の時間が短縮できます。茹でてしまうと解凍時に水っぽくなってしまうため、電子レンジで加熱するのがおすすめです。
一口大にカットしたかぼちゃを耐熱皿にのせ、ふんわりとラップをし、600Wの電子レンジで2分ほど加熱します。粗熱を取ったら冷凍用保存袋に入れて密封し冷凍室へ。金属トレイ+急速冷凍機能で冷凍するのがおすすめです。
加熱して冷凍したかぼちゃは電子レンジで解凍するか、凍ったまま煮物や汁物などの加熱調理に加えてもOKです。
離乳食やスープ、お菓子作りなどにはマッシュした冷凍かぼちゃがおすすめです。
かぼちゃの皮を剥いて茹で(皮つきのままでも◎)、熱いうちに麺棒で潰します。粗熱が取れたら小分けにしラップで平たく包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ。マッシュかぼちゃの冷凍でも金属トレイ+急速冷凍機能を使うと◎。
マッシュしたかぼちゃは前日に冷蔵庫に移して自然解凍するか、すぐに食べたい場合は電子レンジで解凍して、サラダやスープ、コロッケなどの料理や、プリンなどのお菓子に使用するのがおすすめです。
その他には天日干ししたりオーブンで加熱して水分を飛ばしてから保存する乾燥保存などもあります。かぼちゃの保存方法についてはこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
当たり前ですが、新鮮なかぼちゃを購入した方がより長く美味しく保存することができます。新鮮なかぼちゃには下記のような特徴がありますので、スーパーなどで購入する際にぜひ参考にしてください。
皮が濃い緑色をしている
皮がかたい
皮にツヤがある
ヘタの切り口が乾いていてくぼんでいる
形が左右対称
ずっしりと重い
種が詰まっていて色が濃い(カットかぼちゃの場合)
果肉のオレンジ色が濃い(カットかぼちゃの場合)
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