鮮度が落ちやすく傷みやすいしいたけは、天日干しするなど乾燥させて干ししいたけにすることで長持ちさせることができます。しかし、干ししいたけから変な臭いがして気になったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事では干ししいたけから変な臭いがする原因や対処法などを紹介します。
干ししいたけから変な臭いがする原因は下記の通りです。
干しいたけから硫黄の臭いがする場合は、しいたけに含まれている香気成分が乾燥したことによって凝縮され、きつく感じている可能性が高いです。
しいたけの匂いとなる成分は、レンチオニンがあります。レンチオニンはしいたけ特有の香り成分で、硫黄を吸収する性質があります。
しいたけから硫黄の臭いはしませんが、硫黄を吸収した結果、硫黄化合物の臭いを発生させます。硫黄化合物といえば「おならの臭い」「腐ったたまごの臭い」などと表現されることが多い悪臭成分ですよね。このレンチオニンが放つ特有の臭いに嫌悪感を抱く方が多いです。
市販の干ししいたけの製造方法はメーカーによっても異なりますが、一度専用の器械で水分を飛ばし乾燥させてから天日干ししていることが多いです。
一方、家庭でしいたけを干す場合はそのまま天日干しすることが多いので、水分が蒸発するのに時間がかかってしまいます。そのため、臭いと感じるレンチオニンの硫黄の臭いがきつくなってしまうと考えられます。また、乾燥する前に雑菌が増殖してしまって変な臭いがしてしまうこともあります。
そのため市販の干ししいたけであれば全く臭わないというわけではありませんが、自家製の干ししいたけのほうが変な臭いがしてしまう可能性が高いといえます。
干ししいたけからアンモニア臭がする場合は、腐敗している可能性が高いです。
これは水分が十分に蒸発しきっていない状態で保存してしまったり、正しく保存できていなかったことが原因で微生物が増殖してしまい、発酵していると考えられます。元々しいたけの鮮度が落ちてしまっていたことが原因で乾燥させたときにアンモニア臭がしてしまうこともあります。
干ししいたけから変な臭いがする原因はおわかりいただけたでしょうか。干ししいたけから変な匂いがするときの対処法を紹介します。
干ししいたけから硫黄の臭いがするなど、腐敗が原因で臭いわけではない場合は、戻し方や調理法を工夫することで美味しく食べることができますよ。
腐敗している臭いなのかいまいち判断が難しいという場合は、全体的に変色してしまったり溶け出している箇所があるなど腐敗のサインが見られないかチェックしてから判断しましょう。
腐敗のサインが見られない場合は問題なく食べることができます。
アンモニア臭がする場合は腐敗しているので、残念ですが破棄しましょう。
乾燥させることで生の状態のしいたけよりも日持ちはしますが、腐敗しないといわけではありません。市販の乾燥しいたけでも開封後は鮮度が落ちるので正しく保存しできるだけ早く使い切る必要があります。また、自家製の干ししいたけの場合は、長くても1ヶ月と賞味期限が1年以上の市販の干ししいたけと比較すると保存できる期間は短いです。
腐敗した食材には雑菌が繁殖していることが多く、食中毒の症状が出てしまうことがあるので加熱しても安全に食べられるということはありません。無理して食べずに破棄してください。
腐敗はしていないけれど変な臭いがして食べにくい干ししいたけの臭いを軽減する方法を紹介します。
干ししいたけは、水につけて戻した後そのまま使うこともできますが、戻した後に戻し汁ごと加熱すると臭い成分が蒸発するので臭いを軽減することができます。
干ししたけを戻すときは、水に干ししいたけをつけたら冷蔵庫に入れて1晩寝かせます。時間はかかりますが、冷水でじっくりと戻していくのがポイントです。
一晩寝かせてしいたけが戻ったら、戻し汁ごと鍋に移します。鍋に入れたら強火で鍋にかけて、鍋の周りに気泡が付いてきたら火を止めます。火を止めて10分放置したら、臭いが軽減されています。
しいたけには旨味成分が豊富に含まれていますが、実は旨味成分を引き出すためには旨味を作り出す酵素がよく働く50℃〜70℃を保持することが重要です。臭いを軽減させるだけではなく、旨味もしっかり出るのでぜひ鍋に移して加熱してみてください。
戻し汁も沸騰させることで味噌汁を作るときなどに出汁として大活躍します。
干ししいたけから出汁を取る方法は下記の記事を参考にしてください。
干ししいたけの変な臭いが苦手な方は、調理をするときに料理酒を使うのがおすすめです。
料理酒は料理の香り付けなどに使われるお酒のことです。一般的には日本酒を指すことが多いですが、米酒以外の酒やワインも料理酒として使用されることがあります。
料理酒に含まれているアルコールには揮発性があり、熱を加えることで蒸発します。このときアルコールと一緒にしいたけの臭いの原因となる成分も一緒に飛ばしてくれるため、干ししいたけ特有の臭いが軽減されます。
しいたけを調理するときに、にんにくや生姜を使うのも、しいたけの臭いを軽減するのに有効です。
にんにくや生姜には、異臭をマスキングすることによって感覚的に臭いを気にならなくさせる効果があります。厳密にいえば、しいたけの元になる成分を消す作用があるわけではありませんが、しいたけの臭いが苦手な方でも比較的食べやすくなります。
戻した干ししいたけを使って炒めものや煮物を作るときなどは一緒ににんにくや生姜を入れてみてください。
変な匂いがしてもしいたけ特有の臭いであれば問題なく食べることができますが下記のような特徴がある干し椎茸は食べることができないので破棄しましょう。
干ししいたけに白いふわふわとしたほこりのようなものがついている場合は白カビ、黒い斑点ができていて斑点の周りが溶け出してにじんでいるような場合は黒カビが生えています。
カビが生えている部分を取り除けば食べられるのではと思う方も多いと思いますが、カビの胞子は目に見えないほど小さいため破棄しましょう。
カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が出ることがあります。カビ毒は加熱をすれば大丈夫ということはありませんので十分注意してください。カビは生えていないのにカビ臭いという場合もカビの胞子が入り込んでいる可能性が高いので破棄するのが無難です。
出典:カビとカビ毒についての基礎的な情報(農林水産省)
しいたけのカサの裏が茶色くなっていたり、黒く変色している場合も腐敗している可能性が高いので破棄しましょう。
単に鮮度が落ちて劣化しているだけの可能性もありますが、鮮度が落ちてしまうと腐敗していなくても風味や食感が悪くなってしまっている状態です。
無理に食べずに、腐敗していると考え破棄するのが無難です。
干ししいたけは正しく保存できていないと、虫が湧いてきてしまうことがあります。カサの裏を見たら虫がでてきたなど、虫が発生している場合は破棄しましょう。
虫は細菌を媒介していることもあるので、あまりに大量に湧いてしまっている場合や心配な方は破棄するのが無難です。
市販の干し椎茸を購入する場合は、品質の信頼性が高い店舗で新鮮な干し椎茸を購入し、適切な保存方法を守るように心掛けることが重要です。家庭で天日干しして干ししいたけを作る場合は、虫が湧いてしまわないよう十分注意してください。
自宅でしいたけを干すと変な臭いがしてしまうことが多いのですが、干し方のポイントを抑えることで美味しい干ししいたけを作ることができます。
自宅での干ししいたけの作り方の詳細はこちらの記事を参考にしてください。
しいたけは洗わずに天日干しするのがベストです。
洗ってしまうと余計な水分がついて乾燥するのに時間がかかって臭くなってしまったり、雑菌が増殖して不快な臭いを出してしまうことがあります。
気になる汚れがついている場合は、湿らせたキッチンペーパーや布などでやさしく拭き取って置きましょう。強く擦ってしまうと傷がついて傷んでしまうので、優しく拭き取ってください。
汚れを拭き取ったら、石づきと軸を取ります。
しいたけの石づきとは、根本にある黒く固い部分を指します。石づきは固く味も良くないので包丁でカットして破棄しましょう。
石づきをカットしたら、カサと軸を切り離します。軸は石づきの上からカサまで伸びる棒のような部分を指します。
しいたけの軸は手でも簡単に取ることができます。手で取るときは、軸の根元を掴み反対の手でカサを掴んでくるっとひねります。そうすると、軸とカサを切り離すことができます。
軸は一緒に乾燥させて食べることができますが、カットして天日干しする場合は軸とカサは切り離してカサの部分を薄くスライスしていきましょう。
丸ごと乾燥させる場合は、石づきのみをとって軸はついたまま天日干しして大丈夫です。
下処理が終わったら、ザルの上にしいたけ同士が重ならないように並べます。
ザルがない場合は平たいお皿などで代用可能です。ただし、その場合は全体的に効率よく乾かすのが難しいため、頻繁にひっくり返すようにしましょう。
丸ごと天日干しする場合は、しいたけのカサの内側を上に向けて並べます。
ザルにしいたけを並べたら、日光の当たる風通しの良い場所に置いて干します。
薄くスライスしている場合は丸ごと天日干しさせるのと比較して、水分が蒸発するのが早いので1日〜2日でカラカラになります。
丸ごとの場合は3日〜4日で乾燥させることができます。
一般的には完全にカラカラになるまで乾燥させることが多いですが、完全に水分が飛びきらない半乾燥の状態でも大丈夫です。
1時間ほど日光に当たるだけでもビタミンDの含有量が増えることがわかっているため、すぐに使いたい場合も1時間ほど日光に当ててから調理するのがおすすめです。
ただし、短時間ではやはり水分が蒸発しきれないので長持ちはしません。長持ちさせたい場合はしっかりと水分が蒸発するまで天日干しして乾燥させることが大切です。
乾燥させたしいたけは、密閉できる保存容器か保存袋に入れて直射日光が当たらない冷暗所で常温保存か、冷蔵保存します。
上述したように市販の乾燥しいたけのように長く風味を保てるわけではありません。しっかり乾燥させていても長く置いておけば変色してしまったり臭いがきつくなってくることがあるので、手作りの乾燥しいたけの場合は1ヶ月を目安に食べきりましょう。
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