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もやしの栄養を逃さない茹で方。そもそも豊富な栄養・成分は?

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もやしの栄養を逃さない茹で方。そもそも豊富な栄養・成分は?

もやしは生食不可の野菜なので茹でて食べることも多いですが、茹でたときの栄養の変化が気になったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではもやしを茹でたときの栄養の変化や栄養を無駄にしない茹で方のポイントなどを紹介します。

もやしの栄養素について

もやしの主な栄養素・成分

もやしは水分が多く栄養がないと思われがちですが、水分量は他の野菜とさほど変わりません。もやしにも人間の体にとって重要な栄養素が多く含まれており、たくさん食べても太らず、さらには安く手に入れられることができますので、栄養学的に価値の高い野菜のひとつです。

例えば、もやしには抗酸化作用のあるビタミンCや、糖質をエネルギーに変える酵素の働きを促すビタミンB1、ミネラルの一種であるカリウム、葉酸、整腸作用のある食物繊維などが含まれます。

一度にたくさん食べられ、値段も安いので栄養学的に価値の高い野菜といえます。

もやしの栄養についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。

種類によって栄養素は違う?

一口に「もやし」といっても様々な種類がありますよね。一般的にスーパーなどで販売されていることが多いもやしは下記の通りです。

  • 緑豆を発芽させた「緑豆もやし(普通のもやし)」

  • 大豆を発芽させた「大豆もやし(豆もやし)」

  • 黒豆を発芽させた「黒豆もやし(ブラックマッペ)」


ほとんどの栄養素が大豆もやし、緑豆もやし、グラックマッペもやしのどれにも入っていますが、種類によって栄養素の入っている割合は変わってきます。

たとえば大豆もやしには、トリプトファン、リジンなどが多く含まれています。リジンは大豆もやし100gに160mg含まれていますが、緑豆もやしには半分の81mg、ブラックマッペもやしにはさらに半分の43mgしか含まれていません。また、大豆もやしにはビタミンKも多く含まれていますが、緑豆もやしにはほとんど含まれておりません。

全体のバランスを見ても、大豆もやしが1番栄養価が高くなっています。

茹でると栄養は変化する?

もやしに栄養が豊富に含まれていることはおわかりいただけたかと思います。続いて、茹でると栄養は変化するのか解説していきます。

水溶性の栄養が流出する

もやしに限らず、野菜は茹でるとビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットがあります。

具体的には、生のもやしは100gあたりビタミンCが5mg含まれていますが、茹でると1mgになってしまいます。カリウムは160mgから50mgまで減ってしまいます。

ちなみにブラックマッペもやしはビタミンCは10mg→2mg、カリウムは65mg→12mgに減ります。緑豆もやしはビタミンCは8mg→2mg、カリウムは69mg→24gに減ります。

保存しておくだけでも栄養は減る

そもそも、もやしは袋のまま冷蔵庫で保存しても1日でビタミンCの30%が減少するという報告がありますので、茹でることだけがもやしの栄養を減らしてしまう原因というわけではありません。

例えば、食感を保つために水に浸けて冷蔵保存すると、ビタミンCは3〜4日で8割も失ってしまいます。もやしは買ってきた日に使い切るのがベストです。

冷蔵保存する場合、もやしは低温を好むので、野菜室ではなくチルド室に入れます。チルド室を活用することで栄養を守りながら保存することができます。

さらに、冷蔵では3日で5割程失われるビタミンCが、冷凍なら1割程度しか失われません。ただし、冷凍すると食感が損なわれてしまうデメリットがあります。

出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

もやしの栄養を無駄にしない茹で方のポイント

もやしを茹でる

もやしは雑菌が増殖しやすいため生食不可の野菜です。茹でると水溶性の栄養素が減ってしまうデメリットはありますが、殺菌効果がありますし、もやしの青臭さが軽減されて食べやすくなるメリットもあります。

ここからは、もやしの栄養を無駄にしない茹で方のポイントを紹介します。

ひげ根を取らずに茹でる

もやしのひげ根とは、もやしの根本にあるヒョロっとした細長い部分を指します。もやしのひげ根は、青臭さを感じさせる成分が多く含まれていますし、口当たりも悪いのでカットしてから調理されることも多いですが、食べられない部分ではありません。

ひげ根にも食物繊維などの栄養成分が含まれています。また、ひげ根を取ると茹でたときに断面から水溶性の栄養素が流出してしまうので、栄養面を重視するならばひげ根は取らずに茹でるのがベストです。

ただし、ひげ根は非常に傷みやすい部分でもあります。購入してから時間が経って鮮度が落ちて変色してしまっている場合などはひげ根をとって調理したほうが良いでしょう。

長時間加熱しない

もやしはじゃがいもなどの根菜とは異なり、火が通るのが早い野菜です。長く茹でてしまうとその分水溶性の栄養素は流出してしまうので、短時間でさっと茹でましょう。

茹で時間の目安は緑豆もやし・黒豆もやしだと沸騰してから30秒〜1分、大豆もやしは豆の部分に火が通るのにやや時間がかかるため、1分〜5分が目安です。

短めに茹でたほうが水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えられますし、シャキシャキとした食感も残ります。

茹でた後水にさらさない

茹でたもやしは水にさらして粗熱を取る必要はありません。水にさらしてしまうと、水溶性の栄養素が流出してしまいます。また、もやしが水分をすって水っぽくなってしまうデメリットもあります。

そのため、茹でたもやしはザルにあげて自然に粗熱を取るようにしましょう。もやしから出る水分で料理全体が水っぽくなってしまうのを避けたい場合は、キッチンペーパーなどでしっかりと水分を拭き取ってから調理をするのがおすすめです。

栄養を無駄にしないもやしの調理法

栄養をできるだけ多く摂取したい場合は、茹でる以外の加熱方法を選択するのも良いでしょう。栄養を無駄にしない加熱方法は下記の通りです。

レンジ加熱

もやしをレンジ加熱する

栄養を無駄にしない加熱方法1つ目はレンジです。レンジ加熱は茹でるのとは異なり水を使わないため、水溶性の栄養素の流出を抑えることができます。

レンジでもやしを加熱するときは、耐熱皿にもやしを乗せたらふんわりとラップをかけて加熱します。加熱時間の目安は、500wのレンジでもやし一袋(200g)を加熱する場合の加熱時間の目安は、2分〜3分、600wのレンジで加熱する場合は1分40秒〜2分40秒です。

ナムルにしたい場合など、加熱時間を長めにしてしんなりさせたい場合は、特にレンジでの加熱がおすすめです。お湯を沸かす時間も不要なので時短にもなります。

蒸す

もやしをせいろで蒸す

せいろを使用してもやしを蒸しても、栄養素の流出を防げますし、食材の風味や旨みが損なわれにくいのでおすすめです。

また、せいろは調理の迅速さや調節の容易さも特徴です。多くの食材を一度に蒸すことができ、温度や加熱時間を調整しやすいため、効率的な調理が可能です。豚肉などを一緒にいれてせいろ蒸しにするととっても美味しいです。

せいろが自宅にない場合はフライパンを使って蒸しても◎フライパンを使って蒸すときは、フライパンにもやしを入れたら蓋をして加熱するだけです。もやしは水分量が多いので、水を入れなくてももやしから出てきた水分が水蒸気となってもやしを蒸すことができます。

おすすめのせいろはこちら

こちらは直径21cmのせいろです。天然素材(竹、杉、桃皮)で作られています。漂白剤などの化学薬品は使用されていませんので、安心してお使いいただます。 21cmと26cmの大きさがあります。

炒める

もやしをフライパンで炒める

もやしは炒めても水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができます。

さらに炒めた場合は、水分が飛ぶことで100gあたりの栄養素の含有量は増えることがあります。また、脂溶性の栄養素は油を使うことで吸収率が上がります。ビタミンだとビタミンA、E、D、Kが脂溶性です。

様々な野菜やお肉と一緒に炒めて食べても良いでしょう。

もやしの効果的な食べ合わせ

たんぱく質と一緒に

ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。コラーゲンには肌に潤いをもたらす、丈夫な骨を形成する、丈夫な筋肉を形成する、関節の働きをよくするなど様々な効能があります。たんぱく質が豊富な食材には肉類や魚介類、卵、大豆などがあります。

ビタミンEと一緒に

ビタミンEはビタミンCと一緒に摂取すると、相加効果が得られます。ビタミンEには体内の脂質部分を活性酸素から守る抗酸化作用があります。このときにビタミンCがいることで、サビ取りをして疲れたビタミンEをもう一度復活させる効果があります。

また、もやしにはないβ-カロテンの野菜と組み合わせるのもよいでしょう。β-カロテンは必要な分だけ体内でビタミンAに変換されます。ビタミンA・C・Eはどれも抗酸化作用が強く、ビタミンエースといわれます。例えば、中華料理のレバニラ炒めなどは、栄養素の組み合わせがとても良い料理です。ニラにはβ-カロテン、もやしのビタミンC、レバーのビタミンEが一緒に摂取できます。