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黒く変色したもやしは食べられる?原因と対処法を解説

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黒く変色したもやしは食べられる?原因と対処法を解説

もやしが黒く変色してしまって食べられるのか迷ったことはありませんか?本記事ではもやしが黒く変色する原因や食べられるのかどうかを紹介します。

もやしが黒く変色する原因

黒カビ

もやしに黒いすすのような斑点がある場合は、黒カビが生えている可能性が高いです。

黒カビは、クラドスポリウム属の病原菌で、170種以上いるといわれています。その中でも代表的な黒カビは、クラドスポリウム・クラドスポリオイデスとクラドスポリウム・スフェロスパーマムです。黒カビも空気中に舞っていて、繁殖できる場所を見つけると一気に増えていきます。多湿の場所を好み、食べ物以外でもお風呂のサッシやエアコンの内部などに多く見られます。

もやしを袋ごと保存していると、もやしから出てきた水分で湿気を帯びてしまいカビが生えてしまう原因になります。

傷み始め

もやしの先端(豆の部分)など一部のみが黒く変色している場合は、鮮度が落ちて傷み始めています。

もやしはトマトやきゅうりなどの野菜と比較して非常に傷むのが早い野菜で、消費期限はだいたい製造日から2日〜3日です。消費期限内であっても正しく保存できていないとすぐに痛み始めてしまうので注意が必要です。

もやしの傷みが早く賞味期限が短い原因としては、まずもやしが発芽中の状態であることがあげられます。私達が普段食べているもやしは、穀類や豆類を人口的に発芽させた新芽です。成長中の野菜は細胞分裂が活発に行われているため、温度変化や細菌に弱く非常にデリケートな状態となっていて傷みやすいのです。

また、トマトなどの植物とは異なり、日光に当たらずに育っていることも傷みやすい原因の一つです。植物は日光に当たり光合成を行いますが、もやしは日光には当てずに基本的に衛生的で細菌などから守らた状態で育っています。そのため、人間が無菌の状態で生活すると抵抗力が弱まり、風邪を引きやすい身体になったりするのと同様に、もやしも抵抗力が弱くすぐに傷んでいってしまいます。

腐敗

全体的に黒く変色してしまっている場合は、腐敗しています。

腐敗が原因で黒く変色してしまっている場合は、異臭がしたり溶け出しているなど変色以外の腐敗のサインが見られることが多いです。腐敗しているもやしの特徴については、後述しますのでそちらを参考にしてください。

先が黒い種類のもやしもある

一口に「もやし」といっても様々な種類がありますよね。一般的にスーパーなどで販売されていることが多いもやしは下記の通りです。

  • 緑豆を発芽させた「緑豆もやし」

  • 大豆を発芽させた「大豆もやし(豆もやし)」

  • 黒豆を発芽させた「黒豆もやし(ブラックマッペ)」

黒豆を発芽させた黒豆もやしは、先端に黒い豆の皮が残っていることがあります。黒カビが生えていたり傷んでいることが原因で黒くなっているわけではないので、問題なく食べることができます。

ちなみに黒豆もやしは、緑豆もやしや大豆もやしと比較して細いのが特徴です。水分量が少なく、炒めてもシャキシャキとした食感が残りやすいのが特徴です。

黒く変色したもやしは食べられる?

もやしが黒く変色してしまう原因はおわかりいただけたかと思います。続いて、黒く変色したもやしは食べることができるのか解説します。

黒カビは破棄

黒カビが生えてしまった場合は、残念ですが破棄しましょう。

カビはカビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があります。カビの胞子は小さいので目に見えない部分にも侵食していることがあります。一部だけであっても、全体にカビの胞子がついていると考えて破棄するのが無難です。

かび毒は加熱すれば大丈夫ということはありませんので、注意しましょう。

出典:かびとかび毒についての基礎的な情報(農林水産省)

傷み始めは腐敗していないかチェック

先端のみなど一部が黒く変色している場合は、傷み始めていても腐敗していなければ食べることができます。ぬめりがあったり溶け出している部分があるなど腐敗のサインが見られないかチェックしてから判断しましょう。

ただし、食べられる状態であっても鮮度は落ちている状態です。新鮮な状態のもやしと比較すると味や食感も劣ります。また、そのままにしておくとあっという間に腐敗してしまうので早めに食べきるようにしてください。

見た目が気になる場合は変色した部分をカットして使うと良いでしょう。また、傷み始めているもやしは雑菌が増殖していることもあります。「水洗い不要」の表示がある場合でもしっかりと水洗いしてから加熱調理をして食べてください。

腐敗したもやしの特徴

腐敗したもやしの特徴は下記の通りです。当たり前ですが、腐敗したもやしは食べることができないので破棄しましょう。

見た目

腐ったもやしの見た目の特徴は下記の通りです。

  • カビが生えている

  • 全体的に黒・茶・透明に変色している

  • 水分が多く出ている

  • 出てきている水分が茶色や黒色

  • 溶けだしている

もやしが変色する原因は腐敗だけではありませんが、全体的に茶色くなっていたり透明になっている場合も腐敗と考えて破棄するようにしてください。また、もやしは水分量が多い野菜なので、保存中に水分が出てくることはよくあります。あまりにも大量に出てきてしまっている場合や、出てきている水分が茶色や黒色に変色している場合も腐敗しているので食べることはできません。

見るからに溶け出している場合も腐敗がかなり進んでいる状態なので破棄してください。

臭い・味

腐ったもやしの臭いや味の特徴は下記の通りです。

  • 酸っぱい匂い・味。

  • 生ゴミ臭。

  • カビ臭い。

もやしは特有の青臭さはあるもののそこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。

もやしに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。

また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。

触感

腐ったもやしの触感は下記の通りです。

  • 簡単に潰れるぐらい柔らかい

  • ぬるぬるしている

  • 糸を引いている

新鮮なもやしは張りがありシャキっとしていますが、腐敗すると簡単に潰れてしまうぐらい柔らかくなってしまいます。また、ぬめりが出ていたり糸を引いている場合も腐敗しています。ぬめりが出たり糸を引くようになってしまうのは、雑菌が増殖していることが原因と考えて良いでしょう。食べてしまうと腹痛や嘔吐といった症状が出てしますことがあるので、残念ですが破棄してください。

黒く変色させないもやしの保存方法

もやしを黒く変色させないためには、正しく保存し鮮度を保つことが大切です。もやしは傷むのが早い野菜なので、購入したら正しく保存しましょう。

冷蔵保存

もやしをすぐに使う場合は冷蔵保存がおすすめです。生のまま保存する方法が一番手軽ですが、あまり日持ちはしないのですぐに食べる必要があります。加熱すれば保存期間が少し長くなります。

生のまま袋に入れて(2〜3日)

もやしを生のままポリ袋に入れて口を閉じて冷蔵保存する

購入後、もやしを袋から取り出し、ポリ袋に入れます。軽く口を閉じてチルド室で保存します。開封して使いかけのもやしもポリ袋に入れて保存しましょう。

もやしを購入したままの袋で保存するのは避けましょう。もやしは水分を多く含む(95%)野菜なので、袋に入れたままだと蒸れてすぐに傷んでしまいます。傷んでしまうと芽や根の部分が茶色く変色してしまいますし、ぬめりが出て、臭いがきつくなります。

未開封であっても、包装のまま保存せず、ポリ袋や保存袋などに入れて保存するのがおすすめです。
ポリ袋に入れて保存すれば、2〜3日ほど保存することが可能です。水洗いをしてから調理しましょう。

お湯をかけてから(1週間)

もやしに熱湯をかけ、粗熱が取れたら保存容器に入れて冷蔵で保存すれば1週間ほど日持ちする

熱湯をかけてから冷蔵保存するという方法もあります。生のまま保存するともやしの水分が出やすいですが、加熱してから保存することで水分が出にくくなります。また、調理時間を短縮することもできます。

水洗いして水けを切ったもやしをザルに入れ、上から熱湯をまわしかけます。もやしが冷めたらキッチンペーパーで水けを切り、保存容器に入れます。蓋をしてチルド室で保存すれば、約1週間ほど保存することができます。

水や熱湯で茹でるという方法よりも、熱湯をかける方が、栄養素の流出を抑えることができます。熱湯を使用するので、やけどには十分注意してください。

水に浸けて(7〜10日)

もやしを水に漬けて冷蔵保存すれば7〜10日ほど日持ちするが、水溶性の栄養素が流出してしまうので注意

水につけて冷蔵保存する方法が、冷蔵保存の中では一番長持ちします。水に浸ければ、シャキシャキ感を保って7〜10日ほど保存することが可能です

保存容器にもやしを入れ、もやしがひたひたに浸かるくらいの水を入れ蓋をし冷蔵庫へ。チルド室では水が凍ってしまう可能性もあるので注意してください。水は2日おきに取り替えるようにしましょう。

長持ちはする一方で、もやしに含まれている水溶性のビタミンやカリウムなどが流出してしまうというデメリットも。もやしの栄養を効率よく摂取したい場合は、水に浸ける以外の方法で保存することをおすすめします。

冷凍保存

冷蔵ではあまり日持ちしないもやしも、冷凍することで約1ヶ月ほど保存することができます

生のもやしと比べると食感は落ちてしまいますが、味が染み込みやすくなりますので、炒め物やスープなどの加熱料理に使うのがおすすめです。冷凍後のもやしは、袋の上から軽くもむだけでほぐせるので、使いたい分だけ取り出すことが可能です。

生のまま(1ヶ月)

もやしを生のまま冷凍用保存袋に入れて冷凍保存する

もやしを水洗いし水けを切り、さらにキッチンペーパーを使って水分をしっかり取ります。水分が残っていると霜となってしまい味が悪くなってしまうためです。水けが取れたら、冷凍用保存袋になるべく平らになるように入れます。密封し冷凍庫へ。

冷蔵庫の急速冷凍機能を使うと、短時間で冷凍することができるのでおすすめです。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にもやしが入った保存袋を置いて冷凍すると◎。

生のまま冷凍したもやしは、凍ったままスープや炒め物などに入れて調理することができます。解凍してしまうと、水っぽくなってしまうのでNG。

茹でてから(1ヶ月)

もやしを茹でてから冷凍用保存袋に入れて冷凍保存する

冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。ブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。

もやしをさっと水洗いします。ザルに入れて上から熱湯をまわしかけます。粗熱が取れたらキッチンペーパーを使って水けをしっかりと取り、冷凍用保存袋に入れ冷凍庫へ。こちらも急速冷凍機能もしくは金属トレイを使って冷凍すると◎。旨みがぎゅっと閉じ込められます。

冷凍する前に茹でてあるので、調理時間が短縮されるのも◎。

その他にも天日干しやオーブンで加熱してもやしの水分を飛ばしてから乾燥保存したり、醤油や塩に漬けてから保存することも可能です。もやしの保存方法についてはこちらの記事を参考にしてください。

新鮮なもやしの選び方

当たり前ですが、新鮮なもやしを購入する方が、より長く美味しく保存することができます。新鮮なもやしには下記のような特徴があります。

  • 透明感があり色が白くて太い

  • ひげ根が変色しておらず短いもの

  • 長さが短め

  • ピンとしていて弾力がある

  • 袋に水が溜まっていない

ひげ根が濃い茶色に変色していたり、ひげ根が長すぎるもやしは避けましょう。