もやしは安価で購入できるのでまとめて購入しておきたいものですが、使おうと思ったら酸っぱい匂いがしたという経験がある方は多いのではないでしょうか。本記事ではもやしが酸っぱい匂いになる原因や対処法などを紹介します。
もやしはトマトなどの野菜と比較して傷みやすいため、購入してから時間が経つと酸っぱい匂いがしてくることがあります。
もやしの傷みが早く賞味期限が短い原因としては、まずもやしが発芽中の状態であることがあげられます。私達が普段食べているもやしは、穀類や豆類を人口的に発芽させた新芽です。成長中の野菜は細胞分裂が活発に行われているため、温度変化や細菌に弱く非常にデリケートな状態となっていて傷みやすいのです。
また、トマトなどの植物とは異なり、日光に当たらずに育っていることも傷みやすい原因の一つです。植物は日光に当たり光合成を行いますが、もやしは日光には当てずに基本的に衛生的で細菌などから守られた状態で育っています。そのため、人間が無菌の状態で生活すると抵抗力が弱まり、風邪を引きやすい身体になったりするのと同様に、もやしも抵抗力が弱くすぐに傷んでいってしまいます。
もやしに限らず食材は傷んだり腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい匂いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や匂い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。
酸っぱい匂いがするだけで、形が崩れていたり茶色い汁が出ているなどの腐敗のサインが見られない場合は、傷み始めてはいるものの腐敗してはいないので、食べることができます。
そのため、酸っぱい匂いがするだけでは腐敗していると判断するのは早いです。破棄してしまうのは勿体ないと感じる場合は、腐敗していないかしっかりとチェックし腐敗していなければ調理をして食べると良いでしょう。
傷み始めているだけで腐敗していなければ食べることはできますが、雑菌が増殖していることには変わりありません。全ての雑菌が食中毒の原因になるわけではありませんし、加熱調理をすればほとんどは死滅しますが、腐敗しているか判断するのが難しい場合や心配な方は破棄が無難です。
特に小さなお子様や高齢者が食べる場合などは、破棄するのが良いでしょう。酸っぱい匂いがするということは新鮮なもやしと比較すると味も食感も劣ります。無理して食べる必要もないので、あまりに酸っぱい匂いが気になるようであれば破棄しておくのが安心です。
腐敗したもやしの特徴は下記の通りです。酸っぱい匂いに加えて下記の特徴がある場合は、腐敗していると判断し、破棄しましょう。
腐ったもやしの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に黒・茶・透明に変色している
水分が多く出ている
出てきている水分が茶色や黒色
溶けだしている
白いふわふわとしたほこりのようなものがついているときは白カビ、黒いすすのような斑点がついているときは黒カビが生えています。カビはカビ毒を発生させ、下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす原因になるためカビが生えている場合は一部のみであっても破棄しましょう。
もやしが変色する原因は腐敗だけではありませんが、全体的に変色してしまっている場合も腐敗と考えて破棄するようにしてください。また、もやしは水分量が多い野菜なので、保存中に水分が出てくることはよくあります。あまりにも大量に出てきてしまっている場合や、出てきている水分が茶色や黒色に変色している場合も腐敗しているので食べることはできません。
見るからに溶け出している場合も腐敗がかなり進んでいる状態なので破棄してください。
腐ったもやしの臭いや味の特徴は下記の通りです。
生ゴミ臭。
カビ臭い。
もやしは、特有の青臭さはあるもののそこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いだけではなく生ゴミのような臭いがする場合やカビ臭い場合も腐敗している可能性が高いです。
カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったもやしの触感は下記の通りです。
簡単に潰れるぐらい柔らかい
ぬるぬるしている
糸を引いている
新鮮なもやしは張りがありシャキっとしていますが、腐敗すると簡単に潰れてしまうぐらい柔らかくなってしまいます。また、ぬめりが出ていたり糸を引いている場合も腐敗しています。ぬめりが出たり糸を引くようになってしまうのは、雑菌が増殖していることが原因と考えて良いでしょう。
もやしに限らず腐敗してしまった野菜には、細菌が繁殖している可能性があります。そのため、腐敗しているもやしを食べてしまった場合、細菌の種類によっても異なりますが、嘔吐や下痢、腹痛などの症状が出ることがあります。
症状が出た場合は、自己判断で市販の下痢止めなどの薬を飲むのはやめたほうが良いとされています。自己判断で市販の薬を使うと、症状の原因である細菌やウイルスの排出を邪魔してしまい病状が悪化してしまうことがあります。
症状が出た場合は、速やかに病院を受診しましょう。少しでも怪しいなと感じる場合は、食べずに処分する方が良いです。
出典:食中毒かな?と思ったら(農林水産省)
傷みはじめてしまったことが原因で酸っぱい匂いがする場合は、調理をするときに工夫をすると匂いを落とすことができます。酸っぱい匂いが気になるもやしの対処法は下記の通りです。
もやしは基本的に洗わずに食べても問題ありません。
もやしはトマトなど土壌で栽培されている野菜とは異なり、水耕栽培されています。そのため、もやしに土壌由来の細菌がついていることはほとんどありません。品質管理が徹底されており、栽培場所や生産工程で衛生管理が行き届いているため、安全に食べることができます。さらに、もやしは出荷前には清潔な水で洗浄されることが一般的です。この洗浄工程によって、もやしの表面についた不純物や異物が除去されているため「水洗い不要」と記載されていることが多いです。
しかし、酸っぱい匂いが気になる場合は水洗いしてから使うことをおすすめします。腐敗まで進んでいなければ、雑菌を洗い流すことで酸っぱい匂いを軽減することができます。
もやしは根菜などとは異なりゴシゴシあらう必要はありません。ザルを使ってさっと流水で洗うか、もやしが入っている袋に水をいれて袋ごとゆすり洗いするだけでOKです。長時間洗ってしまうとビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出してしまうので注意しましょう。
酢っぱい匂いが気になるもやしは、茹でることでも匂いを軽減することができます。茹でる際にお湯に酢を加えると、酢の消臭効果により匂いが気にならなくなります。また、酢には除菌効果もあります。
ただし、この方法は効果的ですが、茹で過ぎてしまうと水溶性の栄養素が流出してしまうことがあるため、適切な茹で加減を心掛けることが大切です。
また、もやしはシャキシャキとした食感が特徴的で美味しくいただけますが、茹ですぎるとその食感が損なわれてしまいます。そこで、茹でる時間は1分程度を目安に、食感を保ったまま茹でるよう注意しましょう。
さらに、もやしを茹でる際には、余分な水分をよく切ることも重要です。茹でた後に水気をしっかりと切ることで、食材の水分量が調整されお料理の味やテクスチャーが一層引き立ちます。
電子レンジで加熱することで雑菌臭を軽減することもできます。さらに、茹でるのとは異なり、水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができるため、栄養を無駄にしたくない方におすすめです。
電子レンジは、短時間で食材を加熱できるので、もやしの栄養素を効率よく保ちながら、雑菌を除去することができる優れた調理方法です。雑菌臭が気になる場合は、電子レンジを活用してみると良いでしょう。
ただし強すぎる火力や長時間の加熱は栄養素を壊す可能性がありますし、食感も損なわれてしまうので適切な加熱時間を心掛けることが重要です。一般的に、600W程度の電子レンジで1〜2分程度を目安に加熱すると良いとされています。雑菌臭を軽減しつつもやしの食感や栄養をしっかりと楽しむことができます。
上記で紹介したように、傷み始めている程度であれば酸っぱい匂いは軽減することができます。しかし、洗ったり茹でたりしても酸っぱい匂いがする場合は、腐敗している可能性が高いです。
腐敗してしまっているもやしを食べてしまうと、下痢や嘔吐などの食中毒の症状が出てしまうことがあるので、食べずに破棄しましょう。
口入れて酸っぱい味がする場合も無理して飲み込まず吐き出したほうが安心です。
もやしは上述したように傷むのが早いため、正しく保存していないとあっという間に傷んで匂いがきつくなったりします。もやしをより美味しく、長く保存するためには購入したら正しく保存することが大切です。
それでは、もやしの正しい保存方法を紹介します。
もやしをすぐに使う場合は冷蔵保存がおすすめです。生のまま保存する方法が一番手軽ですが、あまり日持ちはしないのですぐに食べる必要があります。加熱すれば保存期間が少し長くなります。
購入後、もやしを袋から取り出し、ポリ袋に入れます。軽く口を閉じてチルド室で保存します。開封して使いかけのもやしもポリ袋に入れて保存しましょう。
もやしを購入したままの袋で保存するのは避けましょう。もやしは水分を多く含む(95%)野菜なので、袋に入れたままだと蒸れてすぐに傷んでしまいます。傷んでしまうと芽や根の部分が茶色く変色してしまいますし、ぬめりが出て、臭いがきつくなります。
未開封であっても、包装のまま保存せず、ポリ袋や保存袋などに入れて保存するのがおすすめです。
ポリ袋に入れて保存すれば、2〜3日ほど保存することが可能です。水洗いをしてから調理しましょう。
熱湯をかけてから冷蔵保存するという方法もあります。生のまま保存するともやしの水分が出やすいですが、加熱してから保存することで水分が出にくくなります。また、調理時間を短縮することもできます。
水洗いして水けを切ったもやしをザルに入れ、上から熱湯をまわしかけます。もやしが冷めたらキッチンペーパーで水けを切り、保存容器に入れます。蓋をしてチルド室で保存すれば、約1週間ほど保存することができます。
水や熱湯で茹でるという方法よりも、熱湯をかける方が、栄養素の流出を抑えることができます。熱湯を使用するので、やけどには十分注意してください。
水につけて冷蔵保存する方法が、冷蔵保存の中では一番長持ちします。水に浸ければ、シャキシャキ感を保って7〜10日ほど保存することが可能です。
保存容器にもやしを入れ、もやしがひたひたに浸かるくらいの水を入れ蓋をし冷蔵庫へ。チルド室では水が凍ってしまう可能性もあるので注意してください。水は2日おきに取り替えるようにしましょう。
長持ちはする一方で、もやしに含まれている水溶性のビタミンやカリウムなどが流出してしまうというデメリットも。もやしの栄養を効率よく摂取したい場合は、水に浸ける以外の方法で保存することをおすすめします。
冷蔵ではあまり日持ちしないもやしも、冷凍することで約1ヶ月ほど保存することができます。
生のもやしと比べると食感は落ちてしまいますが、味が染み込みやすくなりますので、炒め物やスープなどの加熱料理に使うのがおすすめです。冷凍後のもやしは、袋の上から軽くもむだけでほぐせるので、使いたい分だけ取り出すことが可能です。
もやしを水洗いし水けを切り、さらにキッチンペーパーを使って水分をしっかり取ります。水分が残っていると霜となってしまい味が悪くなってしまうためです。水けが取れたら、冷凍用保存袋になるべく平らになるように入れます。密封し冷凍庫へ。
冷蔵庫の急速冷凍機能を使うと、短時間で冷凍することができるのでおすすめです。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にもやしが入った保存袋を置いて冷凍すると◎。
生のまま冷凍したもやしは、凍ったままスープや炒め物などに入れて調理することができます。解凍してしまうと、水っぽくなってしまうのでNG。
冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。ブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。
もやしをさっと水洗いします。ザルに入れて上から熱湯をまわしかけます。粗熱が取れたらキッチンペーパーを使って水けをしっかりと取り、冷凍用保存袋に入れ冷凍庫へ。こちらも急速冷凍機能もしくは金属トレイを使って冷凍すると◎。旨みがぎゅっと閉じ込められます。
冷凍する前に茹でてあるので、調理時間が短縮されるのも◎。
その他にも天日干しやオーブンで加熱してもやしの水分を飛ばしてから乾燥保存したり、醤油や塩に漬けてから保存することも可能です。もやしの保存方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
当たり前ですが、新鮮なもやしを購入したほうが美味しく食べることができますし、より長く保存することができます。新鮮なもやしには下記のような特徴があります。
透明感があり色が白くて太い
ひげ根が変色しておらず短いもの
長さが短め
ピンとしていて弾力がある
袋に水が溜まっていない
ひげ根が濃い茶色に変色していたり、ひげ根が長すぎるもやしは避けましょう。
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