もやしの臭いが気になったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではもやしが臭い原因やもやしの臭いを軽減する方法などを紹介します。
もやしが臭いと感じる原因は下記の通りです。
もやしが臭いと感じる原因の一つは、もやしがもつ青臭さです。
もやしに限らず野菜にはそれぞれ様々な香気成分が混ざり合って、特有の臭いになります。もやしがもつ香気成分については細かく記載されている資料などがないため不明ですが、もやしにも特有の青臭さがあり、この青臭さが苦手という方は非常に多いです。
特にもやしは袋詰にされて販売されており、もやしは袋の中で呼吸をしています。そのため、袋内に臭いがこもってしまうことが臭いをきつく感じる原因であると考えられます。
一口に「もやし」といっても様々な種類がありますよね。一般的にスーパーなどで販売されていることが多いもやしは下記の通りです。
緑豆を発芽させた「緑豆もやし」
大豆を発芽させた「大豆もやし(豆もやし)」
黒豆を発芽させた「黒豆もやし(ブラックマッペ)」
もやしの種類によっても臭いは若干異なります。臭いの感じ方は個人差がありますが、一般的に豆がついている大豆もやしや黒豆もやしと比較して、緑豆もやしの臭いがきついと感じる方が多いようです。
もやしは野菜の中でも鮮度が落ちやすく傷みやすいです。そのため、購入してから時間が経ち傷み始めたことが原因で臭くなってしまうこともあります。
もやしの傷みが早く賞味期限が短い原因としては、まずもやしが発芽中の状態であることがあげられます。私達が普段食べているもやしは、穀類や豆類を人口的に発芽させた新芽です。成長中の野菜は細胞分裂が活発に行われているため、温度変化や細菌に弱く非常にデリケートな状態となっていて傷みやすいのです。
また、トマトなどの植物とは異なり、日光に当たらずに育っていることも傷みやすい原因の一つです。植物は日光に当たり光合成を行いますが、もやしは日光には当てずに基本的に衛生的で細菌などから守られた状態で育っています。そのため、人間が無菌の状態で生活すると抵抗力が弱まり、風邪を引きやすい身体になったりするのと同様に、もやしも抵抗力が弱くすぐに傷んでいってしまいます。
もやしを購入した際、袋に入れたまま保存していると、もやしから出た水分が袋内に溜まって湿気を帯びることがよくあります。特に夏場など、湿度が高い環境ではこの現象がより起こりやすくなります。
湿気を帯びた袋内では、雑菌やカビが増殖する恐れがあります。これらの微生物は湿った環境を好み、袋についた水分やもやしの水分が増殖のエサとなるため、臭いや腐敗の原因になることがあります。
上述したように、もやしは非常に傷むのが早い野菜です。正しく保存できていなかったり、購入してから時間が経つとあっという間に腐敗してしまいます。
特に酸っぱい臭いや生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
もやしに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。
あきらかにいつもとは異なる異臭がする場合は腐敗していると判断して間違いないでしょう。
もやしが臭くなる原因はおわかりいただけたかと思います。続いて臭いもやしは食べられるのかどうか解説していきます。
もやしが元々もっている香気成分の青臭さは、もちろん食べて問題ありません。もやしの青臭さは調理前の一工夫で軽減することができます。臭いを軽減する方法については後述しますのでそちらを参考にしてください。
傷み始めや雑菌による臭いが気になる場合は、腐敗していないかチェックしてから食べられるか判断しましょう。腐敗していなければ、食べることができます。ただし、鮮度が落ちている状態なので、新鮮なもやしと比較すると味や食感は落ちています。また、そのままにしておくとすぐに腐敗してしまうので早めに食べきることも大切です。
野菜を生食すると栄養を余すことなく摂取できたり、しっかりとした食感を楽しめるといったメリットがありますが、残念ながらもやしは腐敗していなくても生食NGです。
一般的にもやしのパッケージには「生食不可」「加熱調理をしてお召し上がりください」などの記載があることがほとんどです。
海外ではもやしを生食する国もあるようですが、国によって衛生基準が異なるため日本でも安全に食べられるとは限りません。日本のもやしは加熱調理することを前提として製造されているので、必ず加熱してから食べましょう。
腐敗したもやしの特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に黒・茶・透明に変色している
水分が多く出ている
出てきている水分が茶色や黒色
溶けだしている
簡単に潰れるぐらい柔らかい
ぬるぬるしている
糸を引いている
白いふわふわとしたほこりのようなものがついているときは白カビ、黒いすすのような斑点がついているときは黒カビが生えています。カビはカビ毒を発生させ、下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす原因になるためカビが生えている場合は一部のみであっても破棄しましょう。
もやしが変色する原因は腐敗だけではありませんが、全体的に変色してしまっている場合も腐敗と考えて破棄するようにしてください。また、もやしは水分量が多い野菜なので、保存中に水分が出てくることはよくあります。あまりにも大量に出てきてしまっている場合や、出てきている水分が茶色や黒色に変色している場合も腐敗しているので食べることはできません。見るからに溶け出している場合やもやしがぬるぬるしていたり、糸を引いている場合も腐敗が進んでいます。
当たり前ですが、新鮮なもやしを購入したほうが美味しく食べることができますし、より長く保存することができます。新鮮なもやしには下記のような特徴があります。
透明感があり色が白くて太い
ひげ根が変色しておらず短いもの
長さが短め
ピンとしていて弾力がある
袋に水が溜まっていない
ひげ根が濃い茶色に変色していたり、ひげ根が長すぎるもやしは避けましょう。
もやしは時間が経つとしなしなになってしまうことがあります。これは、もやしの水分が出てしまったためです。もやしから水分が出てしなしなになってしまっていても、腐敗のサインが見られなければ食べることができます。
しなしなになったもやしは、50℃洗いで復活させることができます。
まず、50℃のお湯をボウルに入れます。50℃のお湯は沸騰させたお湯と水を1:1の割合で入れることで簡単に作ることができます。50℃お湯の中にもやしを入れて30秒ほど洗います。
お湯につけると逆にしんなりしてしまいそうな気がしますが、50度のお湯につけることで閉じていた気孔が開き細胞が水分を吸いこむことができるため、みずみずしさを取り戻します。これの現象を「ヒートショック」と呼びます。もやし以外の野菜にも使える方法なので覚えておくと良いでしょう。
ただし、水分がでてしなしなになってしまっているだけではなく、異臭がしたり溶け出している箇所がある場合は腐敗しているので食べることはできません。水分が出ているだけなのか腐敗しているのかしっかり確認することが大切です。
もやしの臭いを軽減する方法を紹介します。
もやしは基本的に洗わずに食べても問題ありません。
もやしはトマトなど土壌で栽培されている野菜とは異なり、水耕栽培されています。そのため、もやしに土壌由来の細菌がついていることはほとんどありません。品質管理が徹底されており、栽培場所や生産工程で衛生管理が行き届いているため、安全に食べることができます。さらに、もやしは出荷前には清潔な水で洗浄されることが一般的です。この洗浄工程によって、もやしの表面についた不純物や異物が除去されているため「水洗い不要」と記載されていることが多いです。
しかし、臭いが気になる場合は水洗いしてから使うことをおすすめします。水洗いすると、袋の中に臭いがこもってしまったことできつく感じる臭いや不純物を落とすことができるので、食べやすくなります。
もやしは根菜などとは異なりゴシゴシあらう必要はありません。ザルを使ってさっと流水で洗うか、もやしが入っている袋に水をいれて袋ごとゆすり洗いするだけでOKです。長時間洗ってしまうとビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出してしまうので注意しましょう。
もやし特有の臭いの原因はひげ根の部分にあるといわれています。もともとひげ根は傷みやすい部分なので、ひげ根が傷んで臭いがきつくなっていることもあります。そのため、もやし特有の臭いが気になる方は、手間はかかりますがひげ根をとって調理をするのも一つの手です。
もやしのひげ根は付け根の部分に爪を当ててぱきっと折ると簡単に取り除くことができます。
ひげ根を取り除いて調理をすると、口当たりもよくなりますし料理の見た目も綺麗に仕上がります。ただし、ひげ根にも栄養は含まれています。少しでも栄養を無駄にしたくない場合は、新鮮なうちにひげ根ごと調理をするのが良いでしょう。
臭いが気になるもやしは、茹でることでも臭いを軽減することができます。茹でる際にお湯に酢を加えると、酢の消臭効果により、より臭いが気にならなくなるのでおすすめです。
ただし、この方法は効果的ですが、茹で過ぎてしまうと水溶性の栄養素が流出してしまうことがあるため、適切な茹で加減を心掛けることが大切です。
また、もやしはシャキシャキとした食感が特徴的で美味しくいただけますが、茹ですぎるとその食感が損なわれてしまいます。そこで、茹でる時間は1分程度を目安に、食感を保ったまま茹でるよう注意しましょう。
さらに、もやしを茹でる際には、余分な水分をよく切ることも重要です。茹でた後に水気をしっかりと切ることで、食材の水分量が調整されお料理の味やテクスチャーが一層引き立ちます。
電子レンジで加熱することで雑菌臭を軽減することもできます。さらに、茹でるのとは異なり、水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができるため、栄養を無駄にしたくない方におすすめです。
電子レンジは、短時間で食材を加熱できるので、もやしの栄養素を効率よく保ちながら、雑菌を除去することができる優れた調理方法です。雑菌臭が気になる場合は、電子レンジを活用してみると良いでしょう。
ただし強すぎる火力や長時間の加熱は栄養素を壊す可能性がありますし、食感も損なわれてしまうので適切な加熱時間を心掛けることが重要です。一般的に、600W程度の電子レンジで1〜2分程度を目安に加熱すると良いとされています。雑菌臭を軽減しつつもやしの食感や栄養をしっかりと楽しむことができます。
臭いが気になって食べにくいもやしも、調理法を工夫することで美味しく食べることができます。臭いが気になるもやしにおすすめの調理法は下記の通りです。
上述したように茹でたりレンジで加熱することで臭いを軽減することができます。茹でたりレンジで加熱したもやしは、醤油やごま油などを使って和え物にするのがおすすめです。
茹でたりレンジ加熱することによって臭いが軽減されているのに加えて、調味料の風味が加わりより食べやすくなります。特におすすめは、ごま油を使ってナムルにすることです。ごまの香ばしい風味でもやしの臭さが気になりにくいです。
茹でたりレンジ加熱するのは手間に感じるという方は、炒め物にすると良いでしょう。もやしをその他の野菜や肉などと一緒に炒めると美味しく食べることができます。
特に臭いが気になる場合は、マスキング効果が期待できるネギや生姜、にんにくを使って一緒に炒めると、もやしの特有の臭いが薄れて食欲をそそる一品に。
炒める時にサラダ油ではなくごま油を使って炒めると、より臭いが気にならなくなるのでおすすめです。
もやしは上述したように購入してそのまま冷蔵庫に入れておくだけでは、臭いがこもってしまったり、もやしから出た水分によって雑菌臭がすることがあります。また、傷んだり腐敗が原因で臭くなることもあるので、正しく保存し鮮度を保つことが大切です。
ここからは、臭くならないもやしの正しい保存方法を紹介します。
もやしをすぐに使う場合は冷蔵保存がおすすめです。生のまま保存する方法が一番手軽ですが、あまり日持ちはしないのですぐに食べる必要があります。加熱すれば保存期間が少し長くなります。
購入後、もやしを袋から取り出し、ポリ袋に入れます。軽く口を閉じてチルド室で保存します。開封して使いかけのもやしもポリ袋に入れて保存しましょう。
もやしを購入したままの袋で保存するのは避けましょう。もやしは水分を多く含む(95%)野菜なので、袋に入れたままだと蒸れてすぐに傷んでしまいます。傷んでしまうと芽や根の部分が茶色く変色してしまいますし、ぬめりが出て、臭いがきつくなります。
未開封であっても、包装のまま保存せず、ポリ袋や保存袋などに入れて保存するのがおすすめです。
ポリ袋に入れて保存すれば、2〜3日ほど保存することが可能です。水洗いをしてから調理しましょう。
熱湯をかけてから冷蔵保存するという方法もあります。生のまま保存するともやしの水分が出やすいですが、加熱してから保存することで水分が出にくくなります。また、調理時間を短縮することもできます。
水洗いして水けを切ったもやしをザルに入れ、上から熱湯をまわしかけます。もやしが冷めたらキッチンペーパーで水けを切り、保存容器に入れます。蓋をしてチルド室で保存すれば、約1週間ほど保存することができます。
水や熱湯で茹でるという方法よりも、熱湯をかける方が、栄養素の流出を抑えることができます。熱湯を使用するので、やけどには十分注意してください。
水につけて冷蔵保存する方法が、冷蔵保存の中では一番長持ちします。水に浸ければ、シャキシャキ感を保って7〜10日ほど保存することが可能です。
保存容器にもやしを入れ、もやしがひたひたに浸かるくらいの水を入れ蓋をし冷蔵庫へ。チルド室では水が凍ってしまう可能性もあるので注意してください。水は2日おきに取り替えるようにしましょう。
長持ちはする一方で、もやしに含まれている水溶性のビタミンやカリウムなどが流出してしまうというデメリットも。もやしの栄養を効率よく摂取したい場合は、水に浸ける以外の方法で保存することをおすすめします。
冷蔵ではあまり日持ちしないもやしも、冷凍することで約1ヶ月ほど保存することができます。
生のもやしと比べると食感は落ちてしまいますが、味が染み込みやすくなりますので、炒め物やスープなどの加熱料理に使うのがおすすめです。冷凍後のもやしは、袋の上から軽くもむだけでほぐせるので、使いたい分だけ取り出すことが可能です。
もやしを水洗いし水けを切り、さらにキッチンペーパーを使って水分をしっかり取ります。水分が残っていると霜となってしまい味が悪くなってしまうためです。水けが取れたら、冷凍用保存袋になるべく平らになるように入れます。密封し冷凍庫へ。
冷蔵庫の急速冷凍機能を使うと、短時間で冷凍することができるのでおすすめです。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にもやしが入った保存袋を置いて冷凍すると◎。
生のまま冷凍したもやしは、凍ったままスープや炒め物などに入れて調理することができます。解凍してしまうと、水っぽくなってしまうのでNG。
冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。ブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。
もやしをさっと水洗いします。ザルに入れて上から熱湯をまわしかけます。粗熱が取れたらキッチンペーパーを使って水けをしっかりと取り、冷凍用保存袋に入れ冷凍庫へ。こちらも急速冷凍機能もしくは金属トレイを使って冷凍すると◎。旨みがぎゅっと閉じ込められます。
冷凍する前に茹でてあるので、調理時間が短縮されるのも◎。
その他にも天日干しやオーブンで加熱してもやしの水分を飛ばしてから乾燥保存したり、醤油や塩に漬けてから保存することも可能です。もやしの保存方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
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