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ブロッコリーの葉は食べられる?栄養素と調理法を解説

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ブロッコリーの葉は食べられる?栄養素と調理法を解説

ブロッコリーの茎についている葉は破棄しているという方は多いのではないでしょうか。実はブロッコリーの葉は食べることができます。本記事ではブロッコリーの葉について紹介します。

ブロッコリーの葉っぱは食べられる?

食べられる

ブロッコリーの葉は捨てて調理をするという方が多いと思いますが、実は食べることができます。

ブロッコリーの葉にはじゃがいもに多く含まれているソラニンやチャコニンといった中毒症状を引き起こす原因となる天然毒素は含まれていませんので、食べても問題ありません。

しかし、ブロッコリーの葉にはほうれん草やたけのこに多く含まれていることで知られているシュウ酸が含まれています。シュウ酸は苦味・エグみを感じさせるいわゆる「アク(灰汁)」となる成分で、料理の味を落とすだけではなくカルシウムの吸収を阻害し結石の原因となるなど人体にとって悪影響を及ぼします。

食べすぎてしまうのはよくありませんが、販売されているブロッコリーにはそれほど多くの葉がついているわけではないので、1日に少量を食べる分には問題ないでしょう。

葉を食べる品種もある

一般的にスーパーなどで販売されているブロッコリーにはそれほど多くの葉はついていませんが、ブロッコリーの葉がケールのように可食部になる「ブロッコリーフ」とよばれる品種もあります。

一般的にスーパーなどで販売されているブロッコリーの葉は苦味が強く食べにくいと感じる方も多いですが、ブロッコリーフは一般的なブロッコリーの葉と比較して甘みが強いので食べやすいのが特徴です。

栄養がたっぷり含まれているので、スーパーに販売されているブロッコリーの葉は食べにくいという方は、ブロッコリーフを購入してみるのも良いでしょう。

茎も食べられる

ブロッコリーは「花蕾(からい)」と呼ばれる頭の部分が主に可食部となり、茎も葉と同様に捨てられてしまうことが多いですが、茎も同様に食べることができます。

茎は固くて生では食べにくいですが、細かくカットしたりしっかりと加熱することで美味しく食べることができます。茎と花蕾を一緒に調理しても大丈夫ですし、別々で調理をして食べることも可能です。

茎にも栄養が含まれているので、破棄せず調理をして食べることをおすすめします。

ブロッコリーの葉の栄養

ブロッコリー100gあたりの主な栄養素・成分

続いて、ブロッコリーの葉に含まれている栄養を紹介します。

β-カロテン(ビタミンA)

β-カロテンは体内で必要量がビタミンAに変換される成分のうちのひとつで、その中でも最も活性が高くなっています。

β-カロテンには強い抗酸化作用があり、体内に発生した活性酸素を除去します。活性酸素は本来ウイルスと闘うなど健康維持に大切ですが、増えすぎると害を及ぼし、老化の促進などに繋がります。活性酸素はストレスや紫外線、不規則な生活習慣や加工食品、また喫煙などによって増加しすぎると言われています。

ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。そのため、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぎ感染症を予防する効果が大きく、免疫力を高めます。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。

ビタミンC

ブロッコリーはビタミンCがとても豊富です。なんとレモンよりも豊富に含まれています。茎の部分にも豊富なので、茎や葉もなるべく使うようにしたほうが◎

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。また、ビタミンCはシミのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、肌に弾力やハリをもたらすため、美肌づくりにも重要な栄養素です。

さらにビタミンCの抗酸化力はトップクラスですので、細胞を酸化から守り老化や生活習慣病の予防にもなります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。

また抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。

多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。また喫煙者はビタミンCの消費が激しいので、一般成人の2倍は摂ることをおすすめします。

スルフォラファン

スルフォラファンはイソチオシアネートの一種で、抗菌作用や動脈硬化予防などの効果が期待できる健康成分です。

スルフォラファンはイソチオシアネートの中でも特に研究が進んでおり、ブロッコリーに多く含まれていることが分かっています。

特にブロッコリースプラウトに豊富に含まれており、完熟ブロッコリーの約20倍です。ブロッコリースプラウトとは、かいわれ大根のようなブロッコリーの新芽のことです。

葉酸

葉酸はほうれん草の葉っぱから発見されたビタミンB群のひとつで、ビタミンB12と一緒に正常な赤血球をつくるのに必要な栄養素で「造血ビタミン」とも言われています。赤血球は約4ヶ月で生まれ変わり体内では常に新しい赤血球が作られています。

また、たんぱく質や核酸の合成を助け、細胞の新生や増殖に深く関わっています。細胞分裂が活発な胎児期に必須の栄養素で、特に妊婦の方は葉酸を十分に摂ることでおなかの赤ちゃんの発達異常を防ぐ効果があるといわれています。葉酸は水に溶けやすく、熱や光にも弱い性質があるので、茹でたり水洗いすることで含有量が減ってしまいます。そのため葉酸が含まれた野菜や果実は加熱せずに生野菜サラダや生搾りジュースで効率よく摂ることをおすすめします。

クロム

クロムは、糖代謝を正常に行えるように、ブドウ糖を細胞内に取り込むホルモンであるインスリンの働きを助けるミネラルです。インスリンの働きが悪くなってしまうと、血液中の糖が利用できなくなり、血糖値が上昇して糖尿病のきっかけとなってしまいます。

さらに脂質の代謝も促すため、生活習慣病の予防効果が期待されます。

ただクロムはとても吸収率が低く、摂取状況によりますが1%程度と言われています。ほとんどが尿へと排出されてしまうので積極的に摂取したい成分のひとつです。

インスリンの合成・貯蔵・運筆に関与している亜鉛や、インスリンの合成を助けるマンガンなどと一緒に摂取すると、より糖の代謝がスムーズに進むなど効果アップが期待できます。

カリウム

カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。そのため、高血圧の予防になるミネラルの一つです。また心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。

またカリウムは水に溶けやすい性質があります。根菜類やブロッコリーは比較的損失が少なくなっていますが、葉菜類は茹でると50%以上が失われてしまうのでスープなどにして汁ごと食べることがおすすめです。ただしナトリウムを摂りすぎないよう薄味にしましょう。

ブロッコリーの葉を調理するときのポイント

ブロッコリーの葉を調理するときのポイントは下記の通りです。

新鮮な状態かチェック

ブロッコリーの葉を食べるときは新鮮な状態かチェックしてから調理するようにしましょう。そのまま保存していると、カビが生えていたり傷んでしまっていたりして食べられなくなってしまっていることもあります。

下記のような特徴がある場合は、残念ですが破棄しましょう。

  • カビが生えている

  • 全体的に変色している

  • 溶け出している部分がある

  • ぬめりがある

  • 異臭がする

カビが生えている場合は、カビ毒を発生させ中毒症状が起こる可能性があります。カビ毒は加熱すれば大丈夫ということはないので注意しましょう。

新鮮な葉のほうが栄養価も高いので、購入したらできるだけ新鮮なうちに調理することをおすすめします。

よく洗う

ブロッコリーを洗う

ブロッコリーに限らず野菜を食べるときは、綺麗に洗ってから食べることが大切です。

じゃがいもなどの根菜と比較すると、泥や土汚れはそこまでついているわけではありませんが、野菜には土壌由来の細菌が必ずついているといっても過言ではありません。すべての細菌が食中毒の原因になるわけではありませんが、しっかりと洗い流してから食べるようにしましょう。

ブロッコリーの葉は流水で綺麗に洗い流してから調理をします。

ブロッコリーの洗い方については、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。

おすすめの洗浄パウダー

ブロッコリーは特殊な形状をしており、虫や土汚れ、残留農薬などが付きやすいといわれています。効率良く落とすのにおすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。

ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にブロッコリーを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり薬品が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。

細かくカットして加熱すると食べやすい

ブロッコリーの葉はキャベツの外葉のように固く、しっかりとした食感があります。そのため、細かくカットしてから調理をしたほうが食べやすいです。

特に小さなお子様が食べる場合などは、細かくカットしてから加熱して食べるのが良いでしょう。

軽く茹でるか、炒めるなどの加熱料理をするとより食べやすいです。ただしビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素は茹でると流出してしまいますし、加熱時間が長いと食感が損なわれてしまいます。加熱する場合はさっと加熱する程度にしましょう。

ブロッコリーの葉のおすすめの調理法

ブロッコリーの葉はキャベツなどの葉野菜と同様に、幅広い用途があります。ブロッコリーの葉をおいしく食べることができるおすすめの調理法を紹介します。

サラダ

ブロッコリーの葉はサラダにすることができます。ブロッコリーの葉の栄養を余すことなく摂取するならば、生のままサラダに加えるのが良いでしょう。しっかりとした歯ごたえがアクセントになりますし、ほのかな苦味が良いアクセントになります。

ブロッコリーの葉に含まれているβ-カロテンは脂溶性なので、ドレッシングをかけて食べると吸収率を高めることができます。ドレッシングをかけることで食べやすくなるので、おすすめです。そのままでは食べにくいという場合は、さっと茹でてからサラダに加えても大丈夫です。

和え物

ブロッコリーの葉だけではなく花蕾や茎も一緒に茹でて、醤油などの調味料を混ぜ合わせると栄養満点の和え物を簡単に作ることができます。

和風に味付けをしてもいいですし、ナムルにしても美味しく食べることができるのでおすすめです。ごま油と和えるとβ-カロテンの吸収率を上げることができるので栄養面的にも◎

炒めもの

ブロッコリーの葉は野菜炒めなどの具材にして食べることもできます。茎も油で炒めれば食べやすくなるので、一緒に加えるのがおすすめです。

しっかりとした濃いめの味付けにすれば、ブロッコリーの葉の苦味が苦手な方でも食べやすくなるでしょう。炒めものも油を使って炒めることでβ-カロテンの吸収率を上げることができます。

汁物

ブロッコリーの葉は味噌汁やコンソメスープなどの汁物にするのもおすすめです。汁物にする場合も茎も一緒に使いましょう。

汁物であれば固くて食べにくい場合もしっかり柔らかくなるので食べやすくなりますし、流出してしまう水溶性の栄養素も汁ごといただけるので栄養を無駄にしてしまうことがありません。

スムージー

ブロッコリーの葉はスムージーにして飲むことも可能です。本来スムージーは冷凍した野菜や果物をミキサーに入れて作りますが、近年はスムージーの作り方も多様化してきているので、生のままミキサーにいれて撹拌してもOKです。

ブロッコリーの葉の苦味が気になる方はバナナなど甘みのある果物などと一緒にスムージーにすると飲みやすくなるのでおすすめです。栄養満点なので朝ごはんなどの置き換えにも良いでしょう。