じゃがいもを洗う際、洗剤を使う必要はあるのでしょうか?本記事ではじゃがいもをきれいに洗う方法を詳しくご紹介します。
普段私達が食器を洗うときに使っている洗剤の中には、野菜や果物も洗うことができる洗剤もあります。洗剤で野菜を洗うなんて信じられないと思う方も多いと思いますが、日本で始めて誕生した台所用洗剤はもともと野菜や果物、食器を洗うことを目的として開発・販売されたものでした。
当時は野菜や果物を栽培する際に、農薬だけではなく堆肥を使うのが一般的でした。堆肥は牛の糞などを原料に作られているためサルモネラ菌などの病原菌が分布していたり、回虫の卵がついていることが多かったため洗剤を使って汚れを落とすことは食品衛生の向上をはかる上で大切なことでした。
その名残で野菜や果物を洗うことができる中性洗剤が多かったため、現在でも食器用の洗剤でも中性洗剤の場合、用途には「野菜・果物・食器の洗浄」と記載されていることがあります。
しかし、近年は肌に刺激を与えないよう「弱酸性」、「弱アルカリ性」の台所用洗剤も多く販売されています。また、野菜・果物の洗浄に使える条件には、「ヒ素や重金属、メタノール、酵素、漂白剤を含まないこと」も条件となります。基本的に食器用洗剤は口に入っても問題ないようになってはいますが、用途に「野菜・果物の洗浄」と記載がない場合は、中性洗剤であっても野菜や果物に使うのはやめましょう。
食器用洗剤と一口にいっても様々なメーカーが製造販売しており、それぞれ使われている成分なども異なります。「野菜・果物の洗浄」と記載がある主な商品は下記の通りです。
キュキュット ハンドマイルド(花王)
チャーミーグリーン(ライオン)
ママレモン(ライオン)
ヤシノミ洗剤(サラヤ)
どの商品もスーパーや薬局などで購入でき、価格も比較的安価です。
ただし、どの商品も下記の注意点があります。
野菜や果物を洗うときは5分以上つけおきしない
30秒以上しっかりすすぐ
ため水で洗う場合は水を2回以上交換する
食器を洗うときはさっと洗い流すだけでも大丈夫ですが、野菜や果物を洗うときはしっかりと洗い流す必要があるので注意しましょう。
洗剤を使ってしっかりと野菜や果物を洗うことには病原菌を落とすだけではなく、残留農薬を落とすことにも繋がります。
野菜や果物を栽培するときには、成長を促したり病害虫の被害を防ぐため必ずといっていいほど農薬が使われています。
日本で使われている農薬は、国に認められたもののみです。残留性が高く人体影響を及ぼすものや環境に影響を与えるほど毒性が強い農薬は、販売が禁止されています。また、登録された農薬であっても使用できる作物や時期、量などの使用基準が定められており、使用基準以外の方法で使用することを禁止しています。
使用量などは栽培する作物や気候条件によっても異なりますが、国の定めに基づいた農薬と使用量を守っていれば国の考えとしては農薬は安全とされています。
しかし、身体にとって良い影響があるというわけでもないので、しっかりと洗って余計なものを口に入れるのを防げるのはメリットであるといえます。
じゃがいもの場合は、土に埋まって育ったものを掘り起こして収穫しているため泥汚れや土汚れがついていることが多いです。特に泥付きのまま販売されているものは、衛生面が気になるという方も多いでしょう。
じゃがいもは洗剤を使って洗う必要はありません。泥汚れは洗剤を使わなくてしっかりと綺麗に落とすことができます。
また、残留農薬についても流水で汚れを落とすときにほとんど落ちます。また、じゃがいもの場合は皮を剥いてから調理をすることも多いですよね。農薬はやはり表面に最も多くついているので、皮を剥いて調理をするだけでも十分落とすことが可能です。洗剤を使うほど神経質になって洗う必要はないでしょう。
洗剤で洗う必要はないとはいっても、じゃがいもはしっかりと洗ってから調理に使うべきです。特に皮ごと調理する場合は、汚れがついていると料理全体が土臭くなってしまいます。
また、泥汚れには土壌由来の細菌が必ずといっていいほどついています。細菌の全てが食中毒を発症する原因になるわけではありませんが、下痢や嘔吐などの症状が出ることがあるので注意しましょう。
泥付きのじゃがいもなど、汚れがひどい時はまずはじめにボウルに貯めた水にひたしましょう。水につけておくことで、固まってしまっている泥や土もふやけるので、落としやすくなります。
ただし、水につけることでじゃがいもに含まれているビタミンCなどの水溶性の栄養素が流出してしまいます。そのため、水につける場合は長時間つけすぎないようにしましょう。
そこまで汚れがひどくない場合は、水につけずにそのまま流水で洗っても良いです。
水につけて汚れをふやかしたら、流水で汚れを洗い流していきます。
芽の部分には特に汚れが入り込んでしまいやすいので、指で優しくこすって洗い流しましょう。特に丸ごと皮ごといただく場合は、しっかりと落としておくことが大切です。
じゃがいもには様々な品種がありますが、一般的にスーパーなどで販売されていることが多いのは「男爵」と「メークイン」です。
特に男爵の表面は凸凹としていて、汚れが落としにくいので、たわしを使って洗うのがおすすめです。反対にメークインの表面は凸凹が少ないのでたわしがなくても洗いやすいです。
じゃがいもを洗うときは洗剤を使わなくても大丈夫とはいっても、やはり残留農薬が気になるという方も多いのではないでしょうか。じゃがいもの農薬を落とすのに有効な方法を紹介します。
ホタテ貝やホッキ貝を原料に作られたパウダーを使うと、残留農薬を落とすのに有効的です。洗剤を使うことに抵抗がある人も安心して使いやすいでしょう。
特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。農薬は酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にじゃがいもを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
これを使って水にさらすのが一番おすすめです。
残留農薬を落とすのに効果がある農薬除去スプレーも販売されています。農薬を落とすことを目的として開発されている商品ですので、残留農薬除去の効果が期待できます。
農薬除去スプレーを使う場合は、じゃがいもに直接スプレーしたあとに水で洗い流すだけです。メーカーによっても使い方や量などは異なるため、表記してある使用方法をよく読んでお使いください。
じゃがいもを酢水や重曹をとかした水にさらすのも残留農薬を落とすのに効果的だといわれています。
酢水の場合は、酢1:水2、塩水の場合は水に対して2%の塩を加えて作ります。元々、アク抜きや変色を防ぐために酢水や塩水に野菜をさらして下ごしらえしておく野菜もありますが、アク抜きや変色を防ぐのと同時に残留農薬を落とす効果も期待できます。酢には殺菌効果もあります。
重曹を溶かした水にさらすのはアメリカの家庭で残留農薬を落とす方法として使われていたもので、科学的根拠はありませんが近年注目を集めています。農薬の多くが酸性であり、重曹を溶かすことでアルカリ性になった水に浸けることにより酸性の農薬が中和されて落ちやすくなるのではないかと考えられています。重曹は膨らむ性質があるため、パンを焼くときなどにも使われます。また高い洗浄力があることから掃除をするときにもよく使われることも多いです。食品用の重曹と掃除用の重曹があるため、残留農薬を落とす目的で使う場合は食品用の重曹を購入しましょう。
最も残留農薬が多いといわれているのは、やはり表面です。そのため、残留農薬が心配な方は皮を剥いて食べると良いでしょう。
じゃがいもは皮を剥いたほうが火が通りやすく味が染み込みやすいといったメリットもあります。ただし、皮にも栄養素が含まれているため栄養価は下がります。
栄養価を下げたくない場合は、洗浄用パウダーなどを使って落とすほうが良いでしょう。
ほうれん草などの葉野菜など皮を剥くことができない野菜は、茹でこぼすことで残留農薬を落とすことができるといわれています。
茹でこぼすとは、沸騰したお湯で茹でた後にザルなどにあけてお湯を捨てることをいいます。じゃがいもも茹でこぼすことで残留農薬を落とすことができ、さらにアク抜きをすることもできます。
じゃがいもの茹で時間についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
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