冷凍したとうもろこしが解凍後、水っぽくて美味しくないと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では冷凍したとうもろこしが水っぽくならない解凍方法や、美味しく冷凍する方法を解説します。
冷凍したとうもろこしを解凍すると水っぽくなってしまう原因は下記の通りです。
冷凍したとうもろこしを解凍すると、水っぽくべちゃっとしてしまうのは、冷凍して凍ったとうもろこし内の水分が、解凍するときに水分として出てきてしまうためです。
とうもろこしの水分が出てきてしまうと、シャキシャキとした食感が損なわれてしまいます。そのため、冷凍したとうもろこしは美味しくないと感じる方が多いです。
冷凍することで水っぽくなったり食感が損なわれてしまう現象は、とうもろこし以外にも起こります。
洗ったり茹でたりした後に、水分を拭き取らずに冷凍してしまうのも解凍後水っぽくなってしまう原因になります。
水分を拭き取らずに冷凍すると、余計な水分まで一緒に凍ってしまい、解凍されたときにべちゃっとしてしまいます。余計な水分まで凍らせてしまうと、とうもろこしの甘みや旨味が薄くなってしまったり、料理全体が水っぽくなってしまうので注意が必要です。
冷凍とうもろこしが解凍後水っぽくなってしまって美味しくならないなら、冷凍しないほうが良いのではないかと思う方も多いと思いますが、とうもろこしを冷凍するメリットももちろんあります。
「お湯を沸かしてから畑に採りに行け」といわれるほど、とうもろこしは鮮度が落ちやすいです。1日経つと栄養価や甘みが半減するといわれていますので、購入後(収穫後)はすぐに食べるか、食べきれない場合は正しい方法で保存することが重要です。
とうもろこしは、冷蔵でも生のままだと2日〜3日、茹でた状態だと1週間程しか日持ちしません。一方、冷凍保存すれば、生のままで2ヶ月、茹でた状態で1ヶ月保存可能です。
長持ちさせたい場合は冷凍保存がおすすめです。
とうもろこしを茹でてから冷凍する場合は、茹でることによって水溶性の栄養素が流出してしまうことはありますが、冷凍によって栄養価が大きく下がってしまうことはありません。
基本的に野菜などの食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気にふれて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。
冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありません。そのため、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。
冷凍したとうもろこしが水っぽくなったり、食感や風味を悪くしてしまわないためには、解凍方法が重要です。冷凍とうもろこしのおすすめの解凍方法は下記の通りです。
生のまま冷凍したとうもろこしを丸ごと食べる場合は、水から茹でて解凍するのがおすすめです。解凍してから茹でると、変色してしまったり食感が悪くなってしまいます。
解凍後調理をして食べる場合は、皮を剥いたらすぐに調理しましょう。(味が落ちてしまいやすいため)
冷凍したとうもろこしは、レンジ解凍することも可能です。
生のまま冷凍したとうもろこしをレンジで加熱してそのまま食べる場合の加熱時間の目安は、600Wのレンジで6〜8分ほどです。調理に使用する場合はラップをしたまま電子レンジで(600W)で1〜4分ほど加熱してから皮を剥き、お好みの大きさに切って使います。
茹でてから冷凍したとうもろこしをレンジで解凍する場合は、生のまま冷凍したとうもろこしよりも加熱時間を短くします。加熱しすぎると水分が出すぎてびちゃびちゃになってしまうので注意しましょう。
茹でてから冷凍したとうもろこしは、冷凍庫にうつして自然解凍することもできます。常温に置いて解凍するのではなく、低温で解凍するのがポイントです。
時間はかかってしまいますが、冷蔵庫に入れて自然解凍することで水分が出てびちゃびちゃになってしまうことを防ぐことができます。
冷凍したとうもろこしは流水解凍することもできます。
流水解凍とは冷凍した食材を水をためたボウルに入れて、水を流しながら解凍していく方法です。冷凍庫から取り出したら、そのまま水をためたボウルに入れて、水を流すだけです。
自然解凍より早く解凍できるので、すぐにサラダなどにして食べたいときにおすすめです。
冷凍野菜を直接入れると水っぽくなってしまうので、ジッパー付きポリ袋のまま入れるのがおすすめです。それでも、自然解凍より水が出やすいのでベチャっとしてしまいやすいです。時間があるときは自然解凍するのが良いでしょう。
冷凍したとうもろこしは、解凍せずに加熱調理することも可能です。
解凍してから使うこともできますが、全解凍してしまうととうもろこしの水分が流れ出てしまい食感や味が悪くなってしまいますし、水溶性の栄養も流出してしまいます。
そのため、冷凍したとうもろこしは解凍せずに直接料理に使うのがおすすめです。
とうもろこしに限らず、冷凍した食材を美味しく食べるためには冷凍方法も重要です。そのまま冷凍庫に入れるだけではなかなかうまく冷凍できないので、食材に合わせた冷凍方法を知っておくことが重要です。
それでは、とうもろこしの冷凍方法を紹介します。なお、下記でご紹介しているとうもろこしの冷凍方法の詳細はこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
とうもろこしは皮を剥いた状態だと味が落ちやすいので、皮付きのまま生の状態で冷凍保存することをおすすめします。
皮付きのまま丸ごと冷凍する場合は、汚れている外側の皮を数枚取り除き、ヒゲを調理バサミで切り落とします。ラップでとうもろこし全体を包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。
皮付きのまま生の状態で冷凍する場合は2ヶ月程保存可能です。
茹でてから冷凍すると解凍してもとうもろこしのシャキッとした食感が損なわれにくくなります。
茹でてから冷凍する場合は、とうもろこしの皮を剥き、ヒゲを調理バサミで切り落とします。熱湯で固めに茹でたら粗熱を取ります。粗熱がとれたらキッチンペーパーなどで水分を拭き取りましょう。茹でたとうもろこしは輪切りにして保存します。
茹でてから冷凍する場合は1ヶ月程保存可能です。生のまま冷凍するよりも保存期間は短くなってしまいますが、調理時に使い勝手が良いので便利です。
茹でたとうもろこしの実を外して保存してもOK。実を外した状態で保存すると、調理したい時に簡単に使えて便利です。
先に縦2列分ほどの実を取り除いた後に、その列から親指の腹で削ぐようにすると実を綺麗に取ることができます。冷凍用保存袋に入れ空気を抜いてからジッパーを閉め、冷凍庫で保存します。
実を外して冷凍する場合は実同士がくっつきやすいので、使用する前に袋を振って実をほぐしましょう。
とうもろこしをペースト状にしてから冷凍するのもおすすめです。ペースト状にしてから冷凍すれば、解凍後に食感の悪さが気になりません。
ペースト状にして冷凍する場合は、まず茹でたとうもろこしをフードプロセッサーやミキサーなどで撹拌してペースト状にします。冷凍用保存袋に入れる時は、なるべく均一に、薄い平らに入れましょう。必要な分だけ手で折って取り出せるので便利です。
ペースト状にして冷凍したとうもろこしの保存期間の目安は1ヶ月です。
とうもろこしを冷凍するときに特に重要なポイントは下記の通りです。
保存袋に入れたら、空気をしっかり抜いて密閉することが大切です。空気をしっかり抜いて密閉することで、空気中の酸素に触れて変色してしまったり、味や食感が悪くなってしまうのを防ぐことができます。
また、庫内に入っている他の食材の臭いが移ってしまうこともないので、冷凍した食材特有の臭いを抑えることができます。
とうもろこしに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
また、冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。
上記で紹介したように、生のまま冷凍する場合は2ヶ月、茹でたりペースト状にして冷凍する場合は1ヶ月が保存期間の目安です。
冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
冷凍したとうもろこしを美味しく食べる方法を紹介します。
茹でずに丸ごと冷凍したとうもろこしは、そのまま焼いて食べることができます。解凍せずにそのまま焼くことで水分が出ても蒸発するので水っぽくなってしまうのを防ぐことができます。また、とうもろこしの芯にも旨味成分や甘みがたっぷり含まれているので、とうもろこしそのものの味を楽しむことができます。
とうもろこしといえば、コーンスープを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。冷凍したとうもろこしをコーンスープにすれば、解凍されることで悪くなってしまう食感も気になりにくくなります。
ペースト状にしてから冷凍したとうもろこしであれば、凍ったままの状態でミルクに溶かしてコーンスープが簡単に作れるのでおすすめです。
とうもろこしをご飯と一緒に炊いて炊き込みご飯にするのもおすすめです。炊き込みご飯にすれば、水っぽくなってしまったり食感の悪さをカバーすることができます。とうもろこしの芯も一緒に炊き込めば、より味に深みが出ます。
茹でてから実を外して冷凍したとうもろこしは、そのまま炒めものにしても美味しいです。
とうもろこしをバターで炒めたりするだけでも美味しいですが、ほうれん草や人参などビタミンAが含まれている食材と一緒に炒め物にするのがおすすめです。とうもろこしには亜鉛が含まれますが、ビタミンAはその亜鉛の吸収を高めてくれます。そして亜鉛はビタミンAの働きを助けるため、相乗効果が期待できます。また抗酸化作用の効果アップが期待でき、筋組織の修復にも効果的です。
冷凍したとうもろこしは解凍せずにそのままミキサーに入れて撹拌すれば、スムージーを作ることができます。近年はスムージーの作り方も多様化しており、生の状態の野菜や果物をミキサーに入れて作ることも多いですが、本来スムージーは冷凍した野菜や果物をミキサーに入れて作ります。
そのため冷凍したとうもろこしは解凍しなくても、そのままミキサーに入れればスムージーになります。甘みがあるので、飲みやすいです。他の野菜や果物といっしょにスムージーにすると栄養価も高くなるので、朝ごはんなどの置き換えにも良いでしょう。
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