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冷凍したズッキーニがまずい...美味しい冷凍法&解凍法を解説

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冷凍したズッキーニがまずい...美味しい冷凍法&解凍法を解説

冷凍したズッキーニが美味しくないと感じたことがある方も多いのではないでしょうか。本記事では冷凍したズッキーニがまずくなってしまう理由や、まずくなりにくいズッキーニの冷凍のコツを紹介します。

冷凍したズッキーニがまずい理由

食感が悪くなる

ズッキーニはみずみずしく、しっかりとした歯ごたえのある野菜ですが、冷凍するとぐにゃっとした柔らかい食感になってしまいます。

冷凍することで食感が失われてしまうのは、冷凍によりズッキーニの組織が壊れてしまい、水分が流出してしまうためです。

この普段食べているズッキーニとは異なるぐにゃっとした柔らかい食感がまずいと感じさせる原因の一つであるといえます。

水っぽい

ズッキーニに限らず、冷凍した野菜は水っぽくなってしまって美味しくないと感じる方は多いのではないでしょうか。冷凍すると水っぽくべちゃっとしてしまうのは、冷凍する際に野菜に含まれている水分が凍り、解凍するときに水分としてそのまま出てきてしまうためです。

特にズッキーニは94%が水分と水分量の多い野菜なので、そのまま冷凍すると水っぽくなってしまいます。

冷凍する際に野菜に含まれている水分も一緒に凍ってしまうのは避けられませんが、冷凍するときの一工夫や解凍方法を工夫することで水っぽくべちゃっとしてしまうのを防ぐことができます。

風味が悪くなる

冷凍したズッキーニは風味も悪くなりやすいです。これは、解凍されたときに冷凍して凍った水分と一緒にズッキーニに含まれる風味となる成分が流出してしまうためであると考えられます。

また、冷凍庫についている食材の臭いや細菌の臭いなどがズッキーニについてしまうことも風味が悪くなる原因になります。ズッキーニだけではなく様々な食材でよく起こります。

冷凍したときの特有の臭いの原因の多くは冷凍庫についている臭いが移ってしまうことによるもので、これはしっかり密閉して冷凍庫に入れることで防ぐことができます。

ズッキーニを冷凍するメリット

ズッキーニを冷凍することで食感や風味が悪くなって美味しくなくなってしまうのなら、冷凍しないほうが良いのではないかと思う方も多いと思いますが、冷凍するメリットももちろんあります。

長持ちする

基本的に野菜などの食材の鮮度が落ち、栄養価が落ちたり腐敗してしまうのは、空気にふれて酸化が進んだり、乾燥したりといった外的要因や食品に含まれる酵素や微生物の働きなどの内的要因によるものです。

冷凍庫などの低温の環境では、腐敗や食中毒の原因になるほとんどの菌類や微生物、酵素の分解作用が働くことはありませんので、外的要因である乾燥や酸化を防げれば鮮度が落ちたり栄養価が落ちてしまうことを防ぐことができます。

ズッキーニは水分量が多いためあまり日持ちしない野菜です。正しく保存すれば冷蔵でも丸ごとの状態で1週間程保存することが可能ですが、カットしてしまうと冷蔵だと2日〜3日しかしません。そのため、長く保存したい場合は冷凍保存するのが良いです。

栄養素の変化はあまりない

冷凍することで食感や味が変わってしまうことがあるなら、栄養価も下がってしまうのではないかと思う方も多いと思います。茹でてから冷凍する場合は、冷凍に関係なく茹でる段階で水溶性の栄養素が流出してしまいますが、基本的に冷凍によって野菜の栄養価が大きく下がってしまうことはありません。

冷凍したズッキーニの栄養素については詳しく記載された資料はないため詳細は不明ですが、冷凍によって大きく栄養価が下がることはないとされています。

まずくなりにくいズッキーニの冷凍のコツ

それでは、まずくなりにくいズッキーニの冷凍のコツを紹介していきます。

丸ごと冷凍する

ズッキーニを丸ごとのままラップに包み冷凍用保存袋に入れて冷凍する

ズッキーニは丸ごと1本、生のまま冷凍保存が可。皮むきやカットなどの下処理が必要ないので、時間がない時でもすぐに冷凍できます。

ズッキーニは水分を多く含む野菜です。本来野菜は冷凍すると水分が抜けて味や食感が落ちてしまいますが、丸ごと保存することで水分が抜けにくく、食感や味をキープすることが可能です。

ズッキーニを水洗いしてしっかりと水けを取り、ラップできっちり包みます。乾燥を防ぐためにヘタの部分もしっかりラップします。冷凍用ポリ袋に並べて入れ、冷凍庫で保存します。

カットして炒めてから冷凍もおすすめ

ズッキーニはカットして炒めてから冷凍するのもおすすめ

冷凍保存には直接冷凍する(ダイレクトフリージング)という方法がありますが、家庭用冷凍庫では急速凍結(瞬間冷凍)ができないため、味や食感、色が悪くなることが多いです。特にズッキーニのように水分量の多い野菜はこの傾向が顕著です。緩慢冷凍(徐々に冷凍すること)する過程で身の中に氷結晶ができ、開け閉めで冷凍庫内の温度が上がったときに、それが水蒸気となり身がスカスカになってしまいます。

そのため、ズッキーニを冷凍する際は1cmの厚さの輪切りにオリーブオイルでさっと炒めます。バットに取り出して粗熱を取ったら、重ならないように冷凍用ポリ袋に入れて冷凍しましょう。加熱調理することで甘みが増し、食感が悪くなるのを防ぎます。

加熱調理することで失われる栄養素もあるので直接冷凍とどちらがよいか一概にはいえませんが、1ヶ月後に美味しくいただくには、調理した後に冷凍するのがよいでしょう。

生のままカットして冷凍するときは重ならないように

ズッキーニを生のままお好みの大きさにカットし冷凍用保存袋に入れて冷凍するのも◎

ズッキーニを事前にカットしてから生のまま冷凍することもできます。

水洗いして水けを取ったズッキーニを、輪切り、角切り、くし形切りなどお好みの方法でカットし、冷凍用ポリ袋に入れます。

カットしてから生のまま冷凍するときは、水洗いした後にしっかりと水気を取ることが大切です。水気をとっておかないと余計な水分まで一緒に凍ってしまい解凍されたときに水っぽくなってしまいます。

また、ズッキーニが重ならないように平らに並べることがポイントです。使いたい時に使いたい分だけを取りやすくなります。

ポリ袋の空気をしっかり抜いて密閉

ズッキーニを冷凍用保存袋に入れたらしっかりと空気を抜いて口を閉じる

ズッキーニを冷凍用ポリ袋に入れたら、しっかりと空気を抜いて密閉することが大切です。

しっかりと空気を抜いて密閉しておくことで、空気に触れて鮮度が落ちてしまったり冷凍庫の臭いがついてしまうことを防ぐことができます。

金属トレイを下に置く

冷凍用保存袋に入れたズッキーニは急速冷凍機能を使うか、金属トレイの上にのせて冷凍すると良い

ズッキーニに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。

金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。

また、冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。

遅くても1ヵ月以内に食べきる

冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。

冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。

冷凍ズッキーニの解凍方法

冷凍ズッキーニの味や食感を悪くしてしまわないためには、解凍方法も重要です。

冷凍した食材を解凍するときは電子レンジを使うことが多いですが、野菜の場合はレンジで一気に解凍すると時短になる一方で、水分が沢山出てしまうためおすすめできません。

丸ごと生で冷凍したズッキーニは半解凍してカット

丸ごと冷凍したズッキーニは水につけて半解凍してから使う

丸ごと生で冷凍したズッキーニは、ポリ袋に入れたままの状態でボウルに入れ30秒ほど流水解凍します。ポリ袋が水に上に浮かんでくるので、小さめのボウルなどを重しにすると◎。

全解凍してしまうと、水分が出すぎてしまうので、半解凍で水から取り出すようにします。ズッキーニの表面が少しやわらかくなって少し水分を感じるようになったら半解凍できている証拠です。

半解凍になったら、カットして調理に使います。

自然解凍

ズッキーニを常温で放置し自然解凍する

ズッキーニをサラダの具にするなど生食したい場合は、自然解凍がおすすめ。

ポリ袋に入れたままの状態で常温に置き解凍しましょう。輪切りやスティック切りなど、解凍しづらいものは袋から取り出して皿の上に並べて解凍してもOKです。

加熱料理するならそのまま

ズッキーニを加熱調理に使用するなら、解答せず凍ったまま使用してOK

冷凍したズッキーニを加熱料理に使用したい場合は、解凍せず冷凍のまま使用します。解凍してしまうと水分が出て水っぽくなってしまうためです。

調理してから冷凍したズッキーニも同様で、極力ダメージを与えないために冷凍の状態のまま調理に使うのがベストです。

冷凍ズッキーニのおすすめの食べ方

冷凍ズッキーニのおすすめの食べ方を紹介します。冷凍したズッキーニは食感や風味が悪くなってしまうことがあるので、生食よりも煮物や炒め物など加熱調理をして食べることをおすすめします。サラダやフライなどは、冷凍保存していないものの方が美味しく召し上がることができます。

炒めもの

冷凍したズッキーニは解凍せずにそのまま炒めものに使うことができます。上述したようにそのまま炒めることで食感や風味が悪くなってしまうのを防げます。

また、ズッキーニに含まれているβ−カロテンは油溶性であるため、油を使って炒めることで吸収率が上がるメリットもあります。食感の悪さが気になりにくく、栄養もしっかりと摂取することができるのでおすすめです。

煮物

ズッキーニはラタトゥイユなどの煮物にもよく使われる野菜です。煮物であれば、冷凍することによって柔らかくなってしまった食感も気になりにくいですし、冷凍することで調味料が染み込みやすくなっているのでしっかりと味がついて美味しく食べることができます。

カレー

冷凍したズッキーニはカレーの具材としてもピッタリ!カレーも煮込むので、柔らかくなってしまった食感をカバーすることができますし、風味が悪くなってしまっていてもスパイスの効果で気になりにくいです。

青臭さもカバーすることができるので、ズッキーニに苦手意識がある方にもおすすめできる調理法です。ぜひ試してみてください。

スープ

スープなどの汁物にしても、柔らかくなってしまったズッキーニの食感の悪さが気にならなくなります。汁物であれば、流出してしまうビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素も汁ごと一緒に摂取することができるので栄養面でも◎

ミキサーにかけてポタージュにしても美味しく食べることができますよ。

スムージー

冷凍したズッキーニは解凍せずにそのままミキサーに入れて撹拌すれば、スムージーを作ることができます。近年はスムージーの作り方も多様化しており、生の状態の野菜や果物をミキサーに入れて作ることも多いですが、本来スムージーは冷凍した野菜や果物をミキサーに入れて作ります。

そのため冷凍したズッキーニは解凍しなくても、そのままミキサーに入れればスムージーになります。バナナなど甘みのある果物などと一緒にスムージーにすると飲みやすくなるのでおすすめです。栄養満点なので朝ごはんなどの置き換えにも良いでしょう。