アスパラガスはどこからどこまでが食べられる野菜なのかご存知でしょうか。アスパラガスは穂先や根元など全てが可食部になります。本記事ではアスパラガスの部位ごとの特徴や下ごしらえの方法などを詳しく解説します。
アスパラガスってどこまで食べられる野菜なの?と疑問に思ったことがある方は多いのではないでしょうか。食べられない部位がある野菜もありますが、アスパラガスは基本的に全ての部位を食べることができます。
アスパラガスは全ての部位を食べることができますが、根元は繊維が沢山集まっているため固く筋っぽいため1cm〜3cm切り落として食べることが多いです。
そのまま食べても問題ないのですが、どうしても食べるときに口当たりが悪くなりますし、固いので食べにくさを感じてしまいます。
アスパラの茎についている小さな三角形の葉のようなものは「はかま」といいます。はかまにも天然毒素などは含まれていないので、食べても問題ありません。
しかし、はかまには苦味成分が多く含まれていることがわかっているため苦味を軽減するために取り除いて調理をされることも多いです。
また、はかまも口当たりの悪さに繋がります。
人参や大根などの野菜が皮ごと食べられるのと同様に、アスパラガスも皮をむかずに食べることができます。しかし、アスパラガスの皮は固く口当たりが悪くなるため等間隔にむいたり、最も固い根元付近の皮だけをむいて食べることがほとんどです。
新鮮なアスパラガスは皮も柔らかいため皮ごとでも食べやすいのですが、アスパラガスは鮮度が落ちるとどんどん皮が固くなっていきます。アスパラガスは収穫後の品質変化が著しい野菜で、スーパーに並べられているアスパラガスは収穫後2日〜3日経っていることが多いため、だいたいは皮が固くなってしまっています。
そのため、下処理として皮をむいてから調理をすることが多くなります。
可食部となるアスパラガスの部位ごとの特徴を紹介します。
アスパラガスの先端部分を穂先(ほさき)といいます。
穂先は、アスパラガスの最も柔らかい部分です。風味もよく食べやすいだけではなく栄養価も高く、ビタミンやミネラル、食物繊維などが含まれています。アスパラガスの部位の中で最も繊細なのも穂先で、非常に痛みやすいため注意が必要です。
ちなみにアスパラガスの穂先は紫色に変色することがありますが、これはポリフェノールの一種であり紫色の色素であるアントシアニンの含有量が増えたためです。腐敗しているわけではないので、食べても問題ありません。
はかまは、上述したように茎についている小さな三角形の葉のようなものです。
はかまにはポリフェノールなどの苦味成分が含まれ、さらに固く食感が悪くなってしまうのと消化吸収に時間がかかるデメリットがあるため下ごしらえの段階で取り除いて調理をすることが多いです。
はかまにも食物繊維やビタミンCなどの栄養素が含まれているため、はかまを取り除くのはもったいないと思う方も多いと思いますが、アスパラガスははかま以外の部分も多くの栄養素が含まれているため、はかまを取り除いたからといって大きく栄養価が下がってしまうことはありません。
もちろん取り除かなくても大丈夫ですが、小さなお子様が食べるときなどは取り除いたほうが食べやすいでしょう。
アスパラガスを穂先から数えて3番目のはかまより下の部分が、アスパラガスの茎と呼ばれる部分です。
アスパラガスの茎は下部に行くほど太くなっており、上部に向かって、はかまが多くついています。茎は最も食感を楽しめる部位で、しっかりとした歯ごたえがあります。
アスパラガスの茎にビタミン類をはじめとする栄養素やアスパラガス酸、グルタチオン、シュウ酸、アスパラギン酸などの成分も含まれています。
シュウ酸はアク(苦味やエグみを感じさせ料理の味を落とす成分の総称)となる成分の一つで、さらにカルシウムの吸収を阻害したり結石の原因となる人体に害のある成分です。ほうれん草やたけのこなどアク抜きを必須とする野菜と比較してそこまで多くのシュウ酸が含まれているわけではありませんが、心配な方はしっかりとアク抜きをして食べることをおすすめします。アク抜きをすることで苦味が軽減されるため食べやすくなります。
根元は、茎の下部から地面に向かって伸びる根の部分のことです。
アスパラガスには根元から地下を伸びる地下茎(根茎)があり、この部分から新しい茎が伸びていきます。アスパラガスの根元は最も固く、繊維質で消化に時間がかかるため取り除いて調理をすることが多いです。
もちろん根元に食物繊維やビタミンC、ビタミンK、葉酸、ポリフェノール、アスパラギン酸、アスパラギンなどの栄養素が含まれています。カットした根元は捨てられてしまうことが多いですが、皮を剥いて細かくカットして調理をして食べると栄養素を無駄にすることがありません。
アスパラガスの皮は、茎の表面についています。
アスパラガスの皮は上述したように食べることができますが、繊維質で硬くて噛みごたえがあるためむいたほうが食べやすくなります。新鮮な状態であれば皮ごとでも食べやすいです。また旬の時期のアスパラガスなど柔らかいものは最も太い根元の部分の皮だけをむいて調理をする場合もあります。
アスパラガスの皮にも食物繊維やビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれているため、栄養価を下げないためには皮ごと調理するのがベストではありますが、皮をむいて皮は別で調理をして食べても良いでしょう。
アスパラガスが生長すると、葉や実、葉ができます。アスパラガスは花や実、葉をつける前に収穫されているため全てが可食部になりますが、生長するとできる花や実、葉は残念ながら可食部にはなりません。
アスパラガスは茎が伸びきると花を咲かせます。アスパラガスは花を咲かせる前に収穫されて店頭に並ぶため、アスパラガスの花を見たことがあるという方は少ないでしょう。
アスパラガスは茎が伸びると黄色く筒型のような形状の花を咲かせます。花は食用にはなりませんが、見た目が美しいため飾りとして利用されることがあります。また、花から種子を採取することもできます。
ちなみに、アスパラガスの花言葉は「無変化」「敵を除く」「私が勝つ」「何も変わらない」です。
アスパラガスは茎が伸びて花が咲くと、赤い実をつけます。上述したようにアスパラガスは茎が伸びて花が咲く前に収穫されて店頭に並ぶので、実がなることを知らない人も多いかと思います。
アスパラガスの実も食用として販売されていることはありませんが、食べることができます。甘みがありますが、種が多いのだとか。
アスパラガスは収穫せずにそのまま成長すると、細い葉のようなものがたくさん出てきます。これは正確には「偽葉(仮葉)」と呼ばれるアスパラの枝で、アスパラの葉ははかまです。
細いふさふさとした偽葉は苦味が強いため食用にはなりません。人参や大根など葉にも栄養素を含む野菜は多くありますが、アスパラガスの場合はあてはまりません。
すべてが可食部にあたるアスパラガスですが、そのままただ調理をしただけでは苦味があったり口当たりが悪かったりして食べにくいことがあります。ここからは、アスパラガスの下ごしらえの方法を紹介します。
まず、アスパラガスをよく洗います。
アスパラガスを洗うときは、丸ごと流水で洗います。農薬も単に水の流れる勢いで物理的に取り除かれるということもありますので、流水で洗うようにしましょう。
特に穂先の部分やはかまの部分は、汚れが入り込みやすいので念入りに洗ってください。
アスパラガスをよく洗って汚れをおとしたら、根元を1〜4cm包丁で切り落とします。上の写真のように手でポキっと折ってもOKです。根元は硬いので、切り落としたほうが食べやすいです。
根元を切り落としたら、アスパラガスの下部分(根元側)を持ち、上部分を反対側に向けて軽く曲げます。曲げたところで折れる部分が、皮と食べられない部分の境目になっているので、その部分を手で持って皮をむいていきます。
皮はピーラーでむくのが最も簡単な方法ですが、なければ包丁でそぐようにしてむいても大丈夫です。
新鮮なアスパラガスであれば、下の皮をむくだけでも十分食べやすくなります。
鮮度が落ちて固くなってしまっている状態のアスパラガスや、細い個体は根元のほうの皮をむくだけでは繊維質で食べにくいです。
そのため、そのようなアスパラガスは穂先より下を全体的にピーラーを使ってむくか、等間隔に全体的にむくと良いです。等間隔に皮をむき少し皮をむくことで食感を楽しむことができます。
上述したようにはかまは取り除かずに調理をしても良いのですが、はかまには苦味成分が多く含まれていることがわかっているため、少しでも苦味を軽減したい場合ははかまを取りましょう。
はかまは、ピーラーを使って皮を剥くようにとっても良いのですが、削る必要のない茎まで削れてしまうので、包丁を使って取るのがおすすめです。包丁の刃をはかまの先と茎の間に入れて、親指ではかまを挟み手前にひっぱれば綺麗に取り除くことができます。
アスパラガスは生食することもできますが、生食するには鮮度が重要です。上述したようにアスパラガスは鮮度が落ちると固くなってしまい、加熱調理をしないと食べにくいです。一般的にスーパーなどで販売されているアスパラガスは、加熱調理むきであると思っておいたほうが良いでしょう。
また、アスパラガスにはポリフェノールやシュウ酸といった苦味成分が含まれています。シュウ酸は人体に害がある成分なのでアク抜きをして取り除いて食べたほうが安心です。
アスパラガスの苦味となるポリフェノールやシュウ酸は水溶性の成分であるため茹でることで落とすことができます。レンジで加熱をしても柔らかくなって食べやすくはなりますが、ポリフェノールやシュウ酸は熱では分解されないためそのまま残り苦味を感じるので、しっかりアク抜きをしたい場合は茹でるのがおすすめです。
茹でるときは、まず沸騰した湯に塩を入れ、アスパラガスの先端部分をもって根元のほうを入れます。20~30秒ほどしたら、アスパラガス全体がつかるように入れて2~3分茹でて完了です。
最後に、アスパラガスを料理や好みの大きさにカットしたら下ごしらえは完了です。丸ごと使いたい場合は、そのままでも大丈夫です。
炒めものなどの料理に使いたい場合は、3〜4等分になるようにカットするとしっかりとした歯ごたえを料理にプラスすることができます。また、パスタの具材に加えたい場合など味をしっかり絡めたいときは斜めにスライスするのがおすすめです。斜めにスライスすることで断面が広くなるので、味がしみこみやすくなります。
最後にアスパラガスの鮮度を保ちより長く美味しく食べることができる保存方法を紹介します。アスパラガスに限らず、野菜は購入したら正しく保存しましょう。
アスパラガスは温度に敏感で、低温を好みます。貯蔵最適温度は0〜2℃です。15℃でアスパラガスのビタミンCは2割ほど失われてしまうという報告もあります。アスパラガスは乾燥にも弱く、貯蔵最適湿度は95〜100%といわれています。そのため常温保存はNG。
すぐに食べる場合は冷蔵し、湿らしたキッチンペーパーを使ったり、水に浸けるなどの工夫が必要です。
アスパラガスをキッチンペーパーで数本ずつ包み(1本ずつ入れてもOK)、根元を下にしてポリ袋に入れ、口を軽く閉じます。カップなどに入れて(ドアポケットに入れてもOK)、穂先を上にして、冷蔵室へ。アスパラガスは低温を好むので野菜室には入れないようにしましょう。キッチンペーパーの代わりに新聞紙でもOK。
濡らしたキッチンペーパーで水分を補えば、もっと長く冷蔵保存が可能です。
根元を5mmくらい切り、濡らしたキッチンペーパーを巻きます。ポリ袋に入れてコップなどに立てて冷蔵室へ。ひと手間を加えるだけで10〜12日間は保存することができます。1週間ほど経っても元の状態とあまり変わりません。ぜひお試しください。キッチンペーパーは毎日取り替えるのがおすすめです。
その他にも湿った砂の中で保存する方法もありますが、一般家庭では現実的ではありませんし、保存期間が2日ほどしかないので、おすすめしません。
茹でたアスパラガスを冷蔵で保存したい場合は冷水に浸けます。下茹でしたアスパラガスは傷みが早いので、この方法でも2〜3日が限界です。なるべく早く使い切るようにしましょう。
アスパラガスを美味しく長持ちさせるには硬めに塩茹でしてから冷凍するのがポイントです。アスパラガスを冷凍する場合の保存期間の目安は約1ヶ月です。
硬めに塩茹でしてキッチンペーパーで水けをしっかりとり、そのまま冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、冷凍室へ。金属トレイの上に乗せて冷凍室に入れると急速冷凍が可能です。切らずに冷凍しても凍ったまま包丁で切ることができます。切ったらそのまま調理に使えます。
黒くなった根元は5mmほど切りましょう。皮が硬いものは根元から1/3くらいピーラーでむきます。
サラダなどで使う場合は前日のうちに冷蔵に移して自然解凍を。前述した通り、冷凍したアスパラガスは食感が柔らかいのでサラダには向きません。
硬めに塩茹でしキッチンペーパーで水けをとったら、ぶつ切りや斜め切りにしてから冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れるのも◎。これだと凍ったまま、炒め物やスープ、パスタの具など調理に使えるのでとても便利です。
その他にも天日干しやオーブンで水分を飛ばしてから保存する乾燥保存や、醤油や味噌に漬けて保存する漬け保存も可能です。アスパラの正しい保存方法はこちらの記事を参考にしてください。
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