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アスパラガスは皮剥かない?剥くべき理由とは?剥き方も解説

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アスパラガスは皮剥かない?剥くべき理由とは?剥き方も解説

アスパラガスは調理をするときに皮をむくかむかないか迷ったことはありませんか?本記事ではアスパラガスの皮はむくべきなのかどうか解説します。

アスパラガスの皮はむかなくても食べられる?

皮はむかずに食べることができる

アスパラガスを食べるときに、皮をむくべきかそのまま調理をするべきか迷ったことがある方は多いのではないでしょか。

例えばじゃがいもは皮ごと食べることもできますが、皮が緑色に変色してしまっている場合は緑色の部分にソラニンやチャコニンといった天然毒素が多く含まれているため、皮をむいてから調理をする必要があります。アスパラガスの場合は天然毒素は含まれておりませんので、皮ごと食べても人体に害はありません。

特に鮮度が高いアスパラガスは皮がついたままでも食べやすいです。

皮にはポリフェノールが含まれている

アスパラガスの皮にはポリフェノールが多く含まれています。

ポリフェノールとは植物がもつ苦味や渋みの元になる化合物の総称です。構造の違いによって様々な種類があり、アスパラガスにはアントシアニンやルチンといったポリフェノールが含まれていることがわかっています。

アントシアニンには抗酸化作用があり、ルチンにはビタミンCの吸収の促進する作用があります。またビタミンCと一緒に摂ることで体内でコラーゲンの合成などをサポートします。

皮のみに含まれているわけではありませんが、皮にも栄養素は含まれているため皮ごと調理をしたほうが栄養素を無駄にすることなく摂取することができます。

品種による違いはある?

一般的に販売されているアスパラガスは見た目が緑色の「グリーンアスパラガス」とよばれる品種で、その他にも真っ白い見た目が特徴の「ホワイトアスパラガス」や紫色の見た目が特徴の「紫アスパラガス」などがあります。

ホワイトアスパラガスの場合は緑色のグリーンアスパラガスと比較して皮が厚く固いため、一般的に厚めに剥いてから食べます。ホワイトアスパラガスの場合は、グリーンアスパラガスとは異なり生育中に土寄せをして太陽に当たらないようにすることで緑色になる葉緑体が生成されず白いままで育ちます。ホワイトアスパラガスの場合は皮にポリフェノールが特別多く含まれているといったことありません。

紫アスパラガスは、一般的に販売されているグリーンアスパラガスと比較して皮も薄いため、皮ごとでも食べやすいです。紫アスパガスが紫色になっているのは、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが多く含まれているためです。例えば、ぶどうの皮が紫色をしているのもアントシアニンによるものです。紫アスパラガスの場合は、皮ごと食べたほうがポリフェノールを無駄にすることなくしっかりと摂取することができます。

アスパラガスの皮を剥く理由

アスパラガスは皮ごと食べても問題ない野菜ではありますが、一般的に剥いて食べる人のほうが多いです。アスパラガスの皮を剥いて食べる人が多い理由は下記の通りです。

繊維質で口当たりが悪い

アスパラガスの皮をむく理由としては、やはり皮がついていることで口当たりが悪くなってしまうという点があげられます。アスパラガスに限らず大根や人参など、野菜の皮には繊維がたっぷり含まれています。そのため、口当たりをよくするために皮をむいて調理することが多いです。

特に、アスパラガスは鮮度が落ちてくると繊維が固くなってきて皮ごと調理すると口当たりが悪くなりやすいです。スーパーなどで販売されているアスパラガスは収穫されてから2日〜3日経っていることが多く、アスパラガスは収穫してから収穫後の品質変化が著しい野菜であるため、すでに固くなってしまっていることが多いです。

そのため、スーパーなどで販売されているアスパラガスは基本的に皮を剥いてから調理をされることが多いです。

細いアスパラガスの皮も剥いたほうが良い?

アスパラガスには太い個体もあれば、細い個体もあります。細いアスパラガスの場合は皮は剥かなくても食べやすそうな気もしますし、皮をむいてしまうと可食部がなくなってしまってもったいない気がしてしまいます。

しかし、細いアスパラガスこそ、皮ごと調理すると口当たりが悪く食べにくさを感じます。なぜなら、太いアスパラガスも細いアスパラガスも、繊維の数に変わりがないためです。太いアスパラガスに対して、細いアスパラガスは全体的に筋っぽくなっている状態です。

ただし、一般的に販売されているグリーンアスパラではなく、ミニアスパラと呼ばれるもともと細く小さい品種の場合は、グリーンアスパラガスと比較して全体的に柔らかく皮ごと調理をしても食べやすいです。

火の通りをよくする

アスパラガスは加熱調理をして食べることが多いですが、皮がついていることで火が通りにくいというデメリットがあります。例えば、シチューなどの煮込み料理の具材として使いたい場合は、皮をむいて調理をすることで火の通りが早くなりますし、加熱ムラができて食感が悪くなってしまうことを防ぐことができます。

人参などの根菜の皮をむいて調理をするのも火の通りをよくする目的があります。

残留農薬を落とせる

アスパラガスは、ごぼうや里芋などの根菜とは異なり、ある程度泥汚れなどを落としたきれいな状態で販売されているので「洗わなくても食べられるのでは?」と思う方も多いと思いますが、表面には目に見えない汚れや残留農薬がついていることもあります。

日本で使われている農薬は、国に認められたもののみです。残留性が高く人体影響を及ぼすものや環境に影響を与えるほど毒性が強い農薬は、販売が禁止されています。また、登録された農薬であっても使用できる作物や時期、量などの使用基準が定められており、使用基準以外の方法で使用することを禁止しています。国の定めに基づいた農薬と使用量を守っていれば国の考えとしては「農薬は安全」とされていますが、できるだけ不要なものは口に入れたくないですよね。

洗ったり、野菜・果物用の洗浄パウダーを使えば問題なく食べることができますが、表面についている皮をむくことも残留農薬対策になります。これは、アスパラガス以外の野菜にもいえることです。

アスパラガスの皮のむき方

それでは、アスパラガスの皮のむき方を紹介します。

アスパラガスを洗う

アスパラガスの皮を剥く前に流水でよく洗う

まず、アスパラガスを洗います。

アスパラガスを洗うときは、流水でしっかりと洗い流しましょう。特に穂先には土汚れなどが入り込んでいることがあるので、しっかり洗って汚れを落としてください。

根元を切り落とす

アスパラガスの根元が硬い場合は包丁で切り落とす

アスパラガスをよく洗って汚れを落としたら、根元を1cm〜3cm包丁で切り落とします。根元は硬いので、切り落としたほうが食べやすいです。

折れそうなところから下の皮をむく

アスパラガスの皮をピーラーで剥く

根元を切り落としたら、アスパラガスの下部分(根元側)を持ち、上部分を反対側に向けて軽く曲げます。曲げたところで折れる部分が、皮と食べられない部分の境目になっているので、その部分を手で持って皮をむいていきます。

皮はピーラーでむくのが最も簡単な方法ですが、なければ包丁でそぐようにしてむいても大丈夫です。

等間隔に全体的にむく方法も

アスパラガスの皮を包丁を使って等間隔に剥く

鮮度が落ちて固くなってしまっている状態のアスパラガスや、細い個体は根元のほうの皮をむくだけでは繊維質で食べにくいです。

そのため、そのようなアスパラガスは穂先より下を全体的にピーラーを使ってむくか、等間隔に全体的にむくと良いです。等間隔に皮をむき少し皮をむくことで食感を楽しむことができます。

新鮮なアスパラガスの選び方

アスパラガスは、鮮度が落ちてしまうと固くなってしまい皮をむかないと食べにくくなってしまいます。また鮮度が落ちていると、味も風味も悪くなってしまいますので購入するときはできるだけ鮮度の高いアスパラガスを選びましょう。

新鮮なアスパラガスの特徴は下記の通りです。

  • 穂先がふっくらしていて、濃い緑色のもの

  • 緑が鮮やかで全体にハリがあるもの

  • 切り口が丸くて白く、みずみずしいもの

  • はかまの形がほぼ三角形で均一に並んでいるもの

  • 縦筋があまり見立たないもの

切り口が変色しているものは、鮮度が落ちているので避けましょう。

上述したようにスーパーなどで販売されているアスパラガスは収穫から2日〜3日ほど経っています。本当に鮮度が高く皮ごとでも美味しく食べられるようなアスパラガスを購入したい!という場合は、農家自家売所などで購入するか、収穫後鮮度を保った状態で短時間で発送してくれるネット通販などの利用をおすすめします。

鮮度を保つアスパラガスの保存方法

上述したように鮮度が高いアスパラガスは皮ごとでも食べやすいです。ここではアスパラガスの鮮度を保つことができる正しい保存方法を紹介します。

アスパラガスは温度に敏感で、低温を好みます。貯蔵最適温度は0〜2℃です。15℃でアスパラガスのビタミンCは2割ほど失われてしまうという報告もあります。アスパラガスは乾燥にも弱く、貯蔵最適湿度は95〜100%といわれています。

すぐに食べる場合は冷蔵し、湿らしたキッチンペーパーを使ったり、水に浸けるなどの工夫が必要です。

冷蔵保存

キッチンペーパーに包んで(2〜3日)

アスパラガスをキッチンペーパーに包みポリ袋に入れて立てて冷蔵保存する

アスパラガスをキッチンペーパーで数本ずつ包み(1本ずつ入れてもOK)、根元を下にしてポリ袋に入れ、口を軽く閉じます。カップなどに入れて(ドアポケットに入れてもOK)、穂先を上にして、冷蔵室へ。アスパラガスは低温を好むので野菜室には入れないようにしましょう。キッチンペーパーの代わりに新聞紙でもOK。

湿らせたキッチンペーパー(10日)

アスパラガスの根元に水で湿らせたキッチンペーパーを巻いてから冷蔵保存すればより長持ちする

濡らしたキッチンペーパーで水分を補えば、もっと長く冷蔵保存が可能です。

根元を5mmくらい切り、濡らしたキッチンペーパーを巻きます。ポリ袋に入れてコップなどに立てて冷蔵室へ。ひと手間を加えるだけで10〜12日間は保存することができます。1週間ほど経っても元の状態とあまり変わりません。ぜひお試しください。キッチンペーパーは毎日取り替えるのがおすすめです。

その他にも湿った砂の中で保存する方法もありますが、一般家庭では現実的ではありませんし、保存期間が2日ほどしかないので、おすすめしません。

茹でたものは水につけて

茹でたアスパラガスを冷蔵保存する際は、水に浸して保存する

茹でたアスパラガスを冷蔵で保存したい場合は冷水に浸けます。下茹でしたアスパラガスは傷みが早いので、この方法でも2〜3日が限界です。なるべく早く使い切るようにしましょう。

冷凍保存

アスパラガスを美味しく長持ちさせるには硬めに塩茹でしてから冷凍するのがポイントです。アスパラガスを冷凍する場合の保存期間の目安は約1ヶ月です。

茹でて丸ごと(1ヶ月)

アスパラガスを冷凍する際は茹でて丸ごと冷凍用保存袋に入れる

硬めに塩茹でしてキッチンペーパーで水けをしっかりとり、そのまま冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れて、冷凍室へ。金属トレイの上に乗せて冷凍室に入れると急速冷凍が可能です。切らずに冷凍しても凍ったまま包丁で切ることができます。切ったらそのまま調理に使えます。

黒くなった根元は5mmほど切りましょう。皮が硬いものは根元から1/3くらいピーラーでむきます。

サラダなどで使う場合は前日のうちに冷蔵に移して自然解凍を。前述した通り、冷凍したアスパラガスは食感が柔らかいのでサラダには向きません。

茹でてカット(1ヶ月)

茹でたアスパラガスを食べやすい大きさにカットしてから冷凍するのもおすすめ

硬めに塩茹でしキッチンペーパーで水けをとったら、ぶつ切りや斜め切りにしてから冷凍用ジッパー付きポリ袋に入れるのも◎。これだと凍ったまま、炒め物やスープ、パスタの具など調理に使えるのでとても便利です。

その他にも天日干しやオーブンで水分を飛ばしてから保存する乾燥保存や、醤油や味噌に漬けて保存する漬け保存も可能です。アスパラの正しい保存方法はこちらの記事を参考にしてください。