冷凍したキャベツがまずいと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では冷凍したキャベツがまずい原因やまずくなりにくい冷凍のコツを解説します。
キャベツに限らず、冷凍した野菜は水っぽくなってしまって美味しくないと感じる方は多いのではないでしょうか。
冷凍すると水っぽくべちゃっとしてしまうのは、冷凍する際に野菜に含まれている水分が凍り、解凍するときに水分としてそのまま出てきてしまうためです。キャベツは元々水分を多く含む野菜であるため、冷凍するとべちゃっとしてしまいやすいです。
冷凍する際に野菜に含まれている水分も一緒に凍ってしまうのは避けられませんが、冷凍するときの一工夫や解凍方法を工夫することで水っぽくべちゃっとしてしまうのを防ぐことができます。
キャベツはシャキシャキとした食感を楽しむことができる野菜ですが、冷凍することでグニュっとした柔らかい食感になります。これも冷凍したキャベツがまずいと感じる原因の一つでしょう。
冷凍することで食感が失われてしまう理由としては、キャベツが凍ることで食感になっている繊維が壊れてしまうためです。上述したようにキャベツの水分も解凍することで出ていってしまうので、スカスカの状態になってしまい食感が悪くなってしまいます。
しっかりとした食感はなくなってしまいますが、繊維が壊れることで火が通りやすくなるというメリットもあります。
冷凍したキャベツが臭いと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
冷凍したキャベツが臭くなってしまうのは、解凍した際に水分と一緒にキャベツに含まれているイソチオシアネートなどの成分が出てくるためであるといわれています。イソチオシアネートは分解されると「ジメチルジスルフィド」と呼ばれる悪臭成分になり、漬物のような臭いや硫黄臭(おならの臭い)を感じさせます。
イソチオシアネートはキャベツの他にも白菜や大根などのアブラナ科の植物がもっている辛味成分で、白菜や大根を冷凍したときも臭くなってしまうことがあるのも同じ理由です。
臭いがきつくなっても腐敗しているわけではないので食べることができますが、風味が悪くなってしまうのでまずいと感じてしまう原因になります。
冷凍したキャベツが臭くなってしまうのは、キャベツに含まれている成分だけが原因ではありません。冷凍庫についている食材の臭いや細菌の臭いなどがキャベツについてしまって、臭いと感じる場合も多くあります。
これはキャベツだけではなく様々な食材でよく起こります。冷凍したときの特有の臭いの原因の多くは冷凍庫についている臭いが移ってしまうことによるもので、これはしっかり密閉して冷凍庫に入れることで防ぐことができます。
キャベツは正しく冷凍保存しないと、茶色っぽくなったり黒っぽく変色してしまうことがあります。これは、キャベツに含まれているポリフェノールが酸化したことが原因です。
ポリフェノールとは植物がもつ苦味や渋みとなる化合物の総称です。構造の違いにより様々な種類があり、キャベツにもアントシアニンなどのポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは空気中の酸素に触れることで酸化し変色する性質があります。
酸化によって変色していても腐敗しているわけではないので食べることはできますが、苦味が強くなっていたり風味が悪くなっていることが多いので、まずいと感じる人も多いでしょう。
キャベツは丸ごと冷凍することもできますが、丸ごと冷凍してしまうと使うときに解凍してからカットしなければならず、べちゃっとした食感になってしまいます。
そのため、キャベツはざく切りや千切りなどカットしてから保存するようにしましょう。基本的に水分が抜けて食感が変わってしまうことは避けられないため、冷凍したキャベツをサラダにして食べるのはおすすめできませんが、サラダにしたい場合は千切りにするなど細かくカットして冷凍したほうが食感の悪さが気になりにくいです。
キャベツは生のまま冷凍するよりも、一度塩茹でしてから保存したほうが食感も悪くなりづらいですし、変色しにくくなります。
冷凍する前に茹でたり蒸気をあてたりと必要最低限の加熱処理を行うことを「ブランチング」といいます。キャベツ以外の野菜でも使える方法で、加熱して野菜の持っている酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され食感を損なわれるのを防ぐことができます。また、食品表面に付着している微生物の殺菌にもなります。
茹でたキャベツはカットし、軽く水気をきってから冷凍します。水気をそのままにして冷凍してしまうと、余計な水分まで凍ってしまい調理をするときに料理が水っぽくなってしまうので注意しましょう。
キャベツの茹で方についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
出典:冷凍食品Q&A冷凍食品の基礎知識(日本冷凍食品協会)
生のまま冷凍するなら、塩もみしてから冷凍するのがおすすめです。
ざく切りにしたキャベツを水洗いし、キッチンペーパーで水けを取ります。ボウルにざく切りにしたキャベツと塩(適量)を入れ手で揉みます。水分が出てくるので手で絞ってから冷凍用保存袋に入れます。
塩もみをすることで水分と一緒に臭みの原因となるイソチオシアネートが出てくるので、解凍後に風味が悪くなってしまうのを防ぐことができます。
キャベツを塩ゆでしたら、水気をしっかり切ってジッパー付きポリ袋に入れます。このとき水気が残っていると、余分な水分まで凍って解凍されたときにびちゃびちゃになってしまいます。
ポリ袋にキャベツを入れたら、しっかりと空気を抜いて密閉しましょう。しっかりと空気を抜いておくことでキャベツが空気にふれることで臭いがきつくなったり、冷凍庫の臭いがついてしまうことを防ぐことができます。
キャベツに限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
サラダや和え物、漬物などに使用する場合は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍しましょう。冷蔵庫に移してゆっくりと解凍することで、食感が悪くなってしまうのをある程度防ぐことができます。
浅漬など漬物にしたい場合は、自然解凍が適しています。自然解凍して出てきた水分をキッチンペーパーなどで拭き取れば、それだけで漬物のような食感になるので即席で浅漬けをすることができます。
解凍されると水分が出てくるので、水分をキッチンペーパーなどでふきとったりしぼったりして食べましょう。
時間をかけずに解凍したい場合は、熱湯をかけて解凍するのがおすすめです。熱湯をかけるだけで、すぐに解凍することができますし、キャベツの食感が残りやすいというメリットがあります。
熱湯をかけて解凍した場合も水気をしっかりとってから食べます。
冷凍したキャベツを炒めものにするなど加熱調理するのであれば、凍ったまま使用するのがベストです。
解凍してから使うこともできますが、全解凍してしまうとどうしてもキャベツの水分が流れ出てしまい食感や味が悪くなってしまいますし、上述したように水分と一緒にイソチオシアネートが出て臭いがきつくなることがあります。さらに、ビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養も流出してしまいます。
そのため、冷凍したキャベツは解凍せずに直接料理に使うのがおすすめです。
それではどんな料理におすすめなのが、次に紹介していきます。
冷凍したキャベツは、そのまま味噌汁やスープに入れるのがおすすめです。味噌汁やスープなどの汁物であれば、冷凍することで柔らかくなってしまった食感も気になりません。
また、汁物であれば流れ出てしまうビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素もしっかりと摂取することができます。
冷凍することでしんなりしてしまったキャベツは和え物にしても、食感の悪さが気にならなくなるのでおすすめです。
キャベツには豊富にビタミンKが含まれるので、カルシウムが豊富なさくらえびや小魚などと一緒に合えるのがおすすめです。ビタミンKはカルシウムの吸収を助けてくれるので、一緒に摂取することで骨粗しょう症の予防も期待できます。
冷凍したキャベツは、水分が出ている状態なので食感が柔らかくなっていますし、漬物液などに漬け込むそれだけでしっかりと味が染み込んだ美味しい漬物になります。
解凍したときに気になる漬物臭も、漬物にしてしまえば気にならなくなります。
冷凍したキャベツは解凍せずにそのままミキサーに入れて撹拌すれば、スムージーを作ることができます。近年はスムージーの作り方も多様化しており、生の状態の野菜や果物をミキサーに入れて作ることも多いですが、本来スムージーは冷凍した野菜や果物をミキサーに入れて作ります。
そのため冷凍キャベツは解凍しなくても、そのままミキサーに入れればスムージーになります。バナナなど甘みのある果物などと一緒にスムージーにすると飲みやすくなるのでおすすめです。栄養満点なので朝ごはんなどの置き換えにも良いでしょう。
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