シットアップは腹筋運動の一種なので、呼吸法が大変重要な種目です。ただ、慣れていないと結構難しいのがシットアップの呼吸の特徴です。この記事ではシットアップの正しい呼吸の仕方を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
シットアップは英語で「sit-up」で、「座った状態で起き上がる」エクササイズを指します。これはいわゆる「腹筋」と呼ばれるエクササイズです。
シットアップは非常にメジャーなエクササイズである一方で、実は難度はかなり高いです。非常に広く実施されていますが、正しく実施できている人はかなり少ないのが現状です。
通常シットアップは数十回をノルマに設定させることが多いですが、正しいフォームでシットアップを実施すると、そのような高回数を実施するのはほぼ不可能です。上級者でも10回程度を実施するのもかなり難しく、言い換えるならば、それくらいの意識をもってシットアップを実施するのが重要です。
筋肉が伸張するときに息を吸い、筋肉が収縮するときに息を吐くのが腹筋トレーニングの基本です。
シットアップの場合には、もちろん、呼吸をそこまで意識しなくても腹直筋に刺激を与えることが可能ですが、呼吸を意識することがより一層の効果を期待できます。
シットアップではボトムポジション(=上体が床に対してやや上がっている状態)で深く息を吸い、トップポジション(上体が上がった状態)に移行するにともないゆっくり吐き出すことを意識しましょう。
呼吸がどうしても浅くなってしまう場合は、強く息を吐いて腹筋に力を入れるという方法もあります。吐いてばかりだと酸欠になったり、血管に負担がかかるので注意しましょう。ゆっくり呼吸をしつつ、特に吐くことに意識を向けることが大切です。
正しい呼吸を意識して実施できるよう、呼吸を数えるのもおすすめです。「5秒かけて息を吐き、5秒かけて息を吸う」というように、具体的な数値を設定して実施するのがおすすめです。
呼吸を数えることで集中力を高めることができ、呼吸を止めてしまうことを防ぐこともできるので慣れるまでは呼吸を数えるのは大変おすすめです。
ただし、「どれだけ時間をかけて良いか」というのは慣れないと結構難しい問題であるため、これはシットアップを実施しながら身につけるようにしましょう。
呼吸法は大別して胸式呼吸と腹式呼吸の2つがあります。簡単に説明すると、呼吸をしたときに胸が動くのが胸式呼吸、お腹が動くのが腹式呼吸です。日常生活では、胸式呼吸をすることが多いです。
呼吸は自立神経と大きな関わりがあります。自立神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、交感神経はアクセスの役割で身体が活動モードの時に優位になります。副交感神経はブレーキの役割で休養モードの時に優位になります。胸式呼吸では交感神経が、腹式呼吸では副交感神経が優位になるといわれています。
よくいわれるのが、「運動中に腹式呼吸をして副交感神経を優位にすべきではない」ということです。しかし、シットアップは腹筋運動の一種なので、腹式呼吸が推奨されます。
上述した通り、腹筋は収縮と伸張によって刺激を入れることができるので、腹式呼吸でお腹を膨らませたり凹ませたりするのが効果的です。ゆっくり鼻から吸って口から出す深呼吸をすると、酸素を効率よく取り込むことができるのでおすすめです。
シットアップは、比較的負荷の高いエクササイズであるため、慣れていないと身体を力むように実施して、息を止めてしまう傾向があります。ただし、息を止めて実施すると、トップポジションでの腹直筋の収縮が弱くなってしまうため、おすすめできません。また、血圧が上昇してしまったり、心臓に負担がかかってしまう場合もあるので注意が必要です。
「ついつい呼吸を止めてしまう」という人は、慣れるまで「フー」と声に出して、シットアップを実施している間に呼吸を止めない癖をつけましょう。インターバルでしっかり呼吸を整えるのも大切です。
シットアップを実施していて、「呼吸がおかしい」と感じる場合にはフォームが正しいか確認しましょう。
シットアップで呼吸をしづらいと感じている場合には、腹直筋以外の部分に力が入っている可能性が高いです。これは、シットアップの負荷が高すぎるために、身体全体が力んでしまっていることで発生することが多く、これを防ぐためには上半身はリラックスして実施する必要があります。
また、以上の問題は、シットアップの実施回数が多すぎたり、トップポジションでの静止などの負荷を高めるためのテクニックを厳密に設定しすぎている可能性も考えられます。そのため、以上の問題を防ぐために、回数を減らすなどしてシットアップの負荷を減らすことも有効です。もちろん、腹直筋を回復させるために、しっかりとインターバルを設定するのも有効です。
「シットアップで正しく呼吸ができていない」と感じる場合には、シットアップよりも可動域が小さく、呼吸を意識する必要があるクランチで呼吸方法を練習しましょう。クランチは腹直筋上部を鍛えるためのエクササイズであり、シットアップと呼吸方法は同一です。
クランチは、可動域が小さい分、シットアップと比較しても特に呼吸に集中して実施しやすく、腹筋を鍛えるエクササイズの呼吸法を習得するのには最適なエクササイズです。
シットアップをせず呼吸だけで体幹を鍛えるエクササイズが「ドローイン(グ)」です。シットアップを実施せずにドローインのみをやるのもありです。クランチの呼吸法の練習のために取り入れるのも、もちろん◎。
ドローインとは、呼吸だけで体幹を鍛えることができるエクササイズです。
ドローインは、インナーマッスルでコルセット筋とも呼ばれる腹横筋を刺激する呼吸方法で、簡単にいうとお腹が凹んだ状態を維持することで、腹筋に負荷をかけることができます。
負荷になれてきたら徐々に秒数を伸ばしていき、最終的には立った状態でお腹を凹ませながら通常の呼吸ができるようになるのがベストです。
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