1. Fily
  2. Fitness
  3. トランクカールとシットアップの違い。フォームと効果を比較

トランクカールとシットアップの違い。フォームと効果を比較

公開日

更新日

トランクカールとシットアップの違い。フォームと効果を比較

トランクカールとシットアップは、似ている様に見えますが、大きく異なります。今回は、トランクカールとシットアップの違いについてご紹介します。

トランクカールとシットアップの違い

フォーム・動作

トランクカールは英語で「trunk curl」で「胴体をカールする」という意味です。シットアップは一般的に「腹筋」と言われているエクササイズです。トランクカールとシットアップは似ていますが、違うエクササイズです。

トランクカールは、上体を上げてから肩甲骨が浮く直前までのエクササイズを指します。そのため、可動域はかなり限定的です。可動域がかなり限定的であるということは、負荷はそこまで高くなく、効率的に成果を出すならば他のエクササイズと組み合わせることが必須です。

シットアップは、仰向けになった状態で、上半身を負荷が入るまで上げ切るエクササイズを指します。そのため、可動域は比較的大きいです。可動域が比較的大きいということは、負荷は比較的高く、シットアップだけで十分な負荷を与えることを期待できます。

難度

トランクカールとシットアップを比較したとき、両者の違いは可動域の大きさにあることから、これに伴って難度が大きく異なります。

トランクカールは、可動域がかなり限定的であることから、腹直筋上部にそこまで筋肉がなくても実施することが期待できます。それに伴って、エクササイズの難度もそこまで高くありません。

シットアップは、可動域が比較的大きいことから、腹直筋全体にある程度の筋肉がないと実施することができません。それに伴って、エクササイズ難度も高いと言えます。また、シットアップに関しては、一般的によく実施されてはいるものの、実は多くの人が正しく実施することができていません。これは、シットアップがそもそも、意識するポイントがかなり多いことに起因しており、このことからわかる通り、シットアップは腹直筋を鍛えるエクササイズの中でもかなり難度は高いと言えます。

シットアップは怪我に繋がる可能性も非常に高く、筋トレ初心者は実施しない方がいいといえます。

効果・鍛えられる部位

腹直筋のイラスト

トランクカールとシットアップを比較したとき、両者の違いは可動域の大きさにあることから、それに伴って鍛えることができる部位も異なります。

トランクカールは、可動域がかなり小さく、腹直筋上部にしかほとんど刺激が入りません。

シットアップは、可動域が比較的大きく、腹直筋全体に刺激を与えることを期待できます。

トランクカールとシットアップは、両者ともに腹直筋を鍛えることができるという点から、後述するように期待できる効果はほとんど同じです。その一方で、エクササイズ強度が大きく異なることから、同じ効果でもエクササイズ強度が高く、腹直筋のより広範囲を刺激できるシットアップを実施した方がより効率的に腹直筋を鍛えることで得る効果を期待できます。

トランクカールについて

トランクカールの正しいやり方

  1. 仰向けになった状態で両手を頭の後ろもしくは胸前に設定する。
  2. へそを見る様に背中を丸めながら肩甲骨が床から離れる前まで上体を起こす。
  3. ゆっくりと元の姿勢に戻る。
  4. 2から3を繰り返す。

トランクカールの効果

お腹まわりをすっきりさせる

トランクカールで腹直筋上部を鍛えることで、特にお腹の上部に付いている脂肪を燃焼することを期待できます。これにより、お腹周りをすっきりさせることが期待できますが、腹直筋上部だけを鍛えるということで得られる効果はかなり限定的です。

むしろ、お腹に脂肪がつきやすいのは下腹部とされており、効率的にお腹をすっきりさせたいならばレッグレイズなどの腹直筋下部を鍛えることができるエクササイズも実施する必要があります。また、より効率的にお腹回りをすっきりさせたいならば有酸素運動や食事制限を行う必要もあります。

姿勢改善

姿勢が悪い状態というのは、腰が曲がりすぎた「猫背」、または、腰が反りすぎた「反り腰」が挙げられます。一般的に、猫背は、長時間下を向いたりすることで発生するため、デスクワークが多い方やスマホの使用が多い方が患う可能性が高いです。一方、反り腰は、猫背のままバランスを取ろうとして背中を反ることで発生すると考えられています。このため、そもそも猫背が原因で反り腰が発生しているということが言え、姿勢の改善を行うためには猫背の改善を行う必要があります。

猫背の大元の原因を紐解くと、骨盤の歪みが挙げられますが、腹直筋には骨盤の角度を調整する働きがあります。腹直筋に十分な刺激を与えていないと、腹直筋が凝り固まり、これにより、骨盤の角度調整機能が十分な役割を果たさず、骨盤が後傾するようになります。このため、トランクカールで腹直筋上部を鍛えることで骨盤を正しい位置に戻すことを期待でき、これにより猫背を改善して姿勢改善効果を期待できます。

基礎代謝の改善

腹直筋上部は、身体の中ではそこまで大きな筋肉ではありません。そもそも、腹直筋上部が分類される腹直筋は身体の中でも大きい筋肉ではないため、大腿四頭筋大臀筋といった身体の中で筋肉が大きい部位と比較すると、鍛えることでの代謝の改善効果は限定的です。

それでも、鍛えることでの多少の代謝の改善を期待できます。代謝を改善するということは、脂肪を燃焼させやすい身体を作るということであり、これによりダイエット効果を期待できます。

トランクカールの効果を高める方法

  • 手を頭の後ろに配置する場合、肘の動きを意識。

  • 腹直筋上部の動きを意識。

  • 呼吸を意識。

トランクカールは、クランチ以上に可動域が限定的なエクササイズであることから、より細部に拘る必要があります。具体的には、トップポジションで呼吸により腹直筋上部の収縮を意識することに加えて、手を頭の後ろに配置して実施する場合には肘を絞るようにすることで腹直筋上部の収縮をさらに促すことが期待できます。特に重要なのが、呼吸であり、可動域がかなり狭いからこそ、しっかりと呼吸を意識して腹直筋上部を収縮、伸展させることが重要です。

シットアップについて

シットアップの正しいやり方

  1. 膝を立てて仰向けになる。
  2. 手を頭の後ろに回す。
  3. 腹直筋に負荷が入る部分まで状態を僅かに上げ、これをボトムポジションとする。
  4. 顎を出しながら上体を上げる。
  5. 顎を引きながらゆっくりボトムポジションまで戻す。

シットアップの効果

シットアップの効果は、基本的にトランクカールと同じです。

シットアップの方が負荷が入る部位が広く、かつ負荷が高いことから、正しいフォームで実施すれば、トランクカール以上にお腹の脂肪を取る、基礎代謝を上げるなどに効果が期待できます。

シットアップの効果を高める方法

  • 腹直筋に負荷が入る範囲で実施。

  • トップポジションで顎を出す。

  • 腕の位置。

  • 回数。

  • 腹直筋の動きを意識。

  • 動作のスピード。

  • 呼吸。

よく有るシットアップの間違いとして、「背中が床についた上体からお腹が大腿に付くまで上げる」というものがありますが、これは腹直筋への刺激が逃げています。これを避けるために、腹直筋に刺激が入る可動域の中で実施する必要があります。そのためには、腕を頭の後ろに配置し、トップポジションに移行する際に、顎をしっかり出すこと、他のエクササイズと同様に、ターゲットとなる腹直筋の動きを呼吸とともに意識して、上体を上げるときに素早く、下げるときにゆっくりという動作のスピードにも気を付ける必要があります。以上を実践すると、シットアップの負荷自体がかなり大きいものになり、一般的に実施されている数十、数百の回数は実施できず、多くても15回程度を実施すれば十分です。