下っ腹のシェイプアップにおすすめな運動レッグレイズ。特別な器具はなくても、自宅で簡単にできることから、初心者の方にも人気なエクササイズです。ただし、正しいフォームで実施しないと、効果が落ちたり、怪我の原因になってしまいます。そこで、今回はレッグレイズの正しいやり方を徹底解説します。
「レッグレイズ(leg raise)」は直訳すると「脚を上げる」という意味です。レッグレイズは仰向けになった状態で、両手を上げたり下げたりするエクササイズを指します。
レッグレイズは、腹筋のエクササイズに分類され、基本的には腹直筋の下部および腸腰筋を鍛えることができます。
腹筋は大きく2つに分類することができ、中央部の腹筋(腹直筋)と、サイドの腹筋(内・外腹斜筋、腹横筋)から構成されます。レッグレイズでは、前者の腹直筋の中でも特に下部に効果があります。また、腹直筋下部以外では腸腰筋(上半身を下半身をつなぐための筋肉)を刺激することが可能です。
腹直筋下部に効果があることから、お腹の中で脂肪の付きやすい下っ腹の引き締め効果があることに加えて、腸腰筋にも効果があることから姿勢や腰痛の改善も見込めます。(逆をいえば、間違ったやり方で実施すれば腰痛の原因にもなりえます)
また、レッグレイズによって代謝も上がるので、体脂肪が燃焼しやすい身体(痩せやすい/太りにくい身体)に近づけることができます。ちなみに、代謝を上げたい方に最もおすすめのエクササイズは、スクワットです。
レッグレイズで最も効果が出るフォームを紹介します。エクササイズの正しいフォームは、効率的に鍛えられるだけでなく、怪我の予防にも繋がるのでしっかり意識しましょう。
レッグレイズは仰向けで実施します。背中は全体的に床につけ、腰が反れて浮かないようにしましょう。
レッグレイズの手の位置は色々な方法があるのですが、真っ直ぐにして身体の横に置くのが基本です。手のひらで床に触れます。このやり方が、身体が安定し、初心者にはおすすめです。
手をお尻の下に設置する方法もあります。こうすると手の厚さだけお尻の位置が高くなり、脚の可動域が広がります。通常の姿勢よりも、脚をより下げられるようになります。とても微妙な違いですが、たったこれだけで筋肉の発達には大きな影響を与えます。
レッグレイズは「脚を真っ直ぐにして行う」とよくいわれますが、間違いです。レッグレイズは、腹筋のエクササイズの中でも腰を痛めやすいものの一つで、その原因の1つに膝を真っ直ぐにして実施していることが挙げられます。
膝を真っ直ぐにして実施すると、腰で足の重量全てを受けることになり、腰を痛めやすくなります。膝を少し曲げて上げることで膝下の重量を膝で受けることができます。また、アキレス腱がかたい方が脚を真っ直ぐ伸ばすと怪我の原因にもなりますから注意しましょう。
脚を上げたとき(トップポジション)、脚を床と75度くらいまで上げ、それ以上は上げないようにしましょう。
トレーニングにおける「ボトムポジション」とは、身体が一番低い状態にあることを指します。多くは筋肉がピンっと張った状態です。反対に「トップポジション」は身体が一番高い状態にあることを指します。その間を「ミッドレンジ」といいます。
90度まで上げている方も多く見受けられますが、おすすめできません。90度の位置にトップポジションを設定すると負荷が抜けやすいので、(休憩できてしまうので)エクササイズとして非効率です。また、腰を痛めやすくなるという問題点もあります。
レッグレイズで脚を下ろすとき(トップポジションからボトムポジションに脚を動かすとき)、重力に任せて速く動かさないようにしましょう。
トレーニングでは、重力に逆らう動きを「ポジティブ・ムーブメント」、重力と同じ方向の動きを「ネガティブ・ムーブメント」といいます。
トレーニングでは、ポジティブ・ムーブメントでは速く、ネガティブ・ムーブメントでは遅く動かすのが鉄則です。レッグレイズで脚を下ろすときは、重力に逆らうようにゆっくり動かすことで刺激が大きくなります。レッグレイズは脚を下ろすときに最も負荷がかかるエクササイズですので、重力に任せずしっかり脚の下ろすスピードをコントロールするのが重要です。
レッグレイズは、脚が床に付くか付かないかぐらいまで下げるのが重要です。初心者の方は可動域を狭く設定してしまう傾向がありますが、レッグレイズは床に下ろしていく動作で負荷が入るエクササイズなので、その範囲はできるだけ大きく設定した方が効果的です。
慣れないうちは、スマホで動画撮影するか、鏡で見るか、または第三者にフォームを確認してもらうようにしましょう。下げすぎて、かかとを床に激突させると危険ですので、しっかりコントロールするようにしましょう。
あまり知られていませんが、腹筋のエクササイズでは呼吸が非常に重要です。呼吸が腹筋の伸張と収縮を担っているためです。自分で息を吐いてみるとわかりますが、息を吐くと腹筋が収縮しますよね。
レッグレイズでは、足を上げるにつれて腹筋が収縮するわけですから、このときに息を吐きます。逆に、足を下ろすときは息を吸うのが正しい呼吸法です。
レッグレイズは、種類によって負荷が大きくことなるため、15〜18回x3セットは目安です。通常のレッグレイズでは、1セット15〜18回を3セットやればよいでしょう。
セットとセットの間のインターバルは30秒〜1分が目安です。
レッグレイズは負荷の観点から毎日実施して問題ありません。筋肉痛になったり、腰に痛みを感じる場合は治るまで休むようにしましょう。ただし、腹筋は他の部位よりも様々な刺激を入れることが大切なので、レッグレイズを毎日行わず、他の腹筋運動を取り入れた方が効果的です。
レッグレイズの効果をさらに高める方法として、頭を少し上げて目線を下腹部に持っていくという方法があります。
腹筋は収縮すると負荷がかかるので、頭を上げると負荷が一気に高くなります。目線を下腹部にもっていくと、さらに負荷が高くなります。目線を腹筋にすると、腹筋を脳が意識することにも繋がり、レッグレイズの腹筋への効果が高まります。
頭を上げすぎと、首や背中を痛めることがあるので、しっかりストレッチしてから実施しましょう。
レッグレイズはボトムポジションで脚を切り返すときに刺激が抜けやすいです。そのため、切り返す前に脚を静止させることで、惰性で足を上げることを防ぎ、しっかりと足の重さを受けることができレッグレイズの効果はさらに高まります。
ボトムポジションで脚を静止させるときは、腰に負担が大きくならないように、脚を少し曲げることを忘れないようにしましょう。
「レッグレイズを実施していない人がトップポジションで初速をつけて足を放ってあげる」という方法があります。これにより、実施している方は足を床につけないよう速度を殺す必要があり、負荷が高まります。
ただし、この方法を実施する場合には、実施する方は足を上げすぎないように注意するとともに、足を放る方は勢いをつけすぎて床に足を激突させないように注意しましょう。
膝を90度に曲げて実施するレッグレイズは、ニーレイズといわれる種目です。ニーレイズはレッグレイズほど負荷が大きくないのですが、レッグレイズで腹直筋下部を完全に疲労させた後に、追い込みで行うのにはちょうどよい負荷です。
ニーレイズは太ももを動かすというより、骨盤を動かす意識をもつようにしましょう。
最後に、レッグレイズと同じ部位を鍛えることができるエクササイズを紹介します。
レッグレイズと似たエクササイズに、(レッグ)シザーズがあります。これは、レッグレイズと同様に仰向けになった状態で片足ずつ上下に動かす運動です。レッグレイズを片足づつ実施するようなイメージです。レッグレイズより負荷が小さいため、初心者の方におすすめです。
レッグレイズ同様、腰を反らないようにし、膝を真っ直ぐにしないようにしましょう。
「ハンギング(hanging)」とは「ぶら下がっている」という意味で懸垂を意味します。「ニー(knee)」は膝です。つまり、ぶら下がった状態で、膝下と膝上の角度が90度にし、太ももを上体に近づけるエクササイズです。
ボトムポジションを下げすぎないこと、トップポジションを上げすぎないことがポイントであり、レッグレイズと同様に動作中の太ももの上げ下げの速度をしっかりとコントロールすることが重要です。
ハンギングニーレイズはそもそも腕の筋肉がある程度発達していないと実施できないため、上級者向けといえます。また、体重が重いと懸垂で肩を痛めますので注意しましょう。ジムによってはハンギングレイズ用に身体を支えるための器具(アブストラップ)があるので、どうしても実施したいという方はそれも使うのがおすすめです。
ぶら下がるときの両手の間の距離を広げると、腕の負荷が強まります。
ハンギングレイズは懸垂した状態で、レッグレイズを行うエクササイズです。ハンギングニーレイズの膝を曲げないバージョンです。
ハンギングレイズの基本的なやり方は、ボトムポジションを脚と上体のなす角度が15度くらいの位置に設定して、トップポジションを床と平行位に設定するというものです。 やり方によっては、トップポジションを腕の部分位まであげる方法もありますが、腰を痛めやすいため注意が必要です。
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