サニーレタスが黒く変色していて食べられるのか不安になったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではサニーレタスが黒い理由や黒いサニーレタスの対処法などを解説します。
サニーレタスの葉先は元々赤紫色をしています。これは、サニーレタスの葉先にポリフェノールの一種で紫色の色素であるアントシアニンが多く含まれているためです。サニーレタスの葉先は元々緑色をしていますが、生長する過程で葉に含まれている葉緑素が日光を浴びて光合成をすることによりアントシアニンが蓄積され、だんだんと紫色になっていきます。
ポリフェノールは紫外線や害虫から身を守るために生成される成分であるため、適さない環境での保存などが原因でサニーレタスがストレスを感じることによりアントシアニンが生成され、葉先の色が濃くなり黒っぽく見えることがあります。これは里芋などにも起こる現象で、里芋の場合はストレスによりアントシアニンの量が増えるとカットしたときに中が紫色になったり、赤っぽくなることがあります。
葉や芯に黒っぽく変色している箇所がある場合は、レタスに含まれているポリフェノールが酸化したことが原因です。
上述したようにサニーレタスにはアントシアニンが含まれています。アントシアニンは紫色の色素なのですが、酸性の状態になると赤→茶色→黒と変色していく性質があります。
収穫されて時間が経っていたり、カットしてから時間が経つと空気中に含まれる酸素にさらされることにより、サニーレタスに含まれているポリフェノールオキシターゼなどの酵素が働き、アントシアニンを酸化させ変色していってしまいます。
サニーレタスには黒カビが生えることがあります。葉の一箇所に斑点が集中して黒く変色して見える場合は黒カビである可能性が高いです。
黒カビは、クラドスポリウム属の病原菌で、170種以上いると言われています。その中でも代表的な黒カビは、クラドスポリウム・クラドスポリオイデスとクラドスポリウム・スフェロスパーマムです。黒カビは普段ほこりなどと一緒に空気中に舞っていて、高温多湿の場所を好み、繁殖できる場所を見つけると一気に増えていきます。
栽培中に病気にかかってしまったことが原因で黒い斑点ができることもあります。サニーレタスの葉に黒や茶色の斑点ができる病気には「斑点細菌病」があります。
斑点細菌病は「ザントモナスキャンペストリス pv. ビテイアンス」と呼ばれる細菌が原因の病気で、感染すると初期には葉に5~8mmの丸い小斑点ができます、拡大すると1~3cmの灰褐色の病斑になり、さらに症状が進むと斑点が広がり、斑点の上に黒い粒々が見られるようになります。
また「腐敗病」や「べと病」など葉全体を黒く変色させてしまう病気もあります。病気に感染しているサニーレタスは出荷する際に取り除かれていることがほとんどですが、家庭菜園で育てている場合は病気にかかっている可能性もあります。
サニーレタス全体が黒く変色してしまっている可能性が高いです。サニーレタスのような葉物野菜は傷みやすいため、正しく保存できていなかったりするとあっという間に鮮度が落ちて変色し、腐敗していってしまいます。
葉先のアントシアニンの量が増えていて、黒っぽく見えても腐敗しているわけではないので食べることができます。アントシアニンは人体に害がある成分ではありません。
アントシアニンには抗酸化作用があり、生活習慣病やしわやたるみなどの肌の老化の原因になる体内の活性酸素の増加を抑える効果があると言われています。
ポリフェノールが酸化して黒く変色している場合も腐敗しているわけではありませんが、見た目も悪いですし味や食感も落ちているのでカットして食べると良いです。
ただし、黒くなっているということはかなり酸化が進んでいる状態です。酸化が進むと腐敗してしまいますので異臭や溶け出している部分があるなど腐敗のサインが見られる場合は破棄してください。カットすれば食べれる状態であっても早めに食べきるようにしましょう。
病気やカビ、腐敗によって黒く変色している場合は残念ですが破棄しましょう。
病気による変色は食べても問題ないこともありますが、黒く変色しているということは腐敗している可能性も高いため破棄するのが無難です。
カビは、じゃがいもなどの固い野菜の場合は表面のみにカビが生えていて中まで侵食していない場合は皮を厚く剥けば食べられることもありますが、サニーレタスのような葉物野菜は見えない部分まで侵食している可能性が高いので破棄した方が良いです。カビは、カビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状が出ることもあります。カビ毒は加熱すれば大丈夫ということはないので、注意しましょう。
出典:かびとかび毒についての基礎的な情報(農林水産省)
病気による変色は残念ながら防ぐことはできません。上述したように病気になっているサニーレタスは出荷される際に取り除かれていることがほとんどですが、万が一店頭に並んでいて購入してしまった場合は、返金や交換などの対応をしてもらえることがあるので購入した店舗に相談してみると良いでしょう。
サニーレタスを家庭菜園で育てる場合は、病気に感染しないよう対策をすることが大切です。土壌に潜む糸状菌(カビ)が原因で感染する病気が多いので、家庭菜園で育てる場合は土壌を使わずに栽培する水耕栽培で育てるのも一つの手です。
カットした後にポリフェノールが空気に触れて変色してしまうのは、調理法を工夫することである程度防ぐことができます。
金属製の包丁で切ると、包丁の鉄分がレタスに含まれるフェノール成分の作用を強めてしまうため、切り口が変色してしまいます。包丁を使ってサニーレタスをカットする場合は、セラミック製の包丁など金属製以外の包丁を使って切るのがおすすめです。
サニーレタスを切るときは、繊維に沿って切るのが良いです。繊維を断つように切ってしまうと細胞が壊れてポリフェノールを酸化させる酵素ポリフェノールオキシターゼが流出してレタスを変色させてしまいますので、繊維を壊さないように切るのが変色を防ぐポイントです。繊維に沿って切ることで、サニーレタスのシャキシャキとした食感が損なわれるのを防ぐこともできます。
金属製の包丁しかない場合は、手でちぎるのが良いでしょう。手でちぎることで断面が粗くなるので、サラダにして食べる場合、ドレッシングが絡みやすくなり美味しく食べられるメリットもあります。
サニーレタスを切ったら、塩水や酢水にさらしておくのが良いです。塩水や酢水にさらしておけば、空気中の酸素に触れる時間を少なくすることができるので酸化を防ぐことができます。また、ポリフェノールは水溶性であるため、変色の原因となるポリフェノールを落とすことができます。
塩水には、浸透圧によって野菜から水分と一緒に変色の原因となるポリフェノールを出す効果があります。また緑色の色素となっているクロロフィルを安定させる働きもあります。
酢水には、酵素の働きを抑える効果があります。また、野菜の食感を良くすることができます。野菜の細胞壁は、セルロースからできた繊維が重なっており、その間をペクチンが塗り固めて固い壁を作っています。野菜を加熱すると軟らかくなるのは、固い壁を作っているペクチンが熱によって分解されるためです。ペクチンはpH5以上およびpH3以下で急速に軟化し、pHが下がると分解されにくくなることがわかっています。私達が普段使っている水道水のpHは7なので、酢を入れてpHを下げることでペクチンの分解を抑え食感を保つことができます。シャキシャキとした食感を楽しみたい場合は、酢水にさらすのがおすすめです。
ただし、サニーレタスにはビタミンCやカリウムなど水溶性の栄養素も含まれています。塩水や酢水にさらすことで変色は防げますが、長くつけすぎてしまうとビタミンCなどの水溶性の栄養素も一緒に流出してしまうので、長くつけすぎないようにしましょう。
カビや腐敗が原因で黒く変色してしまうのは、正しく保存することで防ぐことができます。正しく保存することで鮮度を保ち長く美味しく食べることができますので、正しく保存することが大切です。
サニーレタスの正しい保存方法は下記の通りです。
葉物野菜であるサニーレタスは傷みやすいので常温での保存は避けるべきです。すぐに食べる場合でも冷蔵庫で保存するようにしましょう。
サニーレタスの根元を水で湿らせたキッチンペーパーで包みます。その後、サニーレタスをポリ袋に入れ口を軽く閉じ、野菜室で立てて保存します。
サニーレタスだけに限らず野菜全般に言えることですが、野菜が育った環境で保存することが、鮮度を保つポイントになります。横にして保存すると、余計なストレスがかかって鮮度が落ちてしまうことがあります。
湿らせたキッチンペーパーは毎日取り替えるようにしましょう。また、サニーレタスの芯をくり抜き、くり抜いた空洞の部分に湿らせたキッチンペーパーを詰めてポリ袋に入れ保存する方法もあります。
サニーレタスの芯の部分に爪楊枝を刺して保存すれば、鮮度を保ちながら保存することができます。
サニーレタスの芯の部分に3〜4本ほど爪楊枝を刺します。中まで深く刺すのがポイントです。爪楊枝を刺したら新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて口を軽く閉じ、野菜室で立てて保存します。
サニーレタスは冷凍保存にあまり向きません。水分が抜けて生のサニーレタスのようなシャキシャキ感が失われてしまうためです。冷凍したサニーレタスの保存期間の目安は1ヶ月です。
サニーレタスを洗い、キッチンペーパーで水けを拭き取ります。食べやすい大きさに手でちぎり、冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ。
冷凍室の急速冷凍機能を使うのがおすすめです。機能がない場合は、金属トレイにサニーレタスを入れた保存袋を乗せて冷凍すると◎。
冷凍するとシャキシャキ感がなくなってしまうので、サラダではなくスープやチャーハンなどに使用するのがおすすめです。
サニーレタスの保存方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
同じく葉物野菜のキャベツは重みがあるものを選ぶと良いとされていますが、サニーレタスは軽いものの方が、鮮度の高い良質なサニーレタスだといわれています。
もともとサニーレタスは一般的に「レタス」の名で販売されている、結球レタスとは異なり丸く結球しない非結球レタスです。ふわっとしていて軽いサニーレタスは葉も柔らかく美味しく食べることができます。
サニーレタスは葉先が赤紫色をしているのが特徴で、基本的に葉先以外の部分は緑色、茎近くは白色です。この葉先から茎近くの3色のコントラストが、はっきりしているものを選びましょう。
上述したように葉全体が赤っぽい場合はストレスによってアントシアニンが多く生成されていることが考えられますし、本来白い茎の近くの変色はポリフェノールが酸化している可能性があります。
一般的にスーパーなどで「レタス」として販売されている玉レタスと比較すると、サニーレタスの葉は柔らかいのですが、新鮮なサニーレタスは繊維にしっかりと水分が含まれているため、葉にハリがありツヤがあります。
葉がしんなりしていたり、ツヤがないものは収穫してから時間がたって水分が抜けてしまっていることが考えられます。水分が抜けているだけであれば、腐敗しているわけではないので食べても問題ありませんが、鮮度を保てている状態とはいえず、食感や味が落ちていたりすぐに傷んでしまうので選ばないようにしましょう。
サニーレタスは葉先が縮れているのも特徴の一つで、葉先の縮れ具合が細かいものの方が葉が柔らかく質が良いといわれています。
切り口はみずみずしく変色していないものが鮮度の高いサインです。
切り口が変色しているものは、サニーレタスに含まれているポリフェノールが酸化しています。酸化しているということは収穫してから時間が経っているということです。そのため、切り口がみずみずしく変色していないものを選ぶようにしましょう。
下記の特徴があるサニーレタスは腐敗しているので食べることはできません。
腐っているサニーレタスの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に変色している
葉が溶け出している
黒や茶色の汁が出ている
サニーレタスには、黒カビだけではなく白カビが生えることもあります。フワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビです。上述したようにカビが生えているサニーレタスはカビ毒による中毒症状が起こる可能性があるので破棄しましょう。
サニーレタスは上述したように酸化が原因で変色することもあるため、変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に茶色くなっていたり黒くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。溶け出している箇所があったり、茶色い汁が出ているなどの異変が見られることもあるので、このような場合は破棄しましょう。
腐っているサニーレタスの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味
ゴミの臭い
カビの臭い
サニーレタスは葉物野菜であるため、若干の青臭さはあるもののそこまで臭いのきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなどあきらかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。
サニーレタスに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は、見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐っているサニーレタスの触感の特徴は下記の通りです。
ぬるぬるしている
ねばねばしている
サニーレタスから水分がぬけてしんなりしてしまっても腐敗しているわけではないので食べることができますが、表面がぬめぬめしていたりネバネバしている場合は、腐敗が進んでしまっている状態ですので食べないようにしましょう。
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