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レタス10種類一覧。見た目や味、栄養の違いを解説

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レタス10種類一覧。見た目や味、栄養の違いを解説

レタスには様々な種類があることをご存知でしょうか。本記事ではレタスの種類について詳しく解説します。

レタスについて

レタスはキク科アキノノゲシ属の植物で、和名はちしゃ(萵苣)と言います。一般的に言われる日本名の「レタス」は英名「lettuce」から取られたものです。「レタス」はラテン語で「牛乳」を意味する「Lac」が語源になって、切り口が出る白い液体が牛乳に似ていることに由来しています。

「レタス」の名の語源になっている白い液体は、「ラクチュコピクリン」と呼ばれるポリフェノールの一種で、強い苦味があります。近年では品種改良などにより白い液体が出てくるものはほとんどありませんが、収穫時期を過ぎて成長しすぎたレタスはラクチュコピクリンの含有量が多くなるため、カットすると白い液体が出てくることがあります。

旬・生産地

レタスには平坦地春撒きで5月〜6月に収穫される春レタスと、高冷地夏撒きで7月〜10月に収穫される秋夏レタス、暖地秋冬撒きで12月〜4月に収穫される冬レタスがあり、一年中市場に出回っていますが、気温が15〜25℃付近で質のよいものができるといわれていて旬は春~初夏といわれています。

一般的にいわれる旬とは、野菜や果実が全国的に露地栽培でよく収穫され、味が美味しい時期を指します。露地栽培とは、ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培する方法のことです。

レタスは、暑いこの時期は長野県や北海道、群馬県など寒い地域、それ以外は兵庫県や福岡県などの暖かな地域で栽培されています。収穫量が最も多いのは長野県、次に茨城県、群馬県と続きます。

栄養素・成分

レタスは種類によって栄養素・成分の含有量の違いがあるものの、β-カロテンやビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛、食物繊維などが含まれており、下記のような効果・効能があるといわれています。

  • 免疫力が上がる

  • 美肌効果

  • むくみ改善

  • 便秘改善・予防

一般的に「レタス」の名で販売されている丸い形をしたレタスは、レタスは黄緑色をしていますが野菜の分類としては緑黄色野菜ではなく淡色野菜に分類されます。一方、レタスのように丸く結球しないサニーレタスは、緑黄色野菜に分類され、レタスよりもβ-カロテンやビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類やカリウムなどのミネラル類が多く含まれています。

緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。

レタスの4つのタイプ

結球レタス

結球レタスは、葉が結球しボール状に丸くなるタイプのレタスです。一般的に「レタス」と呼ばれるのは、結球レタスです。「玉レタス」や「玉チシャ」といわれたり、みずみずしくパリっとした食感であることから「クリスプヘッドレタス」といわれることもあります。

不結球レタス

非結球レタスは、丸く結球しないタイプのレタスです。「葉レタス」や「リーフレタス」ともいわれます。普段私達が「レタス」として食べているものよりも、葉が柔らかいのが特徴です。

非結球タイプのレタスには、グリーンカールやサニーレタス、フリルレタス、ブーケレタス、サンチュなどがあります。

立ちレタス

立ちレタスは、緩く結球し葉が上にまっすぐのびていくタイプのレタスです。「コスレタス」と呼ばれることもあります。

立ちレタスにはロメインレタスなどがあります。

茎レタス

茎レタスは、普段よく食べる結球タイプのレタスとは異なり、太い茎を食用にするレタスです。「ステムレタス」や「チシャトウ」とも呼ばれます。

レタスの種類と特徴

レタス(玉レタス)

レタス(玉レタス)

もっとも一般的なのが、レタスです。結球レタス(玉レタス)で、大きく丸いのが特徴です。葉は淡い緑色で層を成しています。

レタスは上述したように淡色野菜に分類されます。

葉にハリがありシャキシャキとした食感が特徴で、苦味やクセがなく食べやすいためサラダにするなど生食されることが多いですが、炒めものにすることもできます。

サラダ菜

サラダ菜

サラダ菜は、玉レタスに比べると巻きはゆるめですが、玉レタスと同じく結球レタスです。厚みがあり、鮮やかな緑色の葉が特徴です。ツヤがあり、なめらかな葉であることからバターヘッド型とも言われています。

サラダ菜は緑黄色野菜に分類され、β-カロテンが玉レタスの9倍、鉄分は8倍も含まれています。

甘みもあってクセがないため、巻き寿司や付け合せなど多くの料理で使われています。さまざまな種類の幼葉をミックスしたベビーリーフにも用いられます。

グリーンリーフ(グリーンカール)

グリーンリーフ(グリーンカール)

グリーンリーフは、非結球タイプのレタスです。グリーンリーフ、もしくはグリーンカールと呼ばれています。名前からも分かるように、鮮やかな緑色をしていて、葉先がヒラヒラとカールしているのが特徴です。

グリーンリーフは緑黄色野菜に分類され、β-カロテンの含有量は玉レタスの9倍です。サニーレタスと比較してもβ-カロテンの含有量はグリーンリーフのほうが多いです。

ボリューミーに見えることからサラダなどによく使われます。

サニーレタス

サニーレタス

サニーレタスは非結球タイプのレタスです。葉脈に沿って葉が縮れ、葉先は成長するに従って濃い赤紫色になるのが特徴です。葉先には紫色素であるアントシアニンという抗酸化作用のある栄養成分が含まれています。

サニーレタスは上述したように緑黄色野菜に分類されます。玉レタスと比較してβ-カロテンは約8倍、カリウムは約2倍、カルシウムは約3倍、ビタミンCは約3倍含まれていて栄養豊富です。

苦味がほとんどなく、やわらかい葉が特徴です。葉が1枚ずつ剥がしやすく、サラダやサンドイッチの他、サラダ巻きなどでもよく使われています。

サンチュ

サンチュ

サンチュも非結球タイプのレタスのひとつで、葉が大きく明るい緑色をしているのが特徴です。

サンチュは緑黄色野菜に分類されます。β-カロテンの含有量は玉レタスの約16倍で、これは野菜全体でみても上位に上がる含有量です。

サンチュは焼き肉を包んで食べることで有名ですよね。やや苦味がありますが、焼肉に限らず様々な肉料理に合います。ちなみにサンチュは韓国名であり、和名は「包菜(つつみな)」や「かきチシャ」などと呼ばれています。

フリルレタス

フリルレタス

フリルレタスも非結球タイプのレタスのひとつです。葉先が細かく切れ込みが入っていて、フリルのように見えることからフリルレタスと呼ばれています。

フリルレタスに含まれる栄養素は、文部科学省の「日本食品標準成分表」などにも記載がないため含有量などは不明ですが、β-カロテンを多く含むといわれており緑黄色野菜に分類されます。

玉レタスのようにシャキシャキとした食感があり、クセや苦味が少ないのが特徴で、サラダやサンドイッチに使われます。

ブーケレタス

ブーケレタス

ブーケレタスは、非結球タイプのレタスを改良した日本の企業「葉っぱや」のオリジナルブランドのレタスです。葉は細長くやわらかいのが特徴で、葉先には丸い切れ込みがあります。ふんわりとしたかわいいその見た目からブーケレタスと名付けられました。

ブーケレタスは緑黄色野菜に分類され、玉レタスの約5倍のβ-カロテンを含んでいます。

苦味やクセが少ない、まろやかで食べやすい品種です。水耕栽培であるため、年間を通して生産・出荷されています。

ロメインレタス

ロメインレタス

ロメインレタスは、半結球型の立ちレタスライプで、白菜のような長楕円形です。ギリシャのコス島が原産であることからコスレタスとも呼ばれます。葉は厚く軸(芯)が太いのが特徴です。一般的には濃い緑色ですが、葉のほとんどが赤紫色のレッドロメインレタスもあります。

ロメインレタスは玉レタスと同じく淡色野菜ですが、β-カロテンやビタミン類、葉酸などの栄養素の含有量は玉レタスの約2倍です。

ロメインレタスは葉が肉厚でボリューミーで、主にシーザーサラダに使われています。

エンダイブ

エンダイブ

エンダイブはチコリの仲間で、見た目はリーフレタスに似ていますがレタスではありません。和名では「キクヂシャ」といいます。毒録の苦味があるため「ニガチシャ」と呼ばれることもあります。色が濃い部分が苦くなるので、成長してくると外側の葉で内側に日光が当たらないようにして、緑色にならないようにしています。

エンダイブは緑黄色野菜に分類され、β-カロテンはもちろんのことビタミンKやカリウムなども豊富に含まれています。

黄色く柔らかい部分はサラダなどに適しており、外側の緑色の葉は苦味が強いため加熱調理に向いています。加熱することで苦味が抑えられます。

茎レタス

茎レタス


茎レタスは、主に茎が可食部になります。わさびのような見た目をしていて、「ステムレタス」とも呼ばれますが、アスパラガスのような味わいであることから「アスパラガスレタス」とも言われます。先の方の若い葉だけが残され、根本までの葉は刈り取られた状態で出荷・販売されています。

文部化学量の食品成分表などには栄養成分の記載がないため、含まれている栄養素や含有量は不明ですが、アメリカの農務省の情報によると、玉レタスと変わらない栄養素・成分の含有量だといわれています。

茎レタスはコリコリとした食感が特徴です。細く裂いて乾燥させたものを「山くらげ」と言い、和え物や漬物、炒め物などにしておいしく食べられています。

新鮮なレタスの選び方

一般的にスーパーで販売されていて最も利用することが多い玉レタスの選び方を紹介します。

芯の切り口が10円玉大で白い

品種によっても芯の切り口の大きさは異なりますが、一般的にスーパーなどで販売されているレタスは10円玉サイズのものが良いといわれています。

レタスは成長するにつれて芯が大きくなっていくので、多きすぎるものは成長しすぎていることが考えられます。成長しすぎているレタスは、栄養が花に取られて葉が硬くなってしまっていたり、苦味の元となるポリフェノールの含有量が増えて苦みが強い傾向があります。

芯は大きさだけではなく変色していないかチェックすることも大切です。芯が赤や茶色に変色しているものは、ポリフェノールが酸化していて鮮度が落ちている状態ですので、白く綺麗なものを選ぶと良いです。

芯の高さが低い

レタスの芯には生長点という部分があり、収穫後も成長を続け、芯が伸びていきます。そのため、芯に高さがあるものは、収穫されてから時間が経っている印です。芯の高さが低いもののほうが、収穫から時間が経っていない鮮度の良いレタスなので、芯の高さもチェックして購入すると良いです。

葉の巻きがゆるくて軽い

キャベツの場合はギュッと葉が巻かれていて重みのあるものが良いとされていますが、レタスの場合は反対に巻きがゆるく軽いものが良品といわれています。

ギュッと巻かれていて重みがあるレタスは、葉が固くなっていて苦味が強いことが多いです。葉が固いレタスは加熱してもシャキシャキとした触感が損なわれにくいメリットがあるものの、レタスはサラダにするなど生食することが多い野菜ですし、苦味があると食べにくいので葉の巻きがゆるくて軽いものを選ぶと良いです。

2/1カットなどで販売されているレタスも、断面をみて葉が重なりすぎていないものを選ぶと良いです。

葉にハリがありみずみずしいもの

レタスは95%が水分です。新鮮なレタスは水分が多く含まれているため葉にハリがあり、みずみずしさがあります。収穫されてから時間がたって、水分が抜けていってしまうと葉にハリがなくなりしおれていきます。

しおれていても腐敗しているわけではないので、食べることができますが傷むのが早いため購入する際は葉にハリがあってみずみずしいものを選びましょう。

葉が鮮やかな緑色

新鮮なレタスの葉は、淡緑色をしています。色が薄すぎたり、濃すぎたりしない鮮やかなものを選ぶようにしましょう。特に色が濃すぎるものは、苦味が強くなっていることがあります。

切り口がみずみずしく変色していない

2/1カットなど、カットされて販売されているレタスは切り口がみずみずしく変色していないものを選ぶと良いです。みずみずしさがないものは、収穫から時間がたって水分が飛んでしまっています。

また、上述したように切り口が赤や茶色、黒に変色しているものもポリフェノールが酸化してしまっているので、収穫してから時間が経っていることが考えられます。酸化してしまっているレタスは、苦味を感じやすいです腐敗するのも早いので、変色していないものを選びましょう。

レタスの保存方法

新鮮なレタスは正しく保存することで鮮度を保つことができ、より長く美味しく食べることができます。ここでは玉レタスの正しい保存方法を紹介します。

常温保存NG

レタスは乾燥に弱い野菜です。購入した後、そのまま冷蔵庫などで保存すると、すぐに葉がしなびてしまいます。傷みやすいレタスは常温保存はNG。購入後は冷蔵室や冷凍室で保存するようにしましょう。

冷蔵保存

購入したレタスは冷蔵保存することで1〜3週間ほど保存することができます。

芯の切り口に片栗粉を塗って丸ごと保存

レタスの芯に片栗粉を塗って新聞紙に包んで保存すれば水分が蒸発しにくい

レタスの芯の切り口に片栗粉(小麦粉)を塗ることで、レタスの水分が蒸発するのを防ぐことができます。芯の切り口を数ミリ切り落としてから片栗粉などの粉類を2〜3mmほど塗ります。

片栗粉などの粉類を塗ったら、ポリ袋に入れて軽く口を閉じ、冷蔵庫で保存します。

レタスの芯が下になるように置くのもポイントです。レタスが栽培されていた時となるべく同じような方向で保存することで、余計なストレスがかからず、旨みが持続します。横にしたり上下逆さにして保存すると元の状態に戻ろうとして余計なエネルギーを消費し、味が悪くなってしまいます。

使う時は、外側の葉から1枚ずつ剥がして使うようにしましょう。

爪楊枝を刺して保存も◎

レタスの芯に爪楊枝を刺すことでも鮮度を保って保存することができる

片栗粉(小麦粉)を塗る方法以外に、爪楊枝を芯に刺して保存するのも◎。

レタスの芯には生長点という部分があり、この成長点を傷つけることで、収穫後のレタスの成長を抑え葉の鮮度が落ちるのを防ぐことができます。レタスの芯に2〜3本ほど爪楊枝を刺してから保存すれば、2〜3日で傷んでしまうレタスも1週間ほど鮮度を保って保存することが可能になります。

1cmほどの深さになるように中までしっかり刺すのがポイントです。その後は新聞紙で包んでポリ袋に入れ、芯が下になるように置いて保存するようにしましょう。

1/2個や1/4個などのカットレタスは、切り口から傷みやすくまた水分が抜けてしまうので、濡らしたキッチンペーパーをかぶせてポリ袋に入れ、芯もしくは切り口を下にして保存します。これで5日ほどは冷蔵保存することが可能です。

カットしてタッパー

レタスを手でちぎって保存容器に入れてから冷蔵保存することも可能だが傷みやすいので早めに食べる

手でちぎってから冷蔵するのも◎。保存容器に濡らしたキッチンペーパーを敷き、その上に4〜5cm四方にちぎったレタスを入れ、蓋をして冷蔵庫で保存します。

カットレタスは、丸ごとレタスよりも傷みやすいので、1〜2日を目安になるべく早めに食べきるようにしましょう。

冷凍保存

レタスは冷凍保存にあまり向きません。水分が抜けて生のレタスのようなシャキシャキ感が失われてしまうためです。冷凍する場合は、スープや味噌汁、炒飯など加熱料理に使用するのがおすすめです。冷凍レタスの保存期間の目安は1ヶ月です。

生のまま冷凍

レタスをちぎって生のまま冷凍保存する

4〜5cm四方などお好みの大きさにレタスをカットします。水洗いしキッチンペーパーで水けをしっかりと取った後、冷凍用保存袋に入れ冷凍室で保存します。

この時、冷凍室の急速冷凍機能を使うのがおすすめです。機能がない場合は、金属トレイにレタスを乗せて冷凍すると◎。

冷凍したレタスは、生食ではなくスープなどの加熱料理に使用すると美味しく召し上がることができます。加熱することでカサが減り、生の2倍以上の量を食べることができる=2倍以上の栄養を摂ることが可能です。

乾燥保存

レタスは乾燥させてから保存することもできます。乾燥させた後は、密閉容器に入れて常温で1ヶ月ほど保存できます。

乾燥させたレタスは乾燥したままスープに入れたり、水で戻して和え物や炒め物にして食べるのもおすすめです。

天日干し

4等分に切ったレタスをザルに広げて天日干しする

乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。芯をつけたままレタスを4等分にカットし(または1枚ずつ)水洗いしてキッチンペーパーで水けをしっかりと取ります。重ならないようにザルに並べ、3日ほど天日干しをします。

オーブンや電子レンジでは、葉が燃えてしまう可能性がありますので、必ず天日干しにて乾燥させるようにしてください。

レタスの保存方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。