美味しいサニーレタスの選び方をご存知でしょうか。サニーレタスは生食することが多い野菜ですし、鮮度がよく美味しいサニーレタスを選んで購入したいですよね。本記事ではサニーレタスの選び方を詳しく解説します。
同じく葉物野菜のキャベツは重みがあるものを選ぶと良いとされていますが、サニーレタスは軽いものの方が、鮮度の高い良質なサニーレタスだと言われています。
元々サニーレタスは一般的に「レタス」の名で販売されている、結球レタスとは異なり丸く結球しない非結球レタスです。ふわっとしていて軽いサニーレタスは葉も柔らかく美味しく食べることができます。
サニーレタスは葉先が赤紫色をしているのが特徴で、基本的に葉先以外の部分は緑色、茎近くは白色です。この葉先から茎近くの3色のコントラストが、はっきりしているものを選びましょう。
サニーレタスが葉先が赤紫色をしているのは、葉先にアントシアニンと呼ばれるポリフェノールが多く含まれているためです。ポリフェノールとは、植物の苦味や渋みの成分となる化合物の総称で、構造の違いによって多くの種類があります。アントシアニンは紫色の色素を持ちます。例えばぶどうの皮が紫色なのもアントシアニンが多く含まれているためです。アントシアニンには抗酸化作用などがあります。
一般的にスーパーなどで「レタス」として販売されている玉レタスと比較すると、サニーレタスの葉は柔らかいのですが、新鮮なサニーレタスは繊維にしっかりと水分が含まれているため、葉にハリがありツヤがあります。
葉がしんなりしていたり、ツヤがないものは収穫してから時間が経って水分が抜けてしまっていることが考えられます。水分が抜けているだけであれば、腐敗しているわけではないので食べても問題ありませんが、鮮度を保てている状態とは言えず、食感や味が落ちていたりすぐに傷んでしまうので選ばないようにしましょう。
サニーレタスは葉先が縮れているのも特徴の一つで、葉先の縮れ具合が細かいものの方が葉が柔らかく質が良いと言われています。
切り口はみずみずしく変色していないものが鮮度の高いサインです。
切り口が変色しているものは、サニーレタスに含まれているポリフェノールが酸化しています。アントシアニンには酸性になると赤→茶→黒と変色していく性質があり、空気中の酸素に触れることで変色してしまうことがあります。酸化していても腐敗しているわけではないので食べることができますが、収穫してから時間が経ち、鮮度が落ちている状態です。そのため、切り口がみずみずしく変色していないものを選ぶようにしましょう。
一般的に言われる旬とは、野菜や果実が全国的に露地栽培でよく収穫され、味が美味しい時期を指します。露地栽培とは、ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培する方法のことです。
サニーレタスは通年市場に出回っている野菜ですが、特に5月〜7月にかけて収穫量が多くなりその頃が旬と言われています。
出典:市場統計情報(東京都中央卸売市場)
令和3年度のサニーレタスの取り扱い量は約9,627トンで、最も生産量が多いのは長野県です。全国で販売されているサニーレタスの46%が長野県産になります。その他茨城県、福岡県の生産量が多くなっています。
産地別の生産量は下記の通りです。
長野県(4,457トン)
茨城県(2,129トン)
福岡県(約1,110トン)
サニーレタスはキク科アキノノゲシ属の一年草または二年草のレタスの一種です。レタスには大別して「結球レタス(玉レタス)」、「非結球レタス」、「立ちレタス」、「茎レタス」の4種類があり、日本では、古くからこれらを総称して「レタス」または「チシャ」と呼んでいます。
サニーレタスは非結球レタスで、非結球レタスには「グリーンリーフ」などがあり、形は似ていますが葉先が赤くなるものが「サニーレタス」です。サニーレタスの主な品種を紹介します。
レッドウェーブは、耐暑性・耐病性に優れているため栽培しやすい品種です。葉の幅が広く、周辺から内側に向かって葉先は赤紫に綺麗に発色します。葉は肉厚ですが、柔らかくジューシーなのが特徴です。
レッドファイヤーは、耐寒性に優れ、比較的気温の低い環境でも育ちやすい品種です。
レッドファイヤーの葉も幅が広く肉厚で柔らかいです。赤紫と緑のコントラストが美しく見た目が華やかになるため、彩りとしてサラダなどに使われることが多いです。
マザーレッドは、葉先が濃赤褐色をしていて、レッドウェーブなどと比較すると枚数が多くやや小ぶりなのが特徴です。サニーレタスの葉はレタスと比較して柔らかいですが、比較的パリっとした触感を楽しむことができます。苦味が少なく甘みがあるため、様々な料理に幅広く使うことができます。
サンブライトは耐暑・耐寒性に優れている品種で、レッドウェーブなどと比較して葉先が細かく縮れていて、発色が良いのが特徴です。発色が良いのは、濃紅色になるように改良された品種であるためです。
サンブライトは葉数が多く肉厚で、柔らかいので食べやすいです。
晩抽サーフレッドは、耐暑性があり、高温期の栽培でよく育つ品種です。葉先が適度に縮れていて、赤紫と緑色の着色のバランスが良いです。葉数が多いためボリュームがありますが、育ちすぎているわけではありません。葉肉は柔らかく食べやすいです。
β-カロテンは、皮膚や喉などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあり、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐ事で免疫力をアップし病気にかかりにくくなります。また抗酸化作用もあるので、アンチエイジング作用があります。亜鉛が補酵素に入ると、β-カロテンがレチナールへ、さらにレチナールにナイアシンが結合することで体内に作用します。ビタミンAとしての働きを促すにはミネラルの亜鉛、ビタミンB群のナイアシンも必要になります。
変換されたビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。
カリウムはミネラルの一種です。
カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。
そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
体内の99%のカルシウムは貯蔵カルシウムとして骨や歯の材料となります。骨の代謝に関わり骨の健康を保っています。
残りの1%は機能カルシウムとして、血液や筋肉、細胞内などに存在し、大切な情報の伝達を行っています。それによって筋肉のなめらかな動きをサポートしたり、精神を安定させたりします。
カルシウムが不足すると、骨が弱くなったりこむら返りを起こすことがあります。特に野菜などのカルシウムは吸収率が低いため、ビタミンKなどカルシウムの吸収を助ける栄養素と一緒に摂取するといいでしょう。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。
そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。
鉄分はミネラル成分の一つです。体に必要な栄養素で、成人のからだには約3〜5gの鉄が存在しています。
鉄は大きく分けて2種類あります。一つは機能鉄といって赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。
もう一つは貯蔵鉄といって肝臓や骨髄、筋肉などに蓄えられており、機能鉄が不足すると体内に放出されます。また、酵素の構成成分で、エネルギー代謝を助ける働きがあります。
葉物野菜であるサニーレタスは傷みやすいので常温での保存は避けるべきです。すぐに食べる場合でも冷蔵庫で保存するようにしましょう。
サニーレタスの根元を水で湿らせたキッチンペーパーで包みます。その後、サニーレタスをポリ袋に入れ口を軽く閉じ、野菜室で立てて保存します。
サニーレタスだけに限らず野菜全般に言えることですが、野菜が育った環境で保存することが、鮮度を保つポイントになります。横にして保存すると、余計なストレスがかかって鮮度が落ちてしまうことがあります。
湿らせたキッチンペーパーは毎日取り替えるようにしましょう。また、サニーレタスの芯をくり抜き、くり抜いた空洞の部分に湿らせたキッチンペーパーを詰めてポリ袋に入れ保存する方法もあります。
サニーレタスの芯の部分に爪楊枝を刺して保存すれば鮮度を保ちながら保存することができます。
サニーレタスの芯の部分に3〜4本ほど爪楊枝を刺します。中まで深く刺すのがポイントです。爪楊枝を刺したら新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて口を軽く閉じ、野菜室で立てて保存します。
サニーレタスは冷凍保存にあまり向きません。水分が抜けて生のサニーレタスのようなシャキシャキ感が失われてしまうためです。冷凍したサニーレタスの保存期間の目安は1ヶ月です。
サニーレタスを洗いキッチンペーパーで水けを拭き取ります。食べやすい大きさに手でちぎり、冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ。
冷凍室の急速冷凍機能を使うのがおすすめです。機能がない場合は、金属トレイにサニーレタスの入った保存袋を乗せて冷凍すると◎。
冷凍するとシャキシャキ感がなくなってしまうので、サラダではなくスープやチャーハンなどに使用するのがおすすめです。
サニーレタスの保存方法についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
下記の特徴があるサニーレタスは腐敗しているので食べることはできません。
腐っているサニーレタスの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的に変色している
葉が溶け出している
黒や茶色の汁が出ている
サニーレタスにフワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビ、黒く変色している箇所がある場合は黒カビが生えています。じゃがいものような根菜は表面のみにカビが生えていて中まで侵食していなければ、変色している箇所を取り除けば食べることができるといわれていますが、レタスなどの葉物野菜は見えない部分まで侵食しやすいため破棄するのが無難です。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすこともあるため注意が必要です。
サニーレタスは上述したように酸化が原因で変色することもあるため、変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に茶色くなっていたり黒くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。溶け出している箇所があったり、茶色い汁が出ているなどの異変が見られることもあるので、このような場合は破棄しましょう。
腐っているサニーレタスの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味
ゴミの臭い
カビの臭い
サニーレタスは葉物野菜であるため、若干の青臭さはあるもののそこまで臭いのきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなど明らかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。
サニーレタスに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」と呼ばれます。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は、見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐っているサニーレタスの触感の特徴は下記の通りです。
ぬるぬるしている
ねばねばしている
サニーレタスから水分が抜けてしんなりしてしまっても腐敗しているわけではないので食べることができますが、表面がぬめぬめしていたりネバネバしている場合は、腐敗が進んでしまっている状態ですので食べないようにしましょう。
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