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紫に変色したレタスは食べられる?原因と対処法を解説

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紫に変色したレタスは食べられる?原因と対処法を解説

通常のレタスは紫色に変色することがあります。紫色になったレタスは食べることができるのか、対処法はあるのか解説していきます。

レタスが紫色に変色する原因

ポリフェノールの酸化

レタスの切り口や芯が紫色っぽく変色してしまうのは、レタスに含まれているポリフェノールが酸化し始めているためです。

ポリフェノールとは植物の渋みや苦味の成分となる化合物の総称で、構造の違いによって様々な種類があります。レタスにも様々な種類のポリフェノールが含まれおり、変色に大きく関係しているのはアントシアニンであると考えられます。アントシアニンは、紫色の色素で酸化すると赤→茶色→黒と変色していきます。

レタスにはポリフェノールオキシターゼなどの酵素が含まれており、酵素の働きや空気中の酸素に触れることによって酸化すると変色していき、酸化しはじめは人によっては赤紫やピンク色に見えることがあります。

食べても問題ない

レタスが紫色に変色するのは、上述したようにポリフェノールの酸化が原因です。ポリフェノールには抗酸化作用があり、人体に害のある成分ではありませんので食べても問題ありません。

ただし、ポリフェノールが酸化し始めているということは、鮮度が落ちている状態です。酸化が進むと腐敗していってしまいますので、早めに食べきるようにしましょう。

紫色の品種もある

一般的に販売されているレタスは淡緑色をしていますが、レタスには様々な種類があり、元々紫色をしている品種もあります。

一般的に「レタス」として販売されているのは、「玉レタス」と呼ばれる葉が丸く結球するタイプのものです。他には、葉が結球しない「非結球レタス」、葉が上に伸びる「立ちレタス」、茎が可食部になる「茎レタス」があります。

淡緑色以外の色をしているレタスには、例えば非結球レタスである「サニーレタス」などがあります。サニーレタスは葉先が紫色をしています。サニーレタスの葉先が紫色なのは、紫色の色素であるアントシアニンが多く含まれているためです。

紫色に変色したレタスの対処法

一度変色したら色は戻せない

一度酸化してしまい変色してしまったレタスの色は、残念ながら元に戻すことはできません。そのままにしておくと、茶色→黒とさらに色が悪くなってしまいますので、酸化が進む前に食べきるのが良いでしょう。

気になる場合はカット

酸化して変色していても食べることができるとはいっても、料理の見た目は悪くなってしまいます。気になる場合は変色している箇所をカットして食べると良いです。

紫色に変色するのを防ぐ調理法

調理をするときに酸化してしまい変色することもあります。ここからはレタスが紫色に変色するのを防ぐ調理法を紹介します。

切り方

金属でないナイフを使う

金属製の包丁で切ると、包丁の鉄分がレタスに含まれるフェノール成分の作用を強めてしまうため、切り口が変色してしまいます。包丁を使ってレタスをカットする場合は、セラミック製の包丁など金属製以外の使って切るのがおすすめです。

繊維に沿って切る

レタスをカットする

レタスを切るときは、繊維に沿って切るのが良いです。繊維を断つように切ってしまうと細胞が壊れてポリフェノールを酸化させる酵素ポリフェノールオキシターゼが流出してレタスを変色させてしまいますので、繊維を壊さないように切るのが変色を防ぐポイントです。

繊維に沿って切ることで、レタスのシャキシャキとした食感が損なわれるのを防ぐこともできます。

手でちぎるのも◎

レタスを手でちぎる

金属製の包丁しかない場合は、手でちぎるのが良いでしょう。手でちぎることで断面が粗くなるので、サラダにして食べる場合、ドレッシングが絡みやすくなり美味しく食べられるメリットもあります。

切った後

塩水・酢水にさらす

カットしたレタスを塩水(酢水)につける

レタスを切ったら、塩水や酢水にさらしておくのが良いです。塩水や酢水にさらしておけば、空気中の酸素に触れる時間を少なくすることができるので酸化を防ぐことができます。また、ポリフェノールは水溶性であるため、変色の原因となるポリフェノールを落とすことができます。

塩水には、浸透圧によって野菜から水分と一緒に変色の原因となるポリフェノールを出す効果があります。また緑色の色素となっているクロロフィルを安定させる働きもあります。

酢水には、酵素の働きを抑える効果があります。また、野菜の食感を良くすることができます。野菜の細胞壁は、セルロースからできた繊維が重なっており、その間をペクチンが塗り固めて固い壁をつくっています。野菜を加熱すると軟らかくなるのは、固い壁を作っているペクチンが熱によって分解されるためです。ペクチンはpH5以上およびpH3以下で急速に軟化し、pHが下がると分解されにくくなることがわかっています。私達が普段使っている水道水のpHは7なので、酢を入れてpHを下げることでペクチンの分解を抑え食感を保つことができます。シャキシャキとした食感を楽しみたい場合は、酢水にさらすのがおすすめです。

ただし、レタスにはビタミンCやカリウムなど水溶性の栄養素も含まれています。塩水や酢水にさらすことで変色は防げますが、長くつけすぎてしまうとビタミンCなどの水溶性の栄養素も一緒に流出してしまうので、長くつけすぎないようにしましょう。

すぐ加熱する

カットしたレタスをフライパンで炒める

炒めものにする場合などレタスを加熱して食べる場合は、カットした後にすぐに加熱するのが良いです。ポリフェノールを酸化させるポリフェノールオキシターゼは、熱に弱いため加熱をすれば変色を防ぐことができます。

すぐに食べる

生で食べる場合は、食べる直前にカットするようにしてすぐに食べるのが一番良いです。塩水や酢水につけることで酸化による変色は防ぐことができますが、上述したようにビタミンCなどの水溶性の栄養素も流出してしまうデメリットがあります。栄養価を重視するのであれば、変色する前に食べてしまうのがベストです。

レタスの正しい保存方法

正しく保存しておくことで鮮度を保つことができるので、酸化による変色を防ぐことができます。長く美味しく食べるためにも正しく保存するようにしましょう。

常温保存NG

レタスは乾燥に弱い野菜です。購入した後、そのまま冷蔵庫などで保存すると、すぐに葉がしなびてしまいます。傷みやすいレタスは常温保存はNG。購入後は冷蔵室や冷凍室で保存するようにしましょう。

冷蔵保存

購入したレタスは冷蔵保存することで1〜3週間ほど保存することができます。

芯の切り口に片栗粉を塗って丸ごと保存

レタスの芯に片栗粉を塗って冷蔵保存する

レタスの芯の切り口に片栗粉を塗ることで、レタスの水分が蒸発するのを防ぐことができます。芯の切り口を数ミリ切り落としてから片栗粉などの粉類を2〜3mmほど塗ります。

片栗粉などの粉類を塗ったら、ポリ袋に入れて軽く口を閉じ、冷蔵庫で保存します。

レタスの芯が下になるように置くのもポイントです。レタスが栽培されていた時となるべく同じような方向で保存することで、余計なストレスがかからず、旨みが持続します。横にしたり上下逆さにして保存すると元の状態に戻ろうとして余計なエネルギーを消費し、味が悪くなってしまいます。

使う時は、外側の葉から1枚ずつ剥がして使うようにしましょう。

爪楊枝を刺して保存も◎

レタス芯に爪楊枝をさして冷蔵保存する

片栗粉を塗る方法以外に、爪楊枝を芯に刺して保存するのも◎。

レタスの芯には生長点という部分があり、この成長点を傷つけることで、収穫後のレタスの成長を抑え葉の鮮度が落ちるのを防ぐことができます。レタスの芯に2〜3本ほど爪楊枝を刺してから保存すれば、2〜3日で傷んでしまうレタスも1週間ほど鮮度を保って保存することが可能になります。

上の写真のように、芯に3〜4本ほど爪楊枝を刺します。1cmほどの深さになるように中までしっかり刺すのがポイントです。芯から飛び出た部分は、ハサミでカットします。

その後は新聞紙で包んでポリ袋に入れ、芯が下になるように置いて保存するようにしましょう。

1/2個や1/4個などのカットレタスは、切り口から傷みやすくまた水分が抜けてしまうので、濡らしたキッチンペーパーをかぶせてポリ袋に入れ、芯もしくは切り口を下にして保存します。これで5日ほどは冷蔵保存することが可能です。

カットしてタッパー

カットしたレタスを保存容器に入れる

手でちぎってから冷蔵するのも◎。保存容器に濡らしたキッチンペーパーを敷き、その上に4〜5cm四方にちぎったレタスを入れ、蓋をして冷蔵庫で保存します。

カットレタスは、丸ごとレタスよりも傷みやすいので、1〜2日を目安になるべく早めに食べきるようにしましょう。

冷凍保存

レタスは冷凍保存にあまり向きません。水分が抜けて生のレタスのようなシャキシャキ感が失われてしまうためです。冷凍する場合は、スープや味噌汁、炒飯など加熱料理に使用するのがおすすめです。冷凍レタスの保存期間の目安は1ヶ月です。

生のまま冷凍

カットしたレタスを生のまま冷凍保存する

4〜5cm四方などお好みの大きさにレタスをカットします。水洗いしキッチンペーパーで水けをしっかりと取った後、冷凍用保存袋に入れ冷凍室で保存します。

この時、冷凍室の急速冷凍機能を使うのがおすすめです。機能がない場合は、金属トレイにレタスを乗せて冷凍すると◎。

冷凍したレタスは、生食ではなくスープなどの加熱料理に使用すると美味しく召し上がることができます。加熱することでカサが減り、生の2倍以上の量を食べることができる=2倍以上の栄養を摂ることが可能です。

乾燥保存

レタスは乾燥させてから保存することもできます。乾燥させた後は、密閉容器に入れて常温で1ヶ月ほど保存できます。

乾燥させたレタスは乾燥したままスープに入れたり、水で戻して和え物や炒め物にして食べるのもおすすめです。

天日干し

カットしたレタスを天日干しする

乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。芯をつけたままレタスを4等分にカットし(または1枚ずつ)水洗いしてキッチンペーパーで水けをしっかりと取ります。重ならないようにザルに並べ、3日ほど天日干しをします。

オーブンや電子レンジでは、葉が燃えてしまう可能性がありますので、必ず天日干しにて乾燥させるようにしてください。

レタスの保存方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。