根野菜であるごぼうは香り豊かで様々な料理に用いられます。今回はごぼうの切り方を12パターンご紹介します。定番の切り方であるささがきや乱切りなどのカット方法はもちろん、飾り切り(管ごぼう、結びごぼう)などオシャレな切り方もご紹介していますのでぜひ参考にしてください。
ごぼうを切る前に皮を剥く方がいらっしゃいますが、皮を剥いてしまうのは栄養的にもったいない!
ごぼうの皮には、ポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」が多く含まれています。その含有量はほうれん草の3倍以上!
また、ごぼうの皮付近には、ごぼうの香りとなる成分が多く含まれています。そのため、皮をむいてしまうと皮に含まれている栄養素だけではなく風味も失われてしまうことになります。また、皮付近には旨味成分も含まれています。ごぼうの風味や旨味を最大限に楽しむためにも皮をむかずに食べるのが良いでしょう。
特に天ぷらやきんぴらごぼう、たたきごぼう、ごぼうの胡麻和えなどは皮付きのまま調理をしたほうがごぼうの風味が感じられ美味しくなります。
ごぼうの皮を「剥く」のではなく「こそげる」程度にするのが◎。
ささがきや千切りなど、ごぼうを細かく切ってしまうと、カット断面からカルシウムやマグネシウムなどの水溶性成分が流出してしまいます。ささがきを茹でると、ポリフェノールの主成分であるクロロゲン酸がたった8%にまで減少してしまうことも。
栄養素をキープしたい場合はなるべく大きく切るのがおすすめです。
ごぼうを切るまえの下ごしらえの方法をご紹介します。ごぼうの表面には泥などの汚れが付着しているので、しっかりと水洗いするのがポイントです。また冒頭でご紹介したように、皮を剥くのではなくこそげる程度にすることで、栄養や風味をキープすることができます。
ごぼうに付いた土をしっかりと洗い流します。凹凸部分に土が入り込んでいるので、たわしなどを使って優しくこすりましょう。
ごぼうの皮には栄養が豊富に含まれており、またごぼうの香り成分も皮の周辺に含まれているので、皮を完全に剥いてしまうのはNG。包丁の背をごぼうに当てて、軽い力で表面のみをこそぎ落とすだけでOKです。こそぎ落とすのはごぼうの土臭さを落とすため。
一度丸めたアルミホイルをごぼうに巻きつけてこすれば簡単にこそげ落とすことができます。
まず最初にご紹介するのは、ごぼうの切り方の定番である笹掻き(ささがき)です。
茎に近い太い部分はささがきがやりにくいので、ごぼうの細い部分を使用すると◎。ごぼうの太さやお好みの出来具合によって切り込みの数は調整しましょう。
また今回はごぼうを手で持って削ぐ方法をご紹介しましたが、ごぼうをまな板の上に寝かせて回転させながら削ぐ方法もあります。
ささがきにしたごぼうは、酢水を張ったボウルに落としておくと、変色を防ぐことができます。
ピーラーを使うことで簡単にささがきができます。やり方はとても簡単。包丁で切る手順と同様にごぼうの根元を切り落とし、扱いやすい長さに切ります。ごぼうに縦に6〜8本ほど切り込みを入れ、まな板の上に寝かせてピーラーで薄く削いでいきます。
ささがきにしたごぼうはサラダや和え物、炒め物、汁物などにおすすめです。香りが豊かなので、炊き込みご飯に入れても美味しくいただけます。
乱切りもごぼうの切り方の定番です。包丁の角度は一定にし、ごぼうを回しながらカットしていきます。
乱切りは煮物におすすめのカット方法です。斜めに切ることで繊維が断たれ、味の染み込みがよくなります。ごぼうのごろっとした食感を楽しむことができます。
ごぼうの斜め切りの方法をご紹介します。薄く切るので火が通りやすいのが特徴です。
ごぼうを斜め切りにするとごぼうの繊維が断たれるので、食感が柔らかくなります。切り口が広いため味が染み込みやすく、煮物や炒め物、汁物などにおすすめです。
ごぼうをお好みの長さにきる筒切りのご紹介です。
筒切りにしたごぼうは、揚げ物(唐揚げなど)や漬物などに適しています。ごぼうの食感や風味を楽しむことができます。
ごぼうを縦に4等分に切る四つ割りをご紹介します。ごぼうの太い部分の四つ切りにし、細い部分と太さを均一にするときなどにもおすすめの切り方です。
四つ切りのごぼうは、煮物や炒め物などに適しています。お肉でごぼうを巻くごぼう巻きにもおすすめです。
ごぼうの短冊切りの方法です。
短冊切りにしたごぼうは炒めものや揚げ物、汁物などに使用することができます。薄めのカットですが、ごぼうの食感も楽しむことができます。
ごぼうの細切りや千切りの方法をご紹介します。細切り、千切りにする方法は2パターンあります。ひとつは上記でご紹介した短冊切りから細切り・千切りに切っていくパターン、そしてもう一つは、これも上記でご紹介した斜め切りにしたごぼうを細切り・千切りに切っていくパターンです。切り方によって食感にも差が出てきますので、お好みに合わせた方法でカットしましょう。
繊維に沿って切ると、ごぼうのしっかりとした歯ごたえを楽しむことができます。
繊維を断つように切ることで食感が柔らかくなります。
細切り・千切りにしたごぼうは炒め物(きんぴらなど)や汁物、和え物、サラダなどにおすすめです。ごぼうと同様に、細切りや千切りにした玉ねぎやにんじんなどを合わせてかき揚げにするのもおすすめです。
ごぼうの輪切り(ぶつぎり)と薄切りの切り方をご紹介していきます。
輪切りにしたごぼうは和え物や炒め物、揚げ物、汁物(ポタージュ)などに適しています。ゴロゴロとした食感を楽しむことができます。
たたきごぼうの切り方を解説します。包丁の平やすりこぎなどを使ってごぼうを叩きます。
たたきごぼうを作る際は怪我に十分に気をつけて行いましょう。
包丁やすりこぎなどで叩くことで味が染み込みやすくなっているため、漬物や和え物にすると美味しくいただけます。
ごぼうがまるでリボンのようになる切り方です。薄くひらひらとした形に仕上がります。
薄くスライスしたごぼうは変色しやすいので、スライス後はすぐに酢水にさらしておきましょう。
ピーラーを使って薄くスライスしたごぼうは、煮物や揚げ物、炒め物、サラダなどにすると美味しくいただけます。
管ごぼうは飾り切りの一つです。ごぼうを茹で芯の部分をくり抜いて調理に使用します。見た目がおしゃれなので、お祝いごとやおもてなし料理におすすめです。
管の中に詰め物をして揚げ物や煮物にします。おせち料理などで、門松に見立てて添えると華やかになります。その際は、3本をかんぴょうや三つ葉、水菜などで束ね斜めに切ります。
結び合わせる前に塩水に浸けることでしんなりとするので、結びやすくなります。
相生結びはおめでたい結び方なので、結婚式やお正月などのお祝い事の料理に用いられます。結びごぼうは汁物や煮物のアクセントとして使用するのがおすすめです。
ごぼうにはアクが含まれています。アクとは苦味やエグみ、臭みの原因となり料理の味を落とす成分の総称です。アクがある野菜はアク抜きをしてから調理をすることが多いですが、ごぼうの場合はアク抜きをせずに食べても問題ありません。なぜなら、ごぼうのアクになる成分はポリフェノールであり、人体に有害な物質ではないためです。ポリフェノールは抗酸化作用などむしろ人体にとって良い影響をもたらす成分です。
ごぼうのアクとなるポリフェノールは、ごぼうに含まれているポリフェノールオキシターゼやペルオキシダーゼなどの酸化酵素や空気中の酸素によって酸化し赤くなる性質があり、時間がたつと茶色→黒とさらに変色していきます。そのため、変色を防ぐために水は酢水にさらしてアク抜きをすることがあります。
変色を防ぐためには、水を張ったボウル(酢水の場合は酢を適量加える)に切ったごぼうを入れ、数分浸けておきます。ごぼうのアクとなるポリフェノールは、水溶性の成分であるため30秒程水につけておくことでアク抜きをすることができます。
浸ける時間が長すぎると、水溶性の栄養素が流出してしまったり、ごぼうの風味が損なわれるなどのデメリットがあります。ごぼうに含まれている水溶性の栄養素には、水溶性の食物繊維イヌリンやカリウムなどがあります。ごぼうの栄養価を下げたくない方や風味を楽しみたい方はアク抜きをせずに食べるのがおすすめです。
ごぼうのアク抜きについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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