ほうれん草は和え物や炒め物、汁物など様々な料理で美味しく食べることができる野菜です。今回はほうれん草の切り方をご紹介していきます。ほうれん草の栄養を逃さないためには、茹でてから切るのがおすすめですので、下茹での方法もあわせて解説していきます。
ほうれん草は他の野菜に比べて切り方のバリエーションが少ないです。基本的にはざく切りが定番の切り方で、炒め物や和え物、汁物、おひたしなど様々な料理に使用することができます。
雑炊やおかゆなどに使用する際は、さらに細かくみじん切りにして使用すると食べやすくなります。
今回は、ほうれん草の定番の切り方を始め、日本料理などでよく使用される「青寄せ」という方法もご紹介します。
ほうれん草を茹でるときに、丸ごと茹でるかカットしてから茹でるか迷ったことがある方は多いのではないでしょうか。ほうれん草は、カットせずに丸ごと茹でたほうが栄養素の流出を抑えることができます。
カットしてから茹でると、カットした断面から栄養素がどんどん流出してしまいます。レンジで加熱する場合も丸ごとラップに包んで加熱し、さらにアク抜きをする際も、切らずに丸ごと水につけたほうが栄養素が流出しにくいです。
【ほうれん草はアク抜きが必須!】
ほうれん草にはシュウ酸と呼ばれる成分が含まれているため、食べるときにはアク抜きが必須です。シュウ酸は栄養素というよりも老廃物で、えぐみや苦味を感じさせ料理の味を損ねるいわゆるアク(灰汁)となる成分です。たけのこや里芋などにも含まれていることで知られています。
ほうれん草の根元の赤(ピンク)の部分を捨ててしまっている方はいませんか?赤(ピンク)の部分は食べることができるだけでなく、実は栄養が豊富な部位なのです。
ほうれん草の根元が赤くなるのは、ベタシアニンと呼ばれるピンク色の色素になる成分が含まれているためです。ベタシアニンはポリフェノールの一種で、赤色〜紫色の色素をもつため赤く見えます。
また、ほうれん草の根元にはポリフェノール以外にも、マンガンなどのミネラル類が豊富です。さらに鉄分も葉と比較して根の方が多く含まれているといわれており、甘味も強いため切り落として調理してしまうにはもったいないです。根元も調理をして食べるようにしましょう。
上述したように、ほうれん草の栄養素を逃さないために、茹でてから切るのがおすすめです。ほうれん草の切り方をご紹介する前に、ほうれん草の下茹での方法をご紹介します。
まず、ほうれん草の根に十字の切り込みを入れます。
ほうれん草は根の部分に最も砂や土がついています。そのため、根に十字の切り込みを入れて洗うことで根についている汚れを綺麗に落とすことができます。また、根は葉と比べて火が通りにくいですが、切り込みを入れておくことで火の通りが早くなるメリットもあります。
ひげ根がついている場合は、切り落としておきましょう。
根に切り込みを入れたら、ボウルに水をためてほうれん草を洗っていきます。
根元の汚れは落としにくいため、水に浸けながら根元を開いて間に入り込んでいる土や砂を綺麗に落としましょう。根元の汚れが落とせたら、茎と葉を流水でふり洗いして汚れを落とします。
鍋にたっぷりの湯を沸かして塩を加えます。塩の量の目安はお湯1リットルにつき小さじ1です。
茎の方が火が通りにくいので、茎の部分のみを先に茹でます。数株手にとり茎の部分を鍋にいれそのまま30秒ほど茹でます。いっぺんにたくさんの量を入れてしまうとお湯の温度が下がり、再沸騰するまでに時間がかかるのでムラができてしまうことがありますので、少量ずつ茹でるのがポイントです。
茎を30秒ほど茹でたら、全体をお湯に入れて葉にも火を通していきます。茹で時間の目安は20秒〜30秒ほどで、葉が鮮やかな緑色になったらOKです。ほうれん草は茹でているときに浮いてきてしまうので、菜箸やトングなどで抑えて湯に沈めながら茹でると加熱ムラを防ぐことができます。
ほうれん草を茹でたら、ザルなどにあげてお湯を捨てましょう。お湯を捨てたらボウルに入れた冷水にさらします。冷水にさらすことでさらにしっかりとシュウ酸を落とすことができますし、変色を防ぎきれいな色を保つことができます。
冷水にさらしたら、ほうれん草の根元を上にしても持ち、上から下へ握る位置をずらしながら水けを絞ります。水けをしぼらないと料理が水っぽくなってしまいます。
食べやすい大きさ(4cm〜5cm)に切ってからさらに水けを絞ると、調味料が馴染みやすくなります。
まず最初に、一番定番の切り方である「ざく切り」についてご紹介します。今回は茹でたほうれん草をざく切りにしていますが、下茹で不要のほうれん草(サラダほうれん草など)は生のままカットしてOKです。
今回は5cm幅にカットしています。
ざく切りにしたほうれん草は、炒め物や汁物(みそ汁など)、おひたし、和え物など幅広い料理に使用することができます。下茹でしていて火が通っているため、調理時間が短時間で済みます。ほうれん草の和え物は調味料を合わせるだけで簡単に作れるおすすめレシピです。
次に、ほうれん草の軸と葉を分ける方法をご紹介します。包丁を使わず手で簡単に分けることができますが、きれいに分けたい場合は包丁を使って切り分けましょう。
軸(茎)と葉に分けたほうれん草も、ざく切りと同様におひたしや和え物、汁物(みそ汁など)、炒め物など幅広く使用することができます。茎と葉に完全に分かれているので、ほうれん草の特定の部分だけを使いたい料理におすすめの切り方です。
最後にご紹介する「青寄せ」は、青菜から緑の色素を抽出することを指します。ほうれん草以外では大根の葉やカブの葉からも抽出することができます。ほうれん草の鮮やかな緑色は「クロロフィル」と呼ばれる色素によるものです。色素を抽出する方法は様々ですが、今回はご自宅でも簡単にできる方法をご紹介します。
まずはほうれん草(生)の茎やかたい部分を取り除きます。実際に青寄せに使用するのはほうれん草の葉の部分のみです。茎(軸)は他の料理に使用しましょう。
ほうれん草の茎(軸)と葉に分けたら、葉の部分を2cm幅程度のざく切りにします。
ざく切りにしたほうれん草をフードプロセッサーやミキサーでさらに細かく刻んできます。すり鉢でもOKです。かなり細かくなるまで潰しましょう。
ザルやこし器に潰したほうれん草をのせ、上から熱湯をかけてゴムベラでこします。こした液のみを使用するので、ザルやこし器に残ったほうれん草は別の料理で使用しましょう。
こした液を中火で静かに煮立てていきます。上の写真のような白い泡はアクなので、取り除きます。ほうれん草の品種などによってはアクが出ないこともありますので、その場合はそのまま煮立ててください。
ザルの上に布巾またはキッチンペーパーをセットし、そこにこした液を流します(熱いのでやけどに注意してください)。布巾やキッチンペーパーの上に残ったものが「青寄せ」です。粗熱が取れたら手で水分を絞り完成となります。
ほうれん草の青寄せは、調味料や食材と混ぜて使用します。例えば日本料理では、味噌などと混ぜて木の芽田楽などとして使われたり、フランス料理ではソースやスープなどの色付けとして使われます。青菜特有の青臭さはないので、様々な料理と合います。
余った青寄せは小分けにしてラップで包み、冷凍保存をしておくと便利です。
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