保存していたにんにくから芽が出てきた経験がある方は多いのではないでしょうか。本記事ではにんにくの芽について詳しく解説していきます。
にんにくを保存しているときに、中央から青い芽が生えてくることがあります。これは「発芽葉」と呼ばれるものです。
普段「にんにく」として食べているのは、鱗茎(りんけい)と呼ばれる養分をたくわえて肥大し球状になった白い部分です。にんにくは、収穫から時間が経つと自然と発芽葉が生えてきて、成長するとさらに花をつける「花茎」と呼ばれる茎の部分ができます。
この記事の「茎」は、この茎を指すことにします。
にんにくは、皮を剥いて縦半分に切ると中止部に芯があります。このにんにくの芯を「にんにくの芽」と呼ぶことがあります。これは、芯が発芽葉になる部分であるからだと考えられます。
にんにくの芯は時間が経つにつれて緑色になり、苦くなります。辛味成分を多く含んでいることや焦げやすいといったことからレシピなどでも「にんにくの芽を取り除く」といった表記があることがあります。
一般的に「にんにくの芽」と呼ばれる部位は茎であり、正式には「茎にんにく」と言います。中国では古くから利用されており、日本にも第二次世界大戦に中国から輸入されるようになりました。
にんにくの芽も一般的に食べられている鱗茎と同じように、辛味と食欲をそそる匂いがするのが特徴です。
ちなみに「葉にんにく」なるものも存在します。葉にんにくとは、にんにくの成長途中で収穫された若い葉の部分を食用にした野菜です。にんにくよりも香りや甘みが弱く、甘みを感じる上品な味わいが特徴です。茎にんにくよりも食感はやわらかいです。ニラと同じように使うことができ、炒め物や煮物、鍋物におすすめです。
じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれていますが、にんにくの芽には天然毒素は含まれていません。そのため芽が出てしまったにんにくも食べることができますし、にんにくから出た芽も食べることができます。ただし、一般的に食べられてる「にんにくの芽」として食べられている茎の部分とは異なり、辛味や匂いが強すぎたり焦げやすかったりするため取り除いて食べることが多いです。
じゃがいもは害虫などの天敵から実を守るために天然毒素を生成するようになったと言われています。にんにくは、にんにくの辛味成分や匂い成分であるアリシンに、害虫などを寄せ付けない効果があります。
一般的にすべての野菜に言えることですが、発芽する過程で鱗茎に蓄積されていた栄養素は芽に使われてしまいます。そのため、普段にんにくとして食べている白い部分の栄養価は下がります。また、風味や味が落ちているということもありますので、毒素はなくて食べられるといっても芽が生えてしまう前に食べきるのが良いです。
芽が出たにんにくは一片ずつ土に植えると、一片が複数の株に分かれて大きくなりにんにくとして収穫できることがあります。ただし、本来にんにくは秋に植えて、翌年の梅雨前に収穫する野菜ですので、時期を間違えてしまうと鱗茎が成長する前に枯れてしまうこともあります。
包丁を使ってにんにくから出た芽を取り除く場合は、まずにんにくの皮を剥いたらお尻の部分を切り落とします。お尻を切り落としたら縦半分に切ります。そうすると芯が出てくるので、芯に包丁の顎(柄に近い部分)を刺してえぐるように取り除きます。
爪楊枝を使ってにんにくから出た芽を取り除く場合は、にんにくの皮を剥いたら頭とお尻の部分両方を切り落とします。切り落としたら、爪楊枝を頭の方から差し込むとお尻の方に芽が押し出されるので、そのまま抜き取ります。
一般的に「にんにくの芽」として販売されている茎にんにくは、にんにくの風味がありながらもシャキシャキとした食感を楽しむことができるため、炒めものの具材として使われることが多いです。
また、刻んで餃子の具材にしたり、煮物や和え物、サラダなどの幅広い料理に使うことができます。
上述したようににんにくは、芽が出てしまったからといって食べられなくなるということはありません。基本的には取り除いて食べられることが多いですが、一緒にカットして調理をすることが可能です。
また、にんにくの芽が発芽してしまったら、そのまま10~15cmになるまで育てて「にんにくスプラウト」として使うこともできます。にんにくスプラウトとは発芽し新芽がついた状態のにんにくのことを言います。にんにくに限らず、植物は発芽し成長し始めるとビタミンなどの栄養成分を合成するようになるため、にんにくスプラウトは栄養価が高いといわれています。
にんにくスプラウトは伸びてきた芽ごと素揚げにしたり、ホイル焼きにして食べるのが人気です。辛味がマイルドなので食べやすく、口臭も通常のにんにくほど気になりません。
保存性が高いにんにくですが、正しく保存することでより長く美味しいにんにくをキープすることができます。日本には四季がありますので、季節に応じて保存方法を変えるのがポイントです。正しく保存することで芽も生えにくくなります。
春・夏など暖かい季節は、ネットなどに入れて、風通しのよい冷暗所で吊るして保存がベストです。外皮は剥かずに保存しましょう。夏が終わり涼しくなると発芽してしまうので、常温保存はNGです。にんにくの匂い成分アリシンのおかげで、虫は近寄ることはありません。
常温保存した場合、約1ヶ月程度の保存が可能です。
にんにくは秋になったら冷蔵保存します。にんにくを丸ごとペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて軽く口を閉めて、チルド室で保存します。1片ずつ包んでも◎。キッチンペーパーに包むことで、冷蔵庫の冷気と乾燥から守ります。ポリ袋に入れることでさらに乾燥を防ぐことができます。ポリ袋は軽く閉じることで通気性がよくなります。
冷蔵保存した場合、約2ヶ月程度の保存が可能です。
にんにくは常温で長く保存することができるので、冷凍保存するメリットが他の野菜と比べてあまりありませんが、カットした状態で冷凍しておくと芽が生えてしまうことはありません。また、カットしたものを冷凍すると調理するときに楽です。やや香りが飛んでしまうデメリットもあります。切ったにんにくは常温・冷蔵保存では傷みが早いので注意です。
薄皮を剥いて1片ずつ冷凍保存したり、薄切りやみじん切りにして冷凍保存することも可能です。1片ずつ冷凍保存したにんにくは前日に冷蔵庫に移して自然解凍、カットして冷凍保存したにんにくは凍ったまま調理に使用することができます。
冷凍保存した場合、約1ヶ月程度の保存が可能です。
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