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グラニテとは?発祥や作り方は?ソルベ・シャーベットとの違いも解説

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グラニテとは?発祥や作り方は?ソルベ・シャーベットとの違いも解説

グラニテはフランス発祥の冷菓の一種です。フランス料理のコース料理で食べたことがあるという方も多いのではないでしょうか。本記事ではグラニテについて詳しく解説します。

グラニテってどんな冷菓?

グラニテ(granité)は、糖度の低いシロップや果汁、リキュールなどを凍らせて作る冷菓の一種です。

英語では「granite」と表記します。英語「granite」の語源はイタリア語の「granito」です。

本来はフランス料理のコース料理の口直しとして出される冷菓を「グラニテ」といっていましたが、現在ではコース料理の最後にデザートとして出される場合も「グラニテ」といいます。冷菓といえばアイスククリームやシャーベットのような甘いものが想像されますが、グラニテは糖度が低いのが特徴です。

原料となる果物の果汁やリキュールなどを凍らせて砕いているため、氷の粒が大きくシャリシャリとした食感です。元々口直しに出される料理の一つであるということから、さっぱりとした味わいです。

グラニテの発祥・由来

グラニテの発祥はフランスで、イタリアのシチリア島発祥の冷菓「グラニータ」を元に作られたといわれています。

グラニータとは、果汁やコーヒーなどにシロップを混ぜて凍らせたものを砕いて作る冷菓です。グラニータと同じく氷の粒が大きくシャリシャリとしています。グラニータはグラニテと比較して糖度が高く、デザートとして食べられることが多い冷菓です。

グラニテは口直し用にグラニータよりも糖度を少なくし、さっぱりとさせた冷菓であると考えられています。

グラニテはフランス語で「ザラザラした」という意味があり、食べたときの氷の舌触りやシャリシャリとした食感が由来になっています。

コース料理でグラニテが出されるタイミング

基本的には魚料理と肉料理の間

フランス料理のコース料理では、まずはじめに前菜が出てきます。その後にブイヨンベースやコンソメベースのスープまたはポタージュが出され、魚料理、肉料理と続き、グラニテは基本的に魚料理と肉料理の間の口直しとして出されることが多いです。

魚料理と肉料理の間グラニテを食べることにより、口の中がリセットされ肉料理をより美味しく食べることができるといわれています。

果汁を使ったさっぱりとした味わいのグラニテを出す店もあれば、シャンパンなどのアルコール類を使った大人な味わいのグラニテを出すお店もあります。

ただし、順番はお店によっても異なりグラニテが出てこないお店や上述したようにデザートとして最後に出すお店もあるので必ずしも魚料理と肉料理の間に出されるというわけではありません。

食べ方

フランス料理のコース料理となると食べるときのテーブルマナーも気になりますよね。

グラニテは基本的に小皿にもられていて、スプーンの金属音をたてないように器の下のほうを片手で抑えて食べるのが基本です。ついつい器を手にもって持ち上げてしまいがちですが、器を浮かせるのはNGです。

スプーンに一口分盛られて出されることもあります。この場合はすっと一口でいただきます。

グラニテは、口の中に入れたら静かに口の中で溶けるのを待ちながら味わい、喉を通します。氷の粒が大きいので噛み砕きたくなりますが、ボリボリと音がなってしまうので噛み砕かないようにしましょう。

グラニテの基本的な作り方

グラニテは家庭でも簡単に作ることができます。本記事ではさっぱりとした味わいを楽しむことができるグレープフルーツのグラニテの作り方を紹介します。

材料(二人分)

  • グレープフルーツの果汁…300cc

  • 水…70cc

  • 砂糖…70g

作り方

  1. 鍋に水と砂糖を入れて加熱しシロップを作る。
  2. シロップを冷ます。
  3. シロップにグレープフルーツの果汁を加えて混ぜ合わせる。
  4. 混ぜ合わせたものをバットに入れて冷凍庫で冷やす。(1時間程)
  5. 全体がある程度固まったら、全体をフォークでかき混ぜる。
  6. 再び冷凍庫に入れて凍らせる。(30分程度)
  7. 5〜6を数回繰り返す。
  8. 全体がみぞれ状になったら完成。

まずはじめに、鍋に水を砂糖を入れて加熱し、シロップを作り冷まします。シロップが完成したらグレープフルーツの果汁を混ぜ合わせてバットに流し入れます。果汁はグレープフルーツを搾ったものでも良いですし、グレープフルーツジュースでもOKです。バットを冷凍庫に入れて1時間ほど冷やします。ある程度全体が固まっていたら、フォークで全体をかき混ぜて再び冷凍庫に入れて30程凍らせます。冷凍庫からだして固めるの工程を繰り返し、お好みの固さになったら完成です。

お好みの味で

グレープフルーツのグラニテの作り方を紹介しましたが、オレンジやいちご、ぶどう、レモンなどその他のフルーツはもちろんのこと、トマトや生姜などの野菜を使って作ることもできる他、コーヒーや紅茶で作ることも可能です。

また、上述したようにシャンパンやワイン、日本酒などアルコールを使って作ることもできますので、お好みの味で作ってみてください。

グラニテの栄養素・カロリー

グラニテに含まれる栄養素は、使われている食材によって異なります。

例えばグレープフルーツのグラニテであれば、三大栄養素と呼ばれる炭水化物・脂質・たんぱく質の他にビタミンB1やビタミンCといったビタミン類やカルシウムなどのミネラル類も含まれています。

グラニテのカロリーは文部科学省の食品データーベースなどにも記載がありませんので詳細は不明ですが、グラニテの元となっているグラニータのカロリーは、(味によっても異なりますが)120〜150kcalといわれています。そのためグラニテもカロリーはグラニータと同じぐらいで、糖度の低いグラニテはグラニータよりも糖質量は少ないと考えられます。

乳製品を使って作るアイスクリームなどの冷菓と比較するとカロリーも糖質量も低いですが、果物の種類によっては糖質量が多くなるのでダイエット中の方は注意してください。

参考:文部科学省日本食品標準成分表2020年版

グラニテと似た冷菓

ソルベ

ソルベは、果汁にリキュールなどのアルコールを混ぜ合わせたシロップを凍らせて作るフランス発祥の冷菓の一種です。果汁ジュースやピューレにシロップを混ぜ合わせたものを原料に作るアルコールを含まないタイプのソルベもあります。

ソルベとグラニテは非常によく似ていて、ソルベもフランス料理のコース料理で口直しとして出されることがありますが、グラニテと比較して糖度が高いためデザートとして食べられることが多いです。また、グラニテよりも口当たりがなめらかです。

シャーベット

シャーベットは果汁に砂糖や香料、牛乳、卵白、ゼラチンなどを混ぜ合わせたものを凍らせて作る冷菓の一種です。

米国では乳脂肪分を1%〜2%含んでいるものを「シャーベット」、乳脂肪分を全く含まないものを「ソルベ」として販売しています。日本で販売されているシャーベットは米国に近く、乳脂肪分が含まれているものが多いです。

シャーベットはアイスクリームやジェラートの原型といわれていて、古くは冷たい飲み物として扱われていました。そのためアラビア語で「飲み物」やジュースを意味する「シャルバト」が由来となって「シャーベット」と呼ばれるようになったといわれています。