グラニータはイタリアのシチリア島発祥の氷菓です。日本ではあまり聞き慣れないと思いますが、イタリアでは日常的に食べられています。本記事ではグラニータについて詳しく解説します。
グラニータはイタリアのシチリア島発祥の氷菓です。
オレンジやレモンの果汁やコーヒーなどにシロップを混ぜて凍らせたものを砕いて作り、ジェラートのような滑らかなものや、かき氷に粒が大きくシャリシャリしたものなど様々な形状があります。スプーンで食べることもあれば、ストローを挿して飲み物として飲むこともあります。
本場シチリアでは、グラニータとブリオッシュを一緒に食べるのが定番です。ブリオッシュとは、バターと卵を配合して作るフランスが発祥の高級菓子パンです。シチリアのブリオッシュは本場フランスよりも柔らかく作られているのが特徴で、グラニータを挟んだりつけて食べることでパン生地がより柔らかくなり甘味を楽しむことができます。
また、シチリアでは朝食時にパンと一緒にコーヒーを飲むのが定番ですが、夏の暑い時期にはコーヒーの代わりにエスプレッソをベースにして作ったグラニータ・ディ・カフェ(エスプレッソグラニータ)や、グラニータ・ディカフェに生クリームを添えたグラニータ・ディ・カフェ・コン・パンナを食べることが多いです。
グラニータはアラブ民族がシチリア島を支配していた9~10世紀頃に、洞窟に保管しておいたシチリアの山に積もった雪とレモンやサトウキビなどを使ってシャーベットを作ったことが起源となって誕生したといわれています。その後ジェラートなどの氷菓が誕生し日本などではジェラートのほうが一般的に食べられるようになりましたが、発祥の地シチリアでは現在でも親しまれ続けています。
グラニータは果汁などにシロップを加えて凍らしたものを砕いて粒状にするという製法や形状から、イタリア語で「粒状の」という意味がある「granire(グラニーレ)」に由来して「グラニータ」と呼ばれるようになりました。
グラニータはさまざまな食材を使って作ることができるので、味の種類が豊富です。どんな味の種類があるのが紹介します。
グラニータの材料に使われるメジャーなものには果汁の多いフルーツや野菜があります。
フルーツではレモンを使ったレモングラニータ、桃を使った桃グラニータ、オレンジを使ったオレンジグラニータなどが定番です。その他にもキウイやパイナップル、りんご、いちじく、いちご、ブルーベリーを使ったグラニータがあり、フルーツの果汁を使ったグラニータはジューシーで甘みが強く小さなお子様をはじめ幅広い年代に好まれます。
野菜では、爽やかな酸味を楽しむことができるトマトのグラニータが人気です。
上述したようにエスプレッソをベースに作るコーヒー「グラニータ・ディ・カフェ(エスプレッソグラニータ)」もグラニータ定番の味です。
エスプレッソに砂糖を入れて作りますが、自宅で作る場合などエスプレッソが作るのが難しい場合は、缶コーヒーやインスタントコーヒーを使って簡単に作ることができます。苦味が苦手な方は生クリームを添えて「グラニータ・ディ・カフェ・コン・パンナ」にしたり、チョコレートシロップを加えて「モカグラニータ」にすると苦味が和らぐのでおすすめです。
また、アールグレイティーやダージリンティー、ハイビスカスティー、ミントティーなどの紅茶を使った味だけではなく香りも楽しめるグラニータもあります。
ピスタチオやアーモンドなどのナッツ類を使ったグラニータもあります。中でも本場シチリアでは、シチリア産のピスタチオを使って作るピスタチオグラニータが定番です。
ピスタチオを使う場合は下茹でしてからミキサーなどで砕き、ペースト状にしてから使いますが、アーモンドはアーモンドミルクを使って作ることも可能です。
大人向けにリキュール類を加えて作るグラニータもあります。南イタリアではカンパーニャ州の名産であるレモンのリキュール「リモンチェッロ」を使ったリモンチェッロのグラニータなどが定番です。
その他にもお好みのリキュール類を使って作ることができます。
グラニータは自宅でも作ることができます。フレーバーによって材料が異なりますが、本記事では「グラニータ・ディ・リモーネ」と呼ばれるレモンを使った本場シチリアの伝統的なグラニータの作り方を紹介します。
レモン汁…150ml
水…150ml
砂糖…70g
まず、沸騰させたお湯の中に砂糖を入れて溶けるまで中火で加熱し、シロップを作ります。砂糖が溶けたら鍋から下ろしてレモン汁を加えます。レモンジュースでもOKです。シロップにレモン汁またはレモンジュースを加えたら、バットに移して冷凍庫で1時間程冷やします。1時間経ったら一度取り出しフォークで混ぜます。混ぜたら冷凍庫に戻し30分程冷やし固めた後、再び取り出してフォークで混ぜます。2回ほど冷凍庫から出す→フォークで混ぜるを繰り返し完全に固まったら、ヘラやフォークで砕いて容器に移せば完成です。
グラニータのカロリーはフレーバーによって異なりますが、およそ120kcal〜150kcalといわれています。例えば上記で紹介したグラニータ・ディ・リモーネは、一人分(約120g)114kcal程です。
ジェラートなどの氷菓とは異なり原料に乳製品を使っていないため比較的カロリーが低いものが多く、ダイエット中の方にもおすすめです。ただし、砂糖を多く使用していたり、生クリームが添えられていたりするとさらにカロリーが高く糖質量も多くなってしまいます。特にエスプレッソをベースに作るコーヒーグラニータは牛乳が入っていたり、トッピングにチョコレートシロップがかかっていたりするのでカロリーが高く糖質量も多くなっていることが多いので注意が必要です。
シチリアのレストランでは定番メニューとして食べることができますが、日本ではジェラートのように一般的に食べることができるお店はなかなかありません。そのため自宅で作って食べるという方が多いです。
まれにロイヤルホストなどのレストランやカフェで夏の期間限定メニューとしてグラニータが登場することがあるので、7月〜8月頃にチェックしてみると良いでしょう。
グラニテは、果汁と糖度の低いシロップを混ぜて作るフランス発祥の氷菓です。
主にフランス料理のフルコースでデザートとして出されることもありますが、基本的には料理間の口直しとして出されます。
グラニテはグラニータを元にして作られたといわれていますが、料理間の口直しのためのスイーツであるためグラニータと比較して甘みが少ないという大きな特徴があります。
食べたときの氷のザラザラとした舌触りからフランス語で「ザラザラとした」という意味のある「グラニテ」と名付けられたといわれています。
かき氷は、削って細かくした氷にシロップをかけた氷菓です。
古くは冬に降った雪を倉庫などで保管しておき、夏に取り出して樹液をかけて食べていたことがかき氷の起源であるといわれています。
かき氷もジェラニータと似ていますが、かき氷は氷を削ったものにシロップをかけているため、予め果汁やシロップで味をつけたものを凍らせて作るグラニータとは製法が異なります。また、かき氷のほうが粒が大きくシャリシャリとした食感があります。
ジェラートは、フルーツの果汁や果肉、牛乳、砂糖などを混ぜた物を凍らせて作る氷菓です。
フィレンツェ発祥で「ジェラート」にはイタリア語で「凍った」という意味があります。本場イタリアでは一般的に食べられていて、グラニータと同じくブリオッシュに挟んだりつけたりして食べられることも多いです。
ジェラートもグラニータと良く似ていますがジェラートは牛乳を加えて作られているため、グラニータのように氷の粒感はなく、ねっとり濃厚に仕上がっています。
スムージーは凍らせた果物や野菜等を使って作るシャーベット状の飲み物です。
スムージは材料の果汁だけではなく、そのままミキサーにいれるので栄養価が高くなるという特徴があり、主に健康を目的として朝食などに飲まれることが多いです。現代では作り方が多様化し材料を凍らせず生のままミキサーに入れて作ることもあり、その場合はシャーベットよりも常温の流動食に近くなります。
グラニータは材料の果汁とシロップを加えたものを凍らせているので、スムージーとは別物です。またグラニータはスプーンで食べることもできますし、飲み物として飲むこともできますが、スムージーをスプーンで食べるということはありません。
フラペチーノは、コーヒーなどに氷を加えてミキサーで撹拌し、フローズン状にした飲み物です。
フラペチーノは「フラッペ」と「カプチーノ」を合わせた造語です。実はスターバックスが名付けたもので、スターバックスが商標登録をうけています。基本的にはコーヒーをベースに作られるものでしたが、最近では果汁と氷を攪拌したものなどのコーヒーを使わないフラペチーノも販売されているので、フラペチーノの定義ははっきりとしていません。
フラペチーノもコーヒーなどで味付けしたものを凍らせているのではなく、氷と一緒にミキサーで撹拌してフローズン状にしているという点でグラニータとは異なります。
フラッペは氷を使った飲み物やスイーツ、お酒の総称です。
フランス語で「冷えた」を意味する「frappe」が由来となって「フラッペ」と呼ばれるようになったといわれています。もともとは食後の一杯に飲まれる砕いたり削ったりした氷にリキュールや果汁、シロップなどを加えた飲み物をフラッペと呼んでいましたが、現在では氷を使った飲み物やスイーツ、お酒の総称として使われており、明確な定義はありません。
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