がんもどきは、豆腐をベースにに野菜やひじきを混ぜ込んで丸め油で揚げたものです。煮物やおでんの具の定番ですよね。がんもどきは煮る以外にも美味しい食べ方があります。本記事ではがんもどきの食べ方について解説します。
豆腐をつぶしたものに山芋や卵などのつなぎになるものを加え、野菜やひじきを混ぜ込んで丸めて油で揚げたものです。
もともとはコンニャクや麩を油で揚げた精進料理で、雁(ガン)と呼ばれるカモ科の鶏肉に味が似ていることから「がんもどき」と呼ばれるようになりました。
関西地域では「飛竜頭(ひりょうず)」または「ひろうす」ともいわれます。飛竜頭の由来には諸説ありますが、小麦粉と卵を混ぜ合わせて油で揚げたポルトガルの伝統菓子「フィリョース」と製造方法が似ていたため、「飛龍頭」や「飛龍子」と漢字を当てて「ひりょうず」や「ひろうす」と呼ばれるようになったといわれています。
豆腐屋では作りたてのがんもを購入することができます。豆腐屋で販売されているがんもどきは、作ってから時間が経っていないためスーパーなどで市販されているがんもどきとはまた違った美味しさがあります。
がんもどきは一度油で揚げてあるので、調理をせずにそのまま食べることができます。
特に自宅で作る場合やお豆腐屋さんで揚げたてのがんもどきを食べる場合は、お好みで醤油や生姜を乗せて食べても美味しいですが、味付けをせずにそのまま食べると素材の美味しさを楽しめます。
店舗によっては揚げたての状態で食べられることもあり、豆腐屋の作りたてのがんもどきは絶品です。ぜひ素材そのものの味を味わってみてください。
最もシンプルな調理法としては表面を軽く焼くという方法があります。表面を焼くことで、外はカリっと香ばしく中はふわっとした柔らかい食感に仕上げることができます。
オーブンやトースターを使う場合は、5分ほど焦げないように様子を見ながら温めます。チーズを乗せて焼いたり、味噌とチーズを乗せてオーブンやトースターで焼くアレンジレシピも人気のようです。
フライパンを使う場合は、油を引いて熱した後に表面がカリカリになるまで焼きます。ごま油を使うとより香ばしい風味が増すのでおすすめです。味つけをせずに食べても美味しいですが、醤油やめんつゆをかけても美味しく食べることができます。
スーパーなどで市販されているがんもどきは、作ってから時間が経っているため、そのままでは味がしないと感じたり美味しくないと感じることが多いです。そのため基本的には調理をして食べます。市販のがんもどきのおすすめの食べ方を紹介します。
がんもどきは醤油やみりん、砂糖で味付けをして甘辛い煮物にすることが多いです。煮物にするとしっかりとがんもどきに味が染み込んでより柔らかくなり、噛めば噛むほど口の中いっぱいにがんもどきの味が広がります。がんもどきだけを含め煮にしたり、煮浸しにするだけでも十分立派なおかずになりますが、その他の野菜と一緒に煮込むのもおすすめです。白だしベースのまろやかな味付けにもよく合います。
上述したように市販のがんもどきは、製造から時間が経ち油が酸化していることが多いです。そのため煮物など味をしっかりと染み込ませる調理をする際は下処理(油抜き)を行いましょう。下処理は、油揚げを下処理するのと同じように沸騰したお湯をがんもどきに回しかけるだけです。
がんもどきは、汁をよく吸うため煮物だけではなくおでんとの相性も抜群です。居酒屋で出るおでんやコンビニのおでんでも定番の具材として入っています。
煮物を作るときのように油抜きをして煮込んでも良いですし、油抜きをせずに表面をパリっと焼いたものをおでんの中に入れても香ばしさが出て美味しいです。
おでんの具として定番のがんもどきですが、おでん以外の鍋の具にもなります。鍋に入れれば主役級の存在感で、かさ増しにもなり、食べごたえも抜群です。
煮物にすることが多いがんもどきは、特に醤油ベースの鍋によく合います。また、意外に思うかもしれませんがトマト鍋など洋風の鍋とも相性◎鍋の具材に迷ったときや、余っているがんもどきがあるときなどぜひ試してみてください。
がんもどきにはにんじんなどの野菜やひじきが入っているため、細かく切ったり崩してお米と一緒に炊くだけで炊き込みご飯の具材になります。
といだお米に水を入れて、油抜きしたがんもどきと醤油やみりんなどの調味料を加えて通常モードで炊くだけで簡単に作ることができます。ごぼうやしめじなどの具材を加えても美味しくできるのでおすすめです。
がんもどきは炒めものにしても美味しく食べることができます。柔らかいですが食べごたえがあるので、お肉がなくてもしっかりとした食べごたえがでます。
野菜炒めを作るときに野菜から水分が出てべちゃっとしてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。野菜炒めにがんもどきを入れると、がんもどきが調味料と一緒に野菜から出た水分を吸い取ってくれるので野菜の水分で野菜炒め全体がべちゃっとしてしまうのを防ぐことができます。
出汁をとって作ったすまし汁にがんもどきを浮かべたり、お味噌汁の具にするなど汁物に入れて食べることもできます。がんもどきを入れることで食べごたえが出るので、ダイエット中で食べる量を調節したいという方にもおすすめです。
市販のがんもどきは上記で紹介した基本的な調理法の他にも様々なアレンジ方法で幅広い食べ方をすることができます。
豆腐を水切りしてひき肉に加えてかさ増しをした豆腐ハンバーグがあるように、がんもどきを細かくしてひき肉に加えて焼けば、ハンバーグにアレンジすることができます。ひき肉の量が少なくてもしっかりとした食べごたえがでるので節約したいときにおすすめです。
豆腐を使うときのように水切りをしなくても、水っぽくなってしまうことがないので簡単に作ることができます。ひじきなどが含まれているので、だいこんおろしなどを添えて和風ハンバーグにするのが良いでしょう。
がんもどきにケチャップを塗り、ミニトマトやピーマン、チーズを乗せて焼けばパリッとした食感が楽しめるピザを作ることができます。
ピザ生地は小麦粉を使っているので糖質量が多いですが、ピザ生地の代わりにがんもどきを使えば糖質量を抑えることができるので、ダイエット中の方にもおすすめです。
様々な具材と相性がよいので様々なアレンジが可能です。ぜひお好みの具材を乗せて試してみてください。
がんもどきをバンズとして使いハンバーガーを作ることもできます。バンズも小麦粉を使って作るので糖質量が多いですが、ピザ生地の代わりにがんもどきを使えば糖質量を抑えることができます。
がんもどきをバンズとして使うときは、がんもどきの両面をこんがり焼いてから使います。両面を焼いたがんもどきを2枚使って、間にハンバーグや野菜を挟めば簡単にがんもどきバーガーの完成です。
大きめのがんもどきを使っても良いですし、小さめのがんもどきを使えば一口サイズのバーガーを作ることができます。
お好み焼きやたこ焼きも小麦粉を使うので糖質量が気になりますが、がんもどきをお好み焼き風やたこやき風にすればダイエット中でも気にすることなく食べることができます。
お好み焼き風やたこ焼き風にするときは、こんがりと焼いたがんもどきにソースとマヨネーズをかけて、お好みで紅生姜や鰹節を乗せて食べます。お酒のおつまみにもぴったりな一品です。
がんもどきを煮物にするときは醤油やみりん、砂糖を使って和風の味付けにすることが多いですが、トマト煮など洋風の味付けにも合います。ちょっと普通の煮物では飽きてしまったなというときは、煮物の味付けを洋風にしてみてはいかがでしょうか。
上述しているようにチーズとの相性も良いので、トマトを煮てチーズをトッピングして食べるのも人気のようです。
市販のがんもどきは煮物にすることが多いですが、煮物となると作るのに時間がかかって大変というイメージがある方も多いかと思います。
煮物にする場合はレンジ調理がおすすめです。耐熱容器にがんもどきと好みの濃さに調節しためんつゆなどの調味料を入れてラップをして加熱するだけで、簡単にしみしみに味が染み込んだ煮物が完成します。
時短になるので、ぱぱっと一品作りたいときにはぜひレンジを使って調理をしてみてください。
がんもどきはスーパーでも手軽に購入することができますが、揚げたてあつあつのがんもどきが食べたい!というときには、手作りがおすすめです。
木綿豆腐…1丁
にんじん…1/4本
芽ひじき…大さじ1/2
サラダ油…適量
卵…1個
片栗粉…大さじ3
塩…小さじ1/2
木綿豆腐は水切りをしておく。
人参はみじん切りにする。
芽ひじきは水で戻して水気を切る。
木綿豆腐は、キッチンペーパーで包んでから耐熱容器に乗せてラップをせずに、レンジ加熱をしたり、おもしを乗せて置いておきしっかりと水切りをしておきます。人参はみじん切りにして芽ひじきは水で戻して水気を切っておきましょう。お好みでしいたけやインゲンのみじん切りを加えてもOKです。
下準備を終えたら、まずボウルに豆腐を入れて細かくなるまで潰し、その後にんじんやひじきなどの具材とつなぎになる卵、片栗粉、塩を加えてよく混ぜます。よく混ざったら、6等分にわけて丸めます。このとき手に油(分量外)を薄くぬってから丸めると丸めやすいです。
生地を丸めたら、160℃まで熱した油で揚げます。油の量は鍋底から2cm程度がちょうど良いです。油の中に投入したら、表面が固まるまで触れないようにしましょう。固まる前に触れてしまうと崩れてしまいます。表面が固まったらひっくり返して4〜5分揚げて完成です。
がんもどき100gに含まれる栄養素は下記の通りです。
たんぱく質…15.3g
脂質…17.8g
炭水化物…1.6g
食物繊維…1.4g
ビタミンE…1.5mg
ビタミンK…43μg
ビタミンB1…0.03mg
ビタミンB2…0.04mg
ナイアシン…0.2mg
ビタミンB6…0.08mg
葉酸 …21μg
パントテン酸…0.2mg
ビオチン…7.6μg
ナトリウム…190mg
カリウム…80mg
カルシウム…270mg
マグネシウム…98mg
リン…200mg
鉄…3.6mg
亜鉛…1.6mg
銅…0.22mg
マンガン…1.3mg
ヨウ素…32μg
セレン…4μg
クロム…8μg
モリブデン…60μg
がんもどきには三大栄養素とよばれるたんぱく質・脂質・炭水化物の他、ビタミンEやビタミンB群などのビタミン類、カリウムなどのミネラル類が含まれています。
がんもどき100gのカロリーは228kcalで、糖質量(炭水化物から食物繊維を引いた値)は0.2gです。糖質量は多くありませんが、油で揚げている食品であるためカロリーは高くなります。1〜2個程度であれば神経質になることはありませんが、ダイエット中の方は食べすぎないように注意しましょう。
出典:厚生労働省日本食品標準成分表2020年版(八訂)
市販のがんもどきの賞味期限は製造元によって異なりますが、製造日から2日〜5日程です。ただし、記載されているのは未開封である場合や正しく保存できていた場合の賞味期限です。開封をしたら記載されている期限を目安に早めに使い切りましょう。
購入後、未開封の状態のがんもどきは、購入した時の袋のまま冷蔵保存してOKです。開封後のがんもどきは、乾燥を防ぐために1個ずつキッチンペーパーとラップで包み、冷蔵用保存袋に入れて保存します。がんもどきは油の回りが早いため、1〜2日以内を目安に食べきるようにしましょう。
消費期限内に食べきれない場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍することで、がんもどきの保存期間は約3週間ほどになります。生のがんもどきと比較すると食感は劣ってしまいますが、味が染み込みやすくなるため、煮物などにはぴったりです。
がんもどきを冷凍する際は、冷凍する前に油抜きを行っておくことで、鮮度を保って長期保存ができ、かつ調理時すぐに使用することができます。
冷凍保存したがんもどきを使う際は、冷蔵庫に移して自然解凍をするかレンジで温めて解凍します。煮物にする際は、そのまま鍋に投入することができます。
がんもどきの正しい保存方法についてはこちらの記事で紹介していますので、参考にしてください。
しんじょうは、エビやカニ、魚の白身などをすりつぶして山芋や卵白などをつなぎに丸めて蒸す、茹でるまたは揚げた日本料理の一つです。
漢字では「真薯」と表記し、「しんじょ」ともいわれます。「薯」は山芋やじゃがいもなどの芋類の総称で、厳密にはつなぎに山芋を使ってなければ「しんじょう」とはいえません。
形はがんもどきに似ていますが、原料が全く異なります。
しんじょうは、がんもどきと同じようにおでんの具にしたり、直接薬味をつけて食べることができます。また、お吸い物の具にすることも多いです。
厚揚げは、厚めに切った豆腐を油で揚げた豆腐料理の一種です。
がんもどきとは異なり、ひじきなど豆腐以外の食材は使われていません。豆腐を厚めに切っているのでしっかりとした噛みごたえがあります。
厚揚げもがんもどきと同じように表面を焼いて醤油などをつけて食べたり、おでんの具、煮物にすることができます。また、厚揚げは炒めものの具材として使われることもあります。
さつま揚げは、魚肉のすり身を成型して油で揚げた料理です。厳密には「揚げかまぼこ」に分類されます。
さつま揚げは元々沖縄県で食べられていた料理で、元は「チキアギ(チキアーギ)」と呼ばれていました。沖縄県からチキアギが薩摩に伝わった際に「つけあげ」と呼ばれるようになり、そこからさらに江戸へ伝わり「薩摩のつけあげ」と呼ばれていたものが省略されて「さつま揚げ」という名称が定着したといわれています。
さつま揚げもがんもどきとは原料が異なりますが、がんもどきと同じように表面を焼いて醤油などをつけて食べたり、おでんの具や煮物にすることができます。
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