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ごぼうがダイエットに不向きな理由。なぜ太る?食べ方の注意点を解説

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ごぼうがダイエットに不向きな理由。なぜ太る?食べ方の注意点を解説

ごぼうはダイエットに不向きな食材として紹介されることが多いです。その理由を解説していきます。また、ごぼうをダイエットに活用するときのポイントも紹介します。

ごぼうがダイエットに不向きと言われる理由

野菜の中で糖質が高い

ごぼう(生)は100gあたり、カロリー(エネルギー量)58kcal・糖質9.7gです。ごぼう1本あたり150gとすると、1本はカロリー87kcal・糖質14.5gです。

よく食卓に並ぶトマトは100gあたりカロリー20kcalで糖質は3.7g、ピーマンは100gあたりカロリー20kcalで糖質は2.8gと低いです。糖質の高いイメージのあるじゃがいもでも100gあたりカロリー59kcalで糖質は8.4gです。カロリーはほぼ同じですが、糖質はごぼうの方が高くなっています。

ごぼうは(野菜の中で)糖質が高いため「糖質制限ダイエット」では避けられる傾向にあります。

ごはんよりカロリー・糖質は低い

とはいえ、ごはん(100g)はカロリー156kcal・糖質35.6gなので、それに比べれば遥かに糖質は低く、食べ過ぎなければ問題ないといえます。

また、血糖値の上がりやすさを示すGI値も、白米は88であるのに対して、ごぼうは45です。ごぼうは低GI値食品に分類されるので、白米やパンをたくさん食べるより健康的でダイエットに向いているともいえます。

GI値とは、炭水化物を摂取した際の血糖値の上昇度を表す値です。GI値が高ければ高いほど食後に高血糖になりやすく身体に負担をかけてしまう他、脂肪が体内に蓄積されやすいといわれています。また、血糖値の上昇は血糖値の急降下に繋がり、空腹を感じやすくなってしまいます。基本的にGI値55以下が低GI食品、56〜69が中程度、70以上は高GI食品といわれます。

ちなみに、主に脂質を制限する「カロリー制限ダイエット」では、ごぼうは油類と比べたらカロリーがかなり低いので、食べても問題ないとされています。

主食の代わりとして食べられない

ごぼうはごはんよりカロリー・糖質が低いからといえ、主食の代わりとして食べるのに適しません。例えば、カリフラワーなどは「カリフラワーライス」という形で、主食の代用品として食べることができ、ダイエッターに重宝されています。

ごぼうは硬く、特有の臭みもあるため、主食として食べるのに向きませんね。そのため、主食・主菜をしっかり食べて、副菜としてもごぼうも食べるとなると、カロリー過多になってしまう可能性があります。

味付けが濃くなりがち

副菜としていただくことが多いごぼうですが、味付けが濃くなりがちなのもダイエットに向かない一つの理由です。

ごぼうは特有の雑味があることから、濃い味付けになりがちです。甘味料を多く使えば、その分カロリーがアップしてしまうので注意しましょう。ごぼうはかき揚げの具としても人気な野菜ですが、油を使えばその分カロリーが上がります。サラダとしていただく場合もドレッシングの砂糖・油に注意が必要です。

ごぼうのダイエット効果のある栄養素

ごぼうは比較的糖質の高い野菜ですが、食べ過ぎに注意すれば、ダイエットに嬉しい効果もあります。

食物繊維

ごぼうには食物繊維が豊富に含まれています。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、ごぼうにはどちらもバランスよく含まれています。多くの野菜は不溶性が多く含まれる特徴があります。

水溶性とは水に溶解する性質を指します。水溶性食物繊維は水に溶けるととろとろ・ネバネバして糖質の消化や吸収を穏やかにする作用があります。

水溶性食物繊維のイヌリンはごぼう以外にもチコリやニンニクに多く含まれています。イヌリンは胃に入るとゼリー状になり糖を包むため、小腸で糖を吸収しにくくする作用があり、他にもビフィズス菌を増やしてお腹の調子を整えたり、血中に含まれる脂肪の吸収抑制と減らす効果もあります。そしてイヌリンは100%が腸内細菌に利用されるのが特徴です。

不溶性とは液体に溶解しない性質を指します。不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。

また、便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。

さらに、食物繊維はお腹の中で膨らむため満足感が高く、先に食べることで他の食事の食べ過ぎを抑えることができます。他にも食物繊維が多いとよく噛むことにつながり、満腹中枢が刺激され、満足感を得やすくなるというメリットもあります。

クロロゲン酸(ポリフェノール)

ごぼうにはクロロゲン酸というポリフェノールが多く含まれています。

クロロゲン酸はコーヒーにも多く含まれている成分で、血糖値や血圧の上昇を抑制する効果があります。クロロゲン酸には糖質を分解する酵素を阻害する働きがあり、これによって糖質の吸収をゆるやかにしているためです。

さらに脂肪燃焼促進の効果もあり、体内にすでに溜まっている脂肪も新しく発生した脂肪も燃焼させてくれます。特にメタボリックシンドロームの原因である肝臓脂肪の燃焼効果が期待され、ダイエットをする際にも注目される成分のひとつです。

アルギニン(アミノ酸)

ごぼうにはアミノ酸の一種であるアルギニンが含まれています。アルギニンは体内のエネルギー産生をサポートします。成長ホルモンの分泌から筋肉増強まで、人間の「活力」に大きく関わっています。ダイエット中に運動をしっかり実施する人には大変重要な栄養素といえます。

サポニン

ごぼうにはサポニンという栄養素も含まれます。サポニンには脂肪の吸収を抑える作用があり、肥満に効果的といわれています。具体的にはブドウ糖と脂肪酸の合体を防ぐことで、余分な脂質が身体に蓄積するのを防ぎます。ダイエット中には積極的に摂りたい栄養素です。

カリウム

カリウムは体内で総量の98%が細胞内液に存在し、細胞外液にあるナトリウム(塩分)とお互いに作用しながら細胞の浸透圧を維持し、どちらか一方の水分量が多くならないように、バランスを調整しています。カリウムには利尿作用があり、塩分を摂り過ぎたときに、排泄する働きがあります。そのため、むくみ予防に繋がります。

カリウムは主に野菜に含まれています。糖質制限ダイエットやケトジェニックダイエットではおかずの食べる量が増え、塩分の摂取量が多くなります。そのため、野菜もしっかり食べるのが大切です。

また、カリウムには筋肉の収縮を調整する作用もあり、心臓機能や筋肉機能を正常に保つことができます。ダイエット中に筋トレを行う人には大変重要な栄養素です。

カルシウム

カルシウムは骨を丈夫にするイメージが強いですが、実はダイエットや美容にも役立つ栄養素の一つです。カルシウムは脂肪の合成を抑え、分解を促進すると言われています。逆に、カルシウム不足になると脂肪が蓄積しやすくなり痩せにくい身体になります。さらに、筋肉をスムーズに動かす作用もありますので、代謝が促進されます。ダイエットの効率をアップさせるために、カルシウム不足にはならないよう摂取しましょう。

マグネシウム

マグネシウムはカルシウムの量を調整し、筋肉の収縮を促します。摂り過ぎたカルシウムが血管壁に貯まるのを防ぎ、動脈硬化を予防する働きもあります。そしてカルシムやリンとともに働き、丈夫な骨や歯をつくります。血液中のマグネシウムが不足すると骨から溶け出して補充されますが、このときカルシウムも一緒に放出されてしまうため骨がもろくなります。ダイエットで運動をする人にとっては丈夫な体も必要となります。

またストレスが生じると、マグネシウムの消費量が増えます。そのためダイエットをしていて疲れているときやイライラしているときはマグネシウムを積極的に摂取しましょう。マグネシウムは過剰に摂取しても腸管からの吸収は抑えられ、余分なものは速やかに排泄されるので食事で摂取している限りは過剰症の恐れはありません。

また、マグネシウムは汗によって失われる成分ですので、運動をするときや夏の時期は積極的に摂取しましょう。

ごぼうのダイエットにおすすめの食べ方

ごぼうばかり食べ過ぎるのはNG

前述した通り、ごぼうは糖質が高い野菜です。ごはんよりカロリー・糖質が低いからといって、ごぼうばかり食べると太ってしまう可能性があります。ごはんやパンなどの炭水化物をがっつり抜いている人は副菜でごぼうをたくさん食べ過ぎないように注意しましょう。

また、食物繊維は適量摂取すれば体によいのですが、食べ過ぎると気持ち悪くなったり、場合によっては便秘や下痢になってしまう場合もあります。

さらに、ごぼうばかり食べて(他の食品を食べなければ)栄養が偏ってしまいます。ごぼうはビタミン・ミネラル類があまり豊富ではありません。ダイエットを成功させるためにもバランスのよい食事を心がけましょう。

ごぼうの1日あたりの摂取量は100g程を目安にするとよいでしょう。

切り方を工夫

ごぼうに含まれる食物繊維のひとつであるリグニンは、切り口に多く発生する性質があります。乱切りなど切り口の表面積を増やすとリグニンが増えるため食物繊維をより多く摂取することができます。

また、細かく切ると、食物繊維が腸を通りやすいというメリットもあります。そもそも食物繊維は消化される食べ物ではないので、大きく切られたものをよく噛まずに食べてしまうと腸の通りが悪くなり、逆に便秘を引き起こしてしまうことがあります。

野菜スープにする

様々な野菜を細かく刻み、野菜スープにするといいでしょう。特におすすめなのがさつまいもなどを入れて、調味料を一切使わないスープです。さつまいもの甘みだけで食べるようにしましょう。そのためにも、ぐつぐつと長時間煮て、食材が柔らかくなるまで煮込んでください。水も少しだけ入れて、あとは野菜から出る水分で食べるようにしましょう。他にもキャベツやレンコンなどを入れてもおいしいです。また、さつまいもではなくトマトや豆類を入れてミネストローネにするのもおすすめです。油も甘味料も使わず、食物繊維がたっぷり摂れるのでダイエットに最高です。

ごぼう茶にする

ごぼう茶は、ごぼうを皮ごと笹がきにして天日干し、焙煎してお茶にしたもので、茶葉は使っていません。ごぼう茶にも、食物繊維のイヌリン・ヘミセルロース・リグニン、またクロロゲン酸やタンニンなどポリフェノール類が豊富に含まれています。またごぼう茶にはカフェインが含まれないため、妊婦さんや授乳中の方も安心して飲めるのが特徴です。